JPH06121583A - センサレスブラシレスモータの駆動装置 - Google Patents

センサレスブラシレスモータの駆動装置

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JPH06121583A
JPH06121583A JP4263292A JP26329292A JPH06121583A JP H06121583 A JPH06121583 A JP H06121583A JP 4263292 A JP4263292 A JP 4263292A JP 26329292 A JP26329292 A JP 26329292A JP H06121583 A JPH06121583 A JP H06121583A
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JP
Japan
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voltage
brushless motor
motor
induced voltage
coil
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JP4263292A
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English (en)
Inventor
Satoshi Tamaki
悟史 玉木
Yasuhiro Kondo
康宏 近藤
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 家電機器等の分野に使用されるブラシレスモ
ータにおいて、ロータの位置検出用センサなしでブラシ
レスモータを駆動させることで、センサを有するための
環境上の使用制限をなくし、モータのコストダウンを行
うことを目的とする。 【構成】 一つの励磁コイルの端子電圧を観測し、誘起
電圧の電気角30度周期を測定し、測定された周期を用
いて30度の励磁時間とし、誘起電圧とモータの中性点
電圧とを比較し、クロスする点をトリガ点として、励磁
パターンに従って先に計算した30度時間で転流させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家電機器等に用いられ
る位置検出用センサのないブラシレスモータの駆動装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】家電機器等の分野において、商品の長寿
命,高信頼性化が進み、それにともないブラシレスモー
タが使用されるようになってきている。またその駆動方
法についても、センサレス駆動する方法が数多く提案さ
れている。
【0003】以下にセンサレス駆動の一方法について説
明する。図9に従来のセンサレスブラシレスモータの駆
動回路の概略ブロック図を示す。図9において21はス
イッチング回路、22は駆動パルス発生ロジック、23
は遅延回路、24,25はコンパレータ、26はマイク
ロプロセッサである。La,Lbはモータのコイルであ
る。
【0004】図10において(a)は誘起電圧、(b)
はコンパレータから得られたパルス信号、(c)は遅延
クロックである。図中で使用するモータは2相全波駆動
である。
【0005】モータが回転している時は各コイルLa,
Lbの両端には図10(a)の波形図に示すように90
度位相差の正弦波状の誘起電圧Ea,Ebが発生する。
この誘起電圧Ea,EbはコイルLa,Lbの両端に2
入力が接続されたコンパレータ24,25によってモー
タの中性点電圧において波形整形される。したがって、
各コンパレータ24,25から図10(b)に示すよう
に誘起電圧Ea,Ebと同じ周期,位相で90度位相差
のパルス信号S1,S2が得られる。
【0006】パルス信号S1,S2は遅延回路23に供
給され、図10(c)に示すように、S1,S2の立上
がり両エッヂから時間Tだけ立上がりが遅延された遅延
クロックDCKが形成される。時間Tは電気角で45度
に相当し、これにより回転位置センサなしでロータマグ
ネットの基準位置である磁極境界から45度の位置を前
縁とする90度幅の電気角を設定でき、ブラシレスモー
タをセンサレス駆動している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記構成
では、モータの通電切換えは遅延パルスDCKを基準に
行われるため、遅延回路を余分に設けなければならず、
また遅延パルスに時間の誤差が含まれていれば、適切な
タイミングで転流することができなくなる。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、遅延パルスを設けずに適切なタイミングで転流する
ことのできるセンサレス駆動できるブラシレスモータの
駆動装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のセンサレスブラシレスモータの駆動装置は、
通電開始状態からの起動手段と、少なくとも一つの励磁
コイルの誘起電圧の電気角30度の周期を測定する手段
と、測定された周期を基に各コイルの通電切換えを行う
手段と、誘起電圧とモータの中性点電圧がクロスする位
置を基準に各コイルの通電切換えを行う手段と、誘起電
圧とモータの中性点電圧とを比較しロータの回転位置と
励磁タイミングの位相差をなくすよう制御する手段とを
備えている。
【0010】
【作用】本発明は上記した構成により、ロータの回転位
置センサなしでモータの回転速度に応じた励磁時間を作
り出し、最適な通電切換えを行うことができる。
【0011】
【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。
【0012】図1に本発明のセンサレスブラシレスモー
タの駆動装置のブロック図を示す。図1において1はマ
イクロプロセッサで、各コイルの励磁切換えタイミング
の決定と、各コイルの励磁切換信号P1〜P6の出力
と、励磁コイルの誘起電圧の電気角30度に相当する周
期T(180)の取込みを行う。2は各コイルの励磁切
換えを行うドライバ、3は3相結線されたブラシレスモ
ータで3相全波駆動をおこなう。4はモータの3つの励
磁コイルのうち特定の1つの励磁コイルの誘起電圧(例
えばEw)とモータの中性点電圧とを比較するコンパレ
ータ、5はコンパレータ4出力の電圧レベルを変換する
レベル変換回路、6はレベル変換回路5の出力信号とマ
イクロプロセッサ1の出力信号を合成するゲート回路、
7はモータの中性点電圧もしくは同等の基準電圧であ
る。
【0013】さらに詳細に本発明の実施例の動作を説明
すると、まずモータの停止状態から3相の各相に強制的
に通電を開始する。この通電方式はいわゆる3相モータ
の全波駆動方式と呼ばれているもので、U,V,Wの各
相にU→V,W→V,W→U,V→U,V→W,U→W
と順次通電を行う。このときロータはこの励磁に対応し
ていわゆるオープンループで同期回転する。
【0014】始動時には各励磁パターンの励磁時間はモ
ータが起動するのに十分遅い時間で通電し、徐々に励磁
時間を早めロータの回転速度を上げて行く、いわゆるス
ローアップ駆動を行う。そして、このロータの回転速度
が充分な速度になると前記の誘起電圧が処理可能なレベ
ルとなる。この様子を図3に示す。
【0015】ここで、例えばW相に着目して見ると電気
角30度の周期は中性点電位と比較することで測定可能
であることが分る。この30度周期T(30)をマイク
ロプロセッサで測定する。この測定時に本来の30度周
期T(30)以外に励磁コイルのスイッチングにより過
渡的な中性点電位とクロスする電圧が発生する。マイク
ロプロセッサのソフトウエアで立下がりのみ観測するよ
うに制御する。またはマイクロプロセッサからマスクパ
ルスを発生させ、これを除去し誘起電圧の30度相当周
期T(30)を測定する。
【0016】図2は本発明に使用することのできるマイ
クロプロセッサ1の内部構成図の一例である。レベル変
換回路の出力P7と誘起電圧のクロス位置検出信号P9
が入力回路12を介して8の中央演算装置(以下CPU
と略す)に入る。CPU8は10のタイマ1,11のタ
イマ2,9のメモリとそれぞれ接続されている。13は
出力回路でCPUの出力がドライバ2、およびゲート回
路6にそれぞれ信号P1〜P6およびP8を供給してい
る。
【0017】図3は各部の要部波形図であり、(a)は
一つの励磁コイルの端子電圧波形で、Ewとする。この
波形はロータの回転情報である誘起電圧成分を含んでお
り、この誘起電圧成分のみを示す点線のようになる。こ
の波形を図1のコンパレータ4に入力し、モータの中性
点電圧と比較し、その結果をレベル変換回路5に入力す
る。その出力が図3(b)となる。この波形(b)には
誘起電圧Ewと同じ周期と位相が含まれている。
【0018】図3(b)中の矢印のエッヂの立下がりか
ら、次の立下がりまでが30度周期T(30)である。
【0019】ここで前記タイマ1を用いて、誘起電圧3
0度周期を測定する。例えば、図3(c)に示すような
励磁コイルのスイッチングによる過渡的な電圧を除去す
るためにパルス信号を出力し、(b)波形とORをとり
(d)波形に整形された波形を用い、(d)中の矢印の
エッヂの立上がりから立下がりまでの周期、すなわち3
0度相当周期T(30)を測定し、エッヂの立下がりで
割込みを発生させる。
【0020】あるいは(e)に示すタイミングでソフト
ウエア側にて制御し、その許可タイミングのみ(b)波
形の立下がりのみを観測し、エッヂの立下がりから立下
がりまでの周期を測定し、エッヂの立下がりで割込みを
発生させることで30度周期T(30)を測定すること
ができる。
【0021】これは誘起電圧360度を12分割した値
で、従って3相全波駆動する場合は、励磁パターンは1
2パターンとなる。
【0022】この後U相の発電波形が中性点電位とプラ
スからマイナスにクロスするタイミングで前記測定結果
に基づいた3相の励磁パターンの第1ステップを出力す
る。以下順次、前記の計算された時間毎に3相の励磁パ
ターンを出力する。
【0023】これは、例えばマイクロプロセッサが図2
に示す構成の場合、タイマ1を用いて測定された30度
周期T(30)をタイマ2で測定し、時間毎に割込みを
発生させて3相の励磁パターンである12パターンを順
次出力する。
【0024】あるいは、マイクロプロセッサが図2の構
成と異なっていても、30度に相当する時間を測定でき
れば効果は同じである。
【0025】図3を用いて上記一連の流れを説明する
と、モータの回転速度に応じたコイルの端子電圧波形E
w(a)に含まれる誘起電圧の30度周期T(30)を
図2のタイマ1で測定し、割込み1を発生させる。これ
は(b)のエッヂの立下がりもしくは(d)のエッヂの
立下がりを意味し、端子電圧波形が中性点電圧とプラス
からマイナスにクロスする位置と同じである。
【0026】次に、測定された周期を励磁時間とする。
これは、誘起電圧360度に対して12分割した値であ
る。そして、次のクロス点(▼2)をトリガ点として、
P1〜P6に示す励磁パターンに従って先に測定で求め
た30度周期T(30)を図2のタイマ2で計測し出力
する。つまり誘起電圧の30度時間を測定し、誘起電圧
のクロスする位置をトリガ点(▼)としてP1〜P6に
示す12の励磁パターンに従って30度時間で転流を行
う。周期の取込み,演算,転流のタイミングは常にトリ
ガ点(▼)を基準に行われる。なお、トリガ点では30
度周期の測定と励磁パターンの出力を同時に処理する
が、割込みの優先順位は誘起電圧の周期測定による割込
みの方が優先順位は高いものとする。
【0027】また、コイル3相のうち1相を用いて、例
えばU相の非通電期間で端子電圧波形と中性点電位との
レベル比較を行い、この高低の組合わせ4種類で次の様
に前記30度励磁周期の補正をする。
【0028】図4は30度励磁周期を補正する概念を示
す要部波形図である。図4において(a)は励磁コイル
の端子電圧波形で、正常時,位相進み,位相遅れの場合
を重ねて記す。なお、位相遅れ,位相進み時は誘起電圧
波形のみを記す。(b)は正常時のコンパレータ4の出
力をレベル変換した信号P7,(c)は位相進み時のコ
ンパレータ4の出力をレベル変換した信号P7,(d)
は位相遅れ時のコンパレータ4の出力をレベル変換した
信号P7である。
【0029】例えば、ひとつの組合わせとして1回目の
励磁パターン出力時のP7と6回目の励磁パターン出力
時のP7のレベルの高低の組合わせ、つまりコイルの非
通電期間で、前記30度励磁周期の補正、すなわち位相
の進み,遅れを判定する。
【0030】位相進み時は、励磁パターン6回目の出力
時のP7は正常ロウレベルに対しハイレベルとなる。逆
に位相が遅れた時は、励磁パターン1回目の出力時のP
7は正常ロウレベルに対しハイレベルとなり、位相の進
み,遅れを検出できる。そして位相進みと判断した場
合、測定で求めた30度の励磁時間を一定値もしくは計
算で定まる値を遅らせ、位相遅れと判断した場合、30
度の励磁時間を一定値もしくは計算で定まる値を進ませ
て30度励磁周期を補正し、最適な転流タイミングを確
保するよう制御する。
【0031】さらに、誘起電圧の30度周期時間そのも
のを利用して、ロータの回転と通電タイミングの位相を
制御する方法を以下に説明する。
【0032】位相ずれのない状態では図5(a)に示す
波形となり、ここで測定される30度周期は励磁用の3
0度周期Tと一致した時間となる。これをソフトウエア
で判定する。一方位相が進み、もしくは遅れた場合、前
記の測定される30度周期は励磁用の30度周期Tに対
し短くなるか、もしくは長くなるので位相ずれが発生し
ていることが分る。
【0033】また(b)に示すように位相がずれた場
合、(2)に示す誘起電圧と中性点電圧を比較した波形
において30度周期が観測できず、位相がずれているこ
とがただちにわかる。この時誘起電圧波形のレベルを中
性点電位に対して判定すれば、このずれがロータの進み
によるものであることが判別できる。逆にロータの位相
が遅れた時も同様にして判別可能である。
【0034】このように30度周期には位相情報も含ま
れているので、この30度周期を利用して閉ループ制御
による速度,位相制御が可能である。
【0035】また、モータが一定速度で回転していれ
ば、誘起電圧の30度周期T(30)は一定となる。つ
まり前回測定した周期T1と今回新たに測定した周期T
2は等しくなるはずである。そこで、周期T1とT2の
比ΔTを求める。定速回転時はΔT=1である。負荷が
変動すると、ΔT≠1となる。ΔTの絶対値がある特定
の値以下であれば、今回測定した周期はロータの回転状
態を意味するデータとして30度の励磁時間として採用
するか、または前回測定した30度データに一定比率、
もしくは△Tに一定係数を乗じたものを掛け30度の励
磁時間として採用する。逆に、ΔTの絶対値がある特定
の値以上であれば、今回測定した周期はノイズを含めた
ロータの回転状態とは異なる時間と判断し、前回測定し
たデータを30度の励磁時間として採用する。例えば、
【0036】
【数1】
【0037】であれば今回測定した周期を30度の励磁
時間として採用し、
【0038】
【数2】
【0039】であれば前回測定した周期を30度の励磁
時間として採用する。ΔTを求めることで、ロータの回
転情報とは異なる時間を30度周期時間と判断すること
を防止できる。
【0040】またフェールセーフとして以下の処理を行
う。測定された30度周期がモータの特性上、回転しな
い速さの周期を観測したとき、前記のオープンループ駆
動から始る再スタート、またはモータ電源の遮断等の処
理を行う。
【0041】次に、先に説明したコイルの励磁切換え時
に発生する過渡電圧を除去し、30度周期を測定するた
めのマスク方法を詳細に説明する。これはソフト的に処
理しても、ハード的に処理しても同様な効果が得られる
ことは説明済である。
【0042】まず、ソフト的に処理する場合について説
明する。図3(b)のエッヂの立下がりのみを観測する
よう11回目を出力して(b)波形を観測し、1回目を
出力した後に観測をやめる。このようにして(b)波形
のエッヂの立下がりから立下がりまでの周期すなわち3
0度周期T(30)を測定することができる。
【0043】次にハード的に処理する場合について説明
する。励磁の12パターンは測定された30度周期毎に
出力される。過渡電圧が発生するタイミングは、12回
目を出力した直後に発生することがわかっているため、
12回目を出力した直後にマスク信号を出力する。この
12回目を出力した直後にマスク信号を出力することに
よって本来測定すべき30度周期を無駄時間を最小限と
して測定可能となる。またマスク信号幅はモータの回転
速度とモータ電圧もしくはモータ電流値によって可変と
することもできる。回転速度は30度周期に比例し、電
流値は電圧と回転速度によって推測することもできる。
そしてこのマスク信号は図3(c)と図3(b)の波形
を合成して図3(d)を得、(d)のエッヂの立上がり
から立下がりまでの周期が30度相当周期となり、この
パルス幅を測定する。
【0044】上記のコイル切換え時に発生する過渡電圧
を除去し、30度周期を正確に測定する方法は、PWM
制御等の速度制御を行う際にも有効である。
【0045】図6に速度制御する際の概念図を示す。図
6において(a)は端子電圧波形で、(b)に示すクロ
ックおよびデューテイでPWM制御した場合である。端
子電圧波形と中性点電圧を比較し、レベル変換した波形
が(c)である。誘起電圧30度周期は(c)の矢印で
示された周期となる。したがって(c)の波形から30
度周期を検出するために、ソフト的に処理するには、前
述と同様に30度に相当する立下がりのみを観測するよ
うソフト処理し30度周期を測定する。
【0046】また、ハード的に処理する場合は前述と同
様な考えで、3相ロジックでのスイッチングによる過渡
電圧が発生する直後にマスク信号を出力し、PWMによ
るスイッチングによる過渡電圧が発生する直前にマスク
信号を出力し、波形合成によって図6の(d)波形を
得、30度相当周期を測定する。
【0047】このようにして、PWM等の速度制御を行
った場合もソフトもしくはハード処理によるマスクをす
ることで誘起電圧30度周期を測定することができる。
あとは、速度制御しない場合と同様の手順でモータを制
御する。
【0048】モータを速度制御する場合、一般に数百回
転から数千回転までPWM等で電圧による制御をする
が、上述したマスク方法で速度制御した場合、非常に遅
い回転数のときは30度周期を正確に求められない場合
がでてくる。また、正確に求められたとしても、いわゆ
るモータの最低動作電圧近辺の電圧と負荷により定まる
回転数で運転させようとした時、モータの回転は不安定
となり脱調しやすい状態になる。
【0049】そこで、軽負荷,超低速回転時には先に説
明した始動時の通電方法である強制的に通電するいわゆ
るオープンループで同期回転させる。つまりモータの回
転数はマイクロプロセッサが認知しているため、ある回
転数以下ではオープンループで同期回転させ、ある回転
数以上では30度周期を測定し、その周期に従った励磁
周期で回転するように使い分けることも可能である。
【0050】図7に速度制御の範囲を記す。矢印の範
囲、すなわち最大定格電圧時から最低起動電圧時の範囲
をPWM等で速度制御するが、最低起動電圧以下、すな
わち図7の斜線部で速度制御する場合でも、モータ印加
電圧を最低起動電圧より高く設定し、上記のオープンル
ープで同期回転させれば脱調することなく超低速で回転
可能となる。
【0051】前述したように、ある回転数以下ではオー
プンループで同期回転させ、その時モータの印加電圧を
最低動作電圧より高く設定しておく。そしてある回転数
以上では30度周期を測定し、その周期に従った励磁周
期で回転するように使い分けることで最低起動電圧時よ
り低い回転速度から速度制御でき、非常に広範囲にわた
って安定した速度制御を行うことが可能となる。
【0052】図2に示す構成のマイクロプロセッサを使
用した場合の実施例のフローチャートを図8に示す。
【0053】なお、以上本発明を3相全波駆動型ブラシ
レスモータに適用した実施例を示したが、本発明は2相
以上の半波,全波駆動型のセンサレスブラシレスモータ
に適用することが可能である。
【0054】また、誘起電圧30度の周期を測定する際
に、ひとつの励磁コイルの誘起電圧を測定する例を示し
たが、2個もしくは3個の励磁コイルを用いても同様な
効果が得られる。この場合多数の励磁コイルを用いるほ
ど閉ループの制御性は強力なものになるので、用途によ
って使い分けることも可能である。
【0055】また誘起電圧のエッヂの立上がりから立上
がりまでの周期を測定しても同様な効果が得られる。
【0056】さらに、モータの転流タイミングの基準位
置をW相の発電波形が中性点電位とプラスからマイナス
にクロスする位置を基準に励磁切換えを行う実施例を示
したが、例えば3相ブラシレスモータであれば、U,
V,Wのいずれかのコイルの発電電圧が中性点電位とク
ロスする位置のうち任意のひとつを基準に励磁切換えを
行っても同様の効果が得られることは言うまでもない。
例えば上記の3相の30度周期を測定し制御に用いる場
合、この計算結果を直ちに次の中点電位クロスから出力
するといった制御も可能である。
【0057】また、前記の説明は励磁パターンを30度
周期に相当する12パターンとした例を説明したが、6
0度周期に相当する6パターンもしくは、励磁の360
度の初めと最後は30度周期ほかは60度周期、または
これらの混合型として扱うことも可能であることは言う
までもない。
【0058】また、起動時の制御としてスローアップに
よる起動を説明したが、モータのいわゆる起動トルクが
負荷に対して十分に大きい場合、このスローアップを省
略してただちに誘起電圧が制御に十分なレベルで発生す
る回転数から起動することが出来ることは言うまでもな
い。
【0059】
【発明の効果】以上のように本発明は、誘起電圧の電気
角30度周期T(30)を測定し、誘起電圧のクロス点
をトリガ点として、励磁パターンに従って30度時間で
転流する。また、測定した30度周期T(30)を用い
る際に、前回測定した周期と、今回新たに測定した周期
の比をとり一定値以上であれば前回データを採用して励
磁時間を演算し、かつ特定のタイミングでコンパレータ
の出力をレベル変換した信号レベルを判定し、位相ロッ
ク制御することで、ロータの回転位置センサつきのブラ
シレスモータと同等な安定した動作が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における駆動回路のブロック
【図2】本発明の一実施例におけるマイクロコンピュー
タの内部構成図
【図3】本発明の一実施例における要部波形図
【図4】本発明の一実施例における位相ロック制御の概
念図
【図5】本発明の一実施例における位相制御の動作波形
【図6】本発明の一実施例における速度制御の概念図
【図7】本発明の一実施例における速度制御の範囲を説
明する図
【図8】本発明の一実施例におけるフローチャート
【図9】従来のセンサレスブラシレスモータの駆動回路
の概略ブロック図
【図10】従来のセンサレスブラシレスモータの要部波
形図
【符号の説明】
1 マイクロプロセッサ 2 ドライバ 3 3相ブラシレスモータ 4 コンパレータ 5 レベル変換回路 6 ゲート回路 7 モータの中性点電圧 8 中央演算装置(CPU) 9 メモリ 10 タイマ1 11 タイマ2 12 入力回路 13 出力回路 21 スイッチング回路 22 駆動パルス発生ロジック 23 遅延回路 24,25 コンパレータ 26 マイクロプロセッサ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】励磁コイルの端子をもちいて、コイル端子
    に発生する端子電圧に含まれる誘起電圧の電気角30度
    の周期を測定する手段と、測定された周期を基にコイル
    の通電切換えを行う手段を備えたセンサレスブラシレス
    モータの駆動装置。
  2. 【請求項2】励磁コイルの誘起電圧がモータの中性点電
    圧と比較し、プラスからマイナスにクロスする位置もし
    くは、マイナスからプラスにクロスする位置を基準とし
    て、コイルの通電切換えを行うことを特徴とする請求項
    1記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  3. 【請求項3】励磁コイルの誘起電圧がモータの中性点電
    圧とクロスする位置を検出する際に、特定のタイミング
    のみ検出するようマスクすることを特徴とする請求項2
    記載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  4. 【請求項4】励磁コイルの誘起電圧の電気角30度の周
    期を用いる際に、前回測定した周期と新たに測定した周
    期の比もしくは差をとり、特定の比率もしくは差以上の
    場合は、前回測定した周期を用いてコイルの励磁時間を
    決めることを特徴とする請求項2記載のセンサレスブラ
    シレスモータの駆動装置。
  5. 【請求項5】励磁コイルの誘起電圧とモータの中性点電
    圧とを比較した信号レベルを用いて特定のタイミングで
    レベル判定を行い、コイルの通電切換えタイミングと、
    ロータ位置との位相差をなくすよう制御することを特徴
    とする請求項2記載のセンサレスブラシレスモータの駆
    動装置。
  6. 【請求項6】コイルの通電切換え時に発生する逆起電圧
    を抑制するため、マスクパルス信号を出力することを特
    徴とする請求項2記載のセンサレスブラシレスモータの
    駆動装置。
  7. 【請求項7】逆起電圧を抑制するマスクパルス信号幅
    を、モータの回転速度,モータ電流のいずれかまたはそ
    の両方に応じて変化させることを特徴とする請求項3記
    載のセンサレスブラシレスモータの駆動装置。
  8. 【請求項8】起動時に開ループで起動し徐々に回転速度
    を上げ、励磁コイルの誘起電圧が検出可能となった後、
    閉ループ制御することを特徴とする請求項2記載のセン
    サレスブラシレスモータの駆動装置。
  9. 【請求項9】速度制御を行うときに、開ループ駆動と閉
    ループ駆動とを回転速度に応じて使い分けることを特徴
    とする請求項1もしくは請求項8記載のセンサレスブラ
    シレスモータの駆動装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6242875B1 (en) 1999-03-29 2001-06-05 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Motor driving apparatus
KR100548843B1 (ko) * 1998-03-30 2006-02-06 산요덴키가부시키가이샤 직류 무브러시 모터의 제어 방법
JP2012209999A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Mitsubishi Electric Corp ブラシレスモータの駆動制御装置

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