JPH06130998A - 圧縮音声復号化装置 - Google Patents

圧縮音声復号化装置

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JPH06130998A
JPH06130998A JP4284292A JP28429292A JPH06130998A JP H06130998 A JPH06130998 A JP H06130998A JP 4284292 A JP4284292 A JP 4284292A JP 28429292 A JP28429292 A JP 28429292A JP H06130998 A JPH06130998 A JP H06130998A
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JP
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frame
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decoding
interpolation
excitation
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Application number
JP4284292A
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English (en)
Inventor
Kenichiro Hosoda
賢一郎 細田
Hiroshi Katsuragawa
浩 桂川
Hiromi Aoyanagi
弘美 青柳
Yoshihiro Ariyama
義博 有山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現フレームが、情報が欠落したバッドフレー
ムであっても、再生音声信号の品質を高める。 【構成】 現フレームがバッドフレームのときに、何等
の補間処理をしなければ音声が瞬間的になくなって再生
音声信号の品質が劣化する。補間に過去フレームの情報
を利用することも考えられるが、この場合でも補間が良
好になされず再生音声信号の品質が劣化することがあ
る。そこで、補間処理手段23aが現フレームがバッド
フレームのときに、現フレームより過去のフレーム及び
将来のフレームの情報を用いて現フレームの情報を補間
させ、この補間情報を利用して復号化処理させて再生音
声信号の品質を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧縮音声復号化装置に関
し、例えば、コード励振線形予測符号化方式(CEL
P)を用いたデジタル移動通信システムに適用し得るも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、TDMA(time division multip
le access )方式を用いたデジタル移動通信システムに
おいては、アナログ/デジタル変換器等でデジタル化さ
れた音声信号は、一定時間長(音声フレーム:以下、単
にフレームと呼ぶ)に対応した長さ分のデータ毎に処理
される。このようなフレーム毎のデータ系列に対して、
圧縮符号化処理(情報源符号化処理)や誤り訂正符号化
処理(通信路符号化処理)が適用される。TDMA方式
を用いたデジタル移動通信システムでは、これらの処理
が施されたデータは、TDMAの伝送フレームフォーマ
ットに適用されて伝送される。受信側では、対応するチ
ャンネルのTDMAフレームデータが復調され、誤り訂
正復号処理の後、圧縮音声復号化装置でフレーム毎の音
声信号が順次再生される。
【0003】このようなデジタル移動通信システムにお
いては、音声信号の高圧縮符号化方式として、コード励
振線形予測符号化方式をベースとした方式が採用されて
いる。この方式は、4kbit/s〜8kbit/sでの符号化速度
において高品質な再生音声が得られることが知られてい
る。
【0004】なお、TDMA方式を用いたデジタル移動
通信システム及びコード励振線形予測符号化方式の参考
文献としては、それぞれ下記の文献(1)及び(2)を
挙げることができる。
【0005】文献(1):N.S.Jayant and J.H.Chen, "
Speech Coding with Time-VaryingBit Allocations to
Excitation and LPC Parameters", Proc.ICASSP,pp65-6
8,1989. (2):EIA/TIA Spec. "DUAL MODE BASE STARION COMP
ATIBILITY STANDARD" IS-54,pp64,1991.
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、デジタル移動
通信では、電波の多重反射等に起因するフェージング現
象があり、この現象により移動機の位置によっては電波
の受信感度が著しく劣化する。このような電波状態の中
を移動機が移動すると、受信信号を復調したときに移動
機の移動速度に依存したデータ誤りが生ずる。一般的
に、送信データは誤り訂正符号化が適用されるため軽度
のデータ誤りは受信側で誤り訂正が可能である。しか
し、データのバースト誤りに対してはその効果が失われ
る。
【0007】従って、音声データの復号が不可能なフレ
ーム(以下、バッドフレーム)が生じることを避けるこ
とができず、再生音声品質を著しく劣化させてしまう。
【0008】そこで、バッドフレームに対して既に受信
しているデータ(例えば前フレームのデータ)を利用し
て補間処理を行なうことも考えられるが、このようにし
ても再生音声品質はまだまだ劣化したものであった。
【0009】本発明は、以上の点を考慮してなされたも
のであり、バッドフレームに対する補間を良好に行なう
ことができて高品質な再生音声信号を得ることができる
圧縮音声復号化装置を提供しようとしたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、第1の本発明においては、音声フレーム毎に処理さ
れて形成された圧縮音声符号化データを復号化処理する
圧縮音声復号化装置において、復号化処理対象フレーム
が、受信情報が欠落しているバッドフレームのときに、
復号化処理対象フレームより過去のフレーム及び将来の
フレームの情報を用いて復号化処理対象フレームの情報
を補間させる補間処理手段を設けた。
【0011】第2の本発明においては、音声フレーム毎
に処理されて形成された圧縮音声符号化データであっ
て、声道情報については線スペクトル対パラメータの多
段ベクトル符号化により形成された符号を含む圧縮音声
符号化データを復号化処理する圧縮音声復号化装置にお
いて、多段ベクトル復号化された少なくとも第1段の線
スペクトル対パラメータについて、復号化処理対象フレ
ームの前後のフレームの情報を保持し、復号化処理対象
フレームが、受信情報が欠落しているバッドフレームの
ときに、復号化処理対象フレームの前後のフレームにつ
いて保持している線スペクトル対パラメータから、復号
化処理対象フレームの線スペクトル対パラメータを補間
させる補間処理手段を設けた。
【0012】
【作用】復号化処理対象フレームが、受信情報が欠落し
ているバッドフレームのときに、何等の補間処理をしな
ければ音声が瞬間的になくなって再生音声信号の品質が
劣化する。復号化処理対象フレームより過去の既に受信
しているフレームの情報を利用することも考えられる
が、過去のフレームから復号化処理対象フレームへの原
音声信号の変化が大きい場合には、補間が良好になされ
ず、やはり再生音声信号の品質が劣化する。
【0013】そこで、第1の本発明においては、補間処
理手段が、復号化処理対象フレームが受信情報が欠落し
ているバッドフレームのときに、復号化処理対象フレー
ムより過去のフレーム及び将来のフレームの情報を用い
て復号化処理対象フレームの情報を補間させ、この補間
情報を利用して復号化処理させて再生音声信号の品質を
向上させるようにした。なお、このように、復号化処理
対象フレームより将来のフレームの情報を用いるので、
圧縮音声復号化装置は、入力された圧縮音声符号化デー
タのフレームを復号化処理対象フレームとするのではな
く、それより以前に入力された圧縮音声符号化データの
フレームを復号化処理対象フレームとする。
【0014】第2の本発明は、声道情報と励振源情報と
が別個に符号化された圧縮音声符号化データ(例えば、
コード励振線形予測符号化方式によるデータ)を対象と
しており、その内の声道情報の復号化構成に、上記第1
の本発明と同じ技術的思想を適用したものである。な
お、声道情報としては線スペクトル対パラメータが補間
特性が良好であると知られており、この線スペクトル対
パラメータを多段ベクトル量子化して圧縮音声符号化デ
ータに挿入することは既になされている。第2の本発明
はこのような圧縮音声符号化データを受信する圧縮音声
復号化装置に関する。
【0015】第2の本発明において、補間処理手段は、
多段ベクトル復号化された少なくとも第1段の線スペク
トル対パラメータについて、復号化処理対象フレームの
前後のフレームの情報を保持し、復号化処理対象フレー
ムが、受信情報が欠落しているバッドフレームのとき
に、復号化処理対象フレームの前後のフレームについて
保持している線スペクトル対パラメータから、復号化処
理対象フレームの線スペクトル対パラメータを補間させ
て復号化処理に利用させる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。
【0017】(A)デジタル移動通信システムの概略構
成 まず、実施例を適用したデジタル移動通信システムの概
略構成及び動作を説明する。ここで、図1がこのシステ
ムの構成を示すブロック図である。
【0018】送信側を示す図1(a)において、入力端
子11から入力された離散的音声信号の系列は、バッフ
ァ12にフレーム長だけ蓄積され、以降、このフレーム
長単位で処理される。
【0019】1フレーム長に対応した音声データは、音
声圧縮符号化部13によって圧縮符号化される。ここ
で、音声圧縮符号化部13は、例えばコード励振線形予
測符号化方式をベースとして、音声の特徴を示すパラメ
ータを決定するために線形予測分析等の処理を行なって
圧縮音声符号化データを得る。
【0020】音声圧縮符号化部13によって符号化され
た音声データは、誤り訂正符号化部14において誤り訂
正や誤り検出のための冗長データが付加されたり、ま
た、データ順序を所定の規則に従って変更するインター
リーブ処理が施されたりした後にTDMAフレームフォ
ーマット処理部15に与えられ、TDMAフレームフォ
ーマット処理部15によって対応するチャンネルフォー
マットに変換されて変調部16に与えられる。変調部1
6では、通信路符号化処理も経た符号化データを無線伝
送するために、ベースバンド帯域信号を無線帯域信号に
変換する変調処理や電力増幅処理が行なわれ、この後、
送信端子(アンテナ)17より送信される。
【0021】受信側を示す図1(b)において、受信端
子(アンテナ)18によって捕捉された受信信号は、復
調部19において無線周波帯域からベースバンド信号帯
域に変換する復調処理が行なわれる。この復調された信
号から、TDMAフレームフォーマット処理部20が対
応するチャンネルフォーマット信号を選択して誤り訂正
復号化部21に復調データを送る。
【0022】誤り訂正復号化部21では、データを本来
の時間順序に戻すデインターリーブ処理が行なわれた
後、誤り訂正処理が行なわれて圧縮音声符号化データに
復号される。この誤り訂正処理において、現在復号化処
理しているフレーム(現フレーム)のデータに致命的な
誤り(誤り訂正ができない誤り)が検出された場合に
は、誤り訂正復号化部21から圧縮音声復号化部23に
誤り検出情報25が送信される。
【0023】誤り訂正復号化部21によって得られた圧
縮音声符号化データは、1フレーム分バッファ22に蓄
積されることを通じて遅延されて、圧縮復号化部23の
処理対象となる。圧縮音声復号化部23においては、誤
り検出情報25に従って復号化処理を切替えている。
【0024】誤り検出情報25が誤り検出を指示してい
ない場合には、圧縮音声復号化部23は現フレームの圧
縮音声符号化データ、すなわち、誤り訂正復号化部21
からみれば1フレーム時間だけ遅延された圧縮音声符号
化データに対して復号化処理を行ない、再生音声信号を
生成して出力端子24より出力する。
【0025】勿論、圧縮音声復号化部23は、送信側の
音声圧縮符号化部13に対応したものであり、音声圧縮
符号化部13がコード励振線形予測符号化方式をベース
とした符号化構成になっていれば、圧縮音声復号化部2
3もコード励振線形予測符号化方式をベースとした復号
化構成になっている。
【0026】一方、誤り検出情報25が誤り検出を指示
している場合には(現フレームがバッドフレームである
場合には)、圧縮音声復号化部23は、現フレームの圧
縮音声符号化データを利用できないので、内蔵する補間
処理部23aを機能させた補間によって再生音声信号を
生成する。補間処理部23aは、考えられる従来とは異
なって、現フレームの直前フレーム(以下、前フレーム
と呼ぶ)の圧縮音声符号化データの情報だけでなく、現
フレームの直後フレーム(以下、次フレームと呼ぶ)の
圧縮音声符号化データを用いて適切な補間処理をし、復
号化させて現フレームの再生音声信号を生成させる。
【0027】図2は、上記システムの各部における出力
信号の概念的な時間関係を示すものである。
【0028】図2(a)に示す入力音声信号系列は、時
間区間系列としてフレームA,B,Cに区切られ、それ
ぞれのフレームに対応して時間的に圧縮符号化処理が行
なわれ、図2(b)に示すように次のフレーム区間で圧
縮音声符号化データCa,Cb,Ccが形成される。そ
して、これが図2(c)に示すようにTDMAフレーム
の対応しているチャンネルによって定まる所定位置に挿
入されて送信側及び受信側間で授受される。TDMAフ
レームから分離された図2(d1)に示す圧縮音声符号
化データに対しては、1フレーム遅延された後に圧縮復
号化処理が行なわれ、すなわち、次フレームの圧縮音声
符号化データも利用できる状態で圧縮復号化処理が実行
され、図2(e1)に示すような再生音声信号の系列が
得られる。
【0029】ここで、通信路エラー等によって、フレー
ムBがバッドフレームとなってその圧縮音声符号化デー
タCbを利用できない場合には、図2(d2)に示すよ
うに、前後のフレームA及びCの符号化データCa及び
Ccを用いてフレームBに対応した符号化データCbd
を適切に補間し、フレームBに対応した再生信号系列B
dを生成する。
【0030】以上のように、受信側において、圧縮音声
符号化データを遅延する構成を有して、復号処理対象の
現フレームがバッドフレームの場合にはその前後のフレ
ームの圧縮音声符号化データを利用して補間し、再生音
声信号を得るようにしたので、バッドフレームの情報を
良好に再現できて再生音声信号の品質を従来より高める
ことができる。
【0031】因みに、バッドフレームの補間に前フレー
ムの情報だけを用いることも考えられるが、前フレーム
及び現フレーム(バッドフレーム)間の情報の変化が大
きい場合には、補間がうまくいかず品質が劣化すること
を避けられないので、上述のようにバッドフレームの前
後の情報によって補間することが好ましい。
【0032】以下、バッドフレームの前後のフレームの
情報を用いて補間する具体的方法を、声道情報の補間方
法、励振源情報の補間方法の順に説明する。
【0033】(B)声道情報の補間方法 図3は、バッドフレーム(復号処理対象フレーム:現フ
レーム)の前後フレームの情報を利用した声道情報の補
間方法を適用した圧縮音声復号化装置(圧縮音声復号化
部)の具体的構成例を示すものである。なお、図3は、
励振源情報の処理構成も示しているが、声道情報の補間
方法の詳細説明を意図した図面である。
【0034】この図3に示す圧縮音声復号化装置は、上
述した図1に示す概念構成におけるバッファ22及び圧
縮音声復号化部23を融合した構成のものである。
【0035】また、この圧縮音声復号化装置は、以下の
ような符号化装置(図示せず)によって符号化された圧
縮音声符号化データを対象とするものである。すなわ
ち、コード励振線形予測符号化方式を基本とし、声道情
報については線スペクトル対パラメータ(LSPパラメ
ータ)を3段のベクトル量子化によって符号化して圧縮
音声符号化データに挿入する符号化装置を前提とする。
なお、線スペクトル対パラメータを符号化して圧縮音声
符号化データに挿入することについては、例えば、特願
平3-327443号明細書等に記載されており、この前提とす
る圧縮符号化装置は周知のものである。
【0036】図3において、多重分離回路50には圧縮
音声符号化データ及び誤り検出情報が与えられ、多重分
離回路50は、圧縮音声符号化データを多重分離し、分
離した第1段〜第3段のベクトル量子化符号VQ1n 〜
VQ3n をそれそれ対応する多段ベクトル復号化(逆量
子化)用のコードブック(以下、VQコードブックと呼
ぶ)51〜53に与える。
【0037】なお、図3において、各種符号についての
サフィックス「p 」は、再生音声信号が出力されている
現フレームに対する、前フレームでの値を意味し、各種
符号についてのサフィックス「n 」は次フレームでの値
を意味し、サフィックス「p」も「n 」も付与されてい
ない値は現フレームの値を意味する。
【0038】各VQコードブック51、52、53はそ
れぞれ、与えられた符号VQ1n 、VQ2n 、VQ3n
によって定まる線スペクトル対パラメータ成分LSP1
n 、LSP2n 、LSP3n を出力する。これら各線ス
ペクトル対パラメータ成分LSP1n 、LSP2n 及び
LSP3n の総和(ベクトル合成)が、加算器54及び
55によって求められ、次フレームの線スペクトル対パ
ラメータLSPn としてバッファ56に与えられる。バ
ッファ56はほぼ1フレーム遅延回路として機能し、現
フレームについての線スペクトル対パラメータLSPを
スイッチ57に出力する。
【0039】多重分離回路50は、図示しない誤り訂正
復号化部(通信路復号化部)から与えられた誤り検出情
報に従い、現フレームがバッドフレームでない場合(通
常の処理の場合)にバッファ56側に接続させる選択制
御信号SWをスイッチ57に与える。なお、多重分離回
路50は、現フレームがバッドフレームである場合には
後述する補間回路64側に接続させる選択制御信号SW
をスイッチ57に与える。
【0040】スイッチ57がバッファ56に接続されて
いる通常処理時には、バッファ56からの現フレームに
ついての線スペクトル対パラメータLSPがLPC係数
変換器58に与えられる。LPC係数変換器58は、線
スペクトル対パラメータLSPをLPC係数(線形予測
係数)αに変換して合成フィルタ59に合成フィルタ係
数として与える。
【0041】多重分離回路50は、圧縮音声符号化デー
タを多重分離して得た励振源符号を励振源復号化部60
に与える。励振源復号化部60は、例えば、適応励振コ
ードブックや統計励振コードブックやこれら励振コード
ブックからの励振信号(励振コードベクトル)をゲイン
によって重付け加算する構成等でなり、現フレームがバ
ッドフレームでない場合には現フレームの励振源符号か
ら得た励振信号eを合成フィルタ59に与える。
【0042】合成フィルタ59は、与えられた励振信号
eに対して与えられたLPC係数αを用いて合成処理
し、現フレームについての再生音声信号を得る。
【0043】以上が基本的な復号化構成であるが、これ
に加えて、現フレームがバッドフレームの場合に補間す
る構成を備えている。なお、上述したスイッチ57も補
間構成の一部を構成する。
【0044】第1段のVQコードブック51から出力さ
れた次フレームについての第1段の線スペクトル対パラ
メータ成分LSP1n は、3個のバッファ61〜63で
なる縦続接続構成部に与えられる。従って、バッファ6
1が次フレームについての第1段の線スペクトル対パラ
メータ成分LSP1n を格納し、バッファ62が現フレ
ームについての第1段の線スペクトル対パラメータ成分
LSP1を格納し、バッファ63が前フレームについて
の第1段の線スペクトル対パラメータ成分LSP1p を
格納することになる。
【0045】バッファ61による次フレームについての
第1段の線スペクトル対パラメータ成分LSP1n と、
バッファ63による前フレームについての第1段の線ス
ペクトル対パラメータ成分LSP1p とは、補間回路6
4に与えられる。補間回路64は、これらの現フレーム
に対する前後フレームの第1段の線スペクトル対パラメ
ータ成分LSP1n 及びLSP1p から現フレーム(バ
ッドフレーム)についての線スペクトル対パラメータL
SPd (d は補間した値を意味する:以下同じ)を得て
スイッチ57に与える。補間回路64は、例えば単純平
均や重付け平均によって補間する。
【0046】現フレームがバッドフレームの場合には、
スイッチ57は、選択制御信号SWに基づいて補間回路
64側に接続されており、この補間された線スペクトル
対パラメータLSPd がLPC係数変換器58に与えら
れ、LPC係数(合成フィルタ係数)αd に変換されて
合成フィルタ59に与えられる。現フレームがバッドフ
レームの場合には、励振源復号化部60も補間処理によ
って形成した励振信号ed を合成フィルタ59に与え
る。なお、励振信号を補間によって形成する具体的な方
法の一例については後述する。従って、合成フィルタ5
9は、現フレームがバッドフレームの場合には、補間処
理によって形成された励振信号ed に対して補間処理に
よって形成されたLPC係数αd を用いて合成処理し、
現フレームについての再生音声信号を得る。
【0047】以上のように、現フレームがバッドフレー
ムの場合に、声道情報をその前後のフレームの情報から
補間して得ると、滑らかに補間することができて再生音
声信号の品質を高めることができる。
【0048】ここで、線スペクトル対パラメータは、種
々の声道パラメータ表現の中で補間特性が最も良いもの
といわれており、良好に補間することができる。また、
多段ベクトル量子化の場合、第1段の情報が本来のベク
トル情報の大半を表しており、上述のように第1段の情
報だけで補間情報を得ても再生音声品質を高めることが
でき、この場合には補間構成を簡単なものとできる。な
お、第2段及び第3段の情報をも補間に利用して良いこ
とは勿論である。
【0049】バッドフレームである現フレームの前後の
フレームの情報から声道情報を補間する方法は、上述の
ものに限定されるものではなく、線スペクトル対パラメ
ータ以外を適用したものであっても良く、量子化もマト
リクス量子化等の他の量子化方法を適用したものであっ
ても良い。
【0050】(C)励振源情報の補間方法 図4は、バッドフレーム(復号処理対象フレーム:現フ
レーム)の前後フレームの情報を利用した励振源情報の
補間方法を適用した圧縮音声復号化装置(圧縮音声復号
化部)の具体的構成例を示すものである。なお、図4に
示すものは、声道情報については単純に前フレームの情
報を利用するとしている。
【0051】この図4に示す圧縮音声復号化装置は、次
のような符号化装置(コード励振線形予測符号化装置:
図示せず)に対応したものである。すなわち、適応励振
コードブック及び統計励振コードブックの双方を有し、
フレーム毎に求めた、合成フィルタ係数(声道パラメー
タ)α、最適適応励振コードベクトルについてのインデ
ックスL、最適適応励振コードベクトルについてのゲイ
ン(以下、適応励振コードゲインと呼ぶ)β、最適統計
励振コードベクトルについてのインデックスH及び最適
統計励振コードベクトルについてのゲイン(以下、統計
励振コードゲインと呼ぶ)γを量子化、多重化して圧縮
音声符号化データを形成するコード励振線形予測符号化
装置に対応したものである。
【0052】従って、この圧縮音声復号化装置(コード
励振線形予測復号化装置)は、多重分離回路100、適
応励振コードブック101、統計励振コードブック10
2、適応用ゲイン乗算器103、統計用ゲイン乗算器1
04、加算器105及び合成フィルタ106を基本構成
とするものである。
【0053】なお、図4に示す多重分離回路100は、
図3に示す多重分離回路50より広い機能を担うブロッ
クとして示している。すなわち、多重分離回路100
は、合成フィルタ係数に対する復号化機能等や、現フレ
ームだけでなく、前フレーム及び次フレームの各種情報
をも出力し得る機能(バッファ等)を備えているように
ブロック化されたものである。
【0054】基本構成が、適応励振コードブック(10
1)を備えた符号化方式を前提としているので、次フレ
ームの情報を補間に適用することが難しいものである
が、以下の3点の改善のために利用するようにしてい
る。
【0055】(1) 音声の立ち上がり部分でバッドフレー
ムが生じても励振コードベクトルの周期性をうまく再現
できるように補間するために用いる。
【0056】(2) 現フレームがバッドフレームであった
場合に、適応励振コードベクトルと統計励振コードベク
トルとをどのような比率で合成するかを表す加算比率
を、再生音声の品質が良好になるように補間するために
用いる。
【0057】(3) 現フレームがバッドフレームであった
場合に、パワーを、再生音声の品質が良好になるように
補間するために用いる。
【0058】図4において、基本構成の外に設けられた
各部の内、スイッチ107、パルス用乗算器108、パ
ルス発生回路109、ラグ計算回路110及び立ち上が
り検出回路111は第1の改善のためのものであり、加
算比率計算回路120、スイッチ121及び122は第
2の改善のためであり、パワー用補間器130及びパワ
ー用乗算器131は第3の改善のためのものである。な
お、各要素の機能は、動作の説明を通じて明らかにす
る。
【0059】まず、現フレームがバッドフレームでない
通常時の動作を説明する。
【0060】通常時には、多重分離回路100は、現フ
レームの圧縮音声符号化データを分離して得た、適応励
振コードブックインデックスL、統計励振コードブック
インデックスH、適応励振コードゲインβ、統計励振コ
ードゲインγ及び合成フィルタ係数αを各部に出力す
る。
【0061】これにより、適応励振コードブック101
からはインデックスLによって定まる適応励振コードベ
クトルea が出力され、この適応励振コードベクトルe
a が乗算器103によって適応励振コードゲインβ倍さ
れた後、後述するスイッチ107を介して加算器105
に与えられ、また、統計励振コードブック102からは
インデックスHによって定まる統計励振コードベクトル
es が出力され、この統計励振コードベクトルes が乗
算器104によって統計励振コードゲインγ倍された後
加算器105に与えられる。
【0062】なお、通常動作時には、スイッチ121及
び122は共に、多重分離回路100が現フレームの圧
縮音声符号化データを分離して得たゲインβ、γを選択
するようになされている。また、スイッチ107は、適
応用乗算器103側を選択するようになされている。
【0063】加算器105は、これら各成分の励振コー
ドベクトルを合成し、現フレームについての最適な励振
コードベクトル(合成励振コードベクトル)eを得て、
乗算係数PWとして1が与えられている乗算器131を
介して合成フィルタ106に与え、合成フィルタ106
はこの合成励振コードベクトルeに対して合成フィルタ
係数αを用いて合成処理して再生音声信号Sを得る。
【0064】乗算器131を介した現フレームについて
の合成励振コードベクトルeは、適応励振コードブック
101にフィードバックされ、適応励振コードブック1
01は、これに応じて、格納している励振コードベクト
ルを適応的に変更させる。なお、この励振コードベクト
ルeはラグ計算回路110にも与えられる。
【0065】現フレームがバッドフレームでない限り、
このような通常時の復号化処理が繰り返される。
【0066】次に、現フレームがバッドフレームの場合
の動作を説明する。
【0067】このときには、多重分離回路100は、各
部に対して以下のような情報を与える。適応励振コード
ブック101には、現フレームの補間インデックスLd
として前フレームのインデックスLp を与える。統計励
振コードブック102には、現フレームの補間インデッ
クスHd として前フレームのインデックスHp を与え
る。合成フィルタ106には、現フレームの補間合成フ
ィルタ係数αd として前フレームの合成フィルタ係数α
p を与える。立ち上がり検出回路111には、前フレー
ムの適応励振コードゲインβp 及び統計励振コードゲイ
ンγp と、次フレームの適応励振コードゲインβn 及び
統計励振コードゲインγn とを与える。加算比率計算回
路120には、次フレームの適応励振コードゲインβn
及び統計励振コードゲインγn を与える。スイッチ12
0及び121には、加算比率計算回路120が形成した
補間励振コードゲインβd 、γd を選択させる選択制御
信号を与える。スイッチ107には、立ち上がり検出回
路111が有意な検出信号を出力したときにパルス用乗
算器108側を選択させ、非有意な検出信号を出力した
ときに適応用乗算器103側を選択させる選択制御信号
を与える。パワー補間器130には、次フレームの適応
励振コードゲインβn 及び統計励振コードゲインγn を
与える。
【0068】立ち上がり検出回路111は、前フレーム
の適応励振コードゲインβp 及び統計励振コードゲイン
γp 、並びに、次フレームの適応励振ゲインβn 及び統
計励振ゲインγn を用いて、現フレーム(バッドフレー
ム)が音声の立ち上がり部分であるか否かを検出する。
立ち上がり検出回路111は、例えば、(1) 式及び(2)
式の条件式を共に満たす場合に、現フレーム(バッドフ
レーム)は、その前後のフレームの情報から判断して音
声の立ち上がり部分であると判断する。
【0069】 √(βn ×βn +γn ×γn )>√(βp ×βp +γp ×γp ) …(1) |βn /γn |>|βp /γp | …(2) (1) 式に示す条件は、次フレームのパワーが前フレーム
のパワーより大きいか否かを判定するための条件であ
る。(2) 式に示す条件は、合成励振コードベクトルにお
ける適応励振コードベクトルの寄与率が、前フレームよ
り次フレームの方が大きいか否かを判定するための条件
である。
【0070】音声の立ち上がり部分では当然にパワーが
大きくなっていく。また、適応励振コードベクトルは統
計励振コードベクトルに比較してピッチ周期性に大きく
寄与し、音声の立ち上がり部分ではピッチ周期性が強ま
っていくので、適応励振コードベクトルの寄与率の増大
も音声の立ち上がり部分の判断要素である。
【0071】スイッチ107は、上述したように、立ち
上がり検出回路111が立ち上がりを検出したときにの
み、パルス用乗算器108側を選択し、現フレームがバ
ッドフレームでないとき、及び、現フレームがバッドフ
レームであるが現フレームが立ち上がり部分でないとき
に、上述した適応用乗算器103側を選択する。
【0072】ラグ計算回路110は、過去の合成励振コ
ードベクトルをラグを計算するに十分に所定期間分格納
しており、立ち上がり検出回路111が立ち上がりを検
出したときには、ラグ(ピッチ周期)と、現フレームに
おける最初のパルス位置についての位相とでなるラグ情
報Pを計算してパルス発生回路109に与える。
【0073】パルス発生回路110は、与えられたラグ
情報Pに従い、それに含まれているラグを間隔とした周
期的なパルスを有する、しかも、最初のパルス位相が与
えられた情報通りになっているパルス励振コードベクト
ルem を発生してパルス用乗算器108に与える。
【0074】パルス用乗算器108は、パルス発生回路
110から出力されたパルス励振コードベクトルem
を、加算比率計算回路120から与えられた補間適応励
振コードゲインβd 倍してスイッチ107に入力させ
る。
【0075】加算比率計算回路120には、適応用乗算
器103から出力されたゲイン乗算後の前フレームにつ
いての適応励振コードベクトルeagp と、統計用乗算器
104から出力されたゲイン乗算後の前フレームについ
ての統計励振コードベクトルesgp と、上述したように
次フレームの適応励振コードゲインβn 及び統計励振コ
ードゲインγn とが与えられる。
【0076】加算比率計算回路120は、まず、これら
情報を用いた(3) 式及び(4) 式に従って、前フレームに
ついての加算比率ppと次フレームについての加算比率
pnを求める。
【0077】 pp=√(eagp ×eagp )/√(esgp ×esgp ) …(3) pn=|βn /γn | …(4) ここで、同一の励振コードベクトル同士の乗算はベクト
ル要素の2乗和(内積)を表している。
【0078】前フレームについては、加算器105に与
えられるゲイン乗算後の適応励振コードベクトルeagp
と、ゲイン乗算後の統計励振コードベクトルesgp とが
既知であるので、これら情報を用いて加算比率ppを求
めれば良い。一方、次フレームについては、適応励振コ
ードブック101が次フレームの処理のために更新され
る前に加算比率を求めなければならないので、加算器1
05に与えられる情報を用いて加算比率pnを求めるこ
とができない。しかし、適応励振コードベクトル及び統
計励振コードベクトルがどのようなものであっても、適
応励振コードゲインβn 及び統計励振コードゲインγn
の比が概ね加算比率pnを規定するものとなっており、
そこで、(4) 式によって次フレームの加算比率pnを推
定するようにした。
【0079】加算比率計算回路120は、次に、前フレ
ームの加算比率pp及び次フレームの加算比率pnを用
いて(5) 式に従って現フレームの加算比率pを推定す
る。
【0080】 p=θ×pp+(1−θ)×pn …(5) ここで、θは0<θ<1であって、例えば実験的に定め
られるものである。
【0081】そして最後に、加算比率計算回路120
は、現フレームについての加算比率pを利用しながら、
例えば(6) 式及び(7) 式に従って、現フレーム(バッド
フレーム)についての適応励振コードゲインβd 及び統
計励振コードゲインγd を決定してそれぞれ対応するス
イッチ121、122を介して対応する適応用乗算器1
03、統計用乗算器104に与える。また、適応励振コ
ードゲインβd は、パルス用乗算器108にも与える。
【0082】 βd =p×γn …(6) γd =γn …(7) なお、各ゲインβd 及びγd を、例えば、次フレームの
適応励振コードゲインβn を中心として推定した加算比
率pに基づいて決定したり、前フレーム及び次フレーム
の統計励振コードゲインγp 及びγn の平均値を基準に
推定した加算比率pに基づいて決定したりしても良い。
【0083】パワー補間器130は、パワー補間用の乗
算係数PWを発生するものであり、パワー補間用乗算器
131は、加算器105から出力された合成励振コード
ベクトルe又はeddにパワー補間用の乗算係数PWを乗
算して合成フィルタ106に与える。パワー補間器13
0は、現フレームがバッドフレームでない場合には、上
述したように加算器105から出力された合成励振コー
ドベクトルeを乗算器131がそのまま通過させる乗算
係数PW(=1)を出力し、現フレームがバッドフレー
ムの場合には、以下のようにして、乗算係数PWを形成
して出力する。
【0084】パワー補間器130は、前フレームの合成
励振コードベクトルep を格納する構成を備えており、
この前フレームの合成励振コードベクトルep と、多重
分離回路100から与えられた次フレームの適応励振コ
ードゲインβn 及び統計励振コードゲインγn から(8)
式に示すパワー情報pwを得る。
【0085】 pw=λ×ε×√(βn ×βn +γn ×γn ) +(1−λ)×√(ep ×ep ) …(8) ここで、0<ε、0<λ<1であり、これらの値は例え
ば実験によって定められる。前フレームのパワー情報
は、合成励振コードベクトルep が既に得られているの
でこれを利用して求める。一方、次フレームの合成励振
コードベクトルを利用できないので、パワーの大小に反
映する情報である適応励振コードゲインβn及び統計励
振コードゲインγn を用いてパワー情報を推定する。こ
のように次フレームについては前フレームとは異なる演
算によってパワー情報を推定しているので、仮に前フレ
ームと同様に合成励振コードベクトルから求めた場合に
対する修正係数εを乗算する。また、前フレームのパワ
ー情報と次フレームのパワー情報とが、現フレームにつ
いてのパワー情報pwにどのように寄与するかを考慮し
て重み係数λを適用している。
【0086】また、現フレーム(バッドフレーム)につ
いての各種の補間値を適用したときに、加算器105か
ら出力された合成励振コードベクトルeddが、パワー補
間器130に与えられる。
【0087】パワー補間器130は、この合成励振コー
ドベクトルedd及び現フレームについてのパワー情報p
wに基づき、(9) 式に従って乗算係数PWを決定する。
【0088】 PW=pw/√(edd×edd) …(9) ここで、パワー情報pwは絶対的な大きさ情報であるの
で、合成励振コードベクトルeddが有するパワー情報√
(edd×edd)を利用して正規化することでパワー情報
の変化率(乗算係数PW)に変換している。なお、正規
化のための分母としては、前フレームのパワー情報を利
用することも可能である。
【0089】基本構成に追加された各部が、以上のよう
に動作するので、現フレームがバッドフレームの場合に
は、以下のような一連の処理によって再生音声Sd が得
られる。
【0090】立ち上がり検出回路111によって、バッ
ドフレームである現フレームが音声の立ち上がり部分で
はないと判定された場合には、前フレームのインデック
スLd によって定まった、適応励振コードブック101
から出力された適応励振コードベクトルeadが、乗算器
103によって加算比率計算回路120から出力された
適応励振コードゲインβd 倍された後スイッチ107を
介して加算器105に与えられ、また、前フレームのイ
ンデックスHd によって定まった、統計励振コードブッ
ク102から出力された統計励振コードベクトルesd
が、乗算器104によって加算比率計算回路120から
出力された統計励振コードゲインγd 倍された後加算器
105に与えられる。加算器105は、これらの励振コ
ードベクトルを合成し、補間した合成励振コードベクト
ルeddを得て、パワー補間器130及びパワー補間用乗
算器131に与える。パワー補間器130は、この情報
をも利用してパワー補間用の乗算係数PWを発生し、乗
算器131は補間された合成励振コードベクトルeddに
対して乗算係数PWを掛けてパワー補間をも行なって得
られた補間合成コードベクトルed を合成フィルタ10
6に与える。合成フィルタ106は、この合成励振コー
ドベクトルed に対して前フレームの合成フィルタ係数
αd を用いて合成処理して再生音声信号Sd を得る。
【0091】これに対して、立ち上がり検出回路111
によって、バッドフレームである現フレームが音声の立
ち上がり部分であると判定された場合には、ラグ計算回
路110によって過去の合成励振コードベクトルから現
フレームについてのラグ情報Pが推定され、これによ
り、パルス発生回路109からパルス励振コードベクト
ルem が出力される。このパルス励振コードベクトルe
m が乗算器108によって加算比率計算回路120から
出力された適応励振コードゲインβd 倍された後スイッ
チ107を介して加算器105に与えられる。また、前
フレームのインデックスHd によって定まった、統計励
振コードブック102から出力された統計励振コードベ
クトルesdが、乗算器104によって加算比率計算回路
120から出力された統計励振コードゲインγd 倍され
た後加算器105に与えられる。加算器105は、これ
ら各成分の励振コードベクトルを合成し、補間した合成
励振コードベクトルeddを得る。なお、加算器105以
降の動作は、バッドフレーム(現フレーム)が音声の立
ち上がり部分でないときの動作と同様であるので、その
説明は省略する。
【0092】以上のように、前フレームだけでなく次フ
レームの情報をも利用して励振源情報を補間するように
したので、再生音声信号の品質を向上させることができ
る。図4に示す補間構成によれば、具体的には、音声の
立ち上がり部分での再現性が良くなってピッチ周期性を
うまく再現でき、また、適応励振コードベクトルと統計
励振コードベクトルとをどのような比率で合成するかを
表す加算比率変化を滑らかに再現でき、さらに、パワー
変化を滑らかに再現できて、再生音声信号の品質を高め
ることができる。
【0093】なお、図4は、次フレームの情報をも利用
した励振源情報の補間方法の一例を示したに過ぎない。
【0094】(D)他の実施例 上記実施例においては、現フレームがバッドフレームの
場合に前後のフレームの情報を利用するものを示した
が、前フレームよりも過去の情報や次フレームよりも将
来の情報をも補間に利用するようにしても良い。
【0095】また、本発明はデジタル移動通信に適用す
る場合を考慮してなされたものであるが、適用し得るシ
ステムはこれに限定されるものではなく、記録再生のシ
ステムであっても良い。そのため、圧縮音声符号化方式
もコード励振線形予測符号化方式を中心としたものに限
定されない。
【0096】さらに、声道情報と励振源情報とで処理フ
レームの長さが異なっていても良い。例えば、声道情報
の処理フレームを数個に等分した長さが励振源情報の処
理フレームとなっている場合であっても本発明を適用す
ることができる。
【0097】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、処理単
位が音声フレーム毎である圧縮音声符号化データを復号
化処理する圧縮音声復号化装置において、復号化処理対
象フレームが、受信情報が欠落しているバッドフレーム
のときに、復号化処理対象フレームより過去のフレーム
及び将来のフレームの情報を用いて復号化処理対象フレ
ームの情報を補間させる補間処理手段を設けたので、バ
ッドフレームに対する補間を良好に行なうことができて
再生音声信号の品質を従来より向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を適用したデジタル移動通信システムを
示すブロック図である。
【図2】図1システムの各処理部におけるフレームの時
間関係を示す説明図である。
【図3】実施例による声道情報の具体的補間構成を示す
ブロック図である。
【図4】実施例による励振源情報の具体的補間構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
21…誤り訂正復号化部、22、56、61〜63…バ
ッファ、23…圧縮音声復号化部、23a…補間処理
部、50…多重分離回路、51〜53…ベクトル復号化
(逆量子化)用のVQコードブック、57…スイッチ、
64…補間回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有山 義博 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声フレーム毎に処理されて形成された
    圧縮音声符号化データを復号化処理する圧縮音声復号化
    装置において、 復号化処理対象フレームが、受信情報が欠落しているバ
    ッドフレームのときに、復号化処理対象フレームより過
    去のフレーム及び将来のフレームの情報を用いて復号化
    処理対象フレームの情報を補間させる補間処理手段を備
    えたことを特徴とした圧縮音声復号化装置。
  2. 【請求項2】 音声フレーム毎に処理されて形成された
    圧縮音声符号化データであって、声道情報については線
    スペクトル対パラメータの多段ベクトル符号化により形
    成された符号を含む圧縮音声符号化データを復号化処理
    する圧縮音声復号化装置において、 多段ベクトル復号化された少なくとも第1段の線スペク
    トル対パラメータについて、復号化処理対象フレームの
    前後のフレームの情報を保持し、復号化処理対象フレー
    ムが、受信情報が欠落しているバッドフレームのとき
    に、復号化処理対象フレームの前後のフレームについて
    保持している線スペクトル対パラメータから、復号化処
    理対象フレームの線スペクトル対パラメータを補間させ
    る補間処理手段を備えたことを特徴とした圧縮音声復号
    化装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008139661A (ja) * 2006-12-04 2008-06-19 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 音声信号受信装置、それに使用される音声パケット消失補償方法、その方法を実施するプログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体
JP2017509006A (ja) * 2014-02-28 2017-03-30 グーグル インコーポレイテッド 欠落データにわたる正弦波内挿

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