JPH06136017A - スチレン系重合体用重合開始剤 - Google Patents

スチレン系重合体用重合開始剤

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JPH06136017A
JPH06136017A JP31121992A JP31121992A JPH06136017A JP H06136017 A JPH06136017 A JP H06136017A JP 31121992 A JP31121992 A JP 31121992A JP 31121992 A JP31121992 A JP 31121992A JP H06136017 A JPH06136017 A JP H06136017A
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JP
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peroxide
bis
polymerization
dimethoxy
trimethylsilyldioxy
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JP31121992A
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English (en)
Inventor
Hidemoto Ono
英基 大野
Norihisa Ujigawa
典久 氏川
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F12/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F12/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F12/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
    • C08F12/06Hydrocarbons
    • C08F12/08Styrene

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式 【化1】 (式中Rはトリメチルシリル基または3,5−ジメトキ
シ−2,4,6−トリアジニル基を示し、nは5ないし
11で、R´は水素原子または炭素数が1個ないし3個
のアルキル基を示し、R´がアルキル基の場合は2個の
R´とも同一のアルキル基とする。)で示されるスチレ
ン系重合体用重合開始剤。 【効果】 スチレン系重合体用の重合開始剤であり、従
来の単官能ペルオキシド、2官能ペルオキシドまたはポ
リメリックペルオキシドを用いた場合より、高分子量の
重合体を得ることができ、重合転化率が高く、かつ開始
剤効率も高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の3官能ペルオキ
シドからなるスチレン系重合体用重合開始剤に関する。
さらに詳しくは、高分子量化が可能で重合転化率が高
く、かつ開始剤効率の高いスチレン系重合体用重合開始
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系重合体は、すぐれた透明性お
よび機械強度を持ち、その機械強度は平均分子量に左右
されることが知られている。従来から、スチレン系重合
体の製造において、分子量のより大きい重合体を得るた
めに、重合開始剤の添加量を減らしたり、重合温度を下
げたりする方法が知られている。しかしながら、これら
の方法では重合速度の低下すなわち生産性の低下が大き
く工業的とはいいにくい。そこで、この問題を解決する
ものとして、特公昭59−15908号公報に、1分子
中にペルオキシ結合を2個含有する2官能ペルオキシド
としての、ジ−1,1,3,3−テトラメチルブチルペ
ルオキシヘキサヒドロフタレート、ジ−1,1,3,3
−テトラメチルブチルペルオキシヘキサヒドロイソフタ
レート、ジ−1,1,3,3−テトラメチルブチルペル
オキシヘキサヒドロテレフタレートを用いて重合体の高
分子量化を図ることが開示されている。また、特開昭6
0−8304号公報には、次の化学式
【化2】 (式中nは3ないし30である。)に示した1分子中に
ペルオキシ結合を3個以上含有するポリメリックペルオ
キシドを用いて重合体の高分子量化を図ることが開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公昭59−15908号公報の2官能ペルオキシドを用
いる製造方法では、ペルオキシドのスチレン単量体への
溶解性が乏しく、開始剤効率が低いという欠点があっ
た。また、前記特開昭60−8304号公報のポリメリ
ックペルオキシドを用いる製造方法では、ある程度の高
分子量化は図れるが、重合転化率が低いという欠点があ
った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決する目的で鋭意研究した結果、特定の3官能ペ
ルオキシドを合成し、スチレン系重合体用重合開始剤と
して使用したところ、重合体の高分子量化を図ることが
でき、重合転化率が高く、かつ開始剤効率も高いことを
確認し、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、一般式
【化3】 (式中Rはトリメチルシリル基または3,5−ジメトキ
シ−2,4,6−トリアジニル基を示し、nは5ないし
11で、R´は水素原子または炭素数が1個ないし3個
のアルキル基を示し、R´がアルキル基の場合は2個の
R´とも同一のアルキル基とする。)で示されるスチレ
ン系重合体用重合開始剤に関する。
【0006】本発明の重合開始剤としては、1,1´−
ビス(トリメチルシリルジオキシ)−ジシクロヘキシル
ペルオキシド、1,1´−ビス(トリメチルシリルジオ
キシ)−2,2´−ジメチル−ジシクロヘキシルペルオ
キシド、1,1´−ビス(トリメチルシリルジオキシ)
−3,3´−ジメチル−ジシクロヘキシルペルオキシ
ド、1,1´−ビス(トリメチルシリルジオキシ)−
4,4´−ジメチル−ジシクロヘキシルペルオキシド、
1,1´−ビス(トリメチルシリルジオキシ)−2,2
´,6,6´−テトラメチル−ジシクロヘキシルペルオ
キシド、1,1´−ビス(トリメチルシリルジオキシ)
−2,2,2´,2´,6,6´−ヘキサメチル−ジシ
クロヘキシルペルオキシド、1,1´−ビス(トリメチ
ルシリルジオキシ)−3,3,3´,3´,5,5´−
ヘキサメチル−ジシクロヘキシルペルオキシド、1,1
´−ビス(トリメチルシリルジオキシ)−3,3,3
´,3´,5,5,5´,5´−オクタメチル−ジシク
ロヘキシルペルオキシド、1,1´−ビス(トリメチル
シリルジオキシ)−4,4´−ジエチル−ジシクロヘキ
シルペルオキシド、1,1´−ビス(トリメチルシリル
ジオキシ)−2,2´−ジプロピル−ジシクロヘキシル
ペルオキシド、1,1´−ビス(トリメチルシリルジオ
キシ)−ジシクロヘプチルペルオキシド、1,1´−ビ
ス(トリメチルシリルジオキシ)−ジシクロオクチルペ
ルオキシド、1,1´−ビス(トリメチルシリルジオキ
シ)−ジシクロノニルペルオキシド、1,1´−ビス
(トリメチルシリルジオキシ)−ジシクロデシルペルオ
キシド、1,1´−ビス(トリメチルシリルジオキシ)
−ジシクロウンデシルペルオキシド、1,1´−ビス
(トリメチルシリルジオキシ)−ジシクロドデシルペル
オキシド、1,1´−ビス(3,5−ジメトキシ−2,
4,6−トリアジニルジオキシ)−ジジクロヘキシルペ
ルオキシド、1,1´−ビス(3,5−ジメトキシ−
2,4,6−トリアジニルジオキシ)−2,2´−ジメ
チル−ジシクロヘキシルペルオキシド、1,1´−ビス
(3,5−ジメトキシ−2,4,6−トリアジニルジオ
キシ)−3,3´−ジメチル−ジシクロヘキシルペルオ
キシド、1,1´−ビス(3,5−ジメトキシ−2,
4,6−トリアジニルジオキシ)−4,4´−ジメチル
−ジシクロヘキシルペルオキシド、1,1´−ビス
(3,5−ジメトキシ−2,4,6−トリアジニルジオ
キシ)−2,2´,6,6´−テトラメチル−ジシクロ
ヘキシルペルオキシド、1,1´−ビス(3,5−ジメ
トキシ−2,4,6−トリアジニルジオキシ)−2,
2,2´,2´,6,6´−ヘキサメチル−ジシクロヘ
キシルペルオキシド、1,1´−ビス(3,5−ジメト
キシ−2,4,6−トリアジニルジオキシ)−3,3,
3´,3´,5,5´−ヘキサメチル−ジシクロヘキシ
ルペルオキシド、1,1´−ビス(3,5−ジメトキシ
−2,4,6−トリアジニルジオキシ)−3,3,3
´,3´,5,5,5´,5´−オクタメチル−ジシク
ロヘキシルペルオキシド、1,1´−ビス(3,5−ジ
メトキシ−2,4,6−トリアジニルジオキシ)−4,
4´−ジエチル−ジシクロヘキシルペルオキシド、1,
1´−ビス(3,5−ジメトキシ−2,4,6−トリア
ジニルジオキシ)−2,2´−ジプロピル−ジシクロヘ
キシルペルオキシド、1,1´−ビス(3,5−ジメト
キシ−2,4,6−トリアジニルジオキシ)−ジシクロ
ヘプチルペルオキシド、1,1´−ビス(3,5−ジメ
トキシ−2,4,6−トリアジニルジオキシ)−ジシク
ロオクチルペルオキシド、1,1´−ビス(3,5−ジ
メトキシ−2,4,6−トリアジニルジオキシ)−ジシ
クロノニルペルオキシド、1,1´−ビス(3,5−ジ
メトキシ−2,4,6−トリアジニルジオキシ)−ジシ
クロデシルペルオキシド、1,1´−ビス(3,5−ジ
メトキシ−2,4,6−トリアジニルジオキシ)−ジシ
クロウンデシルペルオキシド、1,1´−ビス(3,5
−ジメトキシ−2,4,6−トリアジニルジオキシ)−
ジシクロドデシルペルオキシド等である。
【0007】原料の入手のしやすさおよび原料の反応性
から、好ましくは、1,1´−ビス(トリメチルシリル
ジオキシ)−ジシクロヘキシルペルオキシド、1,1´
−ビス(トリメチルシリルジオキシ)−2,2´−ジメ
チル−ジシクロヘキシルペルオキシド、1,1´−ビス
(トリメチルシリルジオキシ)−3,3´−ジメチル−
ジシクロヘキシルペルオキシド、1,1´−ビス(トリ
メチルシリルジオキシ)−4,4´−ジメチル−ジシク
ロヘキシルペルオキシド、1,1´−ビス(トリメチル
シリルジオキシ)−3,3,3´,3´,5,5´−ヘ
キサメチル−ジシクロヘキシルペルオキシド、1,1´
−ビス(トリメチルシリルジオキシ)−ジシクロドデシ
ルペルオキシド、1,1´−ビス(3,5−ジメトキシ
−2,4,6−トリアジニルジオキシ)−ジシクロヘキ
シルペルオキシド、1,1´−ビス(3,5−ジメトキ
シ−2,4,6−トリアジニルジオキシ)−2,2´−
ジメチル−ジシクロヘキシルペルオキシド、1,1´−
ビス(3,5−ジメトキシ−2,4,6−トリアジニル
ジオキシ)−3,3´−ジメチル−ジシクロヘキシルペ
ルオキシド、1,1´−ビス(3,5−ジメトキシ−
2,4,6−トリアジニルジオキシ)−4,4´−ジメ
チル−ジシクロヘキシルペルオキシド、1,1´−ビス
(3,5−ジメトキシ−2,4,6−トリアジニルジオ
キシ)−3,3,3´,3´,5,5´−ヘサキメチル
−ジシクロヘキシルペルオキシド、1,1´−ビス
(3,5−ジメトキシ−2,4,6−トリアジニルジオ
キシ)−ジシクロドデシルペルオキシド等である。
【0008】本発明の重合開始剤は、次の方法で製造す
ることができる。すなわち、トリメチルシリルジオキシ
基を有するものは、たとえば1,1´−ジヒドロペルオ
キシジシクロヘキシルペルオキシドおよびその誘導体、
1,1´−ジヒドロペルオキシ−3,3,3´,3´,
5,5´−ヘキサメチル−ジシクロヘキシルペルオキシ
ドおよびその誘導体、または1,1´−ジヒドロペルオ
キシジシクロドデシルペルオキシドおよびその誘導体等
とトリメチルシリルクロリドとをピリジンの存在下で反
応させることによって得ることができる。また、3,5
−ジメトキシ−2,4,6−トリアジニルジオキシ基を
有するものは、たとえば1,1´−ジヒドロペルオキシ
ジシクロヘキシルペルオキシドおよびその誘導体等をカ
リウム塩としたのち、3,5−ジメトキシ−2,4,6
−トリアジニルクロリドと反応させることによって得る
ことができる。そして、このようにして得られた本発明
の重合開始剤の10時間半減期温度(以下T10と省略す
る)は、通常55ないし75℃の間にある。
【0009】本発明において重合の対象とするスチレン
系単量体としては、スチレン単独はもとより、スチレン
とα−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、ビニルキシレン等のスチレン系同族体との混合
物であってもよい。また、スチレンとポリブタジエン等
のゴム状重合体との混合物であってもよく、さらには、
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリル酸
エステル類、メタクリル酸エステル類、マレイン酸エス
テル類、フマル酸エステル類、マレイミド類等の単量体
との混合物であってもよい。ただし、これらの場合は、
混合物中に、スチレンを50重量%以上含むことが必要
である。
【0010】本発明の重合開始剤の添加量は、スチレン
系単量体100重量部に対して、純品換算で0.01な
いし10重量部である。その添加量が0.01重量部未
満であると、重合速度が遅くなる傾向があり、10重量
部を超えると、重合速度が速くなり過ぎ重合を制御しに
くくなる傾向があるので好ましくない。また、その添加
方法としては、初期添加でも逐次添加であってもよい。
【0011】本発明に用いられる重合方法は、通常の懸
濁重合法、塊状重合法または溶液重合法が使用できる。
重合温度は60ないし150℃であり、好ましくは60
ないし130℃の温度範囲である。重合温度が60℃未
満では重合時間が長くなる傾向にあり、150℃を超え
ると重合体の分子量が低下してしまい好ましくない。
【0012】本発明の重合開始剤は、単独使用あるいは
通常スチレンの重合に使用されている他の重合開始剤と
併用することができる。そして、この併用することによ
り重合温度、重合速度、重合生成物の分子量および分子
量分布等を自由に変えることが可能である。
【0013】
【発明の効果】本発明の3官能ペルオキシドからなる重
合開始剤は、スチレン系重合体の製造に使用でき、公知
の単官能ペルオキシド、2官能ペルオキシドまたはポリ
メリックペルオキシドを用いた従来法と比較すると以下
のような特徴を有している。すなわち、第一に、高分子
量の重合体が得られること。第二に、重合転化率が高い
こと。第三に、開始剤効率が高いことである。
【0014】
【参考例、実施例、比較例】次に、本発明を参考例、実
施例および比較例によりさらに詳細に説明する。
【0015】参考例1(1,1´−ビス(トリメチルシ
リルジオキシ)−ジシクロヘキシルペルオキシドの合
成) ピリジン49.2gとトリメチルシリルクロリド66.
0gとの混合液を5ないし10℃に保ち、その中へ1,
1´−ジヒドロペルオキシジシクロヘキシルペルオキシ
ド16.0gとヘキサン350gとの混合液を滴下し、
攪拌下に15ないし20℃で5時間かけて反応を完結さ
せた。反応混合液に水500gを加えてから水を分離し
たのち、3%塩酸水溶液500g、ついで5%水酸化ナ
トリウム水溶液500g、さらに水200gであわせて
3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下
で溶媒のヘキサンを留去したのち、再結晶することによ
って、純度98.5%の化4で示される1,1´−ビス
(トリメチルシリルジオキシ)−ジシクロヘキシルペル
オキシド11.8g(収率46.9%)を得た。
【化4】 このものが本発明の重合開始剤であることの確認は、活
性酸素量、IRスペクトル、NMRスペクトルによって
行ない、その構造を次のデータに基づいて確認した。 活性酸素量:11.63%(理論活性酸素量11.81
%)、IRスペクトル:2950cm-1(シクロヘキサ
ン環CH伸縮振動),890cm-1(−OOSiMe3
伸縮振動)、1H−NMRスペクトル:1.90ないし
1.35(m,20H,シクロヘキサン環上のH),
0.21(s,18H,CH3) 次に、前記重合開始剤をクメンに溶解し(0.1mol
/l)、80ないし110℃までの10℃間隔でペルオ
キシ基に基づく熱分解速度定数を求め、それらの値を用
いてアレニウスの式からこの重合開始剤のT10を求め
た。その結果を表1に示した。
【0016】参考例2(1,1´−ビス(トリメチルシ
リルジオキシ)−3,3,3´,3´,5,5´−ヘキ
サメチル−ジシクロヘキシルペルオキシドの合成) 参考例1において、1,1´−ジヒドロペルオキシジシ
クロヘキシルペルオキシドの代わりに、1,1´−ジヒ
ドロペルオキシ−3,3,3´,3´,5,5´−ヘキ
サメチル−ジシクロヘキシルペルオキシドを使用し、反
応時間を3時間とした以外は、参考例1に準じて反応さ
せ、純度97.0%の化5で示される1,1´−ビス
(トリメチルシリルジオキシ)−3,3,3´,3´,
5,5´−ヘキサメチル−ジシクロヘキシルペルオキシ
ド21.3g(収率82.5%)を得た。
【化5】 このものが本発明の重合開始剤であることの確認は、参
考例1と同様に行ない、その構造を次のデータに基づい
て確認した。 活性酸素量:9.70%(理論活性酸素量9.78
%)、IRスペクトル:2960cm-1(シクロヘキサ
ン環CH伸縮振動),890cm-1(−OOSiMe3
伸縮振動)、1H−NMRスペクトル:2.33ないし
0.80(m,32H,シクロヘキサン環上のH,CH
3),0.21(s,18H,Si(CH33) さらに、参考例1と同様にしてこの重合開始剤のT10
求め、その結果を表1に示した。
【0017】参考例3(1,1´−ビス(トリメチルシ
リルジオキシ)−ジシクロドデシルペルオキシドの合
成) 1,1´−ジヒドロペルオキシジシクロドデシルペルオ
キシド26.2gとピリジン186gとの混合液を5な
いし10℃に保ち、その中へトリメチルシリルクロリド
66.0gを滴下し、攪拌下に15ないし20℃で3時
間かけて反応を完結させたのち、反応混合液に水500
gを加えて析出した個体を瀘取した。この個体を3%塩
酸水溶液500g、ついで5%水酸化ナトリウム水溶液
500g、さらに水200gであわせて3回洗浄し、1
2時間風乾したのち、クロロホルム120gで洗浄する
ことによって、純度95.0%の化6で示される1,1
´−ビス(トリメチルシリルジオキシ)−ジシクロドデ
シルペルオキシド26.2g(収率78.9%)を得
た。
【化6】 このものが本発明の重合開始剤であることの確認は、参
考例1と同様に行ない、その構造を次のデータに基づい
て確認した。 活性酸素量:7.93%(理論活性酸素量8.35
%)、IRスペクトル:2950cm-1(シクロドデカ
ン環CH伸縮振動),890cm-1(−OOSiMe3
伸縮振動)、1H−NMRスペクトル:1.90ないし
1.35(m,44H,シクロドデカン環上のH),
0.20(s,18H,CH3) さらに、参考例1において、熱分解速度定数を求める温
度を90ないし120℃までの10℃間隔とする以外
は、参考例1に準じてこの重合開始剤のT10を求め、そ
の結果を表1に示した。
【0018】参考例4(1,1´−ビス(3,5−ジメ
トキシ−2,4,6−トリアジニルジオキシ)−ジシク
ロヘキシルペルオキシドの合成) 8%水酸化カリウム水溶液99.0gを5℃以下に保
ち、その中へ1,1´−ジヒドロペルオキシジシクロヘ
キシルペルオキシド16.0gを加えて溶解した。別
に、ジオキサン360gと3,5−ジメトキシ−2,
4,6−トリアジニルクロリド22.2gとの混合液を
13ないし15℃に保ち、その中へ先に調製した水溶液
を滴下し、攪拌下に13ないし15℃で4時間かけて反
応を完結させ、析出した固体を濾取した。この固体を5
%水酸化ナトリウム水溶液500g、さらに水200g
であわせて2回洗浄し、12時間風乾することによっ
て、純度74.9%の化7で示される1,1´−ビス
(3,5−ジメトキシ−2,4,6−トリアジニルジオ
キシ)−ジシクロヘキシルペルオキシド21.6g(収
率65.3%)を得た。
【化7】 このものが本発明の重合開始剤であることの確認は、参
考例1と同様に行ない、その構造を次のデータに基づい
て確認した。 活性酸素量:6.66%(理論活性酸素量8.88
%)、IRスペクトル:2940cm-1(シクロヘキサ
ン環CH伸縮振動),1550cm-1(3,5−ジメト
キシ−2,4,6−トリアジン環伸縮振動),1130
cm-1(C−OMe基対称伸縮振動),940cm-
1(−OO−伸縮振動)、1H−NMRスペクトル:4.
03(s,12H,CH3),2.05ないし1.60
(m,20H,シクロヘキサン環上のH) さらに、参考例1において、熱分解速度定数を求める温
度を70ないし100℃までの10℃間隔とする以外
は、参考例1に準じてこの重合開始剤のT10を求め、そ
の結果を表1に示した。
【表1】
【0019】実施例1〜4 スチレン1lに、参考例1〜4で得られた重合開始剤
0.1モルをそれぞれ溶解した試料5mlを、窒素置換
した内径12mmのガラスアンプルに封入し、70℃で
12時間重合を行なった。そののち、反応溶液を取り出
しベンゼンに溶解させ、内部標準法によるガスクロマト
グラフィーにより、未反応の単量体を定量して重合転化
率を算出した。また、反応溶液をテトラヒドロフランに
溶解させ、GPC(東ソー(株)製高速液体クロマトグ
ラフィーHLC−802R型)により、生成した重合体
の平均分子量を求めた。その結果を表2に示した。
【0020】比較例1〜3 実施例1〜4において、参考例1〜4で得られた重合開
始剤の代わりに、単官能ペルオキシドであるラウロイル
ペルオキシド(比較例1)、2官能ペルオキシドである
ジ−1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシヘ
キサヒドロフタレート(比較例2)、化学式
【化8】 で示されるポリメリックペルオキシド(比較例3)を使
用した以外は、実施例1〜4に準じて重合転化率、平均
分子量を求め、その結果を表2に示した。
【表2】
【0021】この表2の結果から明らかなように、本発
明の重合開始剤を用いて得られた重合体は、公知の単官
能ペルオキシド、2官能ペルオキシド、ポリメリックペ
ルオキシドを重合開始剤として用いた比較例1〜3に比
較して、重合転化率が向上し、かつ平均分子量が著しく
増大することが確認できた。
【0022】実施例5 実施例1〜4において、スチレンの代わりに、スチレン
80重量%とメタクリル酸メチル20重量%との混合物
を用い、重合開始剤として参考例1で得られた1,1´
−ビス(トリメチルシリルジオキシ)−ジシクロヘキシ
ルペルオキシドを使用した以外は、実施例1〜4に準じ
て実施し、重合転化率および平均分子量(スチレン換
算)を求め、その結果を表3に示した。
【0023】比較例4〜6 比較例1〜3において、スチレンの代わりに、スチレン
80重量%とメタクリル酸メチル20重量%との混合物
を用いた以外は、比較例1〜3に準じて実施し、この順
に比較例4〜6の重合転化率、平均分子量(スチレン換
算)を求め、その結果を表3に示した。
【表3】
【0024】以上の表2、表3の結果から、本発明の重
合開始剤は、重合の対象とする単量体が、スチレンから
スチレン80重量%とメタクリル酸メチル20重量%と
の混合物に代わっても、従来公知の単官能ペルオキシ
ド、2官能ペルオキシドまたはポリメリックペルオキシ
ドに比べて、スチレンの場合と同様にすぐれた結果が得
られることが明らかである。
【0025】実施例6〜9、比較例7〜9 スチレン1lに、参考例1〜4で得られた重合開始剤お
よび比較例1〜3で用いた重合開始剤0.1モルをそれ
ぞれ溶解した試料5mlを、窒素置換した内径12mm
のガラスアンプルに封入し、70℃で12時間重合を行
ない、それぞれの開始剤効率の測定を行なった。なお、
開始剤効率の測定は、「高分子合成の実験法」(化学同
人社刊)第155ページに記載の方法に基づいて測定し
た。その結果を表4に示した。
【表4】 この表4の結果から、本発明の重合開始剤を用いた場
合、公知の単官能ペルオキシド、2官能ペルオキシド、
ポリメリックペルオキシドを重合開始剤に用いた比較例
7〜9より開始剤効率が高いことが確認できた。
【0026】実施例10 実施例6〜9において、スチレンの代わりに、スチレン
80重量%とメタクリル酸メチル20重量%との混合物
を用い、重合開始剤として参考例1で得られた1,1´
−ビス(トリメチルシリルジオキシ)−ジシクロヘキシ
ルペルオキシドを使用した以外は、実施例6〜9に準じ
て実施し、開始剤効率の測定を行ない、その結果を表5
に示した。
【0027】比較例10〜12 比較例7〜9において、スチレンの代わりに、スチレン
80重量%とメタクリル酸メチル20重量%との混合物
を用いた以外は、比較例7〜9に準じて実施し、この順
に比較例10〜12の開始剤効率の測定を行ない、その
結果を表5に示した。
【表5】
【0028】この表5の結果から明らかなように、本発
明の重合開始剤を用いて得られた重合体は、公知の単官
能ペルオキシド、2官能ペルオキシド、ポリメリックペ
ルオキシドを重合開始剤として用いた比較例10〜12
に比較して開始剤効率が高いことが確認できた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中Rはトリメチルシリル基または3,5−ジメトキ
    シ−2,4,6−トリアジニル基を示し、nは5ないし
    11で、R´は水素原子または炭素数が1個ないし3個
    のアルキル基を示し、R´がアルキル基の場合は2個の
    R´とも同一のアルキル基とする。)で示されるスチレ
    ン系重合体用重合開始剤。
JP31121992A 1992-10-27 1992-10-27 スチレン系重合体用重合開始剤 Pending JPH06136017A (ja)

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