JPH06133959A - 断層撮影用ベッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送時に粉塵等が発生しない断層撮影用ベッ
ドを提供する。 【構成】 ガントリ４の空洞５内を貫通して設けられた
支持台１１の上面には、複数個のベッド移動用電磁石１
２が支持台１１の長手方向に２列に凹設されている。ベ
ッド移動用電磁石１２は、支持台１１の長手方向に移動
磁界を形成する。この移動磁界の上方には、被検体１３
が載置された断層撮影用ベッド１４が、ベッド浮上用電
磁石１５により支持台１１上に空隙を設け、非接触状態
で浮上されている。断層撮影用ベッド１４は導体で形成
された本体部と磁性材で形成された浮上支持部とで構成
される。ベッド浮上用電磁石１５の磁力と、断層撮影用
ベッド１４の自重とのバランスにより浮上された断層撮
影用ベッド１４は、断層撮影用ベッド１４の長手方向に
形成された移動磁界によりリニアモータの原理で水平移
動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば、半導体装置
等の内部破壊（亀裂や剥離等）を検査する工業用断層撮
影装置（ＣＴスキャナ装置）や医療用ＣＴスキャナ装置
等に備えられ、被検体を載置してガントリの空洞内に被
検体を搬送するための断層撮影用ベッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のＣＴスキャナ装置に備えられたベ
ッドは、図３に示すように、床面に固定された基台１上
に、上下動と水平移動が可能なように取り付けられてい
る。このベッド２上に被検体３（工業用ＣＴスキャナ装
置であれば半導体装置等、医療用ＣＴスキャナ装置であ
れば患者）が載置され、その状態で、ガントリ４の空洞
５内に被検体３を挿入するようにベッド２を図の二点鎖
線で示す位置に水平移動させる。

【０００３】このベッド２の水平移動は、例えば、水平
移動方向に取り付けられたラックと、そのラックに噛合
するピニオンをモータで回転するような機械機構により
構成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、従来例のようにベッドの水平移動を機
械機構により構成していれば、ベッドの水平移動時に粉
塵や油等が発生し、クリーンな環境が維持できないとい
う問題がある。このような場合、例えば、被検体が半導
体装置等の精密機器であれば半導体装置等の故障の原因
になり、被検体が人（患者）であれば健康に悪いという
ように、被検体に悪影響を与えることになる。

【０００５】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、被検体をガントリ内に搬送する際に
粉塵等が発生しない断層撮影用ベッドを提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、この発明は、被検体を載置してガントリの空洞内に
被検体を搬送するための断層撮影用ベッドにおいて、前
記ガントリの空洞内を貫通して支持された支持台と、前
記支持台上に移動磁界を形成する移動磁界形成手段と、
前記移動磁界形成手段により形成された移動磁界の上方
に空隙を設けて前記断層撮影用ベッドを非接触状態で支
持するベッド支持手段とを備え、前記断層撮影用ベッド
の前記移動磁界成形手段により形成された移動磁界に対
向する部分を導体で形成するものである。

【０００７】

【作用】この発明の作用は次のとおりである。被検体が
載置された断層撮影用ベッドは、ベッド支持手段により
移動磁界形成手段により形成された移動磁界の上方に空
隙を設け、非接触状態で支持される。また、移動磁界成
形手段は、ガントリの空洞内を貫通して支持されている
支持台上に移動磁界を形成する。断層撮影用ベッドの前
記移動磁界手段に対向する部分は導体で形成しているの
で、移動磁界成形手段が移動磁界を成形することによ
り、形成される移動磁界が固定子、断層撮影用ベッドが
二次導体として働き、断層撮影用ベッドはリニアモータ
（リニアインダクションモータ）の原理により、支持台
上を水平移動し、被検体をガントリの空洞内に搬送す
る。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明の一実施例を
説明する。図１は、この発明の一実施例に係る断層撮影
用ベッドを備えたＣＴスキャナ装置のベッド長手方向に
沿った断面図であり、図２は、実施例装置のベッド短手
方向に沿った断面図である。なお、図２では、ガントリ
の図示を省略している。また、この実施例では、半導体
装置を検査するための工業用ＣＴスキャナ装置を例に採
り説明する。

【０００９】ガントリ４の空洞５を挟むように、昇降自
在の２基のリフト１０が床面に固定されており、それら
のリフト１０の上部に支持され、ガントリ４の空洞５内
を貫通して、支持台１１が設けられている。支持台１１
の上面には、複数個のベッド移動用電磁石１２が支持台
１１の長手方向に２列に並べられて凹設されている。こ
れらのベッド移動用電磁石１２には、支持台１１の長手
方向に移動磁界を形成するように、図示しない給電部か
ら電流が給電されるように構成されている。

【００１０】また、このように形成される移動磁界の上
方には、被検体１３（半導体装置）が載置された断層撮
影用ベッド１４が、その長手方向を支持台１１の長手方
向に合わせて、ベッド浮上用電磁石１５により支持台１
１上に空隙を設け、支持台１１等と非接触状態で浮上さ
れている。断層撮影用ベッド１４は、アルミニウム（Ａ
ｌ）等の導体で形成された板状の本体部１４ａと、その
本体部１４ａの長手方向の両側面に設けられた鉄等の磁
性材で形成された浮上支持部１４ｂとによって構成され
ている。

【００１１】また、短手方向の断面が「コ」の字に形成
された支持台１１の内側壁１１ａには、支持台１１の長
手方向に沿って複数個の磁芯１５ａがそれぞれ取り付け
られ、それらの各磁芯１５ａにコイルが巻回されて、ベ
ッド浮上用電磁石１５が形成されている。これらのベッ
ド浮上用電磁石１５への給電は、図示しない給電部から
給電される構成である。

【００１２】なお、ベッド移動用電磁石１２は、この発
明における移動磁界形成手段に相当し、また、ベッド浮
上用電磁石１５と断層撮影用ベッド１４を構成する浮上
支持部１４ｂとは、この発明におけるベッド支持手段に
相当する。

【００１３】上述のような構成のＣＴスキャナ装置の動
作を以下に説明する。断層撮影用ベッド１４は、ベッド
浮上用電磁石１５による磁力と、断層撮影用ベッド１４
の自重とのバランスにより、支持台１１やベッド浮上用
電磁石１５等に非接触の状態で浮上される。すなわち、
ベッド浮上用電磁石１５から発生する磁力により、断層
撮影用ベッド１４の浮上支持部１４ｂが吸引され、断層
撮影用ベッド１４は支持台１１上に空隙を設けて浮上さ
れるが、このとき、浮上支持部１４ｂがベッド浮上用電
磁石１５に吸着しないように、ベッド浮上用電磁石１５
から発生させる磁力を、例えば、給電する電流量等によ
り調整する。なお、このベッド浮上用電磁石１５は、後
述する断層撮影用ベッド１４の水平移動の際に、断層撮
影用ベッド１４のガイドとしても作用する。

【００１４】また、断層撮影用ベッド１４の長手方向
に、ベッド移動用電磁石１２によって移動磁界を形成す
ることにより、本体部１４ａが導体で形成された断層撮
影用ベッド１４は、リニアモータ（リニアインダクショ
ンモータ）の原理により、水平移動、すなわち、断層撮
影用ベッド１４の長手方向へ移動する。これは、断層撮
影用ベッド１４の長手方向に移動磁界が形成されるベッ
ド移動用電磁石１２が固定子として、移動磁界上に浮上
されている断層撮影用ベッド１４の導体で形成された本
体部１４ａが二次導体として働くからである。なお、こ
の水平移動の際には、断層撮影用ベッド１４は短手方向
の両側部が、上述したベッド浮上用電磁石１５に吸引さ
れているので、断層撮影用ベッド１４は短手方向のバラ
ンスを保ちながら水平移動することができる。

【００１５】次に、被検体１３の断層撮影の手順を説明
する。まず、ガントリ４の空洞５の外に浮上された断層
撮影用ベッド１４上に被検体１３を載置する。次に、断
層撮影用ベッド１４に載置された被検体１３をガントリ
４の空洞５内の所定位置に移動させるように、ベッド移
動用電磁石１２により移動磁界を発生させる。これによ
り、上述したように、断層撮影用ベッド１４は水平移動
し、被検体１３はガントリ４の空洞５内に搬送される。
そして、２基のリフト１０を同期させて昇降させること
により、ガントリ４の空洞５内の被検体１３の高さを調
整し、被検体１３の断層撮影を行う。撮影が終了する
と、被検体１３をガントリ４の空洞５外に移動させるよ
うに、ベッド移動用電磁石１２により移動磁界を発生さ
せ、被検体１３がガントリ４の空洞５外に搬送される
と、被検体１３を断層撮影用ベッド１４上から取り出
す。

【００１６】なお、上述の実施例では、断層撮影用ベッ
ド１４の浮上を、ベッド浮上用電磁石１５による磁力
と、断層撮影用ベッド１４の自重とのバランスによって
行うように構成したが、例えば、支持台１１の各内側壁
１１ａに電磁石をそれぞれ上下に対向配置し、それらの
電磁石の間に断層撮影用ベッド１４の浮上支持部１４ｂ
（磁性体）を挟み込むようにして、双方の電磁石から発
生する磁力のバランスにより、断層撮影用ベッド１４を
浮上させるように構成してもよい。

【００１７】また、上述の実施例では、半導体装置を検
査するための工業用ＣＴスキャナ装置を例に採り説明し
たが、この発明は、その他の工業用ＣＴスキャナ装置や
医療用ＣＴスキャナ装置のベッドの水平移動機構として
も適用することができる。

【００１８】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、被検体を載置した断層撮影用ベッドを、ベ
ッド支持手段により非接触状態で、移動磁界により水平
移動させ、被検体をガントリの空洞内に搬送するように
構成したので、水平移動の際に粉塵や油等の発生が防止
できる。従って、クリーンな環境を維持し、被検体に悪
影響を与えない断層撮影用ベッドを実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例に係る断層撮影用ベッドを
備えたＣＴスキャナ装置のベッド長手方向に沿った断面
図である。

【図２】実施例装置のベッド短手方向に沿った断面図で
ある。

【図３】従来例に係る断層撮影用ベッドを備えたＣＴス
キャナ装置の概略構成を示す図である。

【符号の説明】

４ … ガントリ ５ … ガントリの空洞 １０ … リフト １１ … 支持台 １２ … ベッド移動用電磁石 １３ … 被検体 １４ … 断層撮影用ベッド １４ａ … 断層撮影用ベッドの本体部 １４ｂ … 断層撮影用ベッドの浮上支持部 １５ … ベッド浮上用電磁石

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被検体を載置してガントリの空洞内に被
   検体を搬送するための断層撮影用ベッドにおいて、前記
   ガントリの空洞内を貫通して支持された支持台と、前記
   支持台上に移動磁界を形成する移動磁界形成手段と、前
   記移動磁界形成手段により形成された移動磁界の上方に
   空隙を設けて前記断層撮影用ベッドを非接触状態で支持
   するベッド支持手段とを備え、前記断層撮影用ベッドの
   前記移動磁界成形手段により形成された移動磁界に対向
   する部分を導体で形成することを特徴とする断層撮影用
   ベッド。