JPH06143336A - 多層射出成形体及びその製造法 - Google Patents

多層射出成形体及びその製造法

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JPH06143336A
JPH06143336A JP30376192A JP30376192A JPH06143336A JP H06143336 A JPH06143336 A JP H06143336A JP 30376192 A JP30376192 A JP 30376192A JP 30376192 A JP30376192 A JP 30376192A JP H06143336 A JPH06143336 A JP H06143336A
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styrene
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propylene
molded
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JP30376192A
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Yoshihiro Noguchi
義宏 野口
Takashi Niimi
隆司 新美
Mitsuhiro Murayama
三弘 村山
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 柔らかい感触を備え、軽量化された多層射出
成形体及びその製造法の提供。 【構成】 内部にインサートされた中空の金属部品2と
オレフィン系又はスチレン系熱可塑性エラストマー層4
の表面を有し、それらの間に硬質の射出成形プロピレン
系樹脂層2が介在して積層されていることを特徴とす
る、多層射出成形体及びその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔らかい感触を備え、
軽量化された、家具、日用雑貨品、航空機・船舶・自動
車等の輸送機器における内装部品、ステアリングホイー
ル、ハンドル、ノブ、グリップ等に用いることができる
内部に中空の金属部品をインサートした多層射出成形体
及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、表面が柔らかい感触を備え、軽量
化されている積層体、例えば、ステアリングホイールに
は、インサートされた直径9〜10mmの金属芯の周り
をポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニール(PV
C)、発泡ポリウレタン(ウレタンインテグラルスキン
フォーム)等の比較的硬質の合成樹脂材料で被覆された
ものが用いられてきた。しかし、近年では、安全性及び
握ったときの感触の向上、更に、操作性の向上といった
観点から、軟質のステアリングホイールが要求されるよ
うになってきた。また、エアーバッグ等の装備に伴いス
テアリングホイールの軽量化が注目されるようになって
きた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の技術では全ての点でこれらの要求が満たされる軽
量化された軟質のステアリングホイールを提供すること
はできなかった。即ち、例えば、前記のウレタンインテ
グラルスキンフォームを用いたものは、グリップ操作時
に金属芯と表面軟質材との間が剥離してしまうといった
問題がある。また、ウレタン発泡時のフロンガスによる
環境破壊の問題もある。その上、成形サイクルが長く、
歩留りが悪いなどの欠点によりコストや量産性に難点が
あり、更に、得られる製品は十分に軽量化されていない
といった種々の問題があった。また、金属芯に熱硬化型
の接着剤を塗布し、その外表面にPVC、ポリウレタン
等の軟質層を形成したものもあるが、接着作業工程にお
ける洗浄、接着剤の塗布、キュアー等が煩雑であって、
量産性に難点があった。しかも、握り感覚においても十
分改善されず、かつ、軽量化も不満足なものであるとい
った問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
〔発明の概要〕本発明者等は、上記課題を解決するため
に種々研究を重ねた結果、金属部品の表面を柔らかい軟
質材料で被覆した金属インサート成形体を成形するに当
たって、中空の金属部品及び特定の軟質材料を用い、か
つ、それらの中空の金属部品と表面の軟質材料との間に
特定の硬質樹脂層を介在させることにより、表面が柔ら
かい感触を与え、ハンドル操作性に優れ、かつ、接着剤
を用いなくても硬質樹脂材料が軟質材料と中空の金属部
品とを強固に固着させることができるので、グリップ操
作時にも剥離現象が起きないこと、更に、中空の金属部
品を使用することにより、また、その一部を硬質樹脂材
料層で代替しているので、ステアリングホイールを十分
に軽量化することができるとの知見に基づき本発明を完
成するに至ったものである。
【0005】即ち、本発明は、「内部にインサートされ
た中空の金属部品とオレフィン系又はスチレン系熱可塑
性エラストマー層の表面を有し、それらの間に硬質の射
出成形プロピレン系樹脂層が介在して積層されているこ
とを特徴とする、多層射出成形体」である。
【0006】また、もう一つの本発明は、「金型内に中
空の金属部品をインサートした後、該金型内に硬質のプ
ロピレン系樹脂を射出成形して前記金属部品を硬質のプ
ロピレン系樹脂にて被覆し、次いで、該プロピレン系樹
脂表面にオレフィン系又はスチレン系熱可塑性エラスト
マーを射出成形して被覆することを特徴とする、多層射
出成形体の製造法」である。
【0007】〔発明の具体的説明〕 〔1〕多層射出成形体 (1)構成材料 (a)中空の金属部品 本発明の多層射出成形体の内部にインサートされる中空
の金属部品としては、鉄、アルミニウム、ステンレスス
チール等種々の金属が挙げられるが、特に、ステアリン
グホイールの場合は普通鋼の一種の高張力鋼(引張強度
が35Kg/mm2以上)を中空パイプ状に加工したものが
好ましい。パイプは外径が4〜17mm程度が、強度及
びハンドル操作性の点で好ましい。
【0008】(b)プロピレン系樹脂 本発明の多層射出成形体において上記中空の金属部品と
オレフィン系又はスチレン系熱可塑性TPE層との中間
層として使用されるプロピレン系樹脂としては、プロピ
レン単独重合体、又は、プロピレンを主成分とする他の
αーオレフィン、芳香族ビニル単量体、不飽和カルボン
酸又はその誘導体、ビニルエステル等重合性単量体との
ランダム、ブロック又はグラフト共重合体等が挙げられ
る。
【0009】また、これらの重合体にガラス繊維、カー
ボン繊維、チタン酸カリウム繊維、金属ウィスカー、タ
ルク、マイカ等の無機フィラーや、ポリフェニレンエー
テル樹脂、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂等
のエンジニアリング樹脂を配合して、JIS−K720
3による弾性率を3,000〜170,000Kg/c
m2 、好ましくは40,000〜120,000Kg/cm
2 に調整したプロピレン系樹脂を好適に使用することが
できる。このとき、エンジニアリング樹脂の好ましい配
合量は5〜50重量%である。また、この様な物性を有
するものであれば、種々の付加的成分を配合したプロピ
レン系樹脂であってもよい。
【0010】(c)オレフィン系又はスチレン系熱可塑
性エラストマー また、本発明の多層射出成形体にて用いられるオレフィ
ン系又はスチレン系熱可塑性エラストマー(以下、単に
「TPE」と略記する。)としては、次の様なものを挙
げることができる。
【0011】オレフィン系TPE オレフィン系TPEとしては、ポリプロピレン、ポリエ
チレン等のオレフィン系樹脂とエチレン・プロピレン系
ゴム(EPR)、エチレン・ブテン系ゴム(EBR)等
のオレフィン系ゴムとのブレンド物等であり、具体的に
は、三菱油化社製「サーモラン」、三井石油化学工業社
製「ミラストマー」、住友化学社製「住友TPE」、日
本モンサント社製「サントプレン」等を挙げることがで
きる。
【0012】スチレン系TPE スチレン系TPEとしては、スチレン・ブタジエンブロ
ック共重合体、スチレン・イソプレンブロック共重合
体、これら共重合体の水素添加誘導体(スチレン・エチ
レン・ブチレン・スチレン共重合体、スチレン・エチレ
ン・プロピレン・スチレン共重合体)を配合成分として
含むエラストマー等であり、具体的には、三菱油化社製
「ラバロン」、住友化学社製「住友TPEーSB」、ア
ロン化成社製「エラストマーAR」、旭化成工業社製
「タフテック」等を挙げることができる。
【0013】この様なTPEとしては、上記TPEをそ
のまま、或いは、該TPEを発泡させたものを使用する
ことができるが、成形加工性及び柔らかい感触の点から
JIS−K6301のA硬度で好ましくは10〜80、
特に好ましくは20から60のものが良い。また、この
様な物性を有するものであれば、種々の付加的成分を配
合したTPEであってもよい。
【0014】(d)任意の構成材料 上記(a)〜(c)の必須の構成材料の外に、任意の構
成材料として意匠性や握り感触性、操作性等の向上を目
的に、下記の塗装層形成用材料及び/又はレザー層形成
用材料を用いることが好ましい。
【0015】塗装層形成用材料 上記塗装層を形成する際に使用される材料としては、プ
ライマー及び塗料がある。該プライマーとしては、具体
的には、日本油脂社製「プライマック1100」、坂井
化学社製「MEX−5440」等を例示することができ
る。また、塗料としては、具体的には、長島塗料社製
「サンコートグレースV」、坂井化学社製「MEX−6
047」等を例示することができる。
【0016】レザー層形成用材料 レザー層を形成する際に使用される材料としては、天然
又は人工のレザーがあり、具体的には、厚さが1mm前
後の牛革(ステア、カウ、キップ、カーフ等)、羊革等
の天然レザーや、塩化ビニール樹脂製合成レザー、ポリ
ウレタン製合成レザー等の人工レザーを例示することが
できる。
【0017】(2)構 造 (a)必須の構成層 本発明の多層射出成形体、例えば、ステアリングホイー
ルは、基本的に上記(a)〜(c)の必須の構成材料か
らなるものであるが、必要により上記(d)の任意の構
成材料で塗装又は被覆されたものである。
【0018】即ち、本発明の多層射出成形体、例えば、
ステアリングホイール1は、全体構造は図1に示すよう
なものであるが、その内部構造は、図2に示すように、
外径12mmで内径8mmに加工された中空の金属芯2
が内部にインサートされており、その外側に射出成形に
よって被覆された肉厚2〜10mm、好ましくは3〜8
mmのプロピレン系樹脂層(硬質層)3が形成され、そ
して、そのプロピレン系樹脂層の外側に、射出成形によ
って被覆された肉厚3〜10mm、好ましくは4〜8m
mのオレフィン系又はスチレン系熱可塑性エラストマー
層(軟質層)4が形成されたものである。
【0019】(b)任意の構成層 この様な構造の多層射出成形体、例えば、ステアリング
ホイール1の表面には、必要により、図2に示すよう
な、プライマー層及び/又は塗膜よりなる塗装層5、或
いは、厚さが1mm前後のレザー層5を形成することに
よって、より一層の意匠性や握り感触性、操作性を向上
させることができる。
【0020】〔II〕多層射出成形体の製造 (1)製造工程 本発明の多層射出成形体の製造は種々の方法によって製
造することができるが、中でも、次の第1工程及び第2
工程を経ることによって製造することが好ましい。
【0021】(a)第1工程 インサートされるべき中空の金属部品を金型内に固定
し、この金型内に硬質のプロピレン系樹脂を射出成形す
ることにより、該プロピレン系樹脂層の肉厚が2〜10
mm、好ましくは3〜8mmとなるように金属部品の表
面を被覆する。
【0022】(b)第2工程 次に、上記第1工程で得られた成形体を、別の金型内に
移して固定し、再度、軟質のオレフィン系又はスチレン
系TPEを射出成形することにより、オレフィン系又は
スチレン系TPEの肉厚が3〜10mm、好ましくは4
〜8mmとなるように該プロピレン系樹脂の表面を被覆
する。
【0023】(2)製造条件 前記第1工程及び第2工程の射出成形の際に使用される
射出成形機としては、一般に使用されているインライン
スクリュウタイプのもの等を挙げることができる。代表
的な射出成形条件としては、以下の表1に示す通りであ
る。
【0024】
【表1】
【0025】射出成形において、前記TPE層を発泡さ
せることは、これによって更に柔らかい感触性に優れた
成形体を得ることができるので、有効な手段である。該
発泡は、物理発泡剤又は化学発泡剤を用いて常法で1.
2〜2倍程度の体積となるように行えばよい。
【0026】(3)塗装工程・レザー被覆工程 前記第1工程及び第2工程で得られた成形体の表面に、
更に塗装層及び/又はレザー被覆層を形成させることが
好ましい。
【0027】塗装工程 ここでの塗装は、一般にプライマー処理後に塗料を塗布
して為される。塗装方法は、前記のプライマー及び塗料
を使用して、常法、通常はスプレーによって為される。
【0028】レザー被覆工程 レザー被覆層の形成は、一般に該成形体の一部又は全体
に接着剤又は粘着剤を塗布したレザーを被覆させた後、
図6に示すように、その継ぎ目を縫製して縫製部8を形
成させることによって仕上げられる。
【0029】
【実施例】本発明の多層射出成形体及びその製造法につ
いて更に説明するために以下に実施例及び比較例を挙げ
て発明を具体的に説明する。なお、例中に用いた原材料
及び得られた射出成形体の評価法は以下に示す通りであ
る。
【0030】(1)原材料 (a)金属部品 中空の金属部品として、外径12mmで内径8mmの中
空パイプ状に加工された高張力鋼を用いた。
【0031】(b)プロピレン系樹脂P−1 : 三菱油化社製「三菱ポリプロMA3」(M
FR11g/10分、密度0.90g/cm3 )に直径
10μm、長さ3mmのガラス繊維を40重量%及び無
水マレイン酸変性ポリプロピレンを10重量%配合して
造粒機にて230℃で混練された組成物(MFR5g/
10分、密度1.21g/cm3 、JIS−K7203
による曲げ弾性率80,000Kg/cm2 )。
【0032】P−2 : 三菱油化社製「三菱ポリプロ
BC3B」(MFR9g/10分、密度0.90g/c
3 )に日本ポリエーテル社製のポリ2,6−ジメチル
−1,4−フェニレンエーテル(30℃におけるクロロ
ホルム中で測定した固有粘度が0.3dl/gのもの)
25重量%及び直径10μm、長さ3mmのガラス繊維
を40重量%配合して造粒機にて250℃で混練された
組成物(MFR6g/10分、密度1.30g/c
3 、曲げ弾性率110,000Kg/cm2 )。
【0033】(c)オレフィン系又はスチレン系熱可塑
性エラストマー TPS−1 : スチレン系TPE、三菱油化社製「ラ
バロンT−331C」(密度0.9g/cm3 、JIS
−A硬度28)。 TPS−2 : スチレン系TPE、三菱油化社製「ラ
バロンMJ−4300C」(密度0.9g/cm3 、J
IS−A硬度45)。 TPO−1 : オレフィン系TPE、三菱油化社製
「サーモラン3551」(密度0.9g/cm3 、JI
S−A硬度55)。
【0034】(2)評価法グリップ空転テスト 図3に示す測定装置を使用し、図4に示すステアリング
ホイール1の斜線で示す部位1a、1b、1cを、図5
(a)及び(b)に示す押工具を用いて四方よりクラン
プし、荷重付加加速5〜10秒/90度で回転させて3
5Kgのトルクをかけた。その後、トルクを排除した際
に、グリップが元の状態に戻るものを良好として○と
し、元の状態に戻らないものを不良×とした。
【0035】握り感触テスト パネラー86名(男性46人、女性40人、年齢19〜
52才)のモニターテストにおいて、得られた成形体を
軽く握ったときに、手に馴染み易く、適度の弾力性があ
ると判断できるものを良好とする基準で、80%以上の
人が良好と判断した場合に限り本発明のステアリングホ
イール性能を満足するものとして○とし、それ以外を×
とした。
【0036】ハンドル操作性テスト 上記握り感触テストと同様の人員構成のモニターテスト
において、実際のハンドル操作においてハンドルを強く
握ったときに、底着きせずに適当な反発力が有り、しっ
かり感が有ると感じられるものを良好とする基準で、8
0%以上の人が良好と判断した場合に限り本発明のステ
アリングホイール性能を満足するものとして○とし、そ
れ以外を×とした。
【0037】実施例1第1工程 外径12mmで内径8mmの中空パイプ状に加工された
高張力鋼の中空金属部品をキャビティ内径22mmの金
型内に装着し、次いで、硬質プロピレン系樹脂(P−
2)を射出成形して、この中空金属部品の表面を肉厚が
5mmの該樹脂で被覆した。この時の射出成形条件は、
成形温度220℃、射出圧力700Kg/cm 2 、金型温度
30℃、冷却時間30秒であった。
【0038】第2工程 得られた成形体をキャビティ内径30mmの金型内に装
着し、次いで、スチレン系TPE(TPS−1)を射出
成形して、該硬質プロピレン系樹脂層の表面を肉厚が4
mmの該スチレン系TPEで被覆した。この時の射出成
形条件は、成形温度220℃、射出圧力650Kg/c
m2 、金型温度30℃、冷却時間50秒であった。
【0039】レザー被覆工程 得られた成形体を、平均肉厚1mmの牛革の天然皮革で
図6に示す形状となるように被覆縫製した。
【0040】評 価 この様にして得られたステアリングホイールの製品性能
について、グリップ空転テスト、握り感触テスト、ハン
ドル操作性テストの3項目の性能評価を行い、その結果
を表2に示す。
【0041】実施例2第1工程 実施例1の第1工程において、金型をキャビティ内径2
0mmの金型にし、かつ、硬質プロピレン系樹脂(P−
2)の代わりに同(P−1)を用いて肉厚4mmで被覆
した以外は同様にして行った。第2工程 実施例1の第2工程において、スチレン系TPE(TP
S−1)の代わりに同(TPS−2)を用いて肉厚5m
mで被覆した以外は同様にして行った。レザー被覆工程 実施例1の同工程と同様にして行った。評 価 実施例1の同工程と同様にして行った。結果を表2に示
す。
【0042】実施例3第1工程 実施例2の第1工程と同様にして行った。第2工程 実施例2の第2工程において、スチレン系TPE(TP
S−2)の代わりにオレフィン系TPE(TPO−1)
を用いた以外は同様にして行った。レザー被覆工程 実施例2の同工程と同様にして行った。評 価 実施例2の同工程と同様にして行った。結果を表2に示
す。
【0043】実施例4第1工程 実施例2の第1工程と同様にして行った。第2工程 得られた成形体をキャビティ内径30mmの金型内に装
着し、次いで、スチレン系TPE(TPS−2)95重
量部及び発泡剤として三菱油化社製「ファインブローS
20N」5重量部をブレンドした材料を用いて射出成形
し、1.3倍に発泡させながら肉厚5mmで被覆した。
この時の射出成形条件は、成形温度220℃、射出圧力
は一次20Kg/cm2 、二次15Kg/cm2 と低圧にし、金
型温度30℃、冷却時間80秒の発泡ショートショット
法であった。レザー被覆工程 実施例2の同工程と同様にして行った。評 価 実施例2の同工程と同様にして行った。結果を表2に示
す。
【0044】実施例5第1工程 実施例2の第1工程と同様にして行った。第2工程 実施例2の第2工程と同様にして行った。塗装工程 得られた成形体の表面を、次の条件で塗装仕上げした。 前処理 :イソプロピルアルコールにてワイピング プライマー:坂井化学社製「MEX−5440」 :シンナー メチルエチルケトン(MEK) :肉厚 7μm 乾 燥 :温度 常温 :時間 60分 塗 料 :主剤 坂井化学社製「MEX−604
7」 :硬化剤 坂井化学社製「F−3」 :溶剤 シンナー :塗膜肉厚 20μm 焼付け :温度 80℃ :時間 30分評 価 実施例2の同工程と同様にして行った。結果を表2に示
す。
【0045】比較例1第1工程 実施例1の第1工程において、金型をキャビティ内径3
0mmの金型にし、かつ、硬質プロピレン系樹脂(P−
1)を肉厚9mmで被覆した以外は同様にして行った。第2工程 省略した。レザー被覆工程 実施例1の同工程と同様にして行った。評 価 実施例1の同工程と同様にして行った。結果を表2に示
す。
【0046】比較例2第1工程 省略した。第2工程 外径12mmで内径8mmの中空パイプ状に加工された
高張力鋼の中空金属部品をキャビティ内径30mmの金
型内に装着し、次いで、スチレン系TPE(TPS−
2)を射出成形して、肉厚9mmで被覆した。この時の
射出成形条件は、実施例1の第2工程の条件と同様であ
る。レザー被覆工程 実施例1の同工程と同様にして行った。評 価 実施例1の同工程と同様にして行った。結果を表2に示
す。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明による多層射出成形体、例えば、
ステアリングホイールは、内部に中空の金属部品を配置
し、外側に向かって徐々に柔らかく形成されており、外
側に軟質のオレフィン系又はスチレン系熱可塑性エラス
トマーから構成される表面層が形成されているので、握
ったときに柔らかい感触を与え、ハンドル操作性を向上
し、その上、グリップ操作時にグリップに与えられた力
が直接中空の金属部品に伝わることがなく、中空の金属
部品と表面軟質材との間が剥離してしまう問題も生じな
い。また、発泡ポリウレタンの様にフロンガスによる環
境破壊の問題も生じなく、更には、成形サイクルが短
く、歩留りも良いので、コストや量産性においても優
れ、かつまた、中空の金属部品を使用すること及びその
一部を硬質のプロピレン系樹脂層で代替しているので、
多層射出成形体を軽量化することができる、と言った著
しい効果が奏される。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明実施例のステアリングホイール
の斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すステアリングホイールのA
−A線部切断による切り欠き斜視図である。
【図3】図3は、ステアリングホイールのグリップ空転
テストを測定するための装置の平面図である。
【図4】図4は、グリップ空転テストを測定するステア
リングホイールの測定部位を示す平面図である。
【図5】図5(a)及び(b)は、図4のステアリング
ホイールをクランプする押工具の平面図及び部分側面図
である。
【図6】図6は、レザー巻き作業テストによる縫製部を
示す部分平面図である。
【0050】
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 中空の金属部品 3 プロピレン系樹脂層(硬質) 4 オレフィン系又はスチレン系熱可塑性エラストマー
層(軟質層) 5 塗装層及び/又はレザー被覆層 6 グリップ空転テストの測定装置 7 押工具 8 縫製部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 23:00 105:22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部にインサートされた中空の金属部品
    とオレフィン系又はスチレン系熱可塑性エラストマー層
    の表面を有し、それらの間に硬質の射出成形プロピレン
    系樹脂層が介在して積層されていることを特徴とする、
    多層射出成形体。
  2. 【請求項2】 表面が塗装されている請求項1に記載の
    多層射出成形体。
  3. 【請求項3】 表面が天然又は人工のレザーで被覆され
    ている請求項1に記載の多層射出成形体。
  4. 【請求項4】 金型内に中空の金属部品をインサートし
    た後、該金型内に硬質のプロピレン系樹脂を射出成形し
    て前記金属部品を硬質のプロピレン系樹脂にて被覆し、
    次いで、該プロピレン系樹脂表面にオレフィン系又はス
    チレン系熱可塑性エラストマーを射出成形して被覆する
    ことを特徴とする、多層射出成形体の製造法。
  5. 【請求項5】 オレフィン系又はスチレン系熱可塑性エ
    ラストマーを射出成形した被覆物の表面を更に塗装する
    請求項4に記載の多層射出成形体の製造法。
  6. 【請求項6】 オレフィン系又はスチレン系熱可塑性エ
    ラストマーを射出成形した被覆物の表面を更に天然又は
    人工のレザーで被覆する請求項4に記載の多層射出成形
    体の製造法。
JP30376192A 1992-11-13 1992-11-13 多層射出成形体及びその製造法 Pending JPH06143336A (ja)

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