JPH06117727A - 蒸発器 - Google Patents

蒸発器

Info

Publication number
JPH06117727A
JPH06117727A JP26467192A JP26467192A JPH06117727A JP H06117727 A JPH06117727 A JP H06117727A JP 26467192 A JP26467192 A JP 26467192A JP 26467192 A JP26467192 A JP 26467192A JP H06117727 A JPH06117727 A JP H06117727A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
inlet
flow passage
outlet
flow path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP26467192A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Shitaya
昌宏 下谷
Toshio Ohara
敏夫 大原
Yoshiyuki Yamauchi
山内  芳幸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP26467192A priority Critical patent/JPH06117727A/ja
Priority to US08/121,947 priority patent/US5390507A/en
Publication of JPH06117727A publication Critical patent/JPH06117727A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蒸発流路80への冷媒の均一分配により熱交
換性能を向上させると共に、蒸発流路80でのスーパヒ
ートを抑えること。 【構成】 蒸発器の入口に、膨張弁100から送られた
気液二相状態の冷媒と、気化後の冷媒とを熱交換させる
熱交換部20を設けると共に、各蒸発流路80の入口に
絞り部60を設ける。膨張弁100から送られた気液二
相状態の冷媒は、入口冷媒流路44を流れるときに、出
口冷媒流路45を流れる低温の冷媒と熱交換して液化す
る。入口冷媒流路44を流出する液冷媒の一部はバイパ
ス流路230を介して出口冷媒流路45を流れる冷媒と
合流し、熱交換に供する。冷媒は各蒸発流路80に均一
に分配されると共に絞り部60により減圧されて低温の
気液二相状態となり、蒸発流路80で空気と熱交換して
気化し等温膨張する。そして、熱交換部20の出口冷媒
流路45を流れるときに、入口冷媒流路44の冷媒に加
熱されて過熱蒸気となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸発器に関し、詳しくは
自動車用空気調和装置等の冷凍サイクルに用いられる蒸
発器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用空気調和装置等に用い
られる冷凍サイクルは、圧縮機,凝縮器,受液器,膨張
弁,蒸発器により構成され、この密閉された回路へ冷媒
を循環させて室内空気と蒸発器とで熱交換を行ない、室
内を冷却するものである。膨張弁を通り断熱膨張した冷
媒は、ガスと液との二相流の状態となって蒸発器に入
り、外部より熱を吸収して気化(蒸発)し、等温膨張を
続け室内空気の冷却作用を果たす。そして、過熱蒸気と
なって圧縮器に吸入される。
【0003】ところが、冷媒流路を複数設け冷媒を分配
する積層型蒸発器では、蒸発器の入口の冷媒が二相流の
状態となっていることから、冷媒を各流路に均一に分配
することができず熱交換性能が低下していた。そこで、
特公昭58−41429号に示された積層型蒸発器で
は、各蒸発部毎に固定の絞りを設けることで、凝縮器で
凝縮液化された液体の冷媒をそのまま(膨張弁を通過さ
せずに)導入して、冷媒の分配を均一にさせている。
【0004】また、蒸発器では、圧縮器を保護するため
に、冷媒を完全に気化させる必要があり、蒸発器出口の
冷媒が一定の過熱度(スーパヒート)を持つように過熱
蒸気の状態にまで熱交換させている。ところが、冷媒
は、蒸発時には温度変化しないが、蒸発が終わり過熱蒸
気となると温度上昇してしまう。このため、冷媒が蒸発
している蒸発器入口側と、冷媒が過熱蒸気となる蒸発器
出口側とでは、熱交換された空気の温度に差が生じて、
空気が均一に冷却されず、使用者に不快感を与えてしま
う。そこで、1985年3月15日発行の日本電装公開
技報40−076号に示された冷凍システムでは、膨張
弁上流側の高温配管と蒸発器下流側(蒸発器と感温筒と
の間)の低温配管とを熱交換させ、蒸発器内でのスーパ
ヒートを抑えた技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
積層型蒸発器(特公昭58−41429号)では、蒸発
器のタンク内圧力が高圧となるため、蒸発器を構成する
各部品を高耐圧仕様にしなければならず大がかりなもの
となってしまう。また、凝縮器で凝縮液化された液体の
冷媒をそのまま導入しているため、膨張させる際の制御
機構が無くなり、負荷変動に対応できない。
【0006】一方、膨張弁上流側の高温配管と蒸発器下
流側の低温配管とを熱交換させる冷凍システムでは、冷
凍システム全体の構成が複雑になってしまう。また、上
記の配管による熱交換では、時間遅れにより制御が困難
であり不安定になり易い。
【0007】本発明の蒸発器は上記課題を解決し、簡易
な構成で熱交換性能を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の蒸発器
は、第1減圧手段から流出された冷媒を導入して所定距
離通過させる入口流路と、上記入口流路の下流端側から
複数に分岐し、冷媒の蒸発領域となる複数の分岐流路
と、上記入口流路及び分岐流路間を流れる冷媒の圧力を
減ずる第2減圧手段と、上記各分岐流路の間にそれぞれ
密着して設けられるフィンと、上記各分岐流路の下流端
から流出した冷媒を所定距離通過させて送り出す出口流
路と、前記第1減圧手段及び前記第2減圧手段間を流れ
る液冷媒の一部を、前記分岐流路を迂回して前記出口流
路に導くバイパス流路と、このバイパス流路を流れる冷
媒の圧力を減ずる第3減圧手段と、を備えると共に、上
記入口流路と上記出口流路とを近接配置して、上記入口
流路の冷媒と上記出口流路の冷媒とを熱交換させるよう
にした。
【0009】上記構成を有する本発明の蒸発器では、第
1減圧手段から流出された冷媒が入口流路に導入され所
定距離通過して各分岐流路に分配される。入口流路と各
分岐流路の間には第2減圧手段が配されているため、こ
の第2減圧手段によって冷媒は減圧されしかも低温とな
る。各分岐流路を通過した冷媒は、出口流路を所定距離
通過すると同時に入口流路の冷媒と熱交換する。出口流
路の冷媒は、第2減圧手段を通過することで低温となっ
ており、また、また、バイパス通路を介して出口流路に
は低温の液冷媒が安定的に供給されるため、入口流路の
冷媒を冷却し、膨張弁から流出された気体と液体との二
相状態の冷媒は、液単相状態となる。逆に、出口流路の
冷媒は、入口流路の冷媒により加熱され過熱蒸気状態と
なる。
【0010】このため、各分岐流路には液単相状態の冷
媒が流入し易くなり、各分岐流路での分配の不均一を低
減できる。絞り部を通過した冷媒は、減圧されて二相状
態となり、各分岐流路間に設けられたフィンを介して空
気と熱交換して蒸発を開始する。冷媒が蒸発している状
態では、冷媒は温度上昇しないため、出口流路で冷媒を
過熱蒸気状態にすることで、つまりスーパヒートを出口
流路で得ることで、各分岐流路における冷媒の温度を一
定にすることができる。
【0011】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の蒸発器の実施例について
説明する。
【0012】図1乃至図15は、本発明の第1実施例を
示すものである。図2,図3は第1実施例の積層型蒸発
器の外観を表すもので、図2はその平面図、図3は正面
図である。また、図1は積層型蒸発器を含む冷凍サイク
ルの模式図である。この冷凍サイクルは、冷媒を圧縮す
る圧縮器200、圧縮冷媒を凝縮させる凝縮器210、
凝縮冷媒のうち液冷媒のみ分離する受液器220、分離
された液冷媒を断熱膨張させて減圧させる膨張弁100
(第1減圧手段)、および減圧された液冷媒を蒸発させ
る蒸発器とを順次配管で連結することによりなる。
【0013】積層型蒸発器(以下、単に蒸発器と呼ぶ)
は、自動車用冷凍サイクルに用いられるもので、膨張弁
100の下流側に設けられる。蒸発器は、冷凍サイクル
の配管に接続され膨張弁100から流出した冷媒の導入
および気化後の冷媒を蒸発器の外に送出するための接続
部となるジョイントブロック10と、冷媒間で熱交換
(後述する)させる熱交換部20と、冷媒と空気とを熱
交換させる冷媒蒸発部50とからなる。
【0014】ジョイントブロック10は、膨張弁100
から流出した二相状態の冷媒の入口となる流入口11
と、気化後の冷媒を送り出す流出口12とが設けられて
いる。熱交換部20は、図4に示す板状のプレート21
をろう付けにより複数枚積層し、さらにその最側方に図
7に示す板状の最側方プレート211を1枚だけろう付
けにより積層する。この様に積層することにより、各プ
レート21および最側方プレート211の間に冷媒を流
すように構成される。図5は図4の5−5線あるいは5
' −5 ' 線に沿う断面図であり、図6は図4の6−6線
断面図である。このプレート21は、積層したときに冷
媒の流路が形成されるように平板に凹凸を形成したもの
であり上下対称である。プレート21の中央には、縦方
向に複数の溝22が形成される。従って、プレート21
の裏面では、この溝22が形成されていない部位で図6
に示すように複数の溝23が形成されることとなる。プ
レート21の下部の一方には、凹面部24が形成され、
この凹面部24に、ジョイントブロック10の流入口1
1を介して送られてきた冷媒(以下、入口冷媒と呼ぶ)
を流入するための円孔25が穿設されている。一方、プ
レート21下部の他方には、凸面部26が形成され、こ
の凸面部26に、後述する出口冷媒(冷媒蒸発部から送
られてきた冷媒)をジョイントブロック10の流出口1
2に送る横長の円孔27が穿設されている。
【0015】同様に、プレート21の上部には、凹面部
28および凸面部29が形成され、それぞれ円孔25,
27と同一形状の円孔30,31が穿設されている。
尚、図5において、括弧を付した符号は、図4の5 '
5 ' 線での各部の符号を表す。
【0016】図7は最側方プレート211の平面図で、
図8は図7の8−8断面図である。この最側方プレート
211は、上述のプレート21と基本的に同一の形状を
成しているが、円孔30と円孔31との間の位置に開口
径の比較的小さな連通孔38が穿設されており、この連
通孔38が図1に示すバイパス流路230の一部を構成
すると同時に、第3減圧手段を構成する。その他の構成
はプレート21と同様の形状であるので、同一の符号が
付してある。
【0017】このプレート21、最側方プレート211
の積層状態の断面を図9,図10に示す。図9は図4の
5 ' −5 ' 線に対応する位置での積層状態断面図であ
り、図10は図4の6−6線に対応する位置での積層状
態断面図である。尚、プレート21の下部(円孔25,
27が形成される部位)の積層状態も、連通孔38以外
は図9と同一である。図示するように、熱交換部20
は、両側のエンドプレート32,33間に、複数枚のプ
レート21および最側方プレート211を互いに表面と
裏面とを向かい合わせて積層して形成される。冷媒蒸発
部50に面するエンドプレート32には、最側方プレー
ト211の円孔30,31と向かい合う位置に、それら
と同一形状の円孔34,35が穿設され、ジョイントブ
ロック10に面するエンドプレート33には、プレート
21の円孔25,27と向かい合う位置に、それらと同
一形状の円孔36,37が穿設されている。
【0018】このように積層することで、図9に示すよ
うに、熱交換部20の上部には、円孔30を穿設した凹
面部28により空洞部40(以下、上入口冷媒タンク部
40と呼ぶ)と、円孔31を穿設した凸面部29により
空洞部41(以下、上出口冷媒タンク部41と呼ぶ)と
が形成される。同様に、後述の図13にて示すが、熱交
換部20の下部には、円孔25を穿設した凹面部24に
より空洞部42(以下、下入口冷媒タンク部42と呼
ぶ)と、円孔27を穿設した凸面部26により空洞部4
3(以下、下出口冷媒タンク部43と呼ぶ)とが形成さ
れる。また、図10に示すように、熱交換部20の中央
には、溝22により上入口冷媒タンク部40と下入口冷
媒タンク部42とを結ぶ複数の流路44(以下、入口冷
媒流路44と呼ぶ)と、溝23により上出口冷媒タンク
部41と下出口冷媒タンク部43とを結ぶ複数の流路4
5(以下、出口冷媒流路45と呼ぶ)とが形成される。
【0019】さらに図9から明らかなように、連通孔3
8を含むバイパス流路によって上入口冷媒タンク部40
と上出口冷媒タンク部41とが連通している。ここで、
冷媒の流れについて、図11,図12,図13に基づい
て説明する。図11は、図3のD−E線矢視図、図12
はD−F線矢視図、図13はD−G線矢視図である。ジ
ョイントブロック10の流入口11から流入した冷媒
(入口冷媒)は、図13の矢印aに示すように、下入口
冷媒タンク部42に送られ、図12に示す各プレート2
1間に形成された複数の入口冷媒流路44に分配されて
流れ込み、上方に送られる。そして、各入口冷媒流路4
4を流れる入口冷媒は、図11の矢印bに示すように、
上入口冷媒タンク部40に流れ込み合流する。この合流
した冷媒の大部分、本実施例では冷媒の約8割は冷媒蒸
発部50に流入するが、その液冷媒の一部は連通孔38
を通過することにより減圧され上出口冷媒タンク41に
流入する(図11中、矢印hで表す)。冷媒蒸発部50
での冷媒の流れについては後述する。
【0020】冷媒蒸発部50で気化された冷媒(出口冷
媒)は、図11の矢印cに示すように、熱交換部20の
上出口冷媒タンク部41に送られ、図12に示す各プレ
ート21間に形成された複数の出口冷媒流路45に分配
されて流れ込み、下方に送られる。そして、各出口冷媒
流路45を流れる出口冷媒は、図13の矢印dに示すよ
うに、下出口冷媒タンク部43に流れ込み合流し、ジョ
イントブロック10の流出口12から流出し、図1に示
す感温筒101を経て圧縮機(図示略)へ送られる。
【0021】従って、後述するが、入口冷媒とで出口冷
媒とが、この熱交換部20で熱交換されることとなる。
冷媒蒸発部50は、空気を冷却するための波板状のコル
ゲートフィン51(以下、フィン51と呼ぶ)と図14
に示すプレート52とをろう付けにより積層したもの
で、この積層状態の断面を図15(図2のH−H線での
断面正面図)、図16(図14,図15のJ−J線での
断面平面図)に示す。
【0022】プレート52は、略長方形の板状で、その
上部に略円筒形の入口タンク53と出口タンク54とが
形成されている。入口タンク53は、熱交換部20の上
入口冷媒タンク部40に整合する位置に設けられ、その
中央に円孔55が穿設されており、熱交換部20から送
られてきた冷媒が導入される部位となる。出口タンク5
4は、熱交換部20の上出口冷媒タンク部41に整合す
る位置に設けられ、その中央に横長の円孔56が穿設さ
れており、熱交換部20の上出口冷媒タンク部41に冷
媒を送り出す部位となる。
【0023】このプレート52は、積層したときにプレ
ート52間に冷媒の流路が形成されるように、外周に対
して中央部が窪んでいる。この中央部である中央凹面部
57には、冷媒の伝熱促進のための複数のクロスリブ5
8と、冷媒を下方に導き更に方向転換して出口タンク5
4に導く中央隔壁59が凸状に形成されている。この中
央隔壁59は、圧力損失を均一にするために冷媒の蒸発
による膨張に合わせて斜め方向に形成されている。
【0024】入口タンク53と中央凹面部57との間に
は、両者を結ぶ細い溝59が形成されている。このた
め、入口タンク53の冷媒は、この溝59を通過して中
央凹面部57に流れる。
【0025】冷媒蒸発部50は、端面となるエンドプレ
ート61と熱交換部20のエンドプレート32との間
で、上述したプレート52を図15,図16に示すよう
に向かい合わせて冷媒の流路を形成し、各プレート52
の裏面の間に波板状のフィン51を装着してろう付けに
より形成される。このとき、各プレート52に形成され
た溝59が向かい合って、冷媒の流路面積を狭くし、通
過する冷媒の圧力を減少させる絞り部60が形成され
る。この絞り部60が、本願発明の第2減圧手段を構成
しており、前述の連通孔38と同一の絞り率となってお
り、絞り部60を通過する冷媒と連通孔38を通過する
冷媒は同一の割合で減圧される。また、各フィン51に
は、冷媒と空気との熱交換を促進するための細い溝62
が複数形成されている。尚、向かい合わせてろう付けさ
れるプレート52の形状は、左右反対、つまり一方のプ
レート52に対して他方のプレート52の形状を鏡に映
した形状としている。但し、向かい合うクロスリブ58
は、互いに交差する方向に形成されている。
【0026】このようにプレート52を積層したときの
プレート52内での冷媒の流れを図14の矢印e,f,
gにて示す。熱交換部20から各入口タンク53(以
下、各入口タンク53を重ねることで形成された冷媒の
溜り部を入口タンク部70と呼ぶ)に送られた冷媒は、
分配されて各絞り部60を通過し、減圧されたのち中央
凹面部57間を下方に向かって流れ(矢印e)、更に下
部で方向転換して上方に向い(矢印f)、各出口タンク
54(以下、各出口タンク54を重ねることで形成され
た冷媒の溜り部を出口タンク部71と呼ぶ)に流れ込み
(矢印g)、合流して熱交換部20の上出口冷媒タンク
部41に送られる。このとき、プレート52の中央凹面
部57間では、交差するクロスリブ58により、冷媒が
分散され全体に広く行き渡る。尚、図16において81
が下方に向かう冷媒の流路となり、82が上方に向かう
冷媒の流路となる(以下、この流路81,82、即ち、
中央凹面部57間の冷媒の流路を蒸発流路80と総称す
る)。この蒸発流路80を冷媒が流れるときに、冷媒
は、フィン51を介して空気と熱交換し、蒸発しつつ等
温膨張を続ける。
【0027】次に、以上のように構成された第1実施例
の蒸発器での冷媒の状態を図1、図17を用いて説明す
る。図17は、冷凍サイクル上での冷媒の状態を表すモ
リエ線図で、線図上の各点を図1上に同一符号で示す。
【0028】図示しない圧縮機により圧縮された(図中
線u−m部分)高圧の冷媒は、凝縮器210で放熱し
(図中線m−n部分)、ガス冷媒から液冷媒へと相変化
する。そして、通常の冷凍サイクルでは、膨張弁100
により点nの状態から点vの状態まで減圧膨張させてい
るため、冷媒は蒸発器の入口でガスと液との気液二相状
態となり、蒸発器内で冷媒の分配が均等に行なわれな
い。そこで、第1実施例の蒸発器では、膨張弁100に
よって点oまで減圧し、この減圧された冷媒と冷媒蒸発
器50を流出した出口冷媒(後述するが、絞り部60に
より入口冷媒よりも低温となっている)とを熱交換部2
0で熱交換させることで冷媒を点pまで変化させて液化
している。このため、冷媒は、冷媒蒸発部50の入口タ
ンク部70から各プレート52間の蒸発流路80に均等
に分配される。このとき、蒸発流路80の入口となる絞
り部60により、冷媒は点pから点qにまで減圧されて
(このとき低温となる)気液二相状態となり、フィン5
1を介して空気と熱交換され蒸発を開始する(図中線q
−r部分)。
【0029】一方、熱交換部20の上入口冷媒タンク部
40から分流して上出口冷媒タンク部41に流入する冷
媒は、連通孔38を通過することにより点pの状態から
減圧されて点tの状態となる。この点tの状態は上述の
点qの状態と同一である。
【0030】連通孔38を通過した冷媒(点t)と冷媒
蒸発部50より流出した冷媒(点r)とは熱交換部の上
出口タンク部41内で合流し、点sの状態となる。その
後、この冷媒(出口冷媒)は、熱交換部20のプレート
21間に形成された出口冷媒流路45を通過すること
で、入口冷媒と熱交換され過熱蒸気となって(図中点u
部分)、感温筒101を経て圧縮機200へと送られ
る。
【0031】即ち、図1に示すように、膨張弁100か
ら送られた気液二相状態の冷媒(入口冷媒)は、入口冷
媒流路44を流れるときに出口冷媒流路45を流れる低
温の冷媒(出口冷媒)と熱交換して冷却されて液化し、
冷媒蒸発部50の入口タンク部70に送られる。そし
て、均一に各蒸発流路80に流れ込むと共に、絞り部6
0により減圧されて低温の気液二相状態となり、空気と
熱交換して気化し等温膨張する。冷媒が完全に気化し
た、あるいは気化する直前に、冷媒は冷媒蒸発部50の
出口タンク部71に送られて合流し、さらに連通孔38
よりバイパスしてきた冷媒と合流して熱交換部20の出
口冷媒流路45を流れる。このとき、冷媒(出口冷媒)
は、入口冷媒流路44を流れる入口冷媒と熱交換して加
熱され過熱蒸気となる。つまり、図17の線o−pにお
ける冷媒と線s−uにおける冷媒とを熱交換している。
従って、各蒸発流路80における冷媒を過熱蒸気になる
まで熱交換せずに、つまりスーパヒートを熱交換部20
で得ることで、一定温度を維持することができる。
【0032】また、熱交換部20の上入口タンク部40
の液冷媒の一部を冷媒蒸発部50をバイパスして上出口
タンク部41に流入させてるので、過渡的に冷媒蒸発部
50の出口冷媒が加熱ガス状態になっても熱交換部20
での冷却能力を維持することができる。
【0033】以上説明したように、第1実施例の蒸発器
によれば、熱交換部20および絞り部60を設けたこと
により、入口冷媒と出口冷媒とを熱交換して各蒸発流路
80に冷媒を均一に分配することができ、しかも、蒸発
流路80における冷媒の温度を一定に維持することがで
きる。この結果、冷媒の均一分配により熱交換性能が向
上し、冷媒の等温膨張により空気との熱交換を均一にす
ることができ、フィンを通過した空気の温度を均一にす
ることができる。
【0034】また、従来の積層型蒸発器の横に熱交換部
20を設け、その横に膨張弁100,感温筒101が設
けられるという構成となり、膨張弁100と感温筒10
1との間で熱交換が行なわれるため、良好な制御性を維
持できる。また、従来の冷凍システムに第1実施例の蒸
発器を用いても、ほとんどシステムの変更を要しなく、
システム構成が複雑にならない。また、絞り部60を設
けていても、各部品を高耐圧仕様にする必要もない。更
に、熱交換部20で入口冷媒流路44の冷媒の流れる方
向に対して、出口冷媒流路45の冷媒の流れる方向が逆
方向となるため、熱交換性に優れている。
【0035】また、熱交換部20の各冷媒タンク部4
0,41,42,43の任意な円孔25,27,30,
31を盲プレート等を用いて塞ぐことにより、入口冷媒
と出口冷媒との流路を変更することができるため、スー
パヒート等の調整が可能となる。
【0036】次に、図18乃至図20は、本発明の第2
実施例及び第3実施例を示すものである。これらの実施
例では、第1実施例と絞り部の設置位置が相違するが、
他の部分の構造は第1実施例と同様である。したがっ
て、第1実施例と同一構造のものは、以下同一番号を付
して説明する。
【0037】図18乃至図19は、第2実施例を示すも
のである。第2実施例では、オリフィスの形状で内径が
1,0〜5,0mmの絞り部160を冷媒蒸発部50と
熱交換部20との間に設けられているエンドプレート3
2の入口冷媒流路44側に設けている。このような絞り
部160を設けると、絞り部160を通過して入口タン
ク部70に送られる入口冷媒は、ガスと液との気液二相
状態となる。この時、入口タンク部70内では、絞り部
160に近い蒸発流路にガスの全部が流れこむため、残
りの殆どの蒸発流路入口では第1実施例と同様の液単相
状態となり、入口冷媒がほぼ均一に分配される。したが
って、入口冷媒の均一分配により熱交換性能が向上す
る。しかも、絞り部160が1箇所のみ設けられている
ので、複数の絞り部を用いた場合に生じる絞り径の加工
精度の違いによる各蒸発流路での冷媒流量の相違による
熱交換性能の低下を生じることもない。
【0038】図20は、第3実施例を示すものである。
第3実施例は、絞り部190の形状をチョークの形状に
したもので、他の構造は第2実施例と同様である。この
ように、第3実施例は、絞り部190の形状をチョーク
の形状としたので、冷媒蒸発部50と熱交換部20との
間が、第2実施例に比べて離れて距離がある場合の入口
冷媒の絞り部に有用である。
【0039】図21は本発明の第4実施例を示すもの
で、冷凍サイクルを示す模式図である。上述の実施例で
は、熱交換部20の後流側にバイパス流路230を配し
ていたが、本実施例では熱交換部20より上流側にバイ
パス流路230の一端を接続し、熱交換部20に流入す
る前の液冷媒の一部を熱交換部の上部出口タンク部41
に流入させるようにした。その他の構成については上述
の実施例と同様である。
【0040】このように構成された第4実施例の蒸発器
での冷媒の状態を図21、図22を用いて説明する。図
22は、冷凍サイクル上での冷媒の状態を表すモリエ線
図で、線図上の各点を図21上に同一符号で示す。
【0041】図示しない圧縮機により圧縮された(図中
線u1−m1部分)高圧の冷媒は、凝縮器210で放熱
し(図中線m1−n1部分)、ガス冷媒から液冷媒へと
相変化する。受液器210で分離された液冷媒は、膨張
弁100によって点o1まで減圧し、この減圧された冷
媒と冷媒蒸発器50を流出した出口冷媒とを熱交換部2
0で熱交換させることで冷媒を点p1まで変化させて液
化している。液化された冷媒は蒸発流路80の入口とな
る絞り部60により、冷媒は点p1から点q1にまで減
圧されて(このとき低温となる)気液二相状態となり、
フィン51を介して空気と熱交換され蒸発を開始する
(図中線q1−r1部分)。
【0042】一方、膨張弁100と熱交換部20との間
の点よりバイパス流路230を介して上出口冷媒タンク
部41に流入する冷媒は、第2減圧手段38を通過する
ことにより点o1の状態から減圧されて点t1の状態と
なる。
【0043】第2減圧手段により減圧された冷媒(点t
1)と、冷媒蒸発部50より流出した冷媒(点r1)と
は熱交換部の上出口タンク部41内で合流し、点s1の
状態となる。その後、この冷媒(出口冷媒)は、熱交換
部20のプレート21間に形成された出口冷媒流路45
を通過することで、入口冷媒と熱交換され過熱蒸気とな
って(図中点u1部分)、感温筒101を経て圧縮機2
00へと送られる。
【0044】即ち、図21に示すように、膨張弁100
から送られた気液二相状態の冷媒(入口冷媒)は、入口
冷媒流路44を流れるときに出口冷媒流路45を流れる
低温の冷媒(出口冷媒)と熱交換して冷却されて液化
し、冷媒蒸発部50の入口タンク部70に送られる。そ
して、均一に各蒸発流路80に流れ込むと共に、絞り部
60により減圧されて低温の気液二相状態となり、空気
と熱交換して気化し等温膨張する。冷媒が完全に気化し
た、あるいは気化する直前に、冷媒は冷媒蒸発部50の
出口タンク部71に送られて合流し、さらにバイパス流
路38よりバイパスしてきた冷媒と合流して熱交換部2
0の出口冷媒流路45を流れる。このとき、冷媒(出口
冷媒)は、入口冷媒流路44を流れる入口冷媒と熱交換
して加熱され過熱蒸気となる。つまり、図22の線o1
−p1における冷媒と線s1−u1における冷媒とを熱
交換している。従って、各蒸発流路80における冷媒を
過熱蒸気になるまで熱交換せずに、つまりスーパヒート
を熱交換部20で得ることで、一定温度を維持すること
ができる。
【0045】また、熱交換部20の上流側の液冷媒の一
部を冷媒蒸発部50をバイパスして上出口タンク部41
に流入させてるので、上述の実施例と同様、過渡的に冷
媒蒸発部50の出口冷媒が加熱ガス状態になっても熱交
換部20での冷却能力を維持することができる。
【0046】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる
態様で実施し得ることは勿論である。上記実施例では、
冷媒蒸発部50と熱交換部20との一体型としている
が、冷媒蒸発部50と熱交換部20とを分離して配管等
により接続した別置タイプにしてもよい。例えば、自動
車用エアコンの場合、冷媒蒸発部50を車室内に、熱交
換部20を車室外に設置して配管接続してもよい。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の蒸発器に
よれば、入口流路の冷媒と出口流路の冷媒とを熱交換さ
せているため、冷媒の蒸発を行なう各分岐流路へ液状の
冷媒を送り易く、冷媒の分配の不均一を低減して冷却性
能を向上することができる。また、出口流路で冷媒を過
熱蒸気にすることができるため、各分岐流路の冷媒の温
度を一定に維持して、空気を均一に冷却することができ
る。しかも、冷凍ステム全体の構成を複雑化しなくと
も、簡易な構成で良好な熱交換性能を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における冷凍サイクルを説
明する模式図である。
【図2】上記実施例の蒸発器の平面図である。
【図3】上記蒸発器の正面図である。
【図4】上記蒸発器のプレートの正面図である。
【図5】上記プレートの図4の5−5線断面図である。
【図6】上記プレートの図4の6−6線断面図である。
【図7】上記蒸発器の最側方プレートの正面図である。
【図8】上記最側方プレートの図7の8−8線断面図で
ある。
【図9】図7の8−8線に対応する位置での積層状態を
示す断面図である。
【図10】図4の6−6線に対応する位置での積層状態
を示す断面図である。
【図11】上記実施例の蒸発器を図3D−E線から見た
矢視図である。
【図12】上記蒸発器を図3D−F線から見た矢視図で
ある。
【図13】上記蒸発器を図3D−G線から見た矢視図で
ある。
【図14】上記蒸発器のプレートの平面図である。
【図15】上記蒸発器の冷媒蒸発部の図2H−H線での
断面正面図である。
【図16】上記冷媒蒸発部の図13J−J線での断面平
面図である。
【図17】上記実施例の冷媒の状態を表すモリエ線図で
ある。
【図18】本発明の第2実施例の蒸発器を図3D−E線
から見た矢視図である。
【図19】上記実施例のプレートの平面図である。
【図20】本発明の第3実施例の蒸発器を図3D−E線
から見た矢視図である。
【図21】本発明の第4実施例における冷凍サイクルを
説明する模式図である。
【図22】本発明の第4実施例の冷媒の状態を表すモリ
エ線図である。
【符号の説明】
20 熱交換部 21 プレート 44 入口冷媒流路 38 第3減圧手段 45 出口冷媒流路 50 冷媒蒸発部 51 フィン 52 プレート 60,160,190 絞り部(第2減圧手段) 80,182 蒸発流路 100 膨張弁(第1減圧手段) 230 バイパス流路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を循環させる冷凍サイクルで第1減
    圧手段の下流に設けられる蒸発器において、 上記減圧手段から流出された冷媒を導入して所定距離通
    過させる入口流路と、 上記入口流路の下流端側から複数に分岐し、冷媒の蒸発
    領域となる複数の分岐流路と、 上記入口流路及び分岐流路間を流れる冷媒の圧力を減ず
    る第2減圧手段と、 上記各分岐流路の間にそれぞれ密着して設けられるフィ
    ンと、 上記各分岐流路の下流端から流出した冷媒を所定距離通
    過させて送り出す出口流路と、 前記第1減圧手段及び前記第2減圧手段間を流れる液冷
    媒の一部を、前記分岐流路を迂回して前記出口流路に導
    くバイパス流路と、 このバイパス流路を流れる冷媒の圧力を減ずる第3減圧
    手段と、を備えると共に、 上記入口流路と上記出口流路とを近接配置して、上記入
    口流路の冷媒と上記出口流路の冷媒とを熱交換させるこ
    とを特徴とする蒸発器。
JP26467192A 1992-09-17 1992-10-02 蒸発器 Withdrawn JPH06117727A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26467192A JPH06117727A (ja) 1992-10-02 1992-10-02 蒸発器
US08/121,947 US5390507A (en) 1992-09-17 1993-09-16 Refrigerant evaporator

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26467192A JPH06117727A (ja) 1992-10-02 1992-10-02 蒸発器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06117727A true JPH06117727A (ja) 1994-04-28

Family

ID=17406593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26467192A Withdrawn JPH06117727A (ja) 1992-09-17 1992-10-02 蒸発器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06117727A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09178297A (ja) * 1995-12-22 1997-07-11 Denso Corp 冷媒蒸発器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09178297A (ja) * 1995-12-22 1997-07-11 Denso Corp 冷媒蒸発器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU703687B2 (en) Refrigerant evaporator, improved for uniform temperature of air blown out therefrom
US8235101B2 (en) Parallel flow heat exchanger for heat pump applications
JP2917764B2 (ja) 冷房装置用蒸発器
TW200921030A (en) Economized vapor compression circuit
KR101755456B1 (ko) 열교환기
JPH109713A (ja) 冷媒凝縮装置、および冷媒凝縮器
US20160245558A1 (en) Two-phase refrigeration system
JP3301100B2 (ja) 蒸発器および冷凍サイクル装置
JP2013242126A (ja) 熱交換器、および熱を移動させる方法
JP3635715B2 (ja) 冷房装置用蒸発器
JP3633030B2 (ja) 冷房装置用蒸発器
JPH06117727A (ja) 蒸発器
JP3143990B2 (ja) 蒸発器
JPH10170098A (ja) 積層型蒸発器
JPH05157401A (ja) 熱交換器
JP2005226866A (ja) 冷凍サイクル装置
JPH05157402A (ja) 熱交換器
JPH05149651A (ja) 蒸発器
JP3143987B2 (ja) 蒸発器
JPH08110122A (ja) 冷房装置用蒸発器
TW201945671A (zh) 空調裝置
JP3256856B2 (ja) 冷凍システム
JPH10281572A (ja) 2次冷媒式冷凍機
JP7328023B2 (ja) 保冷車両
JPH06307737A (ja) 冷媒蒸発器

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000104