JPH0613970Y2 - ドアロック制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、キー抜き忘れ防止ドアロック機構が組込まれ
たドアロック制御装置に関するものである。

従来の技術 自動車のドアには、ドアロック装置が組込まれており、
車室内側に設けたドアロックノブ、或いは車室外側に設
けたキーシリンダを操作することにより、ドアをロック
或いはアンロック出来るようにしてある。又、このドア
ロック装置の中には、ロック、アンロックを手動で操作
する以外に、ドアロックスイッチによって制御されるソ
レノイド等のアクチュエータによってもロック、アンロ
ックが行えるようにしておき、このドアロックスイッチ
を運転席側のドアロックノブに連動させることにより、
運転席からリモートコントロールにより全ドアのロッ
ク、アンロックを操作できるようにしたドアロック制御
装置を組込んだものがある。このドアロック制御装置に
は、一般に、上記リモートコントロール機構の外に、予
め設定された種々の条件、例えば車速等によってドアの
ロック、アンロックを自動的に行うことにより、ドアロ
ック操作の自動化等を計るための種々の機構が組込まれ
ており、この機構の一つに、キー抜き忘れ防止ドアロッ
ク機構がある。これは、キーがイグニションキーシリン
ダに差し込まれており、更に、運転席側のドアが開いて
いる状態に於いて、ドアロックノブを押し、ロック操作
をしても、アクチュエータの作用によってドアロック装
置を自動的にアンロックさせることにより、キーとじ込
みを防止するようにしたシステムである。即ち、運転者
が、イグニションキーシリンダにキーが差し込まれた状
態のままであるのを忘れ、ドアを開けて降車した後、ド
アロックノブを押し、更に、ドアの外表面に位置するア
ウトサイドハンドルを引いた状態でドアを閉め、キーを
用いずにドアをロックしょうとしても、アクチュエータ
の作用によってドアをアンロック状態にすることによ
り、キーとじ込みを防止するものである。

考案が解決しようとする問題点 上記した如く、ドアロック制御装置にキー抜き忘れ防止
ドアロック機構を組込んでおけば、キーとじ込みを防止
できる。ところで、上記キー抜き忘れ防止ドアロック機
構によりアクチュエータに通電し、アクチュエータをア
ンロック側に作動させ，ドアをアンロック状態にする
時、このアンロックを確実にするためには、アクチュエ
ータへの通電タイマの設定を約３秒と比較的長く設定し
ておく必要がある。即ち、キーがイグニションキーシリ
ンダに差し込まれており、かつ、運転席側のドアが開い
ている状態において、運転者がドアロックノブを押しロ
ック操作を行うと、これに連動してアクチュエータがア
ンロック側に作動し、ドアロック装置をアンロックさせ
ようとするが、この時、アクチュエータへの通電時間が
短かいと、運転者の指がドアロックノブから離れるまで
にアクチュエータへの通電が終わってしまい、ドアはア
ンロックされなくなる。このため、運転者の指がドアロ
ックノブから確実に離れるまでの時間を見込んで、アク
チュエータへの通電時間を約３秒に設定してある。この
ように、アクチュエータへの通電時間を約３秒に設定し
ておくと、キー抜き忘れ防止を確実に行うことができる
が、運転席側のドアロックノブを操作し、これと連動し
たドアロックスイッチによりリモートコントロールによ
って全ドアをロック、アンロックする時にも、各アクチ
ュエータには約３秒間電流が流れることになる。このた
め、例えば運転席側のドアロックノブを操作することに
より全ドアをロックした直後に、乗員が手動でいずれか
のドアロックノブを引き上げ、ドアをアンロックしよう
とした場合、アクチュエータはまだロック方向に作動し
ており、ドアロックノブをロックの方向に引張している
ため、アンロックできないといった問題があった。即
ち、通常状態において、運転席側のドアロックノブを操
作して全ドアをロック或いはアンロックした直後に、い
ずれかのドアをアンロック或いはロックしようとして
も、約３秒間はアクチュエータへの通電が行われている
ため、直ぐには、アンロック或いは、ロック操作を行え
ず操作性が非常に悪くなるといった問題があった。

問題点を解決するための手段 ドアロックスイッチによって制御されるアクチュエータ
を使用し、リモートコントロールによって全ドアのロッ
ク、アンロックを行うドアロック制御装置を、イグニシ
ョンキーシリンダにキーが差込まれているとＯＮするキ
ースイッチと、運転席側のドアが開いているとＯＮする
カーテシスイッチと、運転席側のドアロックノブと連動
し、ドアロックノブがロック側或いはアンロック側に操
作されると、ロック側或いはアンロック側に切換わるド
アロックスイッチと、上記キースイッチ及びカーテシス
イッチの少なくとも一方がＯＦＦの時、ドアロックスイ
ッチがロック側或いはアンロック側に切換わると、ドア
ロック機構をロック及びアンロックさせるためのアクチ
ュエータに数分の１秒間だけ通電し、アクチュエータを
ロック側或いはアンロック側に作動させ、ドアのロック
或いはアンロックを行うための第１のタイマと、キース
イッチ及びカーテシスイッチがＯＮの状態に於いて、ド
アロックスイッチがアンロック側からロック側に切換わ
った時のみアクチュエータに数秒間通電し、アクチュエ
ータをアンロック側に作動させ、キー閉じ込みを防止す
るための第２のタイマとによって構成したものである。

作用 上記した如く、アクチュエータを作動させ、通常のロッ
ク或いはアンロックを行う場合は、第１のタイマの作用
により、ロック或いはアンロックを行うのに必要な数分
の１秒間だけアクチュエータに通電し、キー閉じ込みが
行われる可能性のある状況下でドアロックを行おうとす
ると、第２のタイマの作用により、アクチュエータに数
秒間通電し、アクチュエータをアンロック側に作動さ
せ、ドアロックを阻止することにより、ドアロック制御
装置の操作性を改善するものである。

実施例 第１図は、キー抜き忘れ防止ドアロック機構を有する本
考案に係るドアロック制御装置の回路構成を示すブロッ
ク図である。図中（１）は車載されたバッテリ、（２）
はイグニションキースイッチにキーが差し込まれている
とＯＮするキースイッチ、（３）は運転席側のドアが開
いているとＯＮするカーテシスイッチ、（４）は運転席
側のドアロックノブに連動したドアロックスイッチであ
り、運転席側のドアロックノブがロック状態の時は、可
動接点（4a）がロック側の固定接点（4b）に接触し、又
アンロック状態の時は、可動接点（4a）がアンロック側
の固定接点（4c）に接触するように構成してある。又、
上記キースイッチ（２）とカーテシスイッチ（３）とは
直列接続され、その一端はアースされ、他端が後述する
コントロールリレー（６）に接続されるようにしてあ
る。又ドアロックスイッチ（４）の可動接点（4a）はア
ースされ、固定接点（4b）（4c）はコントロールリレー
（６）に接続される。（５）は各ドアのドアロック機構
に連結され、ドアをロック、アンロックさせるためのソ
レノイド等のアクチュエータ、（６）はアクチュエータ
（５）をロック側及びアンロック側に作動させるための
コントロールリレーである。このコントロールリレー
（６）は、図示の如く、第１〜第３のＡＮＤ回路（７）
〜（９）と、第１及び第２のタイマ（10）（11）とを備
えており、第１のタイマ（10）は、第１のＡＮＤ回路
（７）の出力がHiレベルになると、0.3秒間だけ第１の
バッファ（12）を介してアクチュエータ（５）に通電
し、アクチュエータ（５）を0.3秒間だけロック側に作
動させると共に、第２のＡＮＤ回路（８）がHiレベルに
なると、0.3秒間だけダイオード（13）及び第２のバッ
ファ（14）を介してアクチュエータ（５）に通電し、ア
クチュエータ（５）を0.3秒間だけアンロック側に作動
させるようにしてある。又第２のタイマ（11）は、第３
のＡＮＤ回路（９）がHiレベルになると、０．３秒間第
２のバッファ（14）を介してアクチュエータ（５）に通
電し、３秒間アクチュエータ（５）をアンロック側に作
動させるようにしてある。尚、第１のタイマ（10）に設
定された0.3秒と言う値は、アクチュエータ（５）によ
ってドアロック装置を確実ロック及びアンロックする時
に必要な作動時間であり、又第２のタイマ（11）に設定
された３秒と言う値は、前述した如く、キー抜き忘れ防
止ドアロック機構を確実に作動させるのに必要な作動時
間であり、この両値は、ドアロック制御装置が装備され
る車種や使用条件等によって適宜変更すればよい。又、
第１乃至第３のＡＮＤ回路（７）〜（９）の各入力端子
は、すべてバッテリ（１）の＋端子に接続してあると同
時に、図示の如く、カーテシスイッチ（３）及びドアロ
ックスイッチ（４）に接続してある。即ち、第１乃至第
３のＡＮＤ回路（７）（８）（９）の入力端子（7b）
（8a）（9a）は、カーテシスイッチ（３）に接続され、
第１及び第３のＡＮＤ回路（７）（９）の入力端子（7
a）（9b）はドアロックスイッチ（４）のロック側の固
定接点（4b）に接続され、又第２のＡＮＤ回路（８）の
入力端子（8b）はドアロックスイッチ（４）のアンロッ
ク側の固定接点（4c）に接続されている。又第１乃至第
３のＡＮＤ回路（７）（８）（９）の入力端子（7a）
（8b））（9a）（9b）の直前には、それぞれインバータ
回路が組込まれている。

上記構成に於いて、イグニションキーシリンダにキーが
差し込まれており、かつ、ドアが閉じているとき、即
ち、通常の使用状態では、キースイッチ（２）がＯＮ
し、カーテシスイッチ（３）がＯＦＦしているため、第
１及び第２のＡＮＤ回路（７）（８）の入力端子（7b）
（8a）はHiレベルとなり、かつ、第３のＡＮＤ回路
（９）の入力端子（9a）はLoレベルとなる。従ってこの
状態で運転席側のドアロックノブのロック操作によりド
アロックスイッチ（４）の可動接点（4a）がロック側の
固定接点（4b）に接触すると、第１のＡＮＤ回路（７）
のもう一方の入力端子（7a）もHiレベルとなる。する
と、第１のタイマ（10）は0.3秒間だけアクチュエータ
（５）をロック側に作動させるため、全ドアはロックさ
れる。またドアロックスイッチ（４）の可動接点（4a）
がアンロック側の固定接点（4c）に接触すると、第２の
ＡＮＤ回路（８）のもう一方の入力端子（8b）もHiレベ
ルとなり、第２のＡＮＤ回路（８）の出力がHiレベルと
なる。すると、第１のタイマ（10）は0.3秒間だけアク
チュエータ（５）をアンロック側に作動させるため、全
ドアはアンロックされる。即ち、通常の使用状態に於い
て、ドアロックスイッチ（４）連動した運転席側のドア
ロックノブを操作してドアをロック、アンロックした場
合、アクチュエータ（５）には0.3秒間だけしか通電さ
れないため、ロック或いはアンロック操作を行った直後
に逆の操作を行っても、その操作がアクチュエータ
（５）によって阻害されることはない。次に、イグニシ
ョンキーシリンダにキーが差し込まれ、かつ、運転席側
のドアが開いた状態でドアロックノブを押し、ロック側
に操作した場合は下記のようになる。即ち、この場合
は、キースイッチ（２）及びカーテシスイッチ（３）は
ＯＮしているため、第１及び第２のＡＮＤ回路（７）
（８）の一方の入力端子（7b）（8a）は、Loレベルとな
り、第３のＡＮＤ回路（９）の一方の入力端子（9a）は
Hiレベルとなる。この状態でドアロックノブをロック側
に操作することにより、ドアロックスイッチ（４）の可
動接点（4a）をロック側の固定接点（4b）に接触させる
と、第３のＡＮＤ回路（９）のもう一方の入力端子（9
a）もHiレベルとなり、第３のＡＮＤ回路（９）の出力
はHiレベルになる。すると、第２のタイマ（11）は３秒
間アクチュエータ（５）をアンロック側に作動させるた
め、運転車の指がドアロックノブから離れるとドアロッ
ク装置はアンロッ状態に強制的に戻され、ロックが解除
されてキーとじ込みは防止される。

考案の効果 上記した如く、本考案に係るドアロック制御装置は：ア
クチュエータを作動させ、通常のロック或いはアンロッ
クを行う場合は、第１のタイマの作用により、ロック或
いはアンロックを行うのに必要な数分の１秒間だけアク
チュエータに通電し、ロック或いはアンロックを行い、
キー閉じ込みが行われる可能性のある状況下でドアロッ
クを行おうとすると、第２のタイマの作用により、アク
チュエータに数秒間通電し、アクチュエータをアンロッ
ク側に数秒間作動させ、ドアロックを阻止するものであ
る。従って、通常状態に於いて、ドアロック制御装置に
よりドアのロック或いはアンロックを行った場合、アク
チュエータは数分の１秒しか作動していないため、その
直後に手動で逆の動作を行おうとした時、その動作が阻
害されることがなくなると同時に、キー閉じ込みが行わ
れる可能性のある状況下でドアロックを行おうとする
と、アクチュエータが数秒間アンロック側に作動するこ
とによりドアロックを確実に阻止することができ、キー
抜き忘れ防止ドアロック機構を有するドアロック制御装
置の操作性を大幅に向上できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るドアロック制御装置の回路構成を
示すブロック図である。 （２）……キースイッチ、（３）……カーテシスイッ
チ、（４）……ドアロックスイッチ、（５）……アクチ
ュエータ、（10）……第１のタイマ、（11）……第２の
タイマ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ドアロックスイッチによって制御されるア
   クチュエータを使用し、リモートコントロールによって
   全ドアのロック、アンロックを行うドアロック制御装置
   を、イグニションキーシリンダにキーが差込まれている
   とＯＮするキースイッチと、運転席側のドアが開いてい
   るとＯＮするカーテシスイッチと、運転席側のドアロッ
   クノブと連動し、ドアロックノブがロック側或いはアン
   ロック側に操作されると、ロック側或いはアンロック側
   に切換わるドアロックスイッチと、上記キースイッチ及
   びカーテシスイッチの少なくとも一方がＯＦＦの時、ド
   アロックスイッチがロック側或いはアンロック側に切換
   わると、ドアロック機構をロック及びアンロックさせる
   ためのアクチュエータに数分の１秒間だけ通電し、アク
   チュエータをロック側或いはアンロック側に作動させ、
   ドアのロック或いはアンロックを行うための第１のタイ
   マと、キースイッチ及びカーテシスイッチがＯＮの状態
   に於いて、ドアロックスイッチがアンロック側からロッ
   ク側に切換わった時のみアクチュエータに数秒間通電
   し、アクチュエータをアンロック側に作動させ、キー閉
   じ込みを防止するための第２のタイマとによって構成し
   たことを特徴とするドアロック制御装置。