JP3633030B2 - 冷房装置用蒸発器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、冷凍サイクルに使用される冷房装置用蒸発器に関し、特に複数の冷媒蒸発流路を並列に接続した冷房装置用蒸発器に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
自動車用空気調和装置等に用いられる冷凍サイクルシステムは、例えば、圧縮機・凝縮器・受液器(レシーバ)・膨張弁(減圧手段)・蒸発器等により構成されている。そして、この密閉された回路内で冷媒を循環させて室内空気と蒸発器とで熱交換を行ない、室内を冷却するものである。膨張弁を通り断熱膨張した冷媒は、気体と液体との二相流の状態となって蒸発器に入り、外部より熱を吸収して気化(蒸発)し、等温膨張を続け室内空気の冷却作用を果たし、過熱蒸気となって圧縮機に吸入される。
【0003】
この蒸発器として、例えば特開平2−50059号に開示されているように、2枚の平板状のコアプレートを重ね合わせて冷媒が通る冷媒蒸発流路を形成した管状部材とフィンとを交互に複数段積層したものがある。しかし、蒸発器に入る冷媒は気液混合状態であるので気液が分離し易い。そのため、蒸発器内の複数の配管へ冷媒を分配しても気液の割合が配管毎に異なる場合がある。気体状冷媒よりも液体状冷媒の方が熱伝達率が高くかつ冷却能力が高い。そのため、気液割合の偏りが生ずると、特に蒸発器の下流側で熱交換効率が低下して、室内空気の冷却が不均一になる場合があった。特に自動車用空気調和装置にては、吹出空気の撹拌のためのスペースが確保しにくいので、その影響は大きい。
【0004】
また、上述した特開平2−50059号の第14〜16図にも示されているように、従来の蒸発器は2つのタンク部が上方に配置され、管状部材はそれら2つのタンク部をU字状に連通するように並列に配置されているが、一方のタンク部の途中には仕切り壁が設けられて2室に分割されている。そのため、流入ポートより供給された冷媒の流れは、まず流入ポートに接続された一方の分割室と連通する冷媒蒸発流路のみを通って下方に至り、U字状にターンして他方のタンク部に至る。そして、その他方のタンク部内を移動して、流出ポートに接続された他方の分割室とのみ連通する冷媒蒸発流路の側に至る。その後、その冷媒蒸発流路を下方に移動し、U字状にターンして上記他方の分割室へ至る。そして、流出ポートより排出されることとなる。
【0005】
このような冷媒蒸発流路構成(以下、説明の便宜のために3ターン方式とも呼ぶ。)にした場合には、例えば管状部材が10本あっても冷媒の流路としては10本全部使用できず、流入側および流出側をそれぞれ5本ずつ、あるいは流入側を7本で流出側を3本といった具合いに分割しなくてはいけなかった。一方、上述した仕切り壁を取り払ってしまってタンク内部を1室だけで形成して冷媒を一方のタンク部から流入させ、1回Uターンして至った他方のタンク部から流出させるような冷媒蒸発流路構成にすれば、管状部材が10本あれば冷媒蒸発流路も10本確保できることとなる(以下、説明の便宜のためにこの方式を全パス方式と呼ぶ。)。この2つの場合の比較を以下に示す。
【0006】
(1)3ターン方式の場合は3回もターンする必要があり、また管状部材の一部にしか冷媒を流入させられないのに対して、全パス方式は全ての冷媒蒸発流路に冷媒を流入させることができ、また1回しかターンしなくてよいので、相対的に圧力損失を下げることができて性能向上の点では好ましい。
【0007】
(2)しかし、単に全パス方式にしただけでは、タンク部に冷媒が流入した後、手前側の管状部材には液相冷媒が多く流入するが、奥側の管状部材には気相冷媒が多く流入してしまう。そのため、積層方向に温度差が大きくなってしまい、上述した熱交換効率の低下、室内空気の冷却が不均一になる等の不都合が生じる。
【0008】
この点に関しては、3ターンの場合の方がまだ積層方向の温度差を小さくできるのである。したがって、積層方向への温度分布を均一に近づけることができれば、上記全パス方式のように管状部材は全て冷媒蒸発流路として冷媒を流入させる構成を採用した方が性能を向上させる上で有利である。
【0009】
そこで本発明は上記の課題を解決することを目的とし、全パス方式を採用しながらも温度分布を均一に近づけることができ、冷房性能の低下を招くことのない冷房装置用蒸発器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成すべく、本発明は課題を解決するための手段として次の構成を取った。即ち、請求項1記載の発明は、冷媒を循環させる冷凍サイクルでの減圧弁の下流に設けられる冷房装置用蒸発器において、内部が1室だけで形成された流入側タンク及び内部が1室だけで形成された流出側タンクを最下部に有し、該流入側タンクと流出側タンクとを逆U字状に連通する冷媒蒸発流路の設けられた管状部材がフィンを挟んで複数積層され、上記冷媒蒸発流路が並列に配置されるように構成された冷媒蒸発部と、上記減圧弁と上記流入側タンクとの間に設けられ、上記流入側タンク入口での上記冷媒の乾き度を0.01〜0.2の範囲に調整する乾き度調整手段であって、上記減圧弁と上記流入側タンクとを連通する被冷却流路と、上記流出側タンクに接続され上記冷媒を出口に導く冷却流路との間で熱交換可能に形成された熱交換部と、上記減圧弁と上記熱交換部との間に一端が接続され、上記熱交換部よりも下流側に他端が接続され、開閉弁または定圧弁が介装された低負荷の時に有効なバイパス流路とを備え、上記冷媒蒸発部の上記管状部材の積層方向の厚さが1.6〜3.4mmの範囲にされたことを特徴とする冷房装置用蒸発器である。
【0011】
そして、小型化の点では、管状部材の積層方向の厚さを1.6〜2.5mmの範囲にすることが好ましい。
【0012】
【0013】
【作用および発明の効果】
本発明の冷房装置用蒸発器によれば、減圧弁から流出した冷媒は、乾き度調整手段を通過することによって、流入側タンク入口での冷媒の乾き度が0.01〜0.2の範囲に調整された状態で冷媒蒸発部の流入側タンクに導入される。そして、流入側タンクと流出側タンクとを逆U字状に連通する冷媒蒸発流路を通って流出側タンクに至る。
【0014】
上記冷媒蒸発流路は並列に複数配置されており、流入側タンクから各冷媒蒸発流路に冷媒が分配されて、各冷媒蒸発流路を通過する際に熱交換が行われる。本発明の場合、まず、乾き度が0.01〜0.2の範囲に調整された状態で冷媒が流入してくる。何も調整しない場合には一般的に乾き度が0.3〜0.5程度であるので、その程度の乾き度では気液が分離して流入し易い。それに対して、乾き度を0.01〜0.2の範囲に調整することで、冷媒の分配がよくなり、圧力損失の低下の面で有利である。
【0015】
また、流入側タンクは冷媒蒸発部の最下部に配置されているため、流入側タンクに流入した冷媒、特に液相冷媒は流入側タンクの奥まで侵入した後に各冷媒蒸発流路を上昇していくこととなる。従来技術の項でも説明したが、タンクが上側に配置され、冷媒が流路を下降していくような構成であると、手前側には液相冷媒が偏って流入し、奥側には気相冷媒ばかりが流入してしまい、積層方向に温度差が大きくなってしまうのである。
【0016】
それに対して、本発明では、特に液相冷媒が流入側タンクの奥まで侵入した後に各冷媒蒸発流路を上昇していくため、液相冷媒の偏りが少なく、全パス方式であっても積層方向での温度分布が均一に近くなる。そのため、熱交換効率が向上し、室内空気の冷却も均一になる。
【0017】
さらにまた、本発明の冷媒蒸発流路は上述した全パス方式であるので、相対的に圧力損失を下げることができ、性能向上の点で好ましい。次に、管状部材の積層方向の厚さについて考察すると、この積層方向の厚さを小さくして冷媒蒸発流路を狭くすると、冷媒流速が大きくなるが圧力損失も大きくなる。そのため、上記3ターン方式においては、両者のバランス等を考慮した最適厚さは一般的に3.5mmとされている。
【0018】
これに対して本発明では、全パス方式であるので、相対的に圧力損失を下げることができる。そのため、管状部材の積層方向の厚さを小さくしても、従来の3ターン方式のものと同等の性能を発揮することができる。その結果、冷媒蒸発部自体の大きさも小さくすることができ、小型化の点で好ましい。したがって、管状部材の積層方向の厚さは、従来の3.5mmより小さく1.6〜3.4mmの範囲にすることが好ましく、小型化の点では、管状部材の積層方向の厚さを1.6〜2.5mmの範囲にすることがさらに好ましい。
【0019】
また、上記乾き度調整手段は、減圧弁と流入側タンクとを連通する被冷却流路と、流出側タンクに接続され冷媒を出口に導く冷却流路との間で熱交換可能に形成された熱交換部によって実現してもよい。この場合、熱交換部においては、冷媒蒸発部の流出タンクから冷媒の流入した冷却流路と被冷却流路との間で熱交換が行われ、被冷却流路内の冷媒が冷却される。そのため、被冷却流路内の冷媒の液化が促進されて流入側タンク入口での冷媒の乾き度が0.01〜0.2の範囲に調整される。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の第1実施例である蒸発器を適用した冷凍サイクルの概略構成図である。コンプレッサ1はガス状の冷媒を圧縮して凝縮器2に送り、凝縮器2はこの冷媒を外部の空気により冷却して液状の冷媒としてレシーバ4に送るように接続されている。車両用に適用された場合にはコンプレッサ1は図示しない内燃機関で回転駆動される。
【0024】
レシーバ4は冷媒を一時蓄えると共に、冷媒中の塵や水分を取り除くものである。そして、レシーバ4を出た冷媒は膨張弁6に送られる。膨張弁6は、送られてきた冷媒を減圧させるものである。また、この膨張弁6は、図2に示すように、弁体7の移動により、その開度を調節可能な構成のものである。なお、本実施例では、膨張弁6が減圧弁として働くが、減圧弁は開度が調節可能なものに限らず、固定絞り弁であっても実施可能である。
【0025】
膨張弁6は、弁体7が、ばね10により閉弁方向に付勢力Psにより付勢されると共に、弁体7の一端がダイヤフラム12に係合されている。さらに、後述する蒸発器16の下流側に設けられた感温筒8を備え、蒸発器16の下流側の冷媒温度が上昇すると、感温筒8内の圧力Pfが上昇し、即ち冷房負荷が増加すると、この圧力Pfがキャピラリーチューブ14を介してダイヤフラム12の一側に作用して、弁体7を開弁方向に移動して、冷媒の量を大きくするように開度が調節されるよう構成されている。
【0026】
また、膨張弁6には、蒸発器16の下流側の冷媒圧力P0をダイヤフラム12の他側に導入する外均管17が設けられており、弁体7による開度は、前記ばね10の付勢力Psと外均管17からの圧力P0及びキャピラリーチューブ14からの圧力Pfの釣合(Pf=Ps+P0)により、蒸発器16の下流側での冷媒圧力と冷媒温度を補償するように構成されている。
【0027】
前記膨張弁6から出た冷媒は、蒸発器16に送られた後、ガス状の冷媒となってコンプレッサ1に吸い込まれるように接続されている。蒸発器16は、冷媒蒸発部18と熱交換部20とを備えており、冷媒蒸発部18は、図3に示すように、最下部に流入流路22と流出流路24とを備えている。この最下部とは、重力方向に最下部という意味である。そして、両流路22,24は複数の並列に接続された冷媒蒸発流路26により連通されており、冷媒蒸発流路26を通る冷媒と、車室内に供給される空気との間で熱交換が行われるように構成されている。この冷媒蒸発部18の構成については後で詳述する。
【0028】
一方、前記膨張弁6と冷媒蒸発部18の流入流路22とを連通する被冷却流路28を備え、この被冷却流路28の下流側には第1絞り30が形成されている。また、一端が冷媒蒸発部18の流出流路24に接続された冷却流路32を備えており、冷却流路32の他端は出口孔34を介して、排出流路36に接続されている。第1絞り30の上流側の被冷却流路28と冷却流路32との冷媒の間で、熱交換が可能にされて熱交換部20が形成されている。
【0029】
排出流路36には、前記感温筒8、及び外均管17(図2参照)が取り付けられており、排出流路36は出口孔34から排出された冷媒をコンプレッサ1に導出するように接続されている。さらに、膨張弁6と熱交換部20との間の被冷却流路28に、バイパス流路38の一端が接続されて分岐されており、このバイパス流路38の他端は、第1絞り30よりも下流側の被冷却流路28に接続されて合流されている。また、バイパス流路38には、開閉弁40が介装されている。
【0030】
次に、前述した蒸発器16の熱交換部20の具体的な構成については図4〜9を中心に、また冷媒蒸発部18の具体的な構成については図4及び図10〜12を参照して詳しく説明する。まず熱交換部20について説明する。図4に示すように、第1,第2の側板46,48の間に複数組の第1、第2プレート50,52が積層されており、1組の両プレート50,52は対称の形状をしている。
【0031】
第1,第2プレート50,52には、波型の凹凸が多数形成されており、積層することにより、図8に示すように、第1プレート50の内側と第2プレート52の内側との間に多数の第1流路54が形成される。また、同様に、第2プレート52の外側と第1プレート50の外側との間に多数の第2流路56が形成されるように構成されている。
【0032】
そして、図5,7に示すように、第1の側板46及び一部の第1プレート50の上方には、入口孔57及び流入孔58が形成されている。この流入孔58は、前記第1流路54と連通するように構成されており、第1流路54は、第1,第2プレート50,52の下方に形成された第1連通孔60に接続されている。
【0033】
また、第1プレート50のうち、第2の側板48側に設けられている一枚の第1プレート50aには、第1連通孔60に代えて、オリフィスにより形成された第1絞り30が設けられている。この第1絞り30は、第2プレート52の第1連通孔60及び第2の側板48に形成された第1接続孔62を介して、冷媒蒸発部18の流入流路22に接続されている。前記流入孔58、第1流路54、第1連通孔60、第1接続孔62により、図3に示す被冷却流路28を形成している。
【0034】
さらに、図9に示すように、第1,第2プレート50,52及び第2の側板48の下方には、冷媒蒸発部18の流出流路24に連通する第2接続孔63,64が形成されており、この第2接続孔63,64は第2流路56と連通するように構成されている。そして、図7に示すように、第2流路56は第1,第2プレート50,52及び第1の側板46の上方に形成された流出孔66及び出口孔34に接続されている。
【0035】
前記第2接続孔63,64、第2流路56、流出孔66により冷却流路32が形成されている。そして、被冷却流路28及び冷却流路32を通る冷媒間で、第1,第2プレート50,52を介して、熱交換可能にされた熱交換部20が形成されている。
【0036】
一方、図7に示すように、前記一枚の第1プレート50aには、流入孔58に代えて開閉弁40が設けられており、開閉弁40は、第2プレート52の流入孔58を介して、第2プレート52と第2の側板48との間に形成された第3流路68に連通されている。
【0037】
この第3流路68は、図9に示すように、第2の側板48の前記第1接続孔62に連通されて、被冷却流路28に接続され、この流入孔58、第3流路68によりバイパス流路38が形成されている。この流路は、特に冬季モード時のように低負荷の時に有効であり、夏季に使用される通常時のみ考える場合は、無くてもよい流路である。
【0038】
次に冷媒蒸発部18について説明する。冷媒蒸発部18は、室内空気を効率的に冷却するための波板状のコルゲートフィン44(以下、単にフィン44と呼ぶ)と図10に示すプレート42とをろう付けにより積層したもので、この積層状態の断面を図11(図10のE−E線での断面図)、図12(図11のF−F線での断面図)に示す。なお、図11は、熱交換部20と接続される側とは反対側の一部分だけを示している。
【0039】
プレート42は、図10に示すように略長方形の板状で、その最下部に略円筒形の入口タンク73と出口タンク74とが形成されている。入口タンク73は、上述した熱交換部20の第1接続孔62に整合する位置に設けられ、その中央に円孔75が穿設されており、熱交換部20から送られてきた冷媒が導入される部位となる。出口タンク74は、熱交換部20の第2接続孔63,64に整合する位置に設けられ、その中央に横長の円孔76が穿設されており、熱交換部20の第2接続孔63,64に冷媒を送り出す部位となる。
【0040】
このプレート42は、積層したときにプレート42間に冷媒の流路が形成されるように、外周に対して中央部がくぼんでいる。この中央部である中央凹面部77には、冷媒の伝熱促進のための複数のクロスリブ78と、冷媒を下方に導きさらに方向転換して出口タンク74に導く中央隔壁79が凸状に形成されている。この中央隔壁79は、図10に示すように、圧力損失を均一にするために冷媒の蒸発による膨張に合わせて斜め方向に形成されている。
【0041】
入口タンク73と中央凹面部77との間には、両者を結ぶ細い溝79aが形成されている。このため、入口タンク73の冷媒は、この溝79aを通過して中央凹面部77に流れる。冷媒蒸発部18は、端面となるエンドプレート71(図4,11,12参照)と熱交換部20の第2の側板48との間で、上述したプレート42を図11,図12に示すように向かい合わせて冷媒の流路を形成し、各プレート42の裏面の間に波板状のフィン44を装着してろう付けにより形成される。このとき、各プレート42に形成された溝79aが向かい合って、冷媒の流路面積を狭くする絞り部80が形成される。また、各フィン44には、冷媒と室内空気との熱交換を促進するための細い溝82が複数形成されている。なお、向かい合わせてろう付けされるプレート42の形状は、左右反対、つまり一方のプレート42に対して他方のプレート42の形状を鏡に映した形状としている。但し、向かい合うクロスリブ78は、互いに交差する方向に形成されている。
【0042】
このようにプレート42を積層したときのプレート42内での冷媒の流れを図10中に矢印e,f,gにて示す。熱交換部20から各入口タンク73(以下、各入口タンク73を重ねることで形成された冷媒の溜り部を流入側タンク70と呼ぶ)に送られた冷媒は、分配されて各絞り部80を通過し、中央凹面部77間を上方に向かって流れ(矢印e)、さらに最上部で方向転換して下方に向い(矢印f)、各出口タンク74(以下、各出口タンク74を重ねることで形成された冷媒の溜り部を流出側タンク90と呼ぶ)に流れ込み(矢印g)、合流して熱交換部20の上出口冷媒タンク部41に送られる。
【0043】
上記構成によって、冷媒蒸発部18は、流入側タンク70及び流出側タンク90を最下部に有し、上記1対のプレート42によって、両タンク70,90を逆U字状に連通する冷媒蒸発流路となる本発明の管状部材が形成されることとなる。そして、フィン44を挟んで複数が積層されることによって、冷媒蒸発流路26が並列に配置されることとなる。
【0044】
このとき、プレート42の中央凹面部77間では、交差するクロスリブ78により、冷媒が分散され全体に広く行き渡る。なお、図12において83が上方に向かう冷媒の流路となり、84が下方に向かう冷媒の流路となる(この流路83,84、即ち、中央凹面部77間の冷媒の流路が上記図3における冷媒蒸発流路26である。)。この冷媒蒸発流路26を冷媒が流れるときに、冷媒は、フィン44を介して室内空気と熱交換し、一部が蒸発しつつ等温膨張を続ける。
【0045】
次に、前述した本第1実施例の冷房装置用蒸発器の作動について、冷凍サイクルの作動と共に説明する。図13は、冷凍サイクル上での冷媒の状態を表すモリエル線図である。コンプレッサ1の駆動により圧縮された(図中線m部分)高圧の冷媒は、凝縮器2で放熱し(図中線n部分)、気体状冷媒から液体状冷媒へと相変化する。そして、通常の冷凍サイクルでは、膨張弁6により、線o上を点Wまで膨張させているため、冷媒は蒸発器16の入口で気体と液体との気液二相状態となり、蒸発器2内で冷媒の分配が均等に行なわれない。そこで、本実施例の蒸発器16では、熱交換部20で被冷却流路28内を通過する入口冷媒と冷却流路32内を通過する出口冷媒(後述するが、絞り部80により入口冷媒よりも低温となっている)を熱交換させることで入口冷媒を冷却し、冷媒を線p上に沿って点Xまで変化させて液相方向へシフトしている。
【0046】
このため、単に膨張弁6による膨張では冷媒は乾き度x=0.3〜0.5程度までしか下がらないが、本第1実施例によれば冷媒は乾き度x=0.01〜0.2の範囲になり、冷媒蒸発部18の流入側タンク70から各プレート42間の冷媒蒸発流路26に均等に分配される。このとき、冷媒蒸発流路26の入口となる絞り部80により、冷媒は線q上に沿って点Yにまで減圧されて、一層低温化した気液二相状態となり、フィン44を介して室内空気と熱交換され蒸発を開始する(図中線r部分)。冷媒は、その一部が蒸発した状態(点Z1)、即ち乾き度xが1未満で冷媒蒸発部18の流出側タンク90で合流し熱交換部20に送られる。この冷媒(出口冷媒)は、熱交換部20に形成された冷却流路32を通過することで入口冷媒と熱交換される。このため、冷却流路32内で冷媒の乾き度xは1以上となって(点Z2)冷媒は過熱蒸気となり(図中線s1,s2部分)、感温筒8を経てコンプレッサ1へと送られる。
【0047】
即ち、膨張弁6から送られた気液二相状態の冷媒(入口冷媒)は、被冷却流路28を流れるときに冷却流路32を流れる低温の冷媒(出口冷媒)と熱交換して冷却されて、より液相側へシフトし、冷媒蒸発部18の流入流路22に送られる。なお、図1中において冷媒の液状態部分にハッチングを施す。そして、均一に各冷媒蒸発流路26に流れ込むと共に、絞り部80により減圧されて室内空気と熱交換して一部が気化しつつ等温膨張する。冷媒は気液二相状態のまま、冷媒蒸発部18の流出流路24に送られて合流し、熱交換部20の冷却流路32を流れる。このとき、冷媒(出口冷媒)は、被冷却流路28を流れる入口冷媒と熱交換して加熱されすべて乾き度が1以上の過熱蒸気となる。つまり、図13の線pにおける冷媒と線s1,s2における冷媒とを熱交換している。
【0048】
本第1実施例の冷房装置用蒸発器16によれば、減圧弁6から流出した冷媒は、乾き度調整手段としての熱交換部20を通過することによって、流入側タンク70入口での冷媒の乾き度が0.01〜0.2の範囲に調整された状態で冷媒蒸発部の流入側タンク70に導入される。そして、流入側タンク70と流出側タンク90とを逆U字状に連通する冷媒蒸発流路を通って流出側タンク90に至る。
【0049】
上記冷媒蒸発流路は並列に複数配置されており、流入側タンク70から各冷媒蒸発流路26に冷媒が分配されて、各冷媒蒸発流路26を通過する際に熱交換が行われる。本発明の場合、まず、乾き度が0.01〜0.2の範囲に調整された状態で冷媒が流入してくる。何も調整しない場合には一般的に乾き度が0.3〜0.5程度であるので、その程度の乾き度では気液が分離して流入し易い。それに対して、乾き度を0.01〜0.2の範囲に調整することで、冷媒の分配がよくなり、圧力損失の低下の面で有利である。
【0050】
また、流入側タンク70は冷媒蒸発部18の(重力方向に見た場合の)最下部に配置されているため、流入側タンク70に流入した冷媒、特に液相冷媒は流入側タンク70の奥まで侵入した後に各冷媒蒸発流路26を上昇していくこととなる。従来技術の項でも説明したが、タンクが上側に配置され、冷媒が流路を下降していくような構成であると、手前側には液相冷媒が偏って流入し、奥側には気相冷媒ばかりが流入してしまい、積層方向に温度差が大きくなってしまうのである。
【0051】
それに対して、本第1実施例では、特に液相冷媒は流入側タンク70の奥まで侵入した後に各冷媒蒸発流路を上昇していくため、液相冷媒の偏りが少なく、全パス方式であっても積層方向での温度分布が均一に近くなる。その点に関する実験結果として、乾き度x=0.1に設定した状態で流入側タンク70へ流入した冷媒の各冷媒蒸発流路26への分配状況等を示す。
【0052】
図14は、比較例として、本第1実施例の流入側タンク70を冷媒蒸発部18の上部側に配置し冷媒が下降流として供給される場合の、冷媒蒸発流路別の個別流量Glocalと温度変化△Taを示したものである。(A)は高流量(150kg/h)の場合、(B)は低流量(50kg/h)の場合を示す。
【0053】
この実験結果からも判るように、冷媒が流入してきた入口付近、すなわち手前側にはおいては液相冷媒が偏って流入しており、奥側には気相冷媒ばかりが流入してしまう。そして、流量自体も手前側の方が相当多くなってしまう。そのため、液相冷媒が多い手前側では温度差はほとんどないが、中頃から奥にかけて温度差が大きく生じてしまう。特に、(B)に示す低流量の場合には、手前側の2〜3の冷媒蒸発流路にしか液相冷媒が流入せず、残りはほとんど気相冷媒となってしまう。このように、積層方向に温度差が大きくなってしまうのである。
【0054】
一方、図15は、本第1実施例のように流入側タンク70を最下部に配置して冷媒が上昇流として供給される場合の、冷媒蒸発流路26別の個別流量Glocalと温度変化△Taを示したものである。図14と同様に、(A)は高流量(150kg/h)の場合、(B)は低流量(50kg/h)の場合を示す。
【0055】
この場合、流入側タンク70は冷媒蒸発部18の最下部に配置されているため、流入側タンク70に流入した冷媒、特に液相冷媒は流入側タンク70の奥まで侵入した後に各冷媒蒸発流路26を上昇していくこととなる。そのため、上述した流入側タンク70が上側に配置された場合の比較例におけるような、冷媒が流路を下降していくものとは反対に、どちらかと言えば奥側の冷媒蒸発流路の方に液相冷媒が多く流入するが手前側にも液相冷媒は流入する。特に、(B)に示す低流量の場合には、各冷媒蒸発流路26への液相冷媒の流入量がほとんど同じぐらいになり、液相冷媒の偏りが少なく、積層方向での温度分布が均一に近くなることが判る。そのため、熱交換効率が向上し、室内空気の冷却も均一になる。
【0056】
さらにまた、本実施例の冷媒蒸発部18は上述した「全パス方式」の冷媒蒸発流路26の構成であるので、相対的に圧力損失を下げることができ、性能向上の点で好ましい。次に、管状部材の積層方向の厚さについて考察する。1対のプレート42によって、両タンク70,90を逆U字状に連通する冷媒蒸発流路26となる本発明の管状部材が形成されることはすでに述べたが、一般的にこの積層方向の厚さを小さくして冷媒蒸発流路26を狭くすると、冷媒流速が大きくなるが圧力損失も大きくなる。そのため、上記3ターン方式においては、両者のバランス等を考慮した最適厚さは一般的に3.5mmが下限とされている。
【0057】
これに対して本冷媒蒸発部18は全パス方式であるので、相対的に圧力損失を下げることができる。そのため、管状部材の積層方向の厚さを小さくしても、従来の3ターン方式のものと同等の性能を発揮することができる。このことを裏付ける実験結果を図16に示す。
【0058】
図16(A)においては、本第1実施例の構成において、1対のプレート42によって構成される管状部材の積層方向厚さTtを変化させていった場合の通風抵抗△Pの変化を三角印(△)で示し、単体性能Q/前面面積Fの変化を丸印(○)で示してある。なお、前面風速を2m/sの条件にしてある。そして、これを通風抵抗△Pを同等に整理して表したものが図16(B)である。この図16(B)中には、従来のいわゆる3ターン方式のものにおける、Tt=3.5mmの場合の数値を比較のために記入してある。
【0059】
このグラフからも判るように、本第1実施例の構成を採用すれば、積層方向厚さTtを3.5mmよりも小さくすることで単体性能Q/前面面積Fを向上させることができる。したがって、管状部材の積層方向の厚さTtは、従来の3.5mmより小さく1.6〜3.4mmの範囲にすることが好ましい。そして、小型化の点では、Ttを1.6〜2.5mmの範囲にすることがさらに好ましい。このように薄くすることで、同等性能を発揮しながら結果的に冷媒蒸発部18自体の大きさも小さくすることができ、全体をコンパクトにすることができる。
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
次に、さらに他の実施例について説明する。上記第1実施例では、第1絞り30(図1,3,6,9等参照)を減圧手段として使用し、被冷却流路28の冷媒を減圧しているが、例えば、図17の冷凍サイクルの概略構成図に例示するように、図1における第1絞り30を設けずに他の構成による減圧手段を採用することができる。その例を、以下の第2,第3実施例に示す。
【0071】
図18は、第2実施例の蒸発器316の構成を表す分解斜視図である。図18に示すように、冷媒蒸発流路を形成する複数のコアプレート342,343がフィン344を挟んで交互に積層されて蒸発部318が形成されている。また、側板346とセンタプレート348との間に、複数組の第1〜第4プレート350a,352a,350b,352bが順次積層されている。
【0072】
第1〜第4プレート350a,352a,350b,352bは一部形状が異なるだけで基本構成はぼ同じなので、全ての要素を含んだ構成を図19を参照して説明してから、各プレート350a,352a,350b,352bについて説明する。図19のプレートは、被冷却流路28および冷却流路32を形成する波型の凹凸が多数形成されており、更に上部には、入口孔327と各被冷却流路328とを連通する冷媒流路を形成する上側流入孔354、定圧弁340と連通し第5プレート556に至る冷媒流路を形成するバイパス孔358、および出口孔534と各冷却流路532とを連通する上側流出孔560が形成されている。また、プレートの下部には、各被冷却流路328と第5プレート356とを連通する下側流入孔362、第5プレート356と流入流路322とを連通する一対の貫通孔364,366、および流出流路324と各冷却流路332とを連通する下側流出孔368が形成されている。第1プレート350aは、図19に示した構成のプレートにおいて上側流入孔354を塞いだ形状に形成されている。また、第2プレート352aは第1プレート350aと対称形である。一方、第3プレート350bは図19に示した構成のプレートにおいて下側流入孔362を塞いだ形状にされ、第4プレート352bは第2プレート352aと対称形である。
【0073】
側板346には、ブロックジョイント341が取り付けられており、このブロックジョイント341には、バイパス流路の入口に設けられる定圧弁340、入口孔327、出口孔334が設けられている。そして、この定圧弁340、入口孔327、出口孔334にそれぞれに位置に対応した連通路を有する膨張弁ユニット306が取り付けられる。
【0074】
この膨張弁ユニット306の概念図を図20に示す。なお、図中矢印は冷媒の流れを示す。レシーバ4(図17参照)から流入してきた冷媒は、膨張弁6を通って図18の入口孔327に流出する。また、図18の出口孔334からの冷媒は、コンプレッサ1へ流出する。ここで、レシーバ4から流入してきた冷媒は、膨張弁6を通った後で、流路307を通って入口孔327に流出するのであるが、この流路307の途中から分岐した流路308によって定圧弁340に流入する。したがって、膨張弁6の下流から分岐するバイパス流路38が形成され、そのバイパス流路の入口に定圧弁340が配置されることとなる。
【0075】
図18に戻って、第5プレート356は、バイパス流路38(図17参照)を形成する凹部396と、それを補強する補強用リブ398とが形成されている。更に、第5プレート356の下部には、第1〜第4プレート350a〜352bの貫通孔66と蒸発部18の流入流路とを連通する貫通孔402、および、第1〜第4プレート350a〜352bの下側流出孔368と蒸発部318の流出流路とを連通する貫通孔404がそれぞれ形成されている。
【0076】
このように構成された蒸発器316の熱交換部320は、第1〜第4プレート350a〜352bの間に、一つおきに被冷却流路328(図18では、配置および方向を矢印で概略的に表示)が形成される。そして、その被冷却流路328は、第1プレート350aと側板346との間、および第4プレート352bと第1プレート350aとの間では、全体として下に向かって形成され、第2プレート352aと第3プレート350bとの間では、全体として上に向かって形成される。しかも、その被冷却流路328は全体で連続した一本の流路となっている。このため、被冷却流路328を流動する際に冷媒に加わる流動抵抗は、相対的に極めて大きくなる。従って、この流動抵抗によって、冷媒の圧力が上記第1実施例の場合の図13のモリエル線図における点Y(図21のおける点d1)にまで低下する。すなわち、本第2実施例では、被冷却流路328が減圧手段の機能を兼ね備えているのである。
【0077】
このように、本第2実施例の蒸発器316を適用した冷凍サイクルでは、蒸発器316は減圧手段として第1実施例のおける第1絞り30(図1参照)を有しておらず、冷媒が被冷却流路328を通過する際に減圧がなされる。従って、その冷凍サイクルのモリエル線図は、図21に例示するようになる。すなわち、被冷却流路328を通過する際、冷媒には、冷却と減圧とが同時になされる(b点−d1点間)。このため、本実施例では、第1絞り30(図1等参照)がなくても、第1実施例と略同様の機能を達成することができる。
【0078】
但し、第1実施例の第1絞り30のように、減圧手段として、被冷却流路と蒸発部の流入流路との間に設けた絞りを適用する場合は、熱交換部における熱交換効率を向上させ、コンパクトにして熱交換性能の高い冷房装置用蒸発器を得ることができ、一方、第2実施例の被冷却流路328のように、被冷却流路自体が減圧手段としての機能を兼ね備える場合は、部品の種類を減らして製造コストを低減することができるといった、各々独特の作用・効果が生じる。
【0079】
また、上側流入孔54から下側流入孔62に至るまでの被冷却流路を長くすることによっても、上記第2実施例と同様に、被冷却流路に減圧手段の機能を付与することもできるので、それを第3実施例として説明する。図22は、第3実施例の蒸発器516の構成を表す分解斜視図である。なお、本実施例において第2実施例と同様に構成した部分には、第2実施例で使用したものと同一の符号を使用して構成の詳細な説明を省略する。また、第1実施例で説明した流入流路22、流出流路24、冷媒蒸発流路26、冷却流路32、バイパス流路38も図中に記載してある。さらに、第2実施例における膨張弁ユニット306も同様に取り付けられるが、図22では省略してある。
【0080】
図22に示すように、本第3実施例では、側板346とセンタプレート348との間に、複数組の第1,第2プレート550,552が積層されている。そして、側板346は、第2実施例と同様の第5プレート356を介して蒸発部18に積層されている。ここで、本実施例では、第1,第2プレート550,552表面に形成される被冷却流路528の折り返し部556を増やしている。このため、同一の第1,第2プレート550,552間の、上側流入孔354から下側流入孔362に至るまでの被冷却流路528が長くなる。従って、被冷却流路528全体としての冷媒への流動抵抗が増加し、第2実施例と同様に、被冷却流路528に減圧手段としての機能を付与することができる。また、本実施例を適用した冷凍サイクルのモリエル線図も、図21と略同様になる。
【0081】
以上本発明はこの様な実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての冷房装置用蒸発器を適用した冷凍サイクルの概略構成図である。
【図2】本実施例の膨張弁の概略構成図である。
【図3】本実施例の蒸発器の概略構成を示す斜視図である。
【図4】本実施例の蒸発器の側面図である。
【図5】図4のA−A線での拡大断面図である。
【図6】本実施例の第2プレートの拡大正面図である。
【図7】図5のB−B線での拡大断面図である。
【図8】図5のC−C線での拡大断面図である。
【図9】図5のD−D線での拡大断面図である。
【図10】本実施例の蒸発器のプレートの平面図である。
【図11】上記蒸発器の冷媒蒸発部の図10のE−E線での断面図である。
【図12】図10のF−F線での断面図である。
【図13】上記実施例の冷媒の状態を表すモリエル線図である。
【図14】タンクを上に配置して冷媒が下降流として供給される場合の、冷媒蒸発流路別の個別流量と温度変化を示すグラフである。
【図15】タンクを下に配置して冷媒が下降流として供給される本実施例の場合の、冷媒蒸発流路別の個別流量と温度変化を示すグラフである。
【図16】(A)は、本実施例の構成での管状部材の積層方向厚さを変化させていった場合の通風抵抗および単体性能/前面面積の変化を示すグラフ、(B)は(A)を通風抵抗を同等に整理して表したグラフである。
図17第2実施例の冷房装置用蒸発器を適用した冷凍サイクルの概略構成図である。
図18第2実施例の冷房装置用蒸発器の構成を表す分解斜視図である。
図19第2実施例の冷房装置用蒸発器の第1〜4プレートの構成を示すための正面図である。
図20第2実施例の膨張弁ユニットの概念図である。
図21第2実施例におけるモリエル線図を表すグラフである。
図22第3実施例の冷房装置用蒸発器の構成を表す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 コンプレッサ
2 凝縮器
4 レシーバ
6 膨張弁
8 感温筒
16 蒸発器
18 冷媒蒸発部
20 熱交換部
22 流入流路
24 流出流路
26 冷媒蒸発流路
28 被冷却流路
32 冷却流路
36 排出流路
38 バイパス流路
40 開閉弁
41 上出口冷媒タンク部
42 プレート
44 コルゲートフィン
44 フィン
50 第1プレート
52 第2プレート
70 流入側タンク
73 入口タンク
74 出口タンク
77 中央凹面部
78 クロスリブ
79 中央隔壁
80 絞り部
90 流出側タンク
103 気液分離室
103a,103b プレート
109 ディンプル
110 リブ
115 入口側室
116 出口側室

Claims (2)

  1. 冷媒を循環させる冷凍サイクルでの減圧弁の下流に設けられる冷房装置用蒸発器において、
    内部が1室だけで形成された流入側タンク及び内部が1室だけで形成された流出側タンクを最下部に有し、該流入側タンクと流出側タンクとを逆U字状に連通する冷媒蒸発流路の設けられた管状部材がフィンを挟んで複数積層され、上記冷媒蒸発流路が並列に配置されるように構成された全パス式の冷媒蒸発部と、
    上記減圧弁と上記流入側タンクとの間に設けられ、上記流入側タンク入口での上記冷媒の乾き度を0.01〜0.2の範囲に調整する乾き度調整手段であって、上記減圧弁と上記流入側タンクとを連通する被冷却流路と、上記流出側タンクに接続され上記冷媒を出口に導く冷却流路との間で熱交換可能に形成された熱交換部と、
    上記減圧弁と上記熱交換部との間に一端が接続され、上記熱交換部よりも下流側に他端が接続され、開閉弁または定圧弁が介装された低負荷の時に有効なバイパス流路とを備え、
    上記冷媒蒸発部の上記管状部材の積層方向の厚さが1.6〜3.4mmの範囲にされたことを特徴とする冷房装置用蒸発器。
  2. 上記管状部材の積層方向の厚さが1.6〜2.5mmの範囲にされたことを特徴とする請求項1に記載の冷房装置用蒸発器。
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