JPH06114179A

JPH06114179A - 全自動洗濯機

Info

Publication number: JPH06114179A
Application number: JP4267050A
Authority: JP
Inventors: Toshiyasu Kamano; 年恭釜野; Tamotsu Shikamori; 保鹿森; Isao Hiyama; 功桧山; Kiyoshi Suzuki; 潔鈴木
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1992-10-06
Filing date: 1992-10-06
Publication date: 1994-04-26
Anticipated expiration: 2012-07-02
Also published as: KR940009430A; JP2626425B2; AU654781B2; KR0173142B1; AU4868593A

Abstract

(57)【要約】【目的】布の上下入れ替え増大，洗浄力の向上，布から
み布いたみの低減を計る。【構成】撹拌翼の正逆回転に伴なって撹拌翼の中央部に
設けられる振動子が上下方向の往復作動をする全自動洗
濯機。【効果】上記目的を達成できる全自動洗濯機が提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗濯機の撹拌翼に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より一般的な洗濯機として、渦巻式
のものが撹拌式のものが知られている。渦巻式のもの
は、洗濯槽の底部に撹拌翼を設け、この回転によって、
渦巻水流を発生させ衣類を反転させながら洗濯するもの
であり、撹拌翼の回転数は３００rpm 以上と高速であ
り、また、撹拌翼の外径は洗濯槽の内径に対し、約１／
２以下と小さく設定してある。このため、撹拌翼が衣類
に直接接触する部分と他の部分との洗浄力の差が布の傷
みの差が大きいものであった。さらに、撹拌翼の回転力
を上方の衣類に伝達する際に大きな布のねじれを生じ、
布のからみが布の片寄りも大きいものであった。

【０００３】これらの問題点を改良するものとして、特
開昭58−149787号に記載のものがある。これは、大径羽
根渦巻式とでも呼べるもので撹拌翼を大径化（洗濯槽と
の比０.５〜１）し、回転数を２８０rpm 以下に設定す
るとともに撹拌翼の正逆の反転同期をこきざみに制御
（０.５秒〜５秒）するものである。

【０００４】撹拌式のものは、撹拌翼の中央に規定水位
よりも高い円筒を有するものであり、短周期で正逆転を
行ない、１回当たりの回転数を約２〜３回転以下に設定
し、振り洗いするものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】撹拌式の場合、撹拌翼
の中央に円筒を設け、振り洗いをする方式であるため、
布のからみ，布の傷みは少ない反面、布に与える機械力
は、渦巻式に対し小さい。また、この方式は、布の上下
の入れ替えは少ないので、容量が増えてくること上方の
衣類は動きずらくなる。

【０００６】これに対し、渦巻式は、洗浄力や衣類の動
きは良いが、布のからみや布の片寄りが大きい。布の片
寄りは、全自動洗濯機の場合、脱水時のアンバランスと
なり、脱水起動成功率が低下したり、振動・騒音が大き
くなり好ましくない。大径羽根渦巻式のものも、布の傷
みや，洗いむらは改善できるものの布のからみは同等で
あり、布の片寄りも少ないとはいえないものであった。

【０００７】本発明の目的は、布の上下の入れ替えを増
大させ、洗浄力を向上させるとともに布からみや布の片
寄りも従来の渦巻式より低減できる洗濯機用撹拌翼を有
する全自動洗濯機を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】撹拌翼の中央部に円筒部
を設け、筒状で、その外表面に外方へ突出するリブを有
する振動子を円筒部の上端部に回転可能に取り付ける。

【０００９】また、上下方向に所定の間隔を保ち、下方
に面する上波形面および、上方に面する下波形面を振動
子に形成するとともに、前記各波形面にて挾持される複
数個の突部を前記円筒部に形成する。

【００１０】運転時、撹拌翼の円筒部と振動子の間に
は、相対回転運動が起こり、前記の突部が、上波形面お
よび下波形面に沿って移動するので、振動子を上下動さ
せることができる。

【００１１】

【作用】洗濯撹拌時の布の上下の入れ替わりは、次のメ
カニズムによるものである。

【００１２】撹拌翼が正転から逆転に切替わる時、撹拌
翼外周部の布と中央部の布の周速に差が発生し、軽いね
じれが発生、外周部の布が、中央部に引き寄せられる。
引き寄せられた布は、中央部から上方に押し上げられ、
布の上下の入り替わりを行なわれる。

【００１３】このとき、前述した、振動子の上下動が布
に加わわると、入り替わりが効果的に促進されるもので
ある。

【００１４】撹拌翼の中央部の円筒部の高さが、規定水
位近傍まであると、布はからみにくく、また、布の片寄
りも小さいが、布の動きが悪くなってしまう。逆に円筒
部の高さが低いと、布の動きは良くなるが、布からみ，
布の片寄りが増大する。従って、所定の高さの円筒部を
設け、振動子で布の入れ替わりを促進することが効果的
となる。

【００１５】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図１において、鋼板製でかつ箱形の外枠２内には、吊り
棒４及び防振ばね５によって合成樹脂製の外槽３を防振
支持する。外槽３内には、横断面形状がほぼ円形でかつ
合成樹脂製の洗濯兼脱水槽６を設ける。洗濯兼脱水槽６
の上端には、合成樹脂製のバランスリング１５を摩擦溶
着により取り付ける。洗濯兼脱水槽６の内底中央には、
後述する大形の撹拌翼１を装着する。

【００１６】外槽３の上端には、外槽３と洗濯兼脱水槽
６との間に洗濯物が落下するのを防止するために、合成
樹脂製の槽カバー１６を固定する。外槽３の外底部に
は、排水装置１３と、回転翼１及び洗濯兼脱水槽６を回
転させるための駆動装置１０とを、鋼板製の支持金具７
を介して取り付ける。支持金具７は、ねじ等によって外
槽３の外底部に固定する。

【００１７】排水装置１３は、外槽３の内底部に連結し
た排水弁１２と、この排水弁１２に連結した排水ホース
１４とを備えている。

【００１８】駆動装置１０は、図３に示すように、洗濯
機用モーター９と、クラッチ機構１１と、洗濯機用モー
ター９の回転をクラッチ機構１１に伝える伝達機構１８
と、洗濯兼脱水槽６の回転を止めるブレーキ装置と、洗
濯機用モーター９の回転を減速して回転翼１に伝える減
速機構とを備えている。

【００１９】以上が全体の構成である。

【００２０】次に、撹拌翼１について詳述する。

【００２１】撹拌翼１は、大径でかつ円形のベース２０
と、このベース２０の中央部に上方に向って突出する円
筒部２１と、ベース２０のほぼ外縁から、円筒部２１の
ほぼ上端部まで湾曲面と直線とで突出形成された２種類
の主羽根２２，２３と、主羽根２２および２３の中間部
に略小の字状に配設された小羽根２４，２５と、放射状
に設けられた裏羽根２６と、リング状に配した補強リブ
２７と回転軸に取付ける嵌合部２８およびボス２９とか
ら構成されている。材質は、化学的に安定しているポリ
プロピレン樹脂製としている。前記円筒部２１は、下方
がすそ広がり状となっており、ベース２０と滑らかに連
がっている。円筒部２１の上端は、有底状の穴部３０と
なっている。底部３１には、前記ボス２９が形成され、
放射状の補強リブ２６ａが設けられている。

【００２２】３２は、筒状で、その外表面に外方へ突出
する複数個のリブ３３と、その内部に上下方向に所定の
間隔ｌを有し、下方に面する上波形面３４および上方に
面する下波形面３５を円筒リブ状に形成した振動子であ
る。上波形面３４，下波形面３５は、どちらでも、振幅
ａは同一であり、円周上に２周期形成してある。

【００２３】３６は、前記振動子３２の支持部材であ
り、一体的に設けた４ケのツメ３７により、まず、円筒
部２１の底部３１に設けた嵌合穴３８に弾着固定され、
撹拌翼１と一体化させる。ツメ部の先端は、円端部２１
の内側下端面３９より、突出する長さとなっている。こ
れにより、分解時の作業性を良好なものにできる。４０
は、前記上波形面３４に相対するように設けた突部であ
り、支持部材３６と一体的に形成され、円周上に２ケ配
設してある。４１は、前記下波形面３５に相対するよう
に設けたツメ状突部であり、これも支持部材３６と一体
的に形成され、前記突部４０と半径方向は同位置に設け
てある。以上により、突部４０およびツメ状突部４１
は、上波形面３４および下波形面３５の両者間で挾持さ
れる構成となり、振動子３２を回転させると、突部４
０，ツメ状突部４１が、それぞれの相対する波形面に沿
って移動するので、振動子３２を上下動させることが可
能となる。このとき、振動子３２の上下ストロークは、
ａであり、１回転当たり、上下２往復することになる。
振動子３２に回転を与えるのは、次の作用によるもので
ある。振動子３２は、前述したように回転自在に支持部
材３６に取り付けられているので、撹拌運転時に布の抵
抗が、振動子３２の前記リブ３３に加わると、撹拌翼１
と、振動子３２の間に相対回転運動が生じ、これによ
り、振動子３２が、相対的に回転するものである。

【００２４】また、振動子３２は、所定の隙間を有し
て、前記円筒部２１の穴部３０に嵌合する。こうするこ
とにより、主羽根２２，２３を円筒部２１のほぼ上端ま
で延出することができるので、洗浄効果を高くすること
ができる。一方、洗剤ガスや砂などによる動作不良を防
止するために、摺動部分より下方のｇで示す距離をおい
た底部３１の最下端に複数個の穴４２を設けているとと
もに、振動子３２の下死点における外形の最下端と底部
３１の間には、適正な隙間を与えてある。

【００２５】振動子３２および支持部材３６の材質は、
荷重による摩耗防止および機械的強度を考慮して、ポリ
アミドまたは、ポリアセタール樹脂としてある。

【００２６】振動子３２の動作およびサイズは、撹拌翼
１の回転数が１００〜２８０rpm で、短周期反転し、撹
拌翼１の外径が３５０〜４００mmの場合、振動子３２の
外径は、撹拌翼１の外径に対し、０.１〜０.３、また、
円筒部２１の高さは、撹拌翼１の外径に対し、０.１〜
０.５の範囲で、振動子３２の振動回数は撹拌翼１回転
につき、１〜４回が最も好適であることを実験的に確認
した。

【００２７】４３は、振動子３２にツメによる弾着で固
定するキャップである。このキャップ４３には、複数個
の空気抜き４４と、前記ツメ状突部４１が、倒れて係合
が外れるのを防止するための筒状リブ４５が設けてあ
る。

【００２８】キャップ４３を取り外すことにより、撹拌
翼１を回転軸４６に固着するネジ４７に接近できる。キ
ャップ４３を取り外す場合は、キャップ４３に一体的に
設けたツメ４８と、それに対応して凹められた振動子３
２の凹部４９の間にマイナスドライバー等を差し込み、
こじることで、取り外すことが可能である。

【００２９】次に振動子３２を有することでの洗浄関係
に及ぼす効果について述べる。前述したように、撹拌翼
の中央部の円筒部の高さが、規定水位位の高さである
と、布はからみにくく、また布の片寄りも小さいが、布
の動きが、（特に定格容量時の上部付近）悪くなり、見
た目の印象も悪くなってしまう。反対に円筒部の高さが
低いと、布の動きは見た目良くなるが、布同志がねじら
れて、撹拌翼の回転力が、伝達されるため、布からみ，
布の片寄りが増大してしまう。

【００３０】従って、最適の洗浄効果を得るためには、
所定の高さの円筒部が必要であり、それによる、布の動
きの低下分は、振動子で布の入れ替わりを助成すること
が有効な手段である。

【００３１】

【発明の効果】以上、本発明によれば、布の上下の入り
替えを増大させ、洗浄力を向上させるとともに布からみ
や布の片寄りも従来の渦巻式に比べ低減することができ
る。

【００３２】さらに、上下振動の機構も、簡単な構成で
信頼性の高いものを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す洗濯機の断面図。

【図２】本発明の一実施例を示す撹拌翼の断面図。

【図３】本発明の一実施例を示す撹拌翼の正面図。

【図４】本発明の一実施例を示す撹拌翼の要部断面図。

【図５】本発明の一実施例を示す撹拌翼の要部断面図お
よび（下死点）展開図。

【図６】本発明の一実施例を示す撹拌翼の要部断面図お
よび（上死点）展開図。

【図７】本発明の一実施例を示す円筒部の正面図（振動
子の省略図示）。

【図８】本発明の一実施例を示す振動子の正面図。

【図９】本発明の一実施例を示すキャップの正面図。

【符号の説明】

２１…円筒部、３２…振動子、３６…支持部材、３４，
３５…上下波形面、４０…突部、４１…ツメ付突部、４
３…キャップ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者鈴木潔茨城県日立市東多賀町一丁目１番１号株式会社日立製作所リビング機器事業部内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】洗濯槽の内底部に回転自在に設けた撹拌翼
の中央部に、上下に向って突出するすそ広がり状の円筒
部を設けるとともに、筒状を成し、その外表面に外方へ
突出するリブと中央部に穴を有し、前記円筒部の上端部
に回転可能に取り付けられた振動子を備え、前記円筒部
あるいは前記振動子のいずれか一方に、上下方向に所定
の間隔を有し、下方に面する上波形面および上方に面し
た下方波面をリング状に形成するとともに、他方に前記
上波形面および下波形面にて挾持される複数個の突部を
設け、運転時における前記円筒部および前記振動子の回
転運動の差により、前記突部が、前記上波形面および下
波形面に沿って移動し、前記振動子を上下動させるよう
にしたことを特徴とする全自動洗濯機。
【請求項２】第１項において、前記上波形面および下波
形面を前記振動子に形成し、前記突部を前記円筒部側に
設けたことを特徴とする全自動洗濯機。
【請求項３】第１項において、前記突部を前記上波形面
に相対するものと、下波形面に相対するものを、各々、
複数個設けたことを特徴とする全自動洗濯機。
【請求項４】第１項において、前記上波形面の径と前記
下波形面の径を異なえたことを特徴とする全自動洗濯
機。
【請求項５】第１項において、前記円筒部の内底部に、
前記振動子が上下動する際の最下端面より下側に排水経
路に連がる複数個の貫通穴を設けたことを特徴とする全
自動洗濯機。
【請求項６】第１項において、前記円筒部に形成する前
記上波形面および下波形面、あるいは、前記突部は、前
記円筒部とは別体の支持部材で構成したことを特徴とす
る全自動洗濯機。
【請求項７】第６項において、前記撹拌翼の材質はポリ
プロピレン樹脂とし前記振動子および前記支持部材は、
ポリアセタールまたはポリアミド樹脂などの摺動性に優
れた樹脂としたことを特徴とする。
【請求項８】第１項において、前記振動子は、前記円筒
部の内径部に配設するとともに、前記撹拌翼の複数の主
羽根を前記円筒部の外径の上端近傍まで形成したことを
特徴とする。
【請求項９】第１，８項において、前記円筒部の内底部
と、前記振動子が上下動する際の最下端面との間に隙間
を設けたことを特徴とする。
【請求項１０】第１項において、前記振動子の外径は、
前記撹拌翼の外径に対し０.１〜０.３の間に設定すると
ともに、高さは、前記撹拌翼の外径に対し、０.１〜０.
５とし、さらに、前記振動子の上下動は、撹拌翼１回転
に対し、１〜４回に設定したことを特徴とする。