JPH0612108Y2 - 外壁の仕上げ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、外壁面材上に軽量モルタルを用いるととも
に、外壁にストライプ、縁どりなどの溝目地材をも兼ね
る装飾目地材を取り付けた外壁の仕上げ構造の改良に関
するものである。

［従来の技術］ 従来、外壁の仕上げ構造は壁本体の面上に防水紙を張
り、この防水紙の上にラスを張るとともに、このラスの
上からモルタルを塗布し、更に化粧仕上げを施した構造
となっていた。

そして、上記のようなモルタル塗りの外壁には溝目地材
を取り付けるが、この溝目地材を取り付けるには、塗布
されたモルタル外表面に位置決めのために配設された定
木、あるいは水糸を頼りに溝目地材を押さえモルタルで
固定し、その後に下地こすり、仕上げ塗りを施した構造
となっていた。

また、外壁表面に装飾模様を施す場合は、プラスタ中塗
りの上に石こう置き引きを張り付け、そし上から上塗り
仕上げをした構造、あるいは蛇腹縁取り工法によるもの
などがある。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記従来の外壁仕上げ構造では、防水紙、ラス張り、モ
ルタル塗りと現場における工程が多く作業効率が悪かっ
た。

また溝目地材を取り付けるには、位置決め用の定木の配
設作業、溝目地材を押さえモルタルで固定する作業、更
に下地こすりなどの作業と多数の作業を要するためコス
ト高になるという問題があった。

また、上記の装飾模様を施す構造のものは、石こう置き
引きの製作、張り付け、あるいは固練り漆くいの型抜き
など高度な専門技術を要するとともに専門職が少なく、
従ってまた自由な模様を採用するのに制約があり、作業
効率もわるくどうしてもコスト高になるという問題があ
った。

本考案は前記事情に鑑みてなされたもので、専門技術者
による高度な技術を要することなく通常の作業員が容易
に施工できるとともに、耐水性と耐火性に優れ、装飾性
にも優れた外壁の仕上げ構造を提供することを目的とす
る。

［問題点を解決するための手段］ この考案に係る外壁の仕上げ構造は上記問題点を解消す
るためになされたもので、外壁面材上に防水性を有する
軽量モルタル板を取り付け、前記軽量モルタル板面に装
飾目地材を取り付け、前記軽量モルタル板の表面側には
仕上げモルタルを塗布した構成としたものである。

［実施例］ 以下、この考案に係る外壁の仕上げ構造の実施例を図面
に基づいて説明する。第１図はこの外壁の仕上げ構造
の、仕上げモルタル塗布前の構造を示す斜視図である。
図中符号１は外壁面材である。前記外壁面材１は、芯材
を組み立てた枠体の両面に面板を取り付けたパネルから
なるものである。

前記外壁面材１の表面には防水性を有する軽量モルタル
板２が取り付けられている。

また、前記軽量モルタル板２の表面には装飾目地材３が
取り付けられている。

前記装飾目地材３は第２図に示すように装飾部品４とこ
の装飾部品４を取り付けるための取り付けピース９とか
らなっている。

前記装飾部品４は木質材あるいはプラステイックなどか
らなるもので、略角柱状をなし、その取り付け面側の中
央部には長手方向に取り付け溝６が形成されている。

前記取り付け溝６は長手方向に直交する横断面形状で略
Ｔ字形をなしている。

前記取り付け溝６には、金属板を中央部でつまみ折りし
て起立板５と係止部７を形成するとともに両端に取り付
け耳８を形成した取り付けピース９が、その係止部７を
スライド可能にはめ込まれている。

そして、前記装飾目地材３は、前記取り付けピース９の
取り付け耳８部分を前記軽量モルタル板２の表面に固定
釘（固定金具）１０で固定されて取り付けられている。
なお、この装飾目地材３を取り付ける場合は、軽量モル
タル板２の表面に取り付けの基準墨を打ち、この墨に沿
って取り付けていく。

更に、前記軽量モルタル板２の表面側には仕上げモルタ
ル１１が塗布されている。

上記実施例の外壁の仕上げ構造によると、外壁面材１と
仕上げモルタル１１との間に防水性を有する軽量モルタ
ル板２が介装されているので、防水紙の貼付やラス張
り、モルタル塗布が不要になり、コスト安になるととも
に、防水性、防火性に優れている。

また、外壁面材１の製造工程において外壁面材１に軽量
モルタル板２を取り付けたものを使用すると、現場での
モルタル板などを取り付ける作業が省かれ更に作業効率
が向上する。

また、軽量モルタル板２面に装飾目地材３を釘打ちで固
定するため、位置決め用の定木配設作業や押さえモルタ
ルで固定する作業が不要となり、更にコスト安が図られ
る。

また、取り付けピース９は取り付け溝６にスライド可能
にはめ込まれているため、装飾目地材３をスライドさせ
自由な位置で留められる。

次に、この外壁の仕上げ構造における装飾目地材３の応
用例を説明する。外壁表面に装飾模様を設ける場合は、
軽量モルタル板２の表面に例えば第４図に示すような予
め用意された各部分の装飾目地材片３ａを組立て、装飾
模様を構成して取り付け、前記軽量モルタル板２の表面
及び模様を構成した装飾目地材片３ａの表面に仕上げモ
ルタルを塗布した構造とする。

上記の応用例によると、石こう置き引きの製作等や、蛇
腹漆くいにおける固練り漆くいの型抜き等の高度な専門
技術を必要とせず、しかも自由な模様を選択できるとと
もに、曲げ物も比較的容易に取り付けができる。

なお、この実施例に使用される装飾目地材３は、形状等
を変えるなどして溝目地材として使用できることは勿論
である。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案に係る外壁の仕上げ構造
は、外壁面材上に防水性を有する軽量モルタル板を固定
したので、防水紙の貼付やラス張りが必要でなく、コス
トを安価に押さえることができるとともに、軽量モルタ
ルは防耐火性能があり、本考案はその上に装飾目地材を
取り付けるものであるため防耐火の性能低下がなく、か
つ防水性にも富むものである。

また、取り付けピースを軽量モルタル板に固定金具で固
定し、この取り付けピースの起立板および係止部に装飾
部品の取り付け溝を挿通して装飾部品を係止し、この周
囲に仕上げモルタルを塗布したので、位置決め用の定木
の配設作業や、装飾目地材を押さえモルタルで固定する
作業などが不要となり、作業効率が向上するとともにコ
スト安が実現できる。なおまた、取り付けピースの固定
部分を仕上げモルタルが覆うので取り付けピースの固定
部分の耐水性を良好にできるとともに、仕上げモルタル
で取り付けピースの固定部分の目隠しができる。

また、外壁に装飾模様などを設ける場合は、予め容易さ
れた装飾目地材を軽量モルタル板面に組立構成して装飾
模様を形成でき、しかも軽量モルタル板及び装飾目地材
の表面側に仕上げモルタルを塗布するだけで模様付きの
外壁ができるので、高度な専門技術を必要としないとと
もに、自由な模様を選択することができ、通常の作業員
でも容易に施工ができる。

更に、装飾目地材の取り付けは、固定金具による取り付
けピースの固定と、この取り付けピースの起立板および
係止部に対する装飾部品の取り付け溝の挿入作業で完了
できるので、種々の形状の装飾部品を用いて種々の形状
の目地形成を高度な専門技術を要することなく実施でき
るので、施工が容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はこの考案の実施例を示すもので、
第１図はこの考案に係る外壁の仕上げ構造の、仕上げモ
ルタル塗布前の構造を示す斜視図、第２図は装飾目地材
と取り付けピースとの取り付け状態を示す要部図、第３
図はこの外壁の仕上げ構造の一部断面図、第４図は装飾
目地材の応用例を示す斜視図である。 １……外壁面材、２……軽量モルタル板、３……装飾目
地材、４……装飾部品、５……起立板、６……取り付け
溝、７……係止部、８……取り付け耳、９……取り付け
ピース、１０……固定釘（固定金具）、１１……仕上げ
モルタル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】外壁面材の表面に防水性を有する軽量モル
   タル板が取り付けられ、前記軽量モルタル板の表面側に
   装飾部品と取り付けピースとからなる装飾目地材が取り
   付けられ、前記軽量モルタル板の表面側に仕上げモルタ
   ルが塗布されてなる外壁の仕上げ構造であって、 前記軽量モルタル板の表面に、板状の取り付け耳とこの
   取り付け耳にほぼ直角に延設された起立板とこの起立板
   にほぼ直角に延設された板状の係止部とからなる取り付
   けピースが、複数、各取り付け耳を貫通して軽量モルタ
   ル板と外壁面材に打ち込まれた固定金具により固定され
   るとともに、前記取り付けピースの起立板と係止部とを
   挿通可能な取り付け溝を裏面側に有し前記取り付けピー
   スの全長よりも幅狭の板状の装飾部品が、前記取り付け
   溝に前記取り付けピースの起立板と係止部を挿入し、前
   記取り付け耳の固定部分を装飾部品の側方に出して装着
   される一方、前記軽量モルタル板の表面側に、この軽量
   モルタル板の表面と取り付け耳と取り付け耳の固定部分
   と装飾部品の周辺部を覆って仕上げモルタルが塗布され
   てなることを特徴とする外壁の仕上げ構造。