JPH0615313A - 圧延ロールの局部スプレーノズル装置及び局部冷却装置並びに局部冷却方法 - Google Patents

圧延ロールの局部スプレーノズル装置及び局部冷却装置並びに局部冷却方法

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JPH0615313A
JPH0615313A JP17255692A JP17255692A JPH0615313A JP H0615313 A JPH0615313 A JP H0615313A JP 17255692 A JP17255692 A JP 17255692A JP 17255692 A JP17255692 A JP 17255692A JP H0615313 A JPH0615313 A JP H0615313A
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貞和 升田
Kazumi Jiroumaru
和三 治郎丸
Kozo Higaki
浩三 桧垣
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    • B21B27/00Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧延ロールの局部スプレーノズル装置及び局
部冷却装置並びに局部冷却方法において、圧延ロール径
が変化しても冷却能力が変化せず、噴射した冷却液が分
散する範囲を制限でき、圧延ロール冷却用クーラントの
油脂濃度低下を防止でき、圧延ロールの形状不良箇所を
確実にかつ自動的に局部冷却して、圧延材の形状を精度
良く修正できるようにする。 【構成】局部スプレーノズル装置100は、ワークロー
ル1の軸方向の中央部付近と両端部付近の合計3か所に
配置されており、それぞれが、第1の壁体22と、第1
の壁体22の端部に設けられシール度の調整可能なシー
ル部24と、第1の壁体22の内部でスプレー液50を
囲繞する第2の壁体23とを有し、ワークロール1を冷
却後の冷却液を隙間23aを介し下部排液口26より回
収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧延材の形状を改善し
均一な製品を得るため、圧延材の加工発熱による圧延ロ
ールの平坦度不良部分を局部冷却する圧延ロールの局部
スプレーノズル装置及び局部冷却装置並びに局部冷却方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延材、特に薄板の圧延後の形状不良の
原因の1つとして、圧延ロールが圧延材の加工発熱によ
って局部的に膨張し圧延ロール表面の平坦度が劣化する
ことが挙げられる。例えば図8(a)に示すように、圧
延ロール80の表面の一部が圧延材の加工発熱によって
局部的に膨張し図中破線で示すような平坦度不良部分8
1が形成されると、図8(b)に示すように、圧延材9
0はこの圧延ロール80の形状不良箇所81に対応する
位置が局部的に余分に圧延され、形状不良箇所92を生
じる。このような形状不良箇所は圧延材のクォータ部に
生じることが多い。この圧延ロール80の形状不良箇所
81を局部冷却し、この部分を破線82で示されるよう
な状態にすることによって圧延材の形状不良を修正する
ことができる。
【0003】圧延材の入側には通常、圧延ロール全体を
冷却し、また圧延材と圧延ロールとの間を潤滑するため
の圧延ロール冷却用クーラントが設置されるが、これに
加え上記のような局部冷却方法を適用することにより、
圧延材の形状不良を修正して均一な製品を得ることがで
きる。
【0004】上記のように圧延材の平坦度を改善する従
来の技術について説明する。まず、特開昭62−686
12号公報(第1の従来技術)においては、圧延ロール
外周に沿って圧延材出側に設けられた冷却水ジャケット
と圧延ロールとの間に一定の隙間を設け、この一定の隙
間に冷却水を供給することにより、圧延ロールを局部冷
却する方法が開示されている。
【0005】また、特開平2−133107号公報(第
2の従来技術)においては、上記第1の従来技術と同様
に圧延材出側に設けられた冷却水ジャケットと圧延ロー
ルとの間に設けられた一定の隙間に冷却水を供給するこ
とにより圧延ロールを局部冷却し、さらに冷却水ジャケ
ットの上下に真空排気を利用したシール部を設けて冷却
水の漏洩を回避する方法が開示されている。
【0006】また、特開平2−241605号公報(第
3の従来技術)においては、圧延ロール外周に沿って圧
延材出側に設けられる冷却水ジャケットを軸方向に複数
に分割し、分割されたそれぞれの冷却水ジャケットと圧
延ロールとの隙間を可変にし、冷却能力分布を圧延ロー
ルの軸方向に可変にする方法が開示されている。
【0007】しかし、上記第1及び第2の従来技術で
は、冷却ジャケットが圧延ロールの軸方向のほぼ全体を
覆っているために局部冷却効果が小さく、また、圧延ロ
ール径が温度変化や摩耗等により変化した場合、冷却水
ジャケットと圧延ロールとの隙間を一定に保つことが困
難になり、冷却能力が変化しがちであるという問題点が
あった。また、上記第3の従来技術では、構造が複雑に
なり、複数のジャケットを仕切る手段がないためやはり
局部冷却効果が小さく、また圧延ロール径の減少に対応
して隙間を一定に保つことが困難であり、冷却能力が変
化しがちであるるという問題点があった。
【0008】上記のような冷却水ジャケットを利用する
従来技術の問題点に対し、特開昭62−173017号
公報(第4の従来技術)においては、圧延材の出側にノ
ズルを設置し、このノズルから冷却剤を噴射して圧延ロ
ールを局部冷却する方法が開示されている。この方法に
よれば、ノズルから噴射する冷却剤を利用するので、局
部冷却効果が大きくなり、圧延ロール径の変化にも対応
でき、構造も簡単である。尚、ここでは、圧延材の幅方
向位置に応じて、上記局部冷却に加え、さらに誘導加熱
装置を使用した局部加熱が併用されている。
【0009】上記第4の従来技術において、局部冷却用
の冷却剤としては、局部冷却の効果を発揮させるため、
上記圧延冷却用クーラントより温度の低い20℃程度の
温度で、しかも油脂類を混入しない真水が冷却水として
用いられる。一方、通常の圧延材入側に設けられる圧延
ロール冷却用クーラントは、潤滑のため1〜5%の油脂
類が混入されており、この油脂類を十分冷却水に溶解さ
せるために40〜60%の高い温度に保持される。局部
冷却用の冷却剤として真水を用いるのは、20℃程度の
低温では油脂類が水に溶解しないためである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】冷却水ジャケットを用
いた上記第1、第2及び第3の従来技術においては、圧
延ロールを局部冷却する効果が小さく、また圧延ロール
径の変化に対応して冷却水ジャケットと圧延ロールとの
隙間を一定に保つことが困難であり冷却能力が変化しが
ちであるという問題点があった。
【0011】また、第4の従来技術においては、冷却剤
として圧延ロールに噴射された真水が通常の圧延材入側
の圧延ロール冷却用クーラントに混入するとその油脂濃
度を低下させてしまうため、局部冷却用の真水の量を制
限せざるを得なくなり、従って、局部冷却による板材の
形状制御能力が低下するという問題点があった。
【0012】また、噴射された真水は圧延ロールに衝突
した後、圧延ロール上方に広く分散するので、局部冷却
効果が減殺されるという問題があった。
【0013】本発明の目的は、圧延ロール径が変化して
も冷却能力が変化せず、圧延ロールに噴射し衝突した冷
却液が分散する範囲を制限し、局部冷却効果を十分に発
揮できる圧延ロールの局部スプレーノズル装置及び局部
冷却装置並びに局部冷却方法を提供することである。
【0014】また、本発明の他の目的は、圧延ロールに
噴射し衝突した冷却液(一般には冷却水)が通常の圧延
材入側の圧延ロール冷却用クーラントに混入して油脂濃
度を低下させることを防止できる圧延ロールの局部スプ
レーノズル装置及び局部冷却装置並びに局部冷却方法を
提供することである。
【0015】また、本発明のさらに他の目的は、圧延材
の形状不良箇所に対応する圧延ロールの形状不良箇所を
確実にかつ自動的に局部冷却して、圧延材の形状を精度
良く修正できる圧延ロールの局部スプレーノズル装置及
び局部冷却装置並びに局部冷却方法を提供することであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による圧延ロールの局部スプレーノズル装置
は、スプレーノズルから噴射される冷却液のスプレー液
によって圧延ロール表面を局部冷却する圧延ロールの局
部スプレーノズル装置において、前記スプレーノズルか
ら噴射される冷却液のスプレー液を囲繞する第1の壁体
と、前記第1の壁体の前記圧延ロール表面に対面する端
部に設けられ前記第1の壁体端部と前記圧延ロール表面
とをシールするシール手段と、前記第1の壁体に設けら
れ前記圧延ロール表面を局部冷却した冷却液を回収する
冷却液回収手段とを有する。
【0017】好ましくは、さらに、前記第1の壁体の内
部において前記噴射される冷却液のスプレー液を囲繞す
るように設置され前記圧延ロール表面に対面する端部が
前記圧延ロール表面に対し所定の隙間を隔てて位置する
第2の壁体を有し、前記所定の隙間から前記圧延ロール
表面を局部冷却した冷却液を前記冷却液回収手段へ通過
流出させる。
【0018】また、好ましくは、前記シール手段は、前
記第1の壁体の前記圧延ロール表面に対面する端部全周
にわたって閉曲線をなすように設置されている。
【0019】また、好ましくは、前記シール手段は、高
圧ガスを前記圧延ロール表面に対して噴出する複数のノ
ズルを含む。
【0020】また、好ましくは、前記シール手段は、高
圧ガスによって膨張するチューブと、前記チューブに圧
されて前記圧延ロール表面を押しつけるシール部材とを
含む。
【0021】また、上記目的を達成するため、本発明に
よる圧延ロールの局部冷却装置は、少なくとも1つの請
求項1記載の圧延ロールの局部スプレーノズル装置と、
前記局部スプレーノズル装置を前記圧延ロールの軸方向
に移動させる駆動手段と、圧延された圧延材の形状不良
箇所を検出する検出手段と、前記検出手段により検出し
た信号に基づき前記圧延材の形状不良箇所に対応する前
記圧延ロールの位置に前記局部スプレーノズル装置を移
動させるように前記駆動手段を制御する制御手段とを有
する。
【0022】好ましくは、少なくとも板幅のクォータ部
に対応する前記圧延ロールの位置を局部冷却する少なく
とも2つの前記局部スプレーノズル装置を含み、前記駆
動手段は前記2つの局部スプレーノズル装置を前記圧延
ロールの軸方向にそれぞれ独立して移動させるアクチュ
エータを含む。
【0023】また、好ましくは、前記制御手段は、前記
局部スプレーノズル装置を前記圧延ロールの軸方向に周
期的に横行させるように前記駆動手段を制御する。
【0024】また、好ましくは、前記局部スプレーノズ
ル装置は3つ有り、そのうち1つは前記圧延ロール軸方
向の中央部付近を、他の2つは前記圧延ロールの両端部
付近を局部冷却するよう配置されている。
【0025】また、好ましくは、前記局部スプレーノズ
ル装置は、前記圧延ロールの圧延材出側に設置されてい
る。
【0026】また、好ましくは、前記局部スプレーノズ
ル装置は、前記圧延ロールの下側ロールの圧延材出側に
設置されている。
【0027】また、好ましくは、さらに、前記検出手段
からの信号に基づいて前記局部スプレーノズル装置の冷
却量を調整する冷却量調整手段を有する。
【0028】また、上記目的を達成するため、本発明に
よる圧延ロールの局部冷却方法は、油脂を含む圧延ロー
ル冷却用クーラントによって圧延材入側より冷却される
圧延ロールの圧延材出側表面を、冷却スプレーノズルか
ら噴射される冷却用の真水のスプレー液によって局部冷
却する圧延ロールの局部冷却方法において、前記冷却用
の真水のスプレー液を囲繞する第1の壁体と、第1の壁
体端部と前記圧延ロール表面とをシールするシール手段
とを設け、前記シール手段のシール度を調整して前記第
1の壁体より前記冷却用の真水を漏らし、前記圧延ロー
ル冷却用クーラントに混入させることによってその水分
蒸発分を補う。
【0029】
【作用】上記のように構成した本発明においては、スプ
レーノズルから噴射される冷却液のスプレー液により圧
延ロールを局部冷却するので、圧延ロール径が温度変化
や摩耗等により変化しても冷却能力は変化しない。ま
た、冷却液のスプレー液を囲繞する第1の壁体を設ける
ことにより、圧延ロールに噴射し衝突した冷却液が分散
する範囲が制限され、分散した冷却液が通常の圧延ロー
ル冷却用クーラントに混入したり、圧延ロール上方に広
がることが避けられる。また、第1の壁体の圧延ロール
表面に対面する端部にシール手段を設けることにより、
第1の壁体端部と圧延ロール表面とがシールされて第1
の壁体の外部への漏洩が制限され、漏洩した冷却液が圧
延ロール冷却用クーラントへ混入することが制限され
る。さらに、第1の壁体に設けられた冷却液回収手段に
より圧延ロールを局部冷却した冷却液は回収される。
【0030】また、スプレーノズルから噴射される冷却
液のスプレー液を囲繞する第2の壁体を前記第1の壁体
の内部にさらに設け、この第2の壁体の圧延ロール表面
に対面する端部をと圧延ロール表面とに所定の隙間を設
けることにより、圧延ロール表面を局部冷却した冷却液
はこの隙間から前記第1の壁体と第2の壁体との間の空
間に一様にスムーズな流れとなって流出し、第1の壁体
に設けられた冷却液回収手段により回収される。従っ
て、圧延ロールを冷却した後の冷却液がスプレーノズル
から噴出される冷却液のスプレー液に干渉してその形状
に擾乱を与える恐れがなく、確実に圧延ロールを局部冷
却することができる。
【0031】また、前記第1の壁体の端部に設けられた
シール手段が、圧延ロール表面に対面する端部全周にわ
たって閉曲線をなすことにより、第1の壁体端部と圧延
ロール表面とが確実にシールされ、第1の壁体の外部に
漏洩することが制限される。
【0032】また、複数のノズルより圧延ロール表面に
高圧ガスを噴出するシール手段を前記第1の壁体の端部
に設けることによって、非接触の方法でシールが行え、
圧延ロール表面の光沢が変化したり、摩耗したりするこ
とがなく、シール度の調整も可能となる。
【0033】また、高圧ガスによって膨張するチューブ
でシール部材を圧し、このシール部材で圧延ロール表面
を一様に押しつけるシール手段を前記第1の壁体の端部
に設けることによって、均一なシールが可能となり、シ
ール度の調整も可能となる。また、シール度を調整して
冷却液を意図的に洩らし、その洩れ水による上記シール
手段と圧延ロールとの間の潤滑効果も得られる。
【0034】また、局部スプレーノズル装置を圧延ロー
ルの軸方向に駆動する駆動手段を設け、検出手段で検出
した信号に基づいて圧延材の不良箇所に対応する圧延ロ
ールの軸方向位置に上記局部スプレーノズル装置を移動
させるように上記駆動手段を制御手段で制御することに
より、圧延材の不良箇所に対応した圧延ロールの位置を
確実にかつ自動的に局部冷却することができ、圧延材の
平坦度不良を確実に修正することができる。
【0035】また、圧延材の板幅方向のクォータ部の不
良箇所は必ずしも板幅方向中央に対して対称位置にある
とは限らないが、本発明においては、少なくともクォー
タ部を局部冷却する少なくとも2つの局部スプレーノズ
ル装置が、圧延ロールの軸方向にそれぞれ独立して移動
させるアクチュエータを含む駆動手段によって駆動され
ることにより、不良箇所が板幅方向中央に対して非対称
位置にある場合にも確実に局部冷却することができる。
【0036】また、局部スプレーノズル装置を圧延ロー
ルの軸方向に周期的に横行させるように前記駆動手段を
制御手段で制御することにより、不良箇所がある程度広
い場合にも所定の範囲を局部冷却することができる。
【0037】また、圧延ロール軸方向の中央部付近と両
端部付近に合計3つの局部スプレーノズル装置を配置す
ることにより、圧延材の板幅方向の適切な位置を局部冷
却することができる。
【0038】また、局部スプレーノズル装置を圧延ロー
ルの圧延材出側に設置することにより、冷却液は直接圧
延材に付着することがなく、従って、圧延材に冷却液が
残存し発錆することがない。この場合、冷却後の冷却液
が圧延材表面に付着する恐れがあるので、下側ロールを
局部冷却することがより望ましい。
【0039】また、さらに前記検出手段からの信号に基
づいて局部スプレーノズル装置の冷却量を調整する冷却
量調整手段を設けることにより、圧延材の形状不良の程
度に応じて自動的に局部冷却の程度を変更して、確実に
局部冷却することができる。。
【0040】また、第1の壁体の前記圧延ロール表面に
対面する端部に設けられるシール手段のシール度を調整
して冷却用の真水を第1の壁体外部に漏らし、この真水
を通常の圧延材入側に設けられる圧延ロール冷却用クー
ラントに混入させる。これによって圧延ロール冷却用ク
ーラントの水分蒸発分が補われ、圧延ロール冷却用クー
ラントの油脂濃度が一定に保たれる。
【0041】
【実施例】本発明の一実施例による圧延ロールの局部ス
プレーノズル装置及び局部冷却装置並びに局部冷却方法
について、図1〜図4により説明する。本実施例は、4
段圧延機で圧延を行う圧延装置に適用される代表的な例
であって、この圧延装置では板厚0.1〜3.2mm、
板幅600〜1800mmの圧延材が、最大の圧延速度
2000m/mimで圧延される。圧延される材料とし
ては、鉄、非鉄金属等各種のものが適用可能である。
【0042】図1及び図2は、本実施例による圧延ロー
ルの局部冷却装置を示す図である。図1に示すように、
本局部冷却装置は、一対のワークロール1,2とこれを
支持する1対のバックロール3より構成された4段ロー
ルを有する圧延装置に適用されるものであって、3個の
局部スプレーノズル装置100(図2参照)と、冷却水
を供給する系統としての冷却水タンク13、モータ1
4、ポンプ15、バルブ33、配管25aと、シール用
高圧ガスを供給する系統としてのバルブ34、配管3
5,36と、局部スプレーノズル装置100駆動用の圧
油を供給する系統としてのシリンダ16、バルブ16
a、配管16b,16cと、圧延材の不良箇所を検出す
る不良箇所検出器11と、不良箇所検出器11からの検
出信号により上記各系統を制御する制御盤12とにより
構成される。また、本局部冷却装置とは別に、後述する
圧延ロール冷却用クーラントによる通常の圧延ロール冷
却装置200が、圧延材10の入側に設けられている。
【0043】局部スプレーノズル装置100は下側ワー
クロール1の出側に設けられている。この理由は、局部
スプレーノズル装置100をワークロール1,2の入側
または上側ワークロール1の出側に設置すると、圧延材
表面にワークロールを局部冷却後の冷却水が付着し、圧
延材が発錆したり、また圧延材をコイル状に巻いた時に
コイルの層間にすべりを生じ、板表面に疵を付けたりす
る恐れがあるためである。尚、圧延材表面への冷却水の
付着を回避する方策を別途講じる場合、または冷却水の
付着が問題にならない場合には、上側ワークロール1の
出側や、圧延材入側の通常のクーラントによる圧延ロー
ル冷却装置200と併用して圧延材入側にこれを設けて
もよい。
【0044】図2に示すように、本局部冷却装置におい
ては、3個の局部スプレーノズル装置100はワークロ
ール1の軸方向に離間して配置され、そのうち中央部の
ものは固定的に、両端部のものはワークロール1の軸方
向に移動可能に取り付けられている。
【0045】局部スプレーノズル装置100は、各々、
冷却水をスプレー液として噴射する噴射部101(後述
する)、この噴射部101が取り付けられたスライダブ
ロック28、図示しない油圧源に接続されスライダブロ
ック28を圧延方向に進退させるシリンダ28a、及び
スライダブロック28とシリンダ28aを支持するブロ
ック28bを備え、シリンダ28aでスライダブロック
28を進退させて噴射部101とワークロール1との間
隔を調整する構成となっている。
【0046】3つの局部スプレーノズル装置100のう
ち2つの両端部のものは、ブロック28bがワークロー
ル両側の圧延スタンド17間に設けられた2本のガイド
バー18にガイドされ、継手19を介してシリンダ16
に取り付けられている。シリンダ16は配管16cを介
してバルブ16aに接続されており、さらにバルブ16
aは配管16bを介して図示しない油圧源に接続されて
いる。そして、後述するように不良箇所検出器11の検
出値に基づく制御信号12cによってバルブ16aが調
節され、シリンダ16が作動して、ワークロール1の適
正な軸方向位置に局部スプレーノズル装置100を移動
させ、局部冷却を行う。
【0047】上記両端部の2つの局部スプレーノズル装
置100は、おもにクォータ伸びによる形状不良あるい
は耳伸びによる形状不良の修正に使用され、一方、中央
部の局部スプレーノズル装置100はおもに圧延材の中
伸びによる形状不良の修正に使用される。このように、
ワークロール1の軸方向中央部付近と両端部付近の合計
3つの局部スプレーノズル装置100を設置することに
より、板幅方向中央部付近と両端部付近(クォーター
部)に多く発生する形状不良の大部分が修正可能であ
る。尚、実際にはこの中伸びによる形状不良が多少中心
よりずれて発生することもあり、その場合には両端部の
ものと同様にワークロールの軸方向に移動できるように
してもよい。また、必ずしも3つの局部スプレーノズル
装置100を上記のように設置する必要はなく、形状不
良の発生状況に応じて3つ以上設置しても、または3つ
以下設置してもよい。
【0048】図3に、局部スプレーノズル装置100先
端の噴射部101の断面図を示す。噴射部101は、ス
プレーノズル21、第1の壁体22、第2の壁体23、
シール部24、冷却水パイプ25、下部排液口26、及
び排水管27により構成される。スプレーノズル21は
後述するスライダブロック28にねじ込まれることによ
り取り付られており、配管25aに接続された冷却水パ
イプ25より圧送された冷却水がこのスプレーノズル2
1に供給され、スプレー液50として噴射されてワーク
ロール1を局部冷却する。また、スライダブロック28
にはスプレー液50を囲繞するように第2の壁体23が
設置され、さらに第2の壁体23の外側には第1の壁体
22が設置されている。第2の壁体の端部がワークロー
ル1表面とが対面する部分には所定の隙間23aが設け
られており、ワークロール1表面に噴射し衝突た冷却水
は流水層29となり、隙間23aを通って第2の壁体2
3の外側と第1の壁体22との間の空間30に排出され
る。このように第2の壁体23を設けることによって、
ワークロール1を局部冷却した後の冷却水やワークロー
ル1に衝突してはね返った冷却水がスプレー液50に干
渉してスプレー液50の形状に擾乱を与える恐れがな
く、一様にスムーズな流れとなって回収され、スプレー
液50が確実にワークロール1を局部冷却することがで
きる。空間30に流出された冷却水は、第1の壁体外側
下部に設けられた下部排液口26に集められ、排水管2
7より冷却水タンク13(図1参照)に回収される。
【0049】また、第1の壁体22は、冷却水が分散す
る範囲を制限し、分散した冷却水が後述のクーラント液
20に混入したり、ワークロール1上方に広がることを
避けるためのもので、そのワークロール1表面に対面す
る端部全周にわたって閉曲線をなすようにシール部24
が設けられている。このシール部24は中空の導管31
とこの中空の導管31に設けられた多数のノズル32と
から構成され、高圧ガスをノズル32よりワークロール
1に向かって噴出することにより、第1の壁体22端部
とワークロール1表面との間をシールし、第2の壁体2
3より空間30に排出された冷却水が第1の壁体の外部
へ流出することを制限する。この高圧ガスは、図示しな
い高圧ガス供給源から配管35を経て後述するようにバ
ルブ34で調整され、配管36より中空の導管31に供
給され、ノズル32より噴出される。このような高圧ガ
スの噴出を利用する方法によれば、ワークロール1と接
触するシール部材を用いないので、ワークロール1表面
の光沢が変化したり、摩耗したりすることがない。
【0050】図4に、図3の噴射部101をワークロー
ル面上IV−IV方向から見た矢視図を示す。但し、図
中左右の方向がワークロール1の軸方向に一致する。図
4に示すように、スプレーノズル21より噴射する冷却
水によるスプレー液50は、ワークロール1の軸方向と
直交する細長い形態でワークロール1に衝突する。この
スプレー液50を囲繞するように第2の壁体23及び第
1の壁体22が設けられている。また、第1の壁体22
には前述のように多数のノズル32が設けられ、このノ
ズル32から高圧ガスが噴出される。尚、このスプレー
液50の噴射形態は、必ずしも上記のようにワークロー
ル1の軸方向と直交しなくてもよく、ワークロール1の
軸方向に直交する方向に対し多少傾斜させてもよい。
【0051】また、圧延材入側においては、前述したよ
うに圧延ロール冷却用クーラントによる通常の圧延ロー
ル冷却装置200が設置されている。このクーラント液
40はクーラントタンク41に蓄えられていおり、モー
タ42で駆動されるポンプ43により汲み上げられ加圧
される。そしてこのクーラント液40は、バルブ44に
より流量が定められて、ヘッダ45に送られる。ヘッダ
45は、図2に示すように圧延ロールの圧延材10入側
に分割して設置され、それぞれのヘッダ45にはさらに
数個のノズル46が設けられており、このノズル46よ
り圧延ロール10全長に亘ってクーラント液40がスプ
レー噴射され、圧延ロール1,2を冷却する。
【0052】また、クーラント液40には潤滑用に油脂
類が数%含まれており、上記冷却と同時に油脂類による
潤滑も行われる。このクーラント液40の温度は、油脂
類をエマルジョン状態を保つため、40〜60℃と比較
的高温である。このため水分が蒸発しやすく、通常は定
期的に真水が補給される。
【0053】上記のような構成において、圧延材10に
形状不良が発生すると、その形状不良箇所を不良箇所検
出器11で検出し、この検出信号11aを制御盤12に
取り込む。そして、制御盤12からの制御信号12aが
油圧バルブ16aに入力され、図示しないアクチュエー
タより配管16bを介して供給される圧油量が調整さ
れ、この圧油が配管16cからシリンダ15に供給さ
れ、シリンダ15が作動してスプレーノズル21の位置
がワークロール1の平坦度不良部分に対面するように局
部スプレーノズル装置100を移動させる。これによ
り、スプレー液50がワークロール1の平坦度不良部分
に確実に衝突し、この位置を確実に局部冷却する。
【0054】また、制御盤12からの制御信号12bは
バルブ33に入力され、バルブ33が制御されて冷却水
の供給量が調整される。即ち、不良箇所検出器11で検
出された検出値の強度、つまりワークロール1の平坦度
不良の度合いに応じてバルブ33を制御し、モータ14
で駆動されるポンプ15によって冷却水タンク13から
汲み上げ加圧した低温の冷却水の量を調整する。この冷
却水は配管25aを経由して局部スプレーノズル装置1
00に供給され、スプレーノズル21より噴射しワーク
ロールの局部冷却を行う。そして、ワークロール1の平
坦度不良の度合いが大きければ大きい程、このバルブ3
3の制御量、従ってスプレーノズル21より噴射される
冷却水の量が多くなるように調整される。
【0055】また、バルブ34(図1及び図3参照)に
よりシール部24に送られる高圧ガスの供給量を調整す
ることにより、シール度を調整して局部スプレーノズル
装置100の冷却水としての真水の一部を意図的に洩ら
し、圧延材入側に設置された圧延ロール冷却装置200
のクーラント液40に混入させて水分の補給を行う。即
ち、シール部24に送られる高圧ガスの供給量を若干減
少させると、シール度が弱まり、ワークロール1に衝突
した冷却水の一部が第1の壁体より洩れて洩れ水52と
なる。この洩れ水52をクーラントタンク41に回収す
ることにより、間接的にクーラント液40の水分の蒸発
分を補給する。
【0056】本発明においては、このクーラント液40
への水分補給は自動的に行うことも可能である。図1に
示すように、クーラントタンク41内のクーラント液4
0の油脂濃度は油脂濃度検出器47で検出され、この検
出信号12dが制御盤12に取り込まれ、これに基づく
制御信号12cが制御盤12からバルブ34に入力され
る。この制御信号12cによってバルブ34が制御さ
れ、図示しない高圧ガス供給源より配管35を経て供給
されるシール用の高圧ガスの供給量が調整される。この
高圧ガスは配管36を経て導管31に導かれ、第1の壁
体22端部とワークロール1表面との間のシール度が調
整される。そして、第1の壁体22からクーラントタン
ク41への洩れ水52の量が自動的に調整されてクーラ
ント液40が所定の濃度に保たれる。
【0057】以上のように、本実施例によれば、スプレ
ー液50を利用してワークロール1を局部冷却するの
で、ワークロール1の径が温度変化や摩耗等により減少
した場合にも局部冷却効果が減少しない。また、第1の
壁体22を設けるので、冷却水が分散する範囲が制限さ
れ、分散した冷却水がクーラント液40に混入したり、
ワークロール1上方に広がることが避けられる。また、
第1の壁体22のワークロール1表面に対面する端部全
周にわたって閉曲線をなすようにシール部24を設け、
下部排液口26より冷却水を回収するので、冷却水が漏
洩することが制限され、漏洩した冷却水がクーラント液
40に混入することが制限される。
【0058】また、スプレー液50を囲繞する第2の壁
体23を第1の壁体22の内部に設け、ワークロール1
表面に対面する端部に所定の隙間23aを設けるので、
冷却水を隙間23aから空間30に一様にスムーズな流
れとして流出させることができ、冷却水がスプレー液5
0に干渉してスプレー液50の形状に擾乱を与える恐れ
がなく、確実にワークロール1を局部冷却することがで
きる。
【0059】また、シール部24を中空の導管31と多
数のノズル32とで構成し、これに高圧ガスを供給する
非接触の方法で第1の壁体22端部とワークロール1表
面ととの間をシールするので、ワークロール1表面の光
沢が変化したり、摩耗したりすることがなく、シール度
の調整も可能となる。
【0060】また、ワークロール1軸方向の中央部付近
と両端部付近に合計3つの局部スプレーノズル装置10
0を配置し、両端部付近の2つの局部スプレーノズル装
置100を、不良箇所検出器11からの検出に基づく制
御信号12aに基づいて圧延材10の不良箇所に対応す
るワークロール1の軸方向位置に独立したアクチュエー
タによって駆動するので、圧延材10の不良箇所に対応
したワークロール1の位置を確実にかつ自動的に局部冷
却することができ、圧延材10の形状を確実に修正する
ことができる。
【0061】また、局部スプレーノズル装置100を下
側ワークロール1の圧延材10出側に設置するので、冷
却水が直接圧延材に接触することがなく、従って、圧延
材10に冷却水が残存し発錆することがない。
【0062】また、不良箇所検出器11からの検出に基
づく制御信号11bに基づいてバルブ33を制御し冷却
水の量を調整することにより、圧延材10の形状不良の
程度に応じて自動的に局部冷却の程度を変更して、確実
に局部冷却することができる。
【0063】また、クーラント液40の油脂濃度に基づ
いてバルブ34を制御し高圧ガスの量を調整してシール
部24のシール度を調整するので、第1の壁体22から
クーラントタンク41への洩れ水の量が自動的に調整さ
れ、クーラント液40が所定の濃度に保たれる。
【0064】次に、本発明の他の実施例による圧延ロー
ルの局部スプレーノズル装置及び局部冷却装置並びに局
部冷却方法について図5により説明する。本実施例にお
いては、シール部の構成が前述の実施例と異なる。それ
以外の構成や機能は前述の実施例と同様である。
【0065】図5に、本実施例による局部スプレーノズ
ル装置先端の噴射部101Aの詳細断面図を示す。噴射
部101Aの構成は、シール部24Aの構成が異なるこ
と以外は図4に示した噴射部101の構成と同様であ
る。シール部24Aは、第1の壁体22Aのワークロー
ル1に対面する端部に設けられた中空部に、シール部材
37及びチューブ38を収容することにより構成されて
おり、高圧ガスによりチューブ38を膨張させシール部
材37をワークロール1に対し均一に押し付けることに
よって第1の壁体22A端面とワークロール1表面との
間を均一にシールする。この高圧ガスは、前述の実施例
と同様にバルブ39で調整され、パイプ39aよりチュ
ーブ38に供給される。また、制御盤12(図1参照)
からの制御信号12cによりバルブ39を制御してチュ
ーブ38に供給される高圧ガスの供給量を調整し、局部
スプレーノズル装置の冷却水としての真水の一部をシー
ル部材37より意図的に洩らすことにより、前述の実施
例と同様に洩れ水によるクーラントタンク41内のクー
ラント液40の水分補給を行うことができる。さらに、
この洩れ水により、シール部材37とワークロール1と
の間の潤滑効果も得られ、ワークロール1表面の光沢変
化や摩耗を回避できる。
【0066】以上のように、本実施例によれば、シール
部24Aを第1の壁体22Aの中空部分に収容したシー
ル部材37とチューブ38とで構成し、チューブ38を
高圧ガスで膨張させシール部材37をワークロール1に
対し均一に押し付けることによって第1の壁体22B端
面とワークロール1表面との間をシールするので、前述
の実施例と同様に、均一なシールが可能で、シール度の
調整も可能となり、高圧ガスの供給量を調整することに
よって洩れ水によりクーラント液40の油脂濃度を保持
できる。また、この洩れ水によりシール部材37とワー
クロール1との間の潤滑効果も得られ、ワークロール1
表面の光沢変化や摩耗を回避できる。また、これ以外
に、前述した実施利と同様の効果も得られる。
【0067】次に、本発明のさらに他の実施例による圧
延ロールの局部スプレーノズル装置及び局部冷却装置並
びに局部冷却方法について図6により説明する。本実施
例は、局部スプレーノズル装置の噴射部より第2の壁体
が省略されている点において前述の2つの実施例と異な
る。それ以外の構成や機能は前述の実施例と同様であ
る。
【0068】図6に、本実施例による局部スプレーノズ
ル装置の噴射部101Bの断面図を示す。噴射部101
Bにおいては第2の壁体が省略されておりワークロール
1を局部冷却した冷却水は直接第1の壁体22の外側下
部に設けられた下部排液口26に集められ、排水管27
より回収される。この場合は、ワークロール1を局部冷
却した後の冷却水やワークロール1に衝突してはね返っ
た冷却水がスプレー液50に干渉する可能性があるが、
局部冷却する条件があまり厳格でないような場合には本
実施例を適用することができる。
【0069】以上のように、本実施例によれば、局部冷
却する条件があまり厳格でないような場合に前述の2つ
の実施例と同様の効果が得られる。
【0070】次に、本発明のさらに他の実施例による圧
延ロールの局部スプレーノズル装置及び局部冷却装置並
びに局部冷却方法について図7により説明する。本実施
例による局部スプレーノズル装置は、スプレーノズルの
構成,第1の壁体及び第2の壁体の形状が前述の3つの
実施例と異なる。また、局部スプレーノズル装置は固定
式でワークロールの軸方向全体にわたる寸法であり、ワ
ークロールの軸方向に移動しない。これ以外の構成や機
能は前述の実施例と同様である。
【0071】図7に、本実施例による局部スプレーノズ
ル装置のスプレーノズル21Cより噴射されるスプレー
液50Cの状態を示す図であって、図5に相当する図を
示す。尚、この図は図4に相当する図であって、図中左
右の方向がワークロール1の軸方向に一致する。図7に
示すように、噴射されるスプレー液50Cがワークロー
ル1の軸方向と直交する方向に対しある程度傾斜する細
長い噴射形態となるように7個のスプレーノズル21C
が設置されており、それぞれのスプレー液50C全てを
囲繞するように第2の壁体23Cが設けられ、さらにそ
の外側に第1の壁体22Cが設けられている。また、こ
の局部スプレーノズル装置はワークロール1の軸方向に
移動しない固定式であって、第1の壁体22C及び第2
の壁体23Cの幅はワークロール1の幅程度の寸法であ
る。そして、不良箇所検出器11の検出信号に従い、図
1で述べたのと同様の方法でワークロールの平坦度不良
部分に対面するノズルより冷却水を噴射して局所冷却を
行う。このように複数個のスプレーノズル21Cを設け
ることによって、ワークロール1のごく狭い範囲の平坦
度不良部分のみならず、必要に応じてある程度広い範囲
の平坦度不良部分を局部冷却することができる。尚、7
個以外の個数のスプレーノズルを設けてもよいというこ
とは言うまでもない。
【0072】以上のように、本実施例によれば、前述の
3つの実施例同様の効果が得られるだけでなく、必要に
応じてワークロール1のある程度広い範囲の平坦度不良
部分を局部冷却することができる。
【0073】また、上記実施例以外に、局部スプレーノ
ズル装置をワークロールの軸方向に周期的に横行できる
ように駆動することにより、ある程度広い範囲の平坦度
不良部分を局部冷却することもできる。
【0074】尚、本発明が適用される圧延装置として
は、上記それぞれの本実施例に適用されるような、1対
のワークロール1,2とこれを支持する1対のバックロ
ール3より構成される圧延装置の他に、中間ロールがさ
らに1〜2本設けられた5〜6段ロールを有する圧延装
置、または多数の補強ロールを有するクラスタミル等に
適用することもできる。また、上記それぞれの本実施例
では1組の圧延ロールを有する圧延装置に適用されてい
るが、これに限らず、圧延ロールが数組直列に配置され
たタンデム圧延装置に本発明を適用することもできる。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、冷却液のスプレー液に
より冷却するので、圧延ロール径が変化しても冷却能力
が変化しない。また第1の壁体を設けるので、冷却液が
分散する範囲が制限され、分散した冷却液が通常の圧延
ロール冷却用クーラントに混入したり、圧延ロール上方
に広がることが避けられ、圧延ロールを確実に局部冷却
して圧延材の形状を精度良く修正できる。また、第1の
壁体にシール手段を設けるので、冷却液が第1の壁体の
外部へ漏洩して圧延ロール冷却用クーラントへ混入する
ことが制限される。
【0076】また、冷却液のスプレー液を囲繞する第2
の壁体を設け、この端部と圧延ロール表面とに所定の隙
間を設けるので、冷却後の冷却液が噴射される冷却液の
スプレー液に干渉して擾乱を与える恐れがなく、確実に
圧延ロールを局部冷却することができる。
【0077】また、シール手段が、第1の壁体端部全周
にわたって閉曲線をなすので、シールの効果が確実とな
る。
【0078】また、高圧ガスを複数のノズルから圧延ロ
ール表面に噴出させる非接触のシール手段を用いるの
で、圧延ロール表面の光沢が変化したり、摩耗したりす
ることがなく、シール度の調整も可能となる。
【0079】また、高圧ガスで膨張するチューブとこれ
に圧されるシール部材により圧延ロール表面を押しつけ
るシール手段を用いるので、均一なシールが可能で、シ
ール度の調整も可能となる。従って、洩れ水により押し
付け部の潤滑効果も得られる。
【0080】また、少なくとも1つの局部スプレーノズ
ル装置を駆動手段によって駆動し、検出手段で検出した
信号に基づく圧延ロールの位置に移動させるので、圧延
材の不良箇所に対応した圧延ロールの位置を確実にかつ
自動的に局部冷却することができる。
【0081】また、少なくともクォータ部に設置される
少なくとも2つの局部スプレーノズル装置をそれぞれ独
立して駆動するので、不良箇所が板幅方向中央に対して
非対称位置にある場合にも確実に局部冷却することがで
きる。
【0082】また、局部スプレーノズル装置を圧延ロー
ルの軸方向に周期的に横行させるように駆動するので、
所定の範囲を局部冷却することができる。
【0083】また、圧延ロール軸方向の中央部付近と両
端部付近に合計3つの局部スプレーノズル装置を配置す
るので、圧延材の板幅方向の適切な位置を局部冷却する
ことができる。
【0084】また、局部スプレーノズル装置を下側ロー
ルの圧延材出側に設置するので、冷却液が直接圧延材に
付着せず、圧延材が発錆することがない。
【0085】また、検出手段からの信号に基づいて局部
スプレーノズル装置の冷却量を調整するので、圧延材の
形状不良の程度に応じて自動的に局部冷却の程度を変更
することができる。
【0086】また、シール度を調整して冷却液を漏ら
し、圧延ロール冷却用クーラントに混入させるので、ク
ーラント液の油脂濃度が一定に保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による圧延ロールの局部冷却
装置及び局部冷却方法を示す図である。
【図2】図1に示した圧延ロールの局部冷却装置をII
−II方向から見た図である。
【図3】本発明の一実施例による圧延ロールの局部スプ
レーノズル装置の噴射部を示す断面図である。
【図4】図3に示した局部スプレーノズル装置の噴射部
を圧延ロール面上IV−IV方向から見た矢視図であ
る。
【図5】本発明の他の実施例による圧延ロールの局部ス
プレーノズル装置の噴射部を示す断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例による圧延ロールの
局部スプレーノズル装置の噴射部を示す断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例による圧延ロールの
局部スプレーノズル装置のスプレーノズルより噴射され
るスプレー液の状態を示す図であって、図5に相当する
図である。
【図8】(a)は圧延ロールの平坦度不良を説明する断
面図であり、(b)は圧延材の形状不良を説明する図で
ある。
【符号の説明】
1,2 ワークロール 3 バックロール 10 圧延材 11 不良箇所検出器(検出手段) 12 制御盤 12a,12b,12c,12d 制御信号 13 冷却水タンク 16 シリンダ(駆動手段) 16a バルブ(制御手段) 18 ガイドバー 21,21C スプレーノズル 22 第1の壁体 23 第2の壁体 23a 隙間 24,24A シール部 26 下部排液口 27 配水管 28 スライダブロック 29 流水層 30 空間 31 中空の導管 32 ノズル 33 バルブ(冷却量調整手段) 34 バルブ 37 シール部材 38 チューブ 40 クーラント液 41 クーラントタンク 45 ヘッダ 46 ノズル 47 油脂濃度検出器 50,50C スプレー液 52 洩れ水 100 局部スプレーノズル装置 101,101A,101B, 噴射部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 升田 貞和 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 治郎丸 和三 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 桧垣 浩三 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプレーノズルから噴射される冷却液の
    スプレー液によって圧延ロール表面を局部冷却する圧延
    ロールの局部スプレーノズル装置において、前記スプレ
    ーノズルから噴射される冷却液のスプレー液を囲繞する
    第1の壁体と、前記第1の壁体の前記圧延ロール表面に
    対面する端部に設けられ前記第1の壁体端部と前記圧延
    ロール表面とをシールするシール手段と、前記第1の壁
    体に設けられ前記圧延ロール表面を局部冷却した冷却液
    を回収する冷却液回収手段とを有することを特徴とする
    圧延ロールの局部スプレーノズル装置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記第1の壁体の内部において
    前記噴射される冷却液のスプレー液を囲繞するように設
    置され前記圧延ロール表面に対面する端部が前記圧延ロ
    ール表面に対し所定の隙間を隔てて位置する第2の壁体
    を有し、前記所定の隙間から前記圧延ロール表面を局部
    冷却した冷却液を前記冷却液回収手段へ通過流出させる
    ことを特徴とする請求項1記載の圧延ロールの局部スプ
    レーノズル装置。
  3. 【請求項3】 前記シール手段は、前記第1の壁体の前
    記圧延ロール表面に対面する端部全周にわたって閉曲線
    をなすように設置されていることを特徴とする請求項1
    記載の圧延ロールの局部スプレーノズル装置。
  4. 【請求項4】 前記シール手段は、高圧ガスを前記圧延
    ロール表面に対して噴出する複数のノズルを含むことを
    特徴とする請求項1または2記載の圧延ロールの局部ス
    プレーノズル装置。
  5. 【請求項5】 前記シール手段は、高圧ガスによって膨
    張するチューブと、前記チューブに圧されて前記圧延ロ
    ール表面を押しつけるシール部材とを含むことを特徴と
    する請求項1または2記載の圧延ロールの局部スプレー
    ノズル装置。
  6. 【請求項6】 少なくとも1つの請求項1記載の圧延ロ
    ールの局部スプレーノズル装置と、前記局部スプレーノ
    ズル装置を前記圧延ロールの軸方向に移動させる駆動手
    段と、圧延された圧延材の形状不良箇所を検出する検出
    手段と、前記検出手段により検出した信号に基づき前記
    圧延材の形状不良箇所に対応する前記圧延ロールの位置
    に前記局部スプレーノズル装置を移動させるように前記
    駆動手段を制御する制御手段とを有することを特徴とす
    る圧延ロールの局部冷却装置。
  7. 【請求項7】 少なくとも板幅のクォータ部に対応する
    前記圧延ロールの位置を局部冷却する少なくとも2つの
    前記局部スプレーノズル装置を含み、前記駆動手段は前
    記2つの局部スプレーノズル装置を前記圧延ロールの軸
    方向にそれぞれ独立して移動させるアクチュエータを含
    むことを特徴とする請求項6記載の圧延ロールの局部冷
    却装置。
  8. 【請求項8】 前記制御手段は、前記局部スプレーノズ
    ル装置を前記圧延ロールの軸方向に周期的に横行させる
    ように前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項
    6記載の圧延ロールの局部冷却装置。
  9. 【請求項9】 前記局部スプレーノズル装置は3つ有
    り、そのうち1つは前記圧延ロール軸方向の中央部付近
    を、他の2つは前記圧延ロールの両端部付近を局部冷却
    するよう配置されていることを特徴とする請求項6記載
    の圧延ロールの局部冷却装置。
  10. 【請求項10】 前記局部スプレーノズル装置は、前記
    圧延ロールの圧延材出側に設置されていることを特徴と
    する請求項6記載の圧延ロールの局部冷却装置。
  11. 【請求項11】 前記局部スプレーノズル装置は、前記
    圧延ロールの下側ロールの圧延材出側に設置されている
    ことを特徴とする請求項9記載の圧延ロールの局部冷却
    装置。
  12. 【請求項12】 さらに、前記局部スプレーノズル装置
    の冷却量を調整する冷却量調整手段を有することを特徴
    とする請求項6記載の圧延ロールの局部冷却装置。
  13. 【請求項13】 油脂を含む圧延ロール冷却用クーラン
    トによって圧延材入側より冷却される圧延ロールの圧延
    材出側表面を、冷却スプレーノズルから噴射される冷却
    用の真水のスプレー液によって局部冷却する圧延ロール
    の局部冷却方法において、前記冷却用の真水のスプレー
    液を囲繞する第1の壁体と、第1の壁体端部と前記圧延
    ロール表面とをシールするシール手段とを設け、前記シ
    ール手段のシール度を調整して前記第1の壁体より前記
    冷却用の真水を漏らし、前記圧延ロール冷却用クーラン
    トに混入させることによってその水分蒸発分を補うこと
    を特徴とする圧延ロールの局部冷却方法。
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