JPH06110150A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JPH06110150A
JPH06110150A JP26198892A JP26198892A JPH06110150A JP H06110150 A JPH06110150 A JP H06110150A JP 26198892 A JP26198892 A JP 26198892A JP 26198892 A JP26198892 A JP 26198892A JP H06110150 A JPH06110150 A JP H06110150A
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JP
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group
dye
image
general formula
hydrogen atom
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Application number
JP26198892A
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English (en)
Inventor
Keiji Obayashi
啓治 大林
Kazuhiro Miyazawa
一宏 宮澤
Atsushi Asatake
敦 朝武
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 支持体上に、感光性ハロゲン化銀乳剤、バイ
ンダー、熱現像時に拡散性色素を形成または放出する色
素供与物質を含有する熱現像感光材料を、露光後または
露光と同時に加熱現像することにより拡散性色素を形成
または放出し、該拡散性色素を色素受像層に拡散転写さ
せる画像形成方法において、該拡散性色素が分子中に少
なくとも1個の色素画像安定化基を有することを特徴と
する画像形成方法により達成。 【効果】 熱現像時の色素の退色を防止し、しかも熱、
湿度および光に対する堅牢性が改良された色素画像が色
素受像層に得られる画像形成方法の提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱現像による画像形成
方法に関し、特に、熱現像時の色素の熱分解性を改良
し、しかも画像色素の熱、湿度、光に対する堅牢性を改
良した画像形成方法に関する。
【0002】
【発明の背景】現像工程を加熱によって行なう熱現像処
理は公知であり白黒画像及びカラー画像を得るものが知
られている。また、熱現像により得られた画像を感光材
料から画像受像層に転写するいわゆる転写型の熱現像感
光材料も良く知られている。
【0003】熱現像感光材料は、通常、支持体上にバイ
ンダー、感光性ハロゲン化銀乳剤、還元剤、及び必要に
応じて色素供与物質、有機銀塩や他の各種の写真用添加
剤を有している。また、転写型熱現像感光材料において
は、上記感光材料が銀または色素を受容し得る受像層を
有する場合と、感光材料とは別に、銀または色素を受容
し得る受像層を有する受像材料とが一緒に用いられる場
合がある。
【0004】本発明は、このうち色素画像を形成する色
素供与物質を含有する熱現像感光材料を用いた色素画像
形成方法に関するものである。
【0005】従来から、ハロゲン化銀写真感光材料を用
いてカラー画像を単に加熱により得る乾式熱現像方法が
多数知られている。
【0006】例えば特開昭57ー186744号公報には、還元
剤と有機銀塩酸化剤との反応により生じた還元剤の酸化
体と結合することにより拡散性の色素画像を放出する熱
現像感光材料が記載されている。
【0007】例えば、特開昭58ー58543号公報には、有機
銀塩酸化剤に対して還元性であり、且つ拡散性の色素を
放出する色素供与物質を含有する熱現像感光材料が記載
されている。
【0008】例えば、特開昭59ー180548号公報には、銀
イオンの存在下で窒素原子および硫黄原子を含む複素環
の開裂反応を起こして拡散性の色素を放出する熱現像感
光材料が記載されている。
【0009】例えば特開昭60-2950号公報には特定のポ
リマーカプラーとp-フェニレンジアミン系発色現像剤プ
レカーサ−を使用したカップリング方式によって拡散性
の色素画像を形成する熱現像方式が記載されている。
【0010】例えば、特開昭60-244947号公報には、キ
ノメチドタイプの拡散性色素を放出する酸化性色素供与
物質を含有する熱現像感光材料が記載されている。
【0011】上記各熱現像感光材料においては、いずれ
も熱現像時に拡散性の色素画像を形成ないし放出され、
好ましくはこれらが色素受像層に加熱下で転写されて鮮
明な画像が得られる。
【0012】ところでこのような、加熱下で形成ないし
放出された拡散性色素を受像層に熱転写する場合、色素
自体の安定性が問題になりやすい。
【0013】即ち、熱現像時や色素転写時に色素が酸ま
たはアルカリ等の作用により短時間に部分的に分解する
ことがあり、このために、受像層に転写する色素の割合
が低下する場合がある。
【0014】一方、受像層に転写した色素画像の堅牢性
も熱現像による画像形成法においては重要な課題であ
る。このために、従来から色素受像層に画像安定剤や紫
外線吸収剤を添加することが提案されている。
【0015】特開昭59-158259号公報および特開昭61-15
3638号公報には紫外線吸収剤を色素受像層に含有させる
方法が、特開昭59-182785号公報および同61-159644号公
報には特定の構造の酸化防止剤を受像層に含有せしめる
ことが、特開昭60130735号公報及び特開平1-164940号公
報には特定の酸化防止剤と特定の紫外線吸収剤を組み合
わせて色素受像層に添加する方法が、特開昭61-118748
号公報及び特開平1-183653号公報には金属錯体を色素受
像層中に含有することが、特開昭62-260152号公報には
ポリマー紫外線吸収剤が、さらには特開昭63-18348号公
報にはポリマー酸化防止剤を色素受像層に添加する方法
が記載されている。
【0016】しかしながら、受像層に転写した色素画像
の熱、湿度および光に対する堅牢性を改良するために、
従来知られている上記技術を盛り込んだ場合、画像の堅
牢性は必ずしも充分ではないことが判明した。特に、従
来湿式処理方式で画像堅牢性を飛躍的に高めることが可
能であった画像安定剤を色素受像層に添加した場合であ
っても、熱現像により生成した色素画像を受像層に転写
した場合には大きな改良効果が得られないことが判明し
た。
【0017】また、従来公知の画像安定剤を熱現像時に
存在させた場合であっても、熱現像時に色素の退色が起
こる場合にはその防止効果は殆ど得られないことがわか
った。
【0018】
【発明の目的】上記のような問題に対し、本発明の目的
は、熱現像時の色素の退色を防止し、しかも熱、湿度お
よび光に対する堅牢性が改良された色素画像が色素受像
層に得られる画像形成を提供することにある。
【0019】
【発明の構成】本発明の上記目的は、支持体上に、感光
性ハロゲン化銀乳剤、バインダー、熱現像時に拡散性色
素を形成または放出する色素供与物質を含有する熱現像
感光材料を、露光後または露光と同時に熱現像すること
により拡散性色素を形成または放出し、該拡散性色素を
色素受像層に拡散転写させる画像形成方法において、該
拡散性色素が分子中に少なくとも1個の色素画像安定化
基を有することを特徴とする画像形成方法によって達成
される。
【0020】本発明の画像形成法においては、熱現像の
時点で、画像色素自体がすでにその分子構造中に画像安
定化基を有しているために、熱現像時や熱転写時におけ
る色素の熱退色や転写後の色素画像の熱、湿度或いは光
に対する堅牢性が飛躍的に向上させることが出来る。こ
れは色素自体が画像安定化基を有しているために、その
色素にあった安定化剤を適切に選択することが出来るこ
とと、色素の発色団と安定化基が常に近接して存在して
いるためと推定される。
【0021】本発明の拡散性色素が有する画像安定化基
としては、通常、湿式カラー写真において、画像の堅牢
性に改良効果が認められる画像安定剤の、画像安定化効
果を有する部位を言うが、本発明においては、前記、拡
散性色素が下記一般式(1)で表されるものであること
が好ましい。
【0022】一般式(1) Dye−J−STA 式中、Dyeは拡散性色素の色素部位を表し、Jは単な
る結合手または2価の連結基を表し、STAは前記一般
式(2)または(3)〔化1〕で表される基を表す。
【0023】以下一般式(2)および一般式(3)につ
いてさらに詳細に説明する。
【0024】一般式(2)において、R1で表されるア
ルキル基、アルケニル基またはフェニル基はそれぞれ置
換基を有していてもよい。R1で表されるアルキル基は
炭素原子数が1〜20の直鎖または分岐のアルキル基(例
えばメチル基、エチル基、n-オクチル基、ベンジル基、
2-クロロエチル基、3-(N,N-ジエチルアミノカルボニル)
プロピル基、2ーメトキシエチル基等)が好ましく、R1
で表されるアルケニル基は、炭素原子数が2〜20のアル
ケニル基(ビニル基、アリル基、オクタデセニル基等)
が好ましく、R1で表されるフェニル基としては例えば
フェニル、p-トリル、p-クロロフェニル、p-ヒドロキシ
フェニル等が好ましい。
【0025】一般式(2)において、R2、R3、R4
5およびR6で表される1価の有機基としては、アルキ
ル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケ
ニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリール
基、アリールオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキ
シ基、アリールカルボニルオキシ基、アシル基、アシル
アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、カルボ
キシル基等が挙げられる。
【0026】R2、R3、R4、R5およびR6としては中
でも、水素原子、アルキル基、アルケニル基、ハロゲン
原子、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル
基、アシルアミノ基が好ましい。
【0027】一般式(3)において、R11で表されるア
ルケニル基、アルケニル基、フェニル基、アシル基、ス
ルフォニル基およびスルフィニル基はそれぞれ置換基を
有していてもよい。
【0028】一般式(3)のR11は、好ましくは、水素
原子、アルキル基(炭素原子数が1〜20の例えばメチル
基、エチル基、2ーメトキシエチル基、2ーヒドロキシエチ
ル基等)およびアシル基(炭素原子数が2〜20の例えば
アセチル基、プロピオニル基、アクリロイル基等)であ
る。
【0029】一般式(3)において、Qは5〜7員環を
形成するのに必要な非金属原子群であるが好ましくは、
下記(3a)、(3b),(3c)または(3d)で表
される。
【0030】
【化3】
【0031】〔式中、r1,r2,r3およびr4はそれぞ
れ独立に水素原子またはアルキル基を表し、r5,r6
7,r8,r9およびr10はそれぞれ独立に水素原子、
アルキル基、−OH基、アルコキシ基、アシルオキシ
基、スルホンアミド基、アルキルアミノ基、アリールア
ミノ基を表す。〕本発明の画像形成方法において、画像
安定化基として特に好ましいのは、下記一般式(2a)
または(3e)又は(3f)で示される基である。
【0032】
【化4】
【0033】〔式中、R7は炭素原子数が1〜4のアル
キル基を表し、R8は水素原子、ハロゲン原子、または
アルキル基から選ばれる置換基を表す。n8は1または2
を表す。n8が2の時それぞれ同じであっても異なってい
てもよい。
【0034】R9は−O−、−CH2−、−N(R10)−または
−SO2−基を表す。R9は水素原子、アルキル基、または
R9'CO−基(R9'はアルキル基またはアルケニル基)を
表し、R10はアルキル基、アルケニル基、またはアリー
ル基を表す。〕次に一般式(2)または(3)で表され
る化合物から誘導される色素画像安定化効果を有する基
の具体例を以下に示す。
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】
【化9】
【0040】一般式(1)において、Dyeは拡散性色
素の発色部位を表し、そのような色素としては、例え
ば、下記の例から選ばれる画像形成色素の残基が代表的
な例として挙げられる。
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】〔式中、Ra〜Rfは、水素原子、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロ
キシル基、シアノ基、それぞれ置換または未置換のアル
キル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアル
ケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリール
基、アシル基、アシルアミノ基、アミノ基、アルキルス
ルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニ
ルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ヒドロキシ
ルアルキル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキ
シカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリー
ルカルボニルオキシ基、アルコキシアルキル基、スルフ
ァモイル基、カルバモイル基、N−置換カルバモイル
基、N−置換スルファモイル基、アルキルチオ基、アリ
ールチオ基、の中から選ばれた置換基を表す。
【0048】一般式(1)において、Jは単なる結合手
または2価の連結基を表すが、Jで表される連結基とし
ては、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルキレ
ンアリーレン基、アリーレンアルキレン基、アリーレン
アリーレン基、−COO-、−OCOO-、−SO2−、−0−、−S
−、−CONH−、−NHCONH−、−NHSO2−基などが挙げら
れる。
【0049】拡散性色素が一般式(1)で表される場
合、画像安定化基STAは色素部位Dyeに対して、そ
の色調を実質的に影響しないような位置につけ加えられ
ることが必要である。ここで、実質的に色素の色調に影
響させないとは、その画像安定化基を付加させることに
より色素の色調を実質的に変化させないことであり、具
体的にはその色素のλmaxに対して約±10nm以下の影響
しか与えない様な位置にSTAを結合させることが必要
である。
【0050】一般的には、色素部Dyeは共役系を形成
しているが、STAはこの共役系に直接結合することは
なく、例えばアルキレン基や−COO−基、−CONH−基等
の非共役系を介して結合される。
【0051】本発明の画像形成方法において用いられる
熱現像感光材料としては、例えば、特開昭60-2950号、
特公昭63-3487号、特開平2-863号、同3-125145等に記載
された芳香族p-フェニレンジアミンまたはp-アミノフェ
ノール型発色現像剤プレカーサーと耐拡散性カプラーと
の組み合わせを含有する熱現像感光材料が挙げられる。
【0052】また、特開昭57ー186744号公報、同58-5854
3号公報、同59-180548号公報、同60-244947号公報、お
よび特開平3-69937号公報には、予め画像形成色素部を
分子中に有し、熱現像時に感光性ハロゲン化銀に現像に
対応または逆対応して拡散性色素を放出する色素供与物
質を含有する熱現像感光材料も本発明に適用できる。
【0053】前者は熱現像時に拡散性色素を形成するタ
イプのものであり、後者は熱現像時に拡散性色素を放出
するタイプのものである。
【0054】熱現像時に拡散性色素を形成する型の熱現
像感光材料は、好ましくは下記一般式(4)で表される
単量体から誘導される繰り返し単位を有するポリマーカ
プラーおよび下記一般式(5)で表される発色現像剤プ
レカーサーを含有するものである。
【0055】
【化16】
【0056】〔式中、R20は水素原子またはアルキル基
を表す。J20は単なる結合手または2価の連結基を表
す。Cpはイエロー、マゼンタ、またはシアンの各色素
供与物質残基を表す。
【0057】R31とR32はそれぞれ独立にアルキル基ま
たはアルケニル基を表す。R33、R34、R35およびR36
はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、カルバモイル基、ア
シルアミノ基、アミノスルホニル基、スルファモイル基
または複素環基を表す。
【0058】Aは−OH基または−NH−W基を表す。Wは
−SO3R37基(R37は水素原子、アルカリ金属原子、−NH
4 +基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基ま
たはアリール基を表す)または−CONHR38基(R38はア
ルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基を
表す)を表す。
【0059】但し、Cp基、R31、R32、R33、R34
35及びR36の少なくとも一つはその構造中に前記色素
画像安定化基を有する。
【0060】一般式(4)のR20のアルキル基は好まし
くは炭素原子数が1〜6のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基等)である。Jは好ましくは下記一般式
(4a)で表される。
【0061】 一般式(4a) −J21−(Y)m20−P20− 一般式(4a)において、J21は−O−、−COO−、−OC
O−、−CONH−、−C6HH4−、または単なる結合手を表
す。
【0062】Yはアルキレン基、アリーレン基、アラル
キレン基、アルキレンアリーレン基、アリーレンアリー
レン基、アラルキレンアリーレン基を表す。
【0063】P20はCpとの関係において、−O−、−S
−、−OCOO−、(Cp)−OCONH−、(Cp)−OCO−、−N=N
−、(Cp)−NHCO−、(Cp)−NHSO2−、(Cp)−O−SO2−、
(Cp)−O−CH(COOR')−、および(Cp)−N Q'基を表す。
m20は0または1を表す。
【0064】Cpは好ましくは下記一般式(4b)、
(4c)、(4d)、(4e)、(4f)、(4g)ま
たは(4h)で表される。
【0065】
【化17】
【0066】〔式中、Rp、Rq、RsおよびRtは、水素
原子、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホ基、カルボキシ
ル基、ヒドロキシル基、シアノ基、それぞれ置換または
未置換のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アリール基、アシル基、アシルアミノ基、アミノ
基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ア
ルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ
基、ヒドロキシルアルキル基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル
オキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルコキシア
ルキル基、スルファモイル基、カルバモイル基、N−置
換カルバモイル基、N−置換スルファモイル基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、の中から選ばれた置換基を
表す。〕一般式(4)で表される単量体から誘導される
繰り返し単位を有するポリマーカプラーは前記一般式
(4)で表される単量体のホモポリマーであってもよい
し、他の1種以上の重合可能なエチレン系不飽和モノマ
ーとのコポリマーであってもよい。そのようなエチレン
性不飽和モノマーの例としては、例えば、ビニルエステ
ル類(例えばビニルアセテート、ビニルブチラール
等)、ビニルアミド(例えばアクリルアミド、N-ブチル
アクリルアミド等)、アクリル酸またはメタクリル酸誘
導体(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸
ブチル、メタクリル酸エチル、2-ヒドロキシルエチルメ
タクリレート等)、オレフィン(例えばエチレン、プロ
ピレン、ブタジエン等)、ビニル芳香族(例えばスチレ
ン等)、N-ビニルフタルアミド、N-ビニルピロリドンお
よび当該分野で知られている重合可能なその他のエチレ
ン系不飽和化合物を挙げることが出来る。
【0067】一般式(4)で表される単量体から誘導さ
れる繰り返し単位を有するポリマーカプラーは、対拡散
性の観点からその平均分子量が好ましくは5000以上、特
に好ましくは10000以上のものが用いられる。
【0068】本発明の熱現像感光材料が上記一般式
(4)で表される単量体から誘導される繰り返し単位を
有するポリマーカプラーと上記一般式(5)で表される
発色現像剤プレカーサーの少なくとも一方はその分子中
に少なくとも1つの色素画像安定化基を有するものであ
るが、好ましくは、ポリマーカプラーが含有すると色素
の構造に合わせて画像安定化基を適切なものとして選択
することが出来るので好ましい。
【0069】一方、熱現像時に拡散性の画像色素を放出
する色素供与物質としては、好ましくは下記一般式
(6)で表される色素供与物質である。
【0070】一般式(6) D−X−CAR 〔式中、Dはその構造中に前記色素画像安定化基を有す
る拡散性色素の色素部位を表し、CARは感光性ハロゲ
ン化銀の熱現像に対応してD−X−を離脱し得る耐拡散
性の基を表す。Xは連結基を表す。〕一般式(6)で表
される色素供与物質は、好ましくは下記一般式(6
a)、(6b)、(6c)、(6d)または(6e)で
表される。
【0071】
【化18】
【0072】一般式(6a)、(6b)、(6c)、
(6d)または(6e)で表される基の中で、Dは一般
式(6)におけるDと同義である。
【0073】一般式(6a)のR6aは熱現像時に酸化さ
れ得る基を表し、有機銀塩や感光性ハロゲン化銀の銀イ
オンを銀原子に還元する過程で酸化され得る還元性の基
である。R6aで表される好ましい還元性の基としては例
えば、特公昭62ー14823号公報、4頁8欄21行目〜5頁9
欄40行目に記載された一般式(II)〜(IX)で表される
還元性の基が好ましく用いられる。
【0074】一般式(6b)のR6bは熱現像感光材料が
含有する還元剤と有機銀塩との酸化還元反応によって生
じた還元剤の酸化体と結合する基であって、好ましく
は、好ましくは、p-アミノフェノール系またはp-フェニ
レンジアミン系還元剤の酸化体と結合し得る基であっ
て、例えば、特公昭62-14822号公報、4頁8欄20行目〜
5頁10欄8行目に記載された基である。
【0075】一般式(6b)のL6bはR6bとDの連結基
を表し、還元剤の酸化体との反応時にR6bとL6bの結合
か開裂するものである。
【0076】好ましいL6bとしては例えば、特公昭62ー1
4822号公報8頁15欄16行目〜9頁18欄15行目に記載され
たものを挙げることが出来る。
【0077】一般式(6c)のZ6cは5〜7員環の複素
環を完成するのに必要な非金属原子群を表し、R6cは水
素原子、それぞれ置換基を有していても良いアルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニ
ル基、アリール基、アシルアミノ基を表し、R'6cは水
素原子、それぞれ置換基を有していても良い、アルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニ
ル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アルケニルオキシ基、アシルアミノ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、ハロゲン原子、または後述の−X
6c−D基を表す。X6cは単なる結合手または2価の連結
基を表す。
【0078】一般式(6d)におけるW6はナフトキノン
骨格に縮合した脂環式環または芳香族環を表すが、一般
式(6d)で表される色素供与物質は、W6で表される環
構造を有していなくてもよい。
【0079】一般式(6d)のR6rとR'6dはそれぞれ水
素原子、脂肪族基または芳香族基を表す。Z6dは−SO2
−または−S−を表す。
【0080】一般式(6d)からDを除いた基の具体例
としては例えば、特開昭60ー244927号公報10頁左上欄〜1
1頁右下欄の(1)〜(50)を挙げることが出来る。
【0081】一般式(6e)のWeは−O−、−S−、また
は−N(V6)−基(V6はアシル基、アルキルスルホニル
基、またはアリールスルホニル基)を表し、R6eはアル
キル基またはアリール基を表し、EAgは熱現像感光材
料が含有する還元剤から電子を受け取る基を有する基を
表す。Timeは一般式(6e)のWe−Nの一重結合の開裂
により後続する反応を介してDを放出する基を表す。n
6eは0または1を表す。
【0082】一般式(6e)で表される色素供与物質の
好ましい例としては、例えば特開平3-69937号公報6頁
右上欄〜11頁左上欄に記載されたものの内、D−1〜D
36を挙げることが出来る。
【0083】本発明の一般式(6b)で表される色素供
与物質と共に用いられる還元剤はその酸化体が色素供与
物質と結合し得る基であり、好ましくは、前記一般式
(5)で表される発色現像剤または発色現像剤プレカー
サーである。
【0084】次に本発明の一般式(4)で表される単量
体から誘導される繰り返し単位を有するポリマーカプラ
ーの具体例を挙げる。
【0085】
【化19】
【0086】
【化20】
【0087】
【化21】
【0088】
【化22】
【0089】
【化23】
【0090】
【化24】
【0091】
【化25】
【0092】次に一般式(5)で表される発色現像剤プ
レカーサーの具体例を挙げる。
【0093】
【化26】
【0094】
【化27】
【0095】次に一般式(6)で表される色素供与物質
の具体例を挙げる。
【0096】
【化28】
【0097】
【化29】
【0098】
【化30】
【0099】
【化31】
【0100】
【化32】
【0101】本発明の画像形成方法においては、熱現像
時に形成または放出される拡散性の色素はその分子量が
800以下のものが色素の転写性の点から好ましく、特に7
00以下のものが好ましい。
【0102】次に本発明の色素供与物質の合成例につい
て説明する。
【0103】
【化33】
【0104】
【化34】
【0105】
【化35】
【0106】次に本発明の色素供与物質の合成例につい
て説明する。
【0107】合成例1:例示カプラーPC−1の合成 (1)中間体(C)の合成 中間体(A)13.4gを80mlの酢酸エチル中に溶解し、酢
酸ナトリウム8.2gを50mlの水に溶解した溶液を加え
た。これに中間体(B)11.0gを50mlの酢酸エチルに溶
解した溶液を室温で滴下した。滴下後さらに1時間撹拌
した。撹拌後、有機層を分離し、5%炭酸ナトリウム水
溶液で3回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで
乾燥した後、溶媒を減圧下留去。残渣を酢酸エチルとヘ
キサンの混合溶媒から再結晶し、目的とする中間体
(C)を得た。収量20.5g(95%)。
【0108】(2)中間体(D)の合成 中間体(C)17.3gを90mlのクロロホルム中に溶解し
た。これに塩化スルフリル6.2gを室温で滴下。滴下後
1時間そのまま撹拌した。撹拌後減圧下溶媒を留去。得
られた残渣に4-ニトロフタルイミド10.0g、炭酸カリウ
ム7.2g、およびアセトン100mlを加え、3時間激しく撹
拌しながら加熱還流した。反応終了後固体不溶物を濾別
し、溶媒を減圧下留去。残渣に200mlの酢酸エチルを加
え、5%炭酸ナトリウム水溶液で2回、1N塩酸で2
回、さらに水道水で1回洗浄した。有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去。残渣を酢
酸エチルとヘキサンの混合溶媒から再結晶し、目的とす
る中間体(D)を得た。収量17.9g(72%)。
【0109】(3)中間体(E)の合成 中間体(D)15.6gを300mlの酢酸エチルに溶解し、こ
れにパラジウム/活性炭0.8gを添加し、室温で常圧下
接触水素還元を行なった。反応終了後、パラジウム触媒
を濾別した。これに酢酸ナトリウム4.1gを25mlの水に
溶解した溶液を加え、さらに激しく撹拌しながら塩化メ
タクリル2.6gを15mlの酢酸エチルに溶解した溶液を滴
下した。滴下後さらに1時間撹拌し、有機層を分離し、
5%炭酸ナトリウム水溶液で3回洗浄した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去。
残渣を酢酸エチルとヘキサンの混合溶媒から再結晶し、
目的とする中間体(E)を得た。収量15.2g(92%)。
【0110】(4)例示カプラーPC−1の合成 中間体(E)13.2g、アクリル酸ブチル8.8g、および
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3gを60ml
のジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し80℃に加熱
した。2時間加熱した後、0.3gのAIBNを追加して
加熱を続けた。さらに2時間加熱した後、再び0.3gの
AIBNを追加して加熱を1時間続けた。反応終了後、
溶液を500mlの水中に加え、析出した固体を濾取した。
これを乾燥し、目的とする例示カプラーPC−1を得
た。収量18.7g(85%)。
【0111】合成例2:例示色素供与物質DR−16の合
成 (1)中間体(c)の合成 中間体(a)10.7g、中間体(b)19.6g、炭酸水素ナ
トリウム9.2g、ヨウ化カリウム0.9g、および1-ブタノ
ール200mlを混合し、窒素気流下40時間加熱還流した。
反応後、固体不溶物を濾別し、溶媒を減圧下留去した。
得られた残渣をシリカゲル上でカラムクロマトグラフィ
ーにより精製し、目的とする中間体(c)を得た。収量
8.2g(32%)。
【0112】(2)中間体(d)の合成 中間体(c)25.7g1,2-ジブロモエタン10.8g、炭酸水
素ナトリウム9.2g、およびエタノール250mlを混合し窒
素気流下32時間加熱還流した。反応後、固体不溶物を濾
別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲ
ル上でカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的と
する中間体(d)を得た。収量19.7g(54%)。
【0113】(3)中間体(e)の合成 中間体(d)18.2gを6N塩酸100ml中に溶解し、氷溶
中で内温が5℃以下になるまで撹拌した。内温が5℃以
下になったところで亜硝酸ナトリウム3.6gを20mlの水
に溶解した溶液をゆっくりと滴下し、そのまま氷溶中で
1時間撹拌した。その後これに還元鉄8.4gをゆっくり
と添加し、氷溶中で1時間激しく撹拌。反応後、炭酸ナ
トリウムで溶液のpHが10以上となるように調整し、不
溶物を濾別した後酢酸エチル200mlを加え有機物を抽出
した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を
減圧下留去して目的とする中間体(d)を得た。収量1
4.8g(78%)。中間体(d)は空気との接触に対し非
常に不安定であるため、特に精製操作は行なわずに次工
程へ用いた。
【0114】(4)中間体(g)の合成 中間体(f)9.85gおよびトリエチルアミン3.9gを100
mlのメタノール中に溶解した。これに酸化銀12.7gを加
えて激しく撹拌しながら室温で中間体(e)14.8gを80
mlのメタノールに溶解した溶液を約1時間かけてゆっく
りと滴下した。滴下後さらに3時間そのまま撹拌を続け
た。反応後、析出した固体不溶物を濾別。固体不溶物を
20mlの温メタノールで3回洗浄し、もとの反応液と合わ
せ減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲル上
でカラムクロマトグラフィーにより精製し、目的とする
中間体(g)を得た。収量15.1g(62%)。
【0115】(5)中間体(i)の合成 中間体(g)150g、中間体(h)7.7g、炭酸カリウム
1.6g、およびDMF100mlを混合し、80℃で5時間激し
く撹拌した。反応終了後、反応混合物を100mlの水中に
加え、酢酸エチル300mlを加え有機物を抽出した。有機
層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去
した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにより
精製し、目的とする中間体(i)を得た。収量14.8g
(71%)。
【0116】(6)中間体(i)の合成 中間体(i)14.5gを300mlの酢酸エチルに溶解し、こ
れにパラジウム/活性炭0.8gを添加し、室温で常圧下
接触水素還元を行なった。反応終了後、パラジウム触媒
を濾別した。これに酢酸ナトリウム1.4gを20mlの水に
溶解した溶液を加え、さらに激しく撹拌しながら塩化メ
タクリル1.8gを10mlの酢酸エチルに溶解した溶液を滴
下した。滴下後さらに1時間撹拌し、有機層を分離し、
5%炭酸ナトリウム溶液で3回洗浄した。有機層を無水
硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去。目
的とする中間体(i)を得た。収量14.2g(94%)。
【0117】(7)例示色素供与物質DR−6の合成 中間体(i)12.0g、アクリル酸ブチル8.0g、および
AIBN0.3gを50mlのDMFに溶解し80℃に加熱し
た。2時間加熱した後、0.3gのAIBNを追加して加
熱を続けた。さらに2時間加熱した後、再び0.3gのA
IBNを追加して加熱を1時間続けた。反応終了後、溶
液を500mlの水中に加え、析出した固体を濾取した。こ
れを乾燥し、目的とする例示色素供与物質DR−16を得
た。収量18.4g(92%)。
【0118】合成した中間体および例示化合物の構造は
NMR、IR、マススペクトル等の各種スペクトルおよ
び元素分析により確認した。
【0119】なお、上記に合成例を示した以外の例示化
合物についても同様の合成経路により、対応する出発原
料および中間体より合成された。
【0120】次に本発明の画像形成方法に用いられる熱
現像感光材料について説明する。
【0121】本発明の熱現像感光材料に用いられる、感
光性ハロゲン化銀としては従来公知のものを使用するこ
とができ、例えば、塩化銀、臭化銀、沃臭化銀、塩臭化
銀、塩沃臭化銀を用いることができる。
【0122】これらのハロゲン化銀は粒子内部から表面
まで均一な組成を有するもの、内部と表面で組成が異な
るいわゆるコア/シェル型あるいはステップ状もしくは
連続的に組成が変化している多層構造からなるハロゲン
化銀であってもよい。
【0123】またハロゲン化銀の形状は立方体、球形、
8面体、12面体,14面体等の明確な晶癖を有するものま
たはそうでないもの等を用いることができる。また、例
えば特開昭58-111,933号、同58-111,934号、リサーチ・
ディスクロージャー22,534に記載されているような、2
つの平行する結晶面を有し、かつ、これらの結晶面は各
々他の結晶面よりも面積が大きい粒子であって粒子の直
径対厚さの比が約5:1以上の平板状ハロゲン化銀も用
いることができる。
【0124】さらに、例えば米国特許2,592,250号、同
3,220,613号、同3,271,257号、同3,317,322号、同3,51
1,622号、同3,531,291号、同3,447,927号、同3,761,266
号、同3,703,584号、同3,736,140号、同3,761,276号、
特開昭50-8,524号、同50-38,525号、同52-15,661号、同
55-127,549号等に記載されている粒子表面が予めカブラ
されていない内部潜像型ハロゲン化銀乳剤も用いること
ができる。
【0125】また、感光性ハロゲン化銀はその粒子形成
段階に於て、イリジウム、金、ロジウム、鉄、鉛等の金
属イオン種を適当な塩の形で添加することができる。
【0126】上記感光性ハロゲン化銀乳剤の粒径は約0.
02 〜2μmであり、好ましくは約0.05〜0.5μmである。
【0127】本発明において、感光性ハロゲン化銀の調
製方法として感光性銀塩形成成分を後述の有機銀塩と共
存させ、有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀の一部に
変換させて形成させることもできる。
【0128】感光性ハロゲン化銀乳剤は公知の増感剤
(例えば、活性ゼラチン、無機硫黄、チオ硫酸ナトリウ
ム、二酸化チオ尿素、塩化金酸ナトリウム等)でハロゲ
ン化銀粒子表面を化学増感する事ができる。 化学増感
は、含窒素ヘテロ環化合物あるいはメルカプト基含有ヘ
テロ環化合物の存在下に行なうことも可能である。
【0129】さらに感光性ハロゲン化銀は公知の分光増
感色素により、青、緑、赤、赤外光への分光増感を施す
ことができる。代表的な増感色素としては、シアニン、
メロシアニン、3核または4核シアニン、ホロポーラー
シアニン、スチリル、ヘミシアニン、オキソノール等が
挙げられる。これらの増感色素の使用量はハロゲン化銀
1モル当り、1μmol〜1mol、好ましくは10μmol〜0.1
molである。増感色素はハロゲン化銀乳剤のどの過程に
おいて添加してもよく、具体的にはハロゲン化銀粒子形
成時、可溶性塩類の除去時、化学増感開始前、化学増感
時、あるいは化学増感終了以降のいずれであってもよ
い。
【0130】これらの感光性ハロゲン化銀及び感光性銀
塩形成成分は感光材料1m2 当り約0.01〜50g、好まし
くは0.1〜10gの範囲で用いられる。
【0131】本発明の熱現像感光材料には、必要に応じ
て感度の上昇や、現像性の向上を目的として、公知の有
機銀塩を用いることができる。
【0132】本発明において用いることのできる有機銀
塩は、例えば、特開昭53-4921号、同49-52626号、同52-
141222号、同53-36224号、同53-37626号、同53-36224
号、同53-37610号等の各公報並びに米国特許3,330,633
号、同3,794,496号、同4,105,451 号等の各公報に記載
されている長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩やヘテロ環を有
するカルボン酸の銀塩(例えばベヘン酸銀、α-(1-フ
ェニルテトラゾールチオ)酢酸銀等)、あるいは特公昭
44-26582号、同45-12700号、同45-18416号、同45-22815
号、特開昭52-137321号、同58-118638号、同58-118639
号、米国特許4,123,274号等の公報に記載されているイ
ミノ基を有する化合物の銀塩がある。さらに、特開昭61
-249044号記載のアセチレン銀等も用いることができ
る。
【0133】中でもイミノ基を有する化合物の銀塩が好
ましく、特にベンゾトリアゾール及びその誘導体の銀塩
(例えばベンゾトリアゾール銀、5-メチルベンゾトリア
ゾール銀等)が特に好ましい。
【0134】上記有機銀塩は、単独でも2種以上併用し
て用いることもでき、これらの調製はゼラチンのごとき
親水性コロイド水溶液中で調製し、可溶性塩類を除去し
てそのままの形で使用することも、また有機銀塩を単離
して機械的に固体微粒子に粉砕・分散して使用すること
もできる。有機銀塩の使用量は感光材料1m2当り0.01g
〜20g、好ましくは0.1〜5gの範囲である。本発明の熱
現像感光材料には色素の転写促進その他の目的で、熱溶
剤を用いることが好ましい。
【0135】熱溶剤は熱現像時に液状化し熱現像や色素
の熱転写を促進する作用を有する化合物であり、常温で
は固体状態であることが好ましい。
【0136】本発明で用いることの出来る熱溶剤として
は、例えば米国特許3,347,675号、同3,667,959号、同3,
438,776号、同3,666,477号、リサーチ・ディスクロジャ
ーNo.17,643号、特開昭51-19525号、同53-24829号、同5
3-60223号、同58-118640号、同58-198038号、同59-2295
56号、同59-68730号、同59-84236号、同60-191251号、
同60-232547号、同60-14241号、同61-52643号、同62-78
554号、同62-42153号、同62-44737号、同63-53548号、
同63-161446号、特開平1-224751号、同2-863号等の各公
報に記載された化合物が挙げられる。
【0137】具体的には、尿素誘導体(ジメチル尿素、
ジメチル尿素、フェニル尿素等)、アミド誘導体(例え
ばアセトアミド、ステアリルアミド、ベンズアミド、p-
トルアミド、p-アセトキシエトキシベンズアミド、p-ブ
タノイルオキシエトキシベンズアミド等)、スルホンア
ミド誘導体(例えば、p-トルエンスルホンアミド等)、
多価アルコール類(例えば1,6-ヘキサンジオール、ペン
タエリスリトール、ポリエチレングリコール等)が好ま
しく用いられる。
【0138】上記熱溶剤の中でも特に水不溶性固体熱溶
剤が好ましく用いられるが、中でも発色性の点から、ア
ミド系熱溶剤または尿素系熱溶剤が好ましく用いられ
る。
【0139】そのような具体例としては、例えば以下の
ものを挙げることが出来る。
【0140】上記熱溶剤は、感光性ハロゲン化銀乳剤
層、中間層、保護層、受像部材の受像層等任意の層中に
添加することができ、またその添加量は通常バインダー
に対して、10重量%〜500重量%、より好ましくは30重
量%〜300重量%である。
【0141】本発明の熱現像感光材料に用いることので
きるバインダーとしては、ポリビニルブチラール、ポリ
酢酸ビニル、エチルセルロース、ポリメタアクリレー
ト、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼ
ラチン、フタル化ゼラチン等のゼラチン誘導体、セルロ
ース誘導体、タンパク質、デンプン、アラビアゴム、カ
ラギーナン等の合成あるいは天然の高分子物質等があ
り、これらは単独で、あるいは2種以上併用して用いる
ことが出来る。特にゼラチンまたはその誘導体と、ポリ
ビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、またはポ
リビニルアルコール等の親水性ポリマーとを併用するこ
とが好ましく、特に好ましくはゼラチンとポリビニルピ
ロリドン、またはポリエチレングリコールとゼラチンの
混合バインダーが用いられる。
【0142】バインダーの使用量は通常支持体1m2
り、0.05g〜20gであり、好ましくは 0.2g〜10gである。
【0143】本発明の熱現像感光材料には、上記以外
に、必要に応じて、各種添加剤を添加することが出来
る。本発明において使用することの出きる現像促進剤と
しては、例えば特開昭59-177550号、同59-111636号、同
59-124333号、同61-72233号、同61-236548号、特開平1-
152454号記載の化合物が有用であり、また、特開昭61-1
59642号、特開平1-104645号、特願平1-110767号記載の
現像促進剤放出化合物、あるいは、特開平1-104645号記
載の電気陰性度が4以上の金属イオンも用いることが出
来る。
【0144】本発明において使用することの出来るカブ
リ防止剤としては、例えば米国特許第3,645,739号明細
書に記載されている、高級脂肪酸、特公昭47-11,113号
記載の第2水銀塩、特開昭51-47419号記載のN-ハロゲン
化物、米国特許第3,700,457号、及び特開昭51-50725
号、特願平1-69994号、同1-104271号記載のメルカプト
化合物放出性の化合物、同49-125016号記載のアリール
スルフォン酸、同51-47419号記載のカルボン酸リチウム
塩、英国特許第1,455,271号および特開昭50-101019号記
載の酸化剤、同53-19825号記載のスルフィン酸類及びチ
オスホン酸類、同51-3223号記載のチオウラシル類、同5
1-26019号記載の硫黄、同51-42529、同51-81124号、及
び同55-93149号記載のジスルフィド類及びポリスルフィ
ド類,同51-57435号記載のロジンあるいはジテルペン
類、同51-104338号記載のカルボキシル基またはスルホ
ン酸基を有するポリマー酸、米国特許4,138,265 記載の
チアゾリチオン、特開昭54-51821号、同55-142331号、
米国特許第4,137,079号記載のトリアゾール類、特開昭5
5-140883号記載のチオスルフィン酸エステル類、特開昭
59-46641、同59-57233号、同59-57234号記載のジ−また
はトリ−ハロゲン化物、特開昭59-111636号記載のチオ
ール化合物、同60-198540号及び同60-227255号記載のハ
イドロキノン誘導体、等が挙げられる。さらに別の好ま
しいカブリ防止剤としては、特開昭62-78554号に記載の
親水性基を有するカブリ防止剤、特開昭62-121452号記
載のポリマーカブリ防止剤、特開昭62-123456号記載の
バラスト基を有するカブリ防止剤が挙げられる。また特
開平1-161239号記載の無呈色カプラーも好ましく用いら
れる。
【0145】本発明に於て使用することの出きる塩基プ
レカーサーとしては加熱により脱炭酸して塩基性化合物
を放出する化合物(グアニジントリクロロ酢酸等)、分
子内求核置換反応により分解してアミン類を放出する化
合物、及び水に難溶な塩基性金属化合物(水酸化亜鉛
等)とこれを形成する金属イオンとで錯形成可能な化合
物(ピコリン酸等)との反応により塩基を放出する塩基
プレカーサー技術などが挙げられ、具体的には、例え
ば、特開昭56-130745号、59-157637号、同59-166943
号、同59-180537号、同59-174830号、同59-195237号、
同62-108249号、同62-174745号、同62-187847号、同63-
97942号、同63-96159号、特開平1-68746号等の各公報に
記載されている。
【0146】本発明の熱現像感光材料には前記以外の還
元剤を含有させることが出来る。
【0147】そのような還元剤としては、例えば、アス
コルビン酸またはその誘導体、ハイドロキノンおよびそ
の誘導体、カテコールおよびその誘導体、ピロガロール
およびその誘導体、1-フェニル-3-ピラゾリドンおよび
その誘導体等が挙げられる。
【0148】本発明の熱現像感光材料には上記した以外
の各種の公知の写真用添加剤を用いることができ、例え
ば、ハレーション防止染料、コロイド銀、蛍光増白剤、
硬膜剤、帯電防止剤、界面活性剤、無機及び有機のマッ
ト剤、退色防止剤、紫外線吸収剤白地色調調整剤等を含
有することが出来る。これらについては具体的にはRD
(リサーチ・ディスクロジャー )誌 No.17029号、同
No.29,963号、特開昭62-135825号、及び同64-13546号の
各公報に記載されている。
【0149】特に特開昭63-118155号公報に記載された
ハロゲン置換されたヘテロ環化合物、および特開平2ー44
356号公報に記載された活性炭の如き汚染物質を吸着す
る吸着物質を含有せしめることは好ましい。
【0150】これらの各種添加剤は感光性層のみなら
ず、中間層、下引き層、保護層あるいはバッキング層等
任意の構成層中に適宜添加することが出来る。
【0151】本発明の熱現像感光材料に用いられる支持
体としては、例えばガラス、ポリプロピレンフィルム、
セルロースアセテートフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等
の透明または不透明の合成プラスチックフィルム、アー
ト紙、キャストコート紙、バライタ紙等の各種コート
紙、ポリエチレン樹脂被覆紙、さらにこれらの各種支持
体上に電子線硬化性樹脂組成物を塗布・硬化させた支持
体等が挙げられる。
【0152】本発明の熱現感光材料は、(a)感光性ハロ
ゲン化銀乳剤、(b)還元剤、(c)バインダーを含有し、さ
らに(d)有機銀を含有することが好ましい。カラー感光
材料とする場合にはさらに(e)色素供与物質を含有す
る。これらは単一の写真構成層中に含まれていてもよ
く、また2層以上からなる層に分割して添加されること
もできる。具体的には、(a)、(b) 、(c)、(d)の成分を
一つの層に添加し、(e)をこれに隣接する層に添加した
り、あるいは、(a)、(c)、(d)、(e)を単一の層に添加
し、(b)を他層に添加することもできる。
【0153】また、実質的に同一の感色性を有する感光
性層は2つ以上の感光性層から構成されることもでき、
それぞれ低感度層及び高感度層とすることもできる。本
発明の熱現像感光材料をフルカラー記録材料として用い
る場合には、通常感色性の異なる3つの感光性層を有
し、各感光性層では熱現像によりそれぞれ色相の異なる
色素が形成または放出される。この場合、一般的には、
青感光性層(B)にイエロー色素(Y)が、緑感光性層
(G)にはマゼンタ色素(M)が、また赤感光性層
(R)にはシアン色素(C)が組み合わされるが、本発
明はこれに限定されず、いかなる組合せも可能である。
具体的には、(B−C)−(G−M)−(R−Y)、
(赤外感光性−C)−(G−Y)−(R−M)等の組合
せも可能である。各層の層構成は任意であり、支持体側
から順に、R−G−B、G−R−B、R−G−赤外、G
−R−赤外、等の層配置が可能である。
【0154】本発明の熱現像感光材料には、感光性層の
他に下引き層、中間層、保護層、フィルター層、バッキ
ング層、剥離層等の非感光性層を任意に設けることが出
来る。
【0155】本発明の画像形成方法においては、受像材
料が用いられる。受像材料は、支持体上とこの上に設け
られた色素受容能を有する受像層とから構成されるが、
支持体自身が色素受容能のある受像層を兼ねることもで
きる。受像層はそれを構成するバインダー自身が色素受
容能を有する場合と、色素を受容し得る媒染剤がバイン
ダー中に含有されている場合とに大きく分けられる。
【0156】バインダーが色素受容能有する場合、好ま
しく用いられる物質は、ガラス転移温度が約40℃以上、
約250 ℃以下のポリマーで形成されているものが好まし
く、具体的には、「ポリマーハンドブック セカンド
エディッション」 (ジョイ・ブランドラップ、イー・
エイチ・インマーガット編)ジョン ウィリー アンド
サンズ出版{Polymer Handbook 2nd. ed.(J.Bran
drup、E. H. Immergut編) John Wiley & Sons}に
記載されているガラス転移温度が約40℃以上の合成ポリ
マーが有用であり、一般的には、ポリマーの分子量とし
て、2,000 〜200,000程度のものが有用である。これら
のポリマーは単独でも2種以上を併用してもよく、また
2種以上の繰り返し単位を有する共重合性のポリマーで
あってもよい。
【0157】具体的にはポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデン、ポリエー
テル等が挙げられ、特に特開昭59-223425号記載のポリ
塩化ビニル及び同60-19138号記載のポリカーボネートが
好ましい。
【0158】また、受像層がバインダー中に媒染剤を含
有する受像部材に於て、媒染剤としては、3級アミンま
たは4級アンモニウム塩を含むポリマーが好ましく用い
られ、例えば米国特許3,709,690号明細書及び、特開昭6
4-13546号公報報に記載の化合物が挙げられる。また、
これらの媒染剤を保持するのに用いられるバインダーと
しては、例えばゼラチンやポリビニルアルコール等の親
水性バインダーが好ましく用いられる。
【0159】上記媒染剤をバインダー中に有する受像層
と似た形で、色素受容能を有する疎水性ポリマーラテッ
クスを親水性バインダー中に分散してなる色素受容層も
本発明で用いることが出来る。
【0160】本発明の受像材料は支持体上に単一の受像
層が設けられた場合であってもよく、また複数の構成層
が塗設されていてもよく、この場合、その全てが色素受
像層であることも、また構成層の一部のみが受像層であ
ることもできる。
【0161】受像材料が受像層とは別に支持体を有する
時、受像材料の支持体としては、透明支持体、反射支持
体のいずれであってもよい。具体的には、例えば、ポリ
エチレンフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、及びこれらの支
持体中に硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン
等の白色顔料を添加した支持体、アート紙、キャストコ
ート紙、バライタ紙、紙支持体上に白色顔料を含有する
熱可塑性樹脂(ポリエチレン等)を被覆した積層紙、布
類、ガラス、アルミニウム等の金属泊等を用いることが
出来る。また、支持体上に顔料を含んだ電子線硬化性樹
脂組成物を塗布・硬化させた支持体、及び、第2種拡散
反射性を有する反射支持体なども本発明の受像材料の支
持体として、用いることが出来る。
【0162】本発明の熱現像感光材料は、RD(リサー
チ・ディスクロージャー)15,108号、特開昭57-198458
号、同57-207250号、同61-80148号等に記載されている
ような感光層と受像層が予め、同一支持体上に積層され
たいわゆるモノシート型熱現像感光材料であることもで
きる。
【0163】本発明の受像材料に公知の各種添加剤を添
加することが出来る。そのような添加剤としては、例え
ば、汚染防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、画像安定
剤、現像促進剤、カブリ防止剤、pH調節剤(酸及び酸
プレカーサー、塩基プレカーサー等)、熱溶剤、有機フ
ッ素系化合物、油滴、界面活性剤、硬膜剤、マット剤及
び各種金属イオン等が挙げられる。
【0164】本発明の熱現像感光材料は、感光材料の感
色性に適した公知の露光手段に依って露光されることが
出来る。
【0165】用いることのできる露光光源としては、タ
ングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、
水銀灯、CRT光源、FO−CRT光源、発光ダイオー
ド、レーザー光源(例えばガスレーザー、色素レーザ
ー、YAGレーザー、半導体レーザー等)等を単独ある
いは複数組み合わせて用いることが出来る。また、半導
体レーザーとSHG素子(第2高調波発生素子)とを組
み合わせた光源も用いることが出来る。その他、電子
線、X線、γ線、α線等によって励起された蛍光体から
放出される光に依っても露光されることが出来る。
【0166】本発明の熱現像感光材料は、像様露光後ま
たは露光と同時に、好ましくは、70〜200 ℃、さらに好
ましくは90〜170℃で好ましくは1〜180秒間、さらに好
ましくは2〜120秒間加熱現像され、色素画像が形成さ
れる。拡散性色素の受像材料への転写は熱現像時に、受
像材料の受像層面を感光材料の感光層側に密着させるこ
とにより、熱現像と同時に行なってもよく、また、熱現
像後に受像材料を感光材料に密着させて色素を転写させ
てもよく、さらに、水を供給した後、感光材料と受像材
料とを密着させてもよい。また、露光前に70〜160℃の
範囲で感光材料を予備加熱したり、特開昭60-143,338号
及び同61-162,041号に記載されている様に、現像直前
に、感光材料と受像材料の少なくとも一方を80〜120℃
の温度範囲で予備加熱することもできる。
【0167】本発明の熱現像感光材料を熱現像する際に
は、公知の加熱手段を適用することができ、例えば、加
熱されたヒートブロックや面ヒータに接触させたり、熱
ローラや熱ドラムに接触させる方式、高温に維持された
雰囲気中を通過させる方式、高周波加熱方式を用いる方
式、遠赤外線加熱手段による加熱方式、あるいは、感光
材料または受像材料の裏面にカーボンブラック層の様な
発熱導電性物質を設け、通電することにより生ずるジュ
ール熱を利用する方式などを適用することが出来る。
【0168】熱現像時における加熱パターンは特に制限
がなく、一定温度で行なう方法、現像初期を高温状態で
行い現像後半を低温状態で行なう方法、あるいはこの逆
の方法、さらには3ステップ以上に温度領域を変化させ
る方法や連続的に温度を変化させる方式等任意の方法で
行なうことが出来る。
【0169】
【実施例】以下本発明の実施例を示すが、本発明の実施
態様がこれに限定されるものではない。
【0170】実施例1 〔熱現像感光材料の作成〕厚さ160μmの写真用バライタ
紙支持体上に下記の構成の層を塗設し熱現像感光材料−
1〜6を作成した。
【0171】ここで各素材の添加量は熱現像感光材料1
m2当たりの量で示し、感光性ハロゲン化銀乳剤およびベ
ンゾトリアゾール銀乳剤の量はそれぞれ銀に換算して示
し、色素供与物質の量は、拡散性色素の量に換算して示
した。
【0172】下引き層 ポリフェニレンエーテル 2.0g ポリスチレン 2.0g トラップ剤 0.4g 第1層 ベンゾトリアゾール銀 0.62g 緑感光性ハロゲン化銀乳剤 0.33g 色素供与物質(表−1) 1.2ミリモル TCP(トリクレジルホスフェート) 0.3g DAP 0.03g DID 0.06g ポリビニルピロリドン(PVP;K=30) 0.13g ゼラチン 1.72g フェニルカルバモイルゼラチン 0.36g κ-カラギーナン 0.18g 臭化カリウム 0.005g 熱溶剤−A 1.65g ST−2 0.01g イラジエーション防止染料−1 0.03g 界面活性剤−1 0.09g 界面活性剤−2 0.011g 第2層 ゼラチン 0.88g PVP 0.08g ZnSO4 0.14g 発色現像剤プレカーサー(R−1) 3.2ミリモル 界面活性剤−2 0.04g 硬膜剤(H−1) 0.15g 使用した添加剤の構造式、感光性ハロゲン化銀乳剤、ベ
ンゾトリアゾール銀、熱溶剤について以下に記す。
【0173】緑感光性ハロゲン化銀乳剤 平均粒径0.165μmの立方晶AgBrI(AgI組成;2モル
%)。
【0174】下記増感色素(GSD−1)および1-フェ
ニル-5-メルカプトテトラゾールの存在下、チオ硫酸ナ
トリウムで最適点まで化学増感した。
【0175】化学増感終了後、安定剤として、ハロゲン
化銀1モル当たり、1gの4-ヒドロキシ-6-メチル-1-3-
3a-7-テトラザインデンを添加した。
【0176】ベンゾトリアゾール銀 ベンゾトリアゾールと硝酸銀水溶液をフェニルカルバモ
イルゼラチン水溶液中に同時混合し、ベンゾトリアゾー
ル銀を調製した。pHを低下させて脱塩した後溶液のpH
を6.0に調整。長さが0.3〜1.5μm、幅0.1〜0.5μmの針
状結晶の分散物を得た。
【0177】熱溶剤分散液 熱溶剤100gを0.2%ゼラチン水溶液に添加し、サンドミ
ル分散機で粒径が約0.4μmの微粒子固体分散液を得た。
【0178】色素供与物質分散液 色素供与物質1.2モル、DAP30g,DID60g、およ
びTCP300gを4200mlの酢酸エチルに加熱溶解し、こ
れを3%ゼラチン水溶液11000ml(界面活性剤−1を60
g含有)に添加し、高速ホモジナイザーで乳化分散し、
酢酸エチルを減圧除去して総量を12000mlとした、得ら
れた熱現像感光材料を40℃、相対湿度60%で2日間保存
して目的の硬膜度まで硬膜した。
【0179】
【化36】
【0180】
【化37】
【0181】〔受像材料の作成〕熱現像感光材料1を作
成したのに使用した写真用バライタ紙支持体上に、以下
の組成からなる受像層を塗設し、受像材料−1を作成し
た。
【0182】 ポリカーボネート 12g トラップ剤 1.2g 熱溶剤−B 4.2g 受像層は上記の組成物をジクロロエタンを溶媒として支
持体上に塗設した。
【0183】一方、受像材料−1の受像層に以下の紫外
線吸収剤を更に添加した受像材料−2および、紫外線吸
収剤と画像安定剤を更に添加した受像材料−3を受像材
料−1と同様にして作成した。
【0184】 受像材料−2 紫外線吸収剤−1 0.5g 紫外線吸収剤−2 0.5g 受像材料−3 紫外線吸収剤−1 0.5g 紫外線吸収剤−2 0.5g 画像安定剤−1 1.0g 画像安定剤−2 1.0g
【0185】
【化38】
【0186】〔熱現像感光材料の評価〕上記のようにし
て作成した熱現像感光材料を像様露光した後、150℃で6
0秒間熱現像した。ついで、上記受像材料1〜3と重ね
合わせて130℃で30秒間加熱して色素画像を受像層に転
写した。
【0187】得られた転写画像について暗所保存性(80
℃、相対湿度65%で5日間保存し、初期濃度1.0の色素残
存率)と耐光性(50000LXのXe−フェードメーターで3
6時間照射した時の色素残存率)を調べた。結果を表1
に示す。
【0188】
【表1】
【0189】
【化39】
【0190】表1の結果からイエロー色素画像(試料1
〜3)、マゼンタ色素画像試料(4〜6)及びシアン色
素画像試料(試料7〜9)の各々について拡散性色素画
像が画像安定化基を有する場合(試料2、3、5、6、
8、9)は、いずれも画像の堅牢性が良好であり、特に
耐光性の点で優れた効果が得られることがわかる。特に
受像材料に紫外線吸収剤を使用することにより、耐光性
が1層改良され、そのレベルは本発明外の色素供与物質
を用い受像材料に紫外線吸収剤と界面活性剤の両者を添
加した場合より優れている。
【0191】上記、実施例1で作成した熱現像感光材料
に最高濃度が得られる均一な露光を施した後、実施例1
に記載の条件で熱現像を行った。ついで、感光材料をメ
タノール水溶液(メタノール75%含有)で色素を抽出
し、色素の生成量を求めた。
【0192】一方、熱現像時間を60秒から50秒、70秒お
よび80秒に変更して同様の処理を行いそれぞれの熱現像
時間における色素の生成量を調べた。結果を表2に示
す。
【0193】
【表2】
【0194】表2の結果から、本発明の色素供与物質を
使用した熱現像感光材料は熱現像時間を延ばしても生成
色素量が殆ど減少することなく熱現像時の色素は安定性
が比較熱現像感光材料に比べて良好である。
【0195】実施例2 〔熱現像感光材料の作成〕ラテックス下引きを施した厚
さ180μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に下記
の構成の層を塗設し熱現像感光材料−11〜16を作成し
た。
【0196】 第1層 ベンゾトリアゾール銀 0.62g 緑感光性ハロゲン化銀乳剤 0.33g 色素供与物質(表−3) 1.2ミリモル TCP(トリクレジルホスフェート) 0.3g ポリビニルピロリドン(PVP;K=30) 0.13g ゼラチン 1.72g フェニルカルバモイルゼラチン 0.36g κーカラギーナン 0.18g 臭化カリウム 0.005g 熱溶剤−A 1.65g ST−2 0.01g イラジエーション防止染料−1 0.03g 界面活性剤−1 0.09g 界面活性剤−2 0.011g 第2層 ゼラチン 0.88g PVP 0.08g ZnSO4 0.14g 還元剤(2,4-ジクロロ-p-アミノフェノール) 2.5ミリモル 界面活性剤−2 0.04g 硬膜剤(H−1) 0.15g 第3層 ゼラチン 0.02g グアニジントリクロロ酢酸 0.14g 界面活性剤−2 0.02g 硬膜剤(H−1) 0.05g 熱現像感光材料−11〜16に像様露光した後、色素受像材
料−1〜3と重ね合わせて130℃、40秒間加熱現像して
受像層上に転写画像を得た。
【0197】ついで実施例1に記載の方法で画像の堅牢
性を評価し、表3に示す結果を得た。
【0198】
【表3】
【0199】
【化40】
【0200】表3の結果から本発明の色素供与物質DR
−11及びDR−16を用いた熱現像感光材料から得られる
色素画像は高い堅牢性を有していることがわかる。
【0201】
【発明の効果】本発明により、熱現像時の色素の退色を
防止し、しかも熱、湿度および光に対する堅牢性が改良
された色素画像が色素受像層に得られる画像形成方法を
提供することができた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、感光性ハロゲン化銀乳剤、
    バインダー、熱現像時に拡散性色素を形成または放出す
    る色素供与物質を含有する熱現像感光材料を、露光後ま
    たは露光と同時に熱現像することにより拡散性色素を形
    成または放出し、該拡散性色素を色素受像層に拡散転写
    させる画像形成方法において、該拡散性色素が分子中に
    少なくとも1個の色素画像安定化基を有することを特徴
    とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記、拡散性色素が下記一般式(1)で
    表されることを特徴とする請求項1記載の画像形成方
    法。 一般式(1) Dye−J−STA 〔式中、Dyeは拡散性色素の色素部位を表し、Jは単
    なる結合手または2価の連結基を表し、STAは下記一
    般式(2)または(3)で表される基から水素原子を除
    いた残基を表す。〕 【化1】 〔式中、R1は水素原子、アルキル基、アルケニル基ま
    たはフェニル基を表す。R2、R3、R4、R5およびR6
    はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、
    ニトロ基、−OH基、スルホ基または1価の有機基を表
    す。但し、R1が水素原子の場合、R2とR4の両者が同
    時に水素原子であることはない。また、R1がアルキル
    基、アルケニル基、またはフェニル基である場合、
    2、R3、R4、R5およびR6の少なくとも1つは、−O
    R7(R7はアルキル基またはアルケニル基)、または、
    −N(R8)、(R9)、(R8とR9はそれぞれ独立に水素
    原子、アルキル基またはアルケニル基)である。R11
    水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、−
    OH基、スルホニル基、スルフィニル基またはアシル基を
    表す。R12、R13、R14およびR15はそれぞれ独立に水
    素原子またはアルキル基を表す。Qは5〜7員環を形成
    するのに必要な非金属原子群を表す。R1とR2、及びま
    たはR2とR3、及び/またはR3とR6、及びまたはR6
    とR5、及びまたはR5とR4、及び/またはR4とR1
    お互いに結合して環を形成していてもよい。R11
    12、及び/または、R12とR13、及びまたはR14とR
    15及びまたはR14とR11はお互いに結合して環を形成し
    ていてもよい。〕
  3. 【請求項3】 前記熱現像感光材料が含有する色素供与
    物質が、下記一般式(4)で表される単量体から誘導さ
    れる繰り返し単位を有するポリマーカプラーであって、
    かつ該熱現像感光材料が下記一般式(5)で表される発
    色現像剤プレカーサーを含有することを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の画像形成方法。 【化2】 式中、R20は水素原子またはアルキル基を表す。J20
    単なる結合手または2価の連結基を表す。Cpはイエロ
    ー、マゼンタ、またはシアンの各カプラー残基を表す。
    31とR32はそれぞれ独立にアルキル基またはアルケニ
    ル基を表す。R33、R34、R35およびR36はそれぞれ独
    立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ
    基、ハロゲン原子、カルバモイル基、アシルアミノ基、
    アミノスルホニル基、スルファモイル基または複素環基
    を表す。Aは−OH基または−NH−W基を表す。Wは−SO3
    R37基(R37は水素原子、アルカリ金属原子、−NH
    4 +基、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基ま
    たはアリール基を表す)または−CONHR38基(R38はア
    ルキル基、アルケニル基、アリール基または複素環基を
    表す)を表す。但し、Cp基、R31、R32、R33
    34、R35及びR36の少なくとも一つはその構造中に前
    記色素画像安定化基を有する。
  4. 【請求項4】 前記熱現像感光材料が含有する色素供与
    物質が、下記一般式(6)で表される色素供与物質であ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像
    形成方法。 一般式(6) D−X−CAR 〔 式中、Dはその構造中に前記色素画像安定化基を有
    する拡散性色素の色素部位を表し、CARは感光性ハロ
    ゲン化銀の熱現像に対応してD−X−を離脱し得る耐拡
    散性の基を表す。Xは連結基を表す。〕
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