JPH06100735A - 回転成形用ポリエチレン組成物 - Google Patents

回転成形用ポリエチレン組成物

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JPH06100735A
JPH06100735A JP24825592A JP24825592A JPH06100735A JP H06100735 A JPH06100735 A JP H06100735A JP 24825592 A JP24825592 A JP 24825592A JP 24825592 A JP24825592 A JP 24825592A JP H06100735 A JPH06100735 A JP H06100735A
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JP
Japan
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methyl
butene
ethylene
component
catalyst
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Application number
JP24825592A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Tate
和 久 舘
Hideo Sakurai
井 秀 雄 桜
Ryoichi Kitani
谷 良 一 木
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転成形用ポリエチレン組成物の提供 【構成】 下記の(X)および(Y)成分を含んでな
り、3−メチル−1−ブテン含量が0.0001〜1重
量%であることを特徴とする、回転成形用ポリエチレン
組成物。 (X)エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの
共重合体である直鎖状ポリエチレン。 (Y)ハロゲン含有マグネシウム、ハロゲン含有チタン
および電子供与性化合物を必須成分とする固体状チタン
成分と、有機アルミニウム化合物および一般式 R 3−nSi(OR (ここで、Rは分岐鎖状炭化水素基、RおよびR
はそれぞれ分岐または直鎖状炭化水素基、nは2≦n≦
3の数、である。)で表される有機ケイ素化合物から形
成される成分とからなる触媒にエチレン、3−メチル−
1−ブテンおよび必要に応じて炭素数3〜12のα−オ
レフィンを接触させて重合させることにより得られる3
−メチル−1−ブテン含有エチレン共重合体。 【効果】 上記目的が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の背景]
【産業上の利用分野】本発明は回転成形用ポリエチレン
組成物に関し、特に金型コーナー部での肉廻りや内面平
滑性に優れた回転成形体を与える回転成型用ポリエチレ
ン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレンとα−オレフィンとの共重合体
である直鎖状ポリエチレンには、例えば中密度ポリエチ
レンや線状低密度ポリエチレンなどがあるが、これらの
樹脂は比較的安価なうえ、耐薬品性や成形加工性に優れ
ることから、回転成形用の材料として広く実用に供され
ている。
【0003】回転成形法は、熱可塑性樹脂粉末を金型内
に投入し、金型を回転させながら外部より加熱し、樹脂
を溶融させて金型内部に付着させて成形し、冷却後、製
品を取り出して、中空体を得る成形法であるが、デザイ
ンの自由度と共に、大型薬品タンクなど、1m以上の
大容量の成形品の製造が可能なこと、装置や金型費用が
比較的安価で少量多品種の生産形態に適しているなどの
利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしその反面、回転
成形法は、射出成形、中空成形等に比べて金型内に成形
圧力が殆どかからない成形法の為、コーナー部の肉廻り
や内面の凹凸が悪くなるという問題があり、この改良の
ために金型デザインに制約を受けたり、加熱時間や空冷
時間に長い時間を必要とし、結果的に成形サイクルが長
くなってしまって、生産性に劣るというような欠点があ
る。
【0005】このような欠点改良の試みは、例えば材料
の易流動化を図ったり、原料パウダーの粒度の均一化や
粒径管理(粉砕時におけるヒゲ状物の発生防止)等が挙
げられるが、成形品の強度物性を低下させたり、粉砕コ
ストが高くなることになり、未だ満足のゆく改善策がな
いのが現状である。
【0006】この改良の一方法として、一般に射出成形
などで採用されている結晶化核剤の配合が考えられる。
【0007】結晶化核剤に関しては、ベンジリデンソル
ビトールまたはその特定核置換体を配合することが知ら
れている(特開昭58−17135号公報、特開昭58
−219247号公報、特開昭61−133252号公
報)。
【0008】しかしながら、回転成形においては、前述
のベンジリデンソルビトールまたはその特定核置換体は
射出成形では効果が認められるものの、回転成形におい
ては比較的溶融練りがかからず、成形温度が高いため、
核剤自体の分散不良や分解による効果低下、臭気発生の
トラブルを併発するので、成形条件に制約を受け、使用
が大幅に限定されてしまう。
【0009】一方、比較的高分子量の化合物を核剤とし
て用いる方法がある。例えば、特開平1−242646
号公報においては、高結晶性の3−メチル−1−ブテン
重合体を配合したエチレン重合体が高い結晶化速度を有
し、核剤としての上述した改良効果が得られるとしてい
る。しかし、本発明者らの知る限りでは、その効果は未
だ十分なものとは言い難い。
【0010】同公報記載の方法において、特に高度な立
体規則性を持つ3−メチル−1−ブテン重合体を与える
チーグーラー・ナッタ触媒として種々の触媒が報告され
ているが、同公報の実施例に記載されているものはいず
れも得られている3−メチル−1−ブテン重合体が特に
高結晶性のものでなく、また3−メチル−1−ブテン重
合体含有のマスターバッチをプロピレン重合体で製造し
ており、エチレン重合体への分散性低下もあって、結果
的に得られたエチレン重合体組成物は3−メチル−1−
ブテンの含有量が0.6重量%と量的に多く含まれたに
もかかわらず、結晶化温度が3−メチル−1−ブテン重
合体を含有しない比較例と比べて僅かに4.4℃上昇し
ているのみである。
【0011】従って、この3−メチル−1−ブテン重合
体は、通常求められる核剤としての効果は不十分であっ
て、結果的に回転成形における上述の問題の改良に対し
ても効果が十分認められないのが現状である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明者らは、このような現状を鑑み、
上記の比較的高分子量の化合物、すなわち3−メチル−
1−ブテン重合体、の核剤を用いて、回転成形における
成形サイクルを短縮して生産性を高めた成形条件下にお
いても、金型コーナー部での肉廻りや内面平滑性に優れ
たポリエチレン材料を提供すべく、鋭意検討の結果、特
定のケイ素化合物を用いる触媒の存在下において重合さ
せて得られた3−メチル−1−ブテン含有エチレン共重
合体を用いた場合は、3−メチル−1−ブテンの配合量
が少なくても、有効に上述の効果が発揮されることを見
出だして、本発明を完成するに至った。
【0013】<要旨>すなわち、本発明による回転成形
用ポリエチレン組成物は、下記の(X)および(Y)成
分を含んでなり、3−メチル−1−ブテン含量が0.0
001〜1重量%であることを特徴とするものである。 (X)エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの
共重合体である直鎖状ポリエチレン。 (Y)ハロゲン含有マグネシウム、ハロゲン含有チタン
および電子供与性化合物を必須成分とする固体状チタン
触媒成分、有機アルミニウム化合物および一般式 R 3−nSi(OR (ここで、Rは分岐鎖状炭化水素基、RおよびR
はそれぞれ分岐または直鎖状炭化水素基、nは2≦n≦
3の数である。)で表される有機ケイ素化合物から形成
される触媒成分にエチレン、3−メチル−1−ブテンお
よび必要に応じて炭素数3〜12のα−オレフィンを接
触させて重合させることにより得られる、3−メチル−
1−ブテン含有エチレン共重合体。
【0014】<効果>本発明の回転成形用ポリエチレン
組成物は、特定の触媒の存在下において重合させて得ら
れた、3−メチル−1−ブテンを含むエチレン共重合体
を用いることにより、3−メチル−1−ブテンの含有量
が少ないにもかかわらず、成形サイクルが短縮された条
件下においても、コーナー部の肉廻りや内面平滑性が優
れている成形品の製造を可能にするものである。
【0015】[発明の具体的説明] <直鎖状ポリエチレン((X)成分)>3−メチル−1
−ブテン含有エチレン共重合体を核剤として配合すべき
(X)成分である直鎖状ポリエチレンは、遷移金属触媒
の存在下、エチレンとα−オレフィンを共重合させるこ
とにより得られるものを用いることができる。
【0016】この直鎖状ポリエチレンの製造における触
媒や重合方法については特に制約はなく、たとえば触媒
としてはチーグラー型触媒、フィリップス型触媒または
カミンスキー型触媒などが挙げられ、重合法としては、
これらの触媒の存在下、スラリー法、気相流動床法(例
えば、特開昭59−23011号公報に記載の方法)や
溶液法、あるいは圧力200kg/cm以上、重合温
度150℃以上の高圧バルク重合法などが挙げられる。
【0017】コモノマーとして用いられるα−オレフィ
ンは、炭素数3〜12個のα−オレフィン(一般式とし
てR−CH=CHで表され、Rはアルキル基を示
す。)である。具体的には、例えば、プロピレン、1−
ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1
−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4、4−ジメ
チル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1
−ノネン、1−デセン等があり、好ましくは1−ブテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1
−オクテンが挙げられる。
【0018】また、この場合のα−オレフィンは1種類
に限られず、ターポリマーのように、2種類以上用いた
多元系共重合体も好ましい成分(X)として本発明に含
まれる。
【0019】本発明の(X)成分としては、特にその密
度が0.945g/cm以下の直鎖状ポリエチレンが
好ましい。
【0020】<3−メチル−1−ブテン含有エチレン共
重合体((Y)成分)>本発明で(Y)成分として用い
られる3−メチル−1−ブテン含有エチレン共重合体
は、エチレン重合触媒を用いて、予め3−メチル−1−
ブテンを重合させておき、続いてエチレンを重合させる
方法により製造されることが好ましい。
【0021】エチレンと3−メチル−1−ブテンを必須
成分とし、必要に応じて炭素数3〜12のα−オレフィ
ンを共重合させてなる共重合体である。この共重合体
は、いわゆる単量体を一時に、あるいは段階的に重合触
媒、例えばチーグラー型触媒あるいはカミンスキー型触
媒、に接触させて重合させることによって製造すること
ができるが、好ましい方法は、触媒に実質的に全量の3
−メチル−1−ブテンを接触させてこれを重合させ、そ
の後残余の単量体をさらに接触させて重合を完結させる
ことからなる。
【0022】(Y)成分としての3−メチル−1−ブテ
ン含有エチレン共重合体は、これを(X)成分に配合し
たときに生成組成物の3−メチル−1−ブテン含有量が
0.0001〜1重量%になるようなものであればよく
て、それ自身の3−メチル−1−ブテン含有量に制限は
ないが、(Y)成分は0.001〜10重量%、好まし
くは0.01〜1重量%、の3−メチル−1−ブテン含
有量のものであることが一般に好ましい。
【0023】3−メチル−1−ブテンの共重合に用いら
れる重合触媒は、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化
チタンおよび電子供与性化合物を必須成分とする固体状
チタン触媒成分と、有機アルミニウム化合物と、有機ケ
イ素化合物とから形成されるもの、が一般に好ましい。
特に、ハロゲン含有マグネシウム、ハロゲン含有チタン
および電子供与性化合物を必須成分とする固体状チタン
成分と、有機アルミニウム化合物と一般式 R 3−nSi(OR (ここでRは分岐鎖状炭化水素基、RおよびR
それぞれ分岐または直鎖状炭化水素基であり、nは2≦
n≦3の数である。)で表される有機ケイ素化合物とか
ら形成される触媒を用いる方法が好ましい。
【0024】ここで、「〜から形成される」ということ
は、挙示の成分を接触させる場合の他に、合目的的な補
助成分をさらに接触させてもよいこと、ならびに該成分
を一時にあるいは段階的に接触させてもよいこと、を意
味するものである。その他の合目的的な補助工程を実施
してもよいこと、を意味するものである。
【0025】(1)固体状チタン触媒成分 上記(Y)成分としてのエチレン/3−メチル−1−ブ
テン共重合体の製造に用いられる、固体状チタン触媒成
分に含まれるハロゲン含有マグネシウムとしては、ジハ
ロゲン化物が好ましく、例えば、塩化マグネシウム、臭
化マグネシウム、およびヨウ化マグネシウムを用いるこ
とができる。特に好ましいのは塩化マグネシウムであ
る。ハロゲン含有マグネシウムは実質的に無水であるこ
とが望ましい。
【0026】また、ハロゲン含有マグネシウムは、マグ
ネシウム化合物を電子供与性化合物で処理して得られる
ハロゲン含有マグネシウムであってよい。ここでマグネ
シウム化合物の例としては、酸化マグネシウム、水酸化
マグネシウム、ハイドロタルサイト、マグネシウムのカ
ルボン酸塩、アルコキシマグネシウム、アリロキシマグ
ネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、アリロキ
シマグネシウムハライド、およびその他有機マグネシウ
ム化合物等を挙げることができる。また、電子供与性化
合物の例としては、ハロシラン、アルコキシシラン、シ
ラノール、アルミニウム化合物、ハロゲン化チタン化合
物、およびチタンテトラアルコキシド等を挙げることが
できる。
【0027】ハロゲン含有チタンとしては、三価および
四価のチタンのハロゲン化物が代表的である。好ましい
チタンのハロゲン化物は、一般式 Ti(OR)4−n (ここでRはC〜C10の炭化水素基、Xはハロゲン
である)で示されるような化合物のうち、n=0、1ま
たは2の四価のハロゲン化チタン化合物である。
【0028】具体的には、TiCl、Ti(OBu)
ClおよびTi(OBu)Clなどを例示するこ
とができるが、特に好ましいのはTiCl、Ti(O
Bu)Cl等のテトラハロゲン化チタンやモノアルコ
キシトリハロゲン化チタンである。
【0029】電子供与性化合物は、通常、チーグラー型
触媒の変性剤として用いられるものであって、本発明で
も合目的的な任意のものを選んで使用することができ
る。
【0030】本発明でいわゆる「内部ドナー」として、
すなわちチーグラー型触媒の遷移金属成分の調製の際
に、使用するのに好ましい電子供与性化合物は、Si−
O−C結合を有する有機ケイ素化合物、カルボキシル基
を少なくとも2個有する多価カルボン酸、水酸基を少な
くとも2個有する多価アルコールまたは多価フェノール
(前者が好ましい)およびヒドロキシ置換カルボン酸か
らなる群より選ばれる多官能性化合物の対応エステルで
ある。この多官能性化合物のエステルとして好適なもの
は、例えば脂肪族または芳香族のポリカルボン酸のエス
テルであり、特に好ましいのはジカルボン酸のジエステ
ルであって、エステル基の少なくとも一つが炭素数2以
上のアルキル基のエステルであるもの、である。このジ
カルボン酸エステルとして好ましいものの具体例として
は、フタル酸、マレイン酸または置換マロン酸などと炭
素数2以上のアルコールとのジエステルであり、特に好
ましいのは、フタル酸と炭素数4以上のアルコールとの
ジエステルである。また、Si−O−C結合を有する有
機ケイ素化合物として、後述するエチレン重合体の製造
に用いられる有機ケイ素化合物が好ましい。
【0031】(2)有機アルミニウム化合物 本発明で使用される(Y)成分であるエチレン重合体の
製造に用いられる有機アルミニウム化合物は、一般式 AlR´3−n (ここでR´はC〜C12、好ましくはC〜C
炭化水素基残基、Xはハロゲンまたはアルコキシ基、n
は0<n≦3、である)で表されるものが好適である。
【0032】このような有機アルミニウム化合物として
は、具体的には例えばトリエチルアルミニウム、トリ−
n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニ
ウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシ
ルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチル
アルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウム
ハイドライド、ジエチルアルミニウムモノクロライド、
エチルアルミニウムセスキクロライドおよびジエチルア
ルミニウムモノエトキシサイド等である。もちろん、こ
れらの有機アルミニウム化合物を2種以上併用すること
もできる。
【0033】このような触媒を用いないときは、高結晶
性の3−メチル−1−ブテン含有エチレン共重合体が得
られず本発明の効果を奏し得ない。
【0034】(3)有機ケイ素化合物 本発明で使用されるエチレン重合体の製造に用いられる
有機ケイ素化合物としては、下式で表される有機ケイ素
化合物が用いられる。 R 3−nSi(OR (ここでRは分岐鎖状炭化水素基、RおよびR
それぞれ分岐または直鎖状炭化水素基、nは2≦n≦3
の数、である。) Rは、ケイ素原子に隣接する炭素原子から分岐してい
るものが好ましい。その場合の分岐基はアルキル基、シ
クロアルキル基またはアリール基(例えばフェニル基ま
たはメチル置換フェニル基など)であることが好まし
い。
【0035】さらに好ましいRは、ケイ素原子に隣接
する炭素原子、すなわちα−位の炭素原子、が2級また
は3級であるものである。とりわけ、ケイ素原子に結合
している炭素原子から3個のアルキル基が出た構造を持
つものが好ましい。
【0036】Rの炭素数は3〜20が好ましく、4〜
10が特に好ましい。Rは炭素数は1〜20、好まし
くは1〜10の、分岐あるいは直鎖状の脂肪族炭化水素
基であることが好ましい。Rは脂肪族炭化水素基、好
ましくは炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基、である。こ
のような有機ケイ素化合物の具体例は、例えば以下の通
りである。
【0037】
【化1】 (CHCSi(CH)(OCH、(CH
CSi(HC(CH)(OCH
(CHCSi(CH)(OC、(C
CSi(CH)(OCH、(C
)(C)CHSi(CH)(OC
、((CHCHCHSi(OCH
、CC(CHSi(CH)(OC
、CC(CHSi(CH)(O
、(CHCSi(OCH
(CHCSi(OC、((CH
C)Si(OCH、((CHC)Si
(OC、(CCSi(OC
、(CH)(C)CHSi(OCH
、(iCSi(OCH、(iC
Si(OC、(iC
i(OCH、(C11)Si(CH)(OC
、(C11Si(OCH
【0038】(4)重合 (Y)成分としてのエチレン共重合体の重合方法は、前
述したように、上記触媒の存在下で予め3−メチル−1
−ブテンを重合させ、次いでこの重合体にエチレンを重
合させる方法が好適である。さらに必要に応じて、任意
の段階で、炭素数3〜12のα−オレフィンを共重合さ
せても良い。
【0039】(Y)成分としての3−メチル−1−ブテ
ン含有エチレン共重合体は、前述したように、その3−
メチル−1−ブテン含量が0.001〜10重量%であ
ることが好ましい。3−メチル−1−ブテン含量が少な
すぎると、本発明の効果が明確に奏されず、多すぎると
(X)成分への分散性が悪化するので好ましくない。ま
た、(Y)成分としてのエチレン共重合体におけるエチ
レン含量は明確には規定されないが、エチレン含量が5
0重量%以上であることが好ましい。さらには、(Y)
成分のメルトフローレートが(X)成分のもつメルトフ
ローレート以上のものであることが好ましい。エチレン
共重合体のメルトフローレートが直鎖状ポリエチレン成
分のメルトフローレート未満であると、3−メチル−1
−ブテン含有のエチレン共重合体の分散性が悪化するの
で好ましくない。
【0040】<組成物>(X)成分に対する(Y)成分
の配合割合は、本発明組成物中の3−メチル−1−ブテ
ン含量が0.0001〜1重量%、好ましくは0.00
1〜0.01重量%、になるように決めればよい。3−
メチル−1−ブテン含量がこの範囲を下回ると、本発明
の目的である改良効果が不十分であり、一方、この範囲
を上回ってもそれ以上の改良効果が十分発揮されず、経
済的にも不利である。
【0041】本発明の回転成形用ポリエチレン組成物
は、上記成分以外に使用目的や用途に応じて、従来から
この分野で慣用されている各種成分、例えば酸化防止
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、架橋剤、着色剤、
分散剤、充填剤、帯電防止剤、顔料などを添加すること
ができる。また、(X)成分および(Y)成分と混練可
能な熱可塑性樹脂を少量配合することもできる。本発明
で回転成形用ポリエチレン組成物を、挙示の成分を「含
んでなる」と定義する所以である。
【0042】本発明の回転成形用ポリエチレン組成物に
おいて直鎖状ポリエチレン配合する場合の混合方法は、
特に制限はなく、公知のいずれの方法も使用できる。
【0043】すなわち、上記各成分を所定量配合し、通
常使用されているヘンシェルミキサー、スーパーミキサ
ー等により混合を行い、さらに回転成形に適するパウダ
ーに直接粉砕しても良いし、単軸混練機およびFCMや
CIM等の二軸混練機による連続混練溶融方法、または
ロールやバンバリー等のバッチ式溶融混練方法により、
一旦混練造粒した後、粉砕することも好ましい。
【0044】粉砕においては、一般的には、ターボ型や
バルマンミル型等の衝撃式粉砕機がポリエチレンに適す
る粉砕機として使用される。
【0045】回転成形を行うに際しては、従来公知の回
転成形方法により、実質の樹脂温度が、含有されている
3−メチル−1−ブテン重合体の融点以下となる成形温
度でいずれも採用できる。
【0046】
【実施例】以下の実施例および比較例は、本発明による
回転成形用ポリエチレン組成物をさらに具体的に説明す
るためのものである。ただし本発明は、その要旨を逸脱
しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
【0047】実施例中に示された物性値の測定法は以下
に示す通りである。測定は成形品を用いて行い、テスト
ピースについては成形品平坦部からの切削により作成
し、測定に供した。 (1)内面の凹凸:成形品内面の凹凸状態を次のような
評価ランクにわけ判断した。 ○:内面を手で触れても、凹凸がなく滑らかである。 △:内面を手で触れると、比較的大きな凹凸がある。 ×:内面を手で触れると、凹凸がひどく、波打ちの状態
である。 (2)コーナー部の肉廻り:次の評価ランクに分け判断
した。 ○:均一にコーナー部に樹脂が廻っている。 △:コーナー部に樹脂が溜まり、肉厚が厚くなってい
る。 ×:コーナー部に樹脂が多く溜まり、部分的にブリッジ
ング(橋掛け)が発生している。
【0048】<3−メチル−1−ブテン含有エチレン共
重合体の製造例> [製造例−1] (イ)固体触媒成分の調製 温度計および攪拌棒を付した内容積500mlのガラス
製三ツ口フラスコを窒素置換した後、75mlの精製ヘ
プタン、75mlのチタンテトラブトキシドおよび10
gの無水塩化マグネシウムを加える。フラスコを90℃
に昇温し、2時間かけて塩化マグネシウムを完全に溶解
させる。
【0049】次にフラスコを40℃まで冷却し、メチル
ハイドロジェンポリシロキサン15mlを添加して塩化
マグネシウム・チタンテトラブトキシド錯体を析出させ
る。これを精製ヘプタンで洗浄した後、四塩化ケイ素
8.7mlと塩化フタロイル2.0gを加え、50℃で
2時間保持する。ここで得られた固体触媒成分をヘプタ
ンで洗浄した。この固体触媒成分中のチタン含量は2.
7重量%であった。
【0050】(ロ)3−メチル−1−ブテン重合 内容積1リットルの撹拌式オートクレーブに500ml
の精製ヘプタン、上記で調製した0.8gの固体触媒成
分、32gの3−メチル−1−ブテン、2gのトリイソ
ブチルアルミニウムおよび0.6gの第三ブチルメチル
ジメトキシシランを導入し、50℃で3時間反応させ
た。その後、精製ヘプタンで洗浄して未反応成分を除去
した。
【0051】この重合体における3−メチル−1−ブテ
ンの重合量は固体触媒1gあたり25gであり、またこ
の重合体の融点は306℃であった。
【0052】(ハ)エチレン重合 内容積3リットルの撹拌式オートクレーブをエチレンで
十分置換した後、十分に脱水したn−ヘプタン1.5リ
ットルを導入して75℃に保ち、更にエチレンで7kg
/cmGまで加圧した。
【0053】次いでトリエチルアルミニウム0.38
g、第三ブチルメチルジメトキシシラン0.16gおよ
び上記の3−メチル−1−ブテン重合済み触媒成分78
0g(固体触媒30mg含む)を導入し、気相部水素濃
度を45容量%に調整しながら75℃で3時間重合を行
った。
【0054】その後、エチレンをパージし、ブタノール
10mlを添加することにより重合を停止させ、濾過、
乾燥を行って150gのエチレン共重合体粉末を得た。
このエチレン共重合体粉末には3−メチル−1−ブテン
が5000ppm含有されており、メルトフローレート
は50g/10分であった。これを(Y)成分として必
要サンプル量を確保し、以下の実験に使用した。
【0055】<回転成形用ポリエチレン組成物の製造お
よび実験>(X)成分である直鎖状ポリエチレンとし
て、チーグラー型触媒の存在下、気相重合プロセスによ
り得られた、メルトフローレート5.0g/10分、密
度0.935g/cm、共重合成分である1−ブテン
含有量4.0重量%である線状低密度ポリエチレン(三
菱油化(株)製三菱ポリエチLL UR950G)に上
記(Y)成分をを表1に示す割合で添加し、ヘンシェル
ミキサーにて3分混合後、単軸造粒機でペレット化し、
これらのペレットをターボ工業(株)製ターボミルT−
250型にて粉砕し、平均粒径250μmで、500μ
m以上の粗粒径成分が8重量%、100μm以下の微粒
子成分が8重量%であるパウダーを得た。
【0056】次に、これらのうちの900gを20リッ
トル容量の円筒形金型に仕込み、サーモボックス型の回
転成形機にて、350℃のオーブン加熱温度で20分間
の加熱時間を取った後、空冷および水冷の工程に移し
た。
【0057】この際、空冷時間を表1の如く種々変化さ
せ、得られた成形品のコーナー部での肉廻りや内面凹凸
を調べた。その結果を表1に示す。
【0058】
【表1】 実施例2 実施例1において、線状低密度ポリエチレンUR950
Gを99重量%、3−メチル−1−ブテン含有エチレン
共重合体を1重量%とすること以外は、実施例1と同様
に製造し、回転成形および評価を行った。その結果を表
2に示す。
【0059】実施例3 実施例1の製造例にある固体触媒成分を用いて3−メチ
ル−1−ブテン重合を行い、固体触媒成分1gあたり2
5gのポリ−3−メチル−1−ブテンを得た。
【0060】(ニ)エチレン/1−ブテン共重合 温度制御装置、撹拌翼を備えた内容積20リットルオー
トクレーブに、触媒分散媒として粉体状高密度ポリエチ
レン300gを導入し、内部を十分にエチレンで置換す
る。これに55℃でトリエチルアルミニウム0.1gお
よび上記固体触媒成分0.1gを導入した。
【0061】次に、水素/1−ブテン/エチレン分圧比
一定になるように各々オートクレーブに導入し、全圧を
20kg/cmGに保ちながら重合を開始した。90
℃で5時間重合を行い、得られた重合物から触媒分散媒
として使用したポリエチレンを分離して、メルトフロー
レート4.8g/10分、密度0.935g/cm
1−ブテン含有量4.0重量%のポリエチレン粉末2.
5kgを得た。
【0062】<回転成形実験>実施例1と同様に行い、
結果を表2に示す。
【0063】
【表2】 実施例4 実施例1での製造例にある固体触媒成分を用いて3−メ
チル−1−ブテン重合を以下のように行った。
【0064】内容積1リットルの撹拌式オートクレーブ
に500mlの精製ヘプタン、0.8gの固体触媒成
分、3.2gのトリイソブチルアルミニウムおよび0.
6gの第三ブチルメチルジメトキシシランを導入し、5
0℃で3時間反応させた。その後、精製ヘプタンで洗浄
して未反応成分を除去した。
【0065】この重合体における3−メチル−1−ブテ
ンの重合量は固体触媒成分1gあたり2.5gであっ
た。
【0066】<回転成形実験>実施例1と同様に行い、
結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
【発明の効果】本発明による特定の回転成形用ポリエチ
レン組成物が、金型コーナー部での肉廻りや内面平滑性
に優れた回転成形体を与えることは、[発明の概要]の
項において前記したところである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(X)および(Y)成分を含んでな
    り、3−メチル−1−ブテン含量が0.0001〜1重
    量%であることを特徴とする、回転成形用ポリエチレン
    組成物。 (X)エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの
    共重合体である直鎖状ポリエチレン。 (Y)ハロゲン含有マグネシウム、ハロゲン含有チタン
    および電子供与性化合物を必須成分とする固体状チタン
    触媒成分、有機アルミニウム化合物および一般式 R 3−nSi(OR (ここで、Rは分岐鎖状炭化水素基、RおよびR
    はそれぞれ分岐または直鎖状炭化水素基、nは2≦n≦
    3の数である。)で表される有機ケイ素化合物から形成
    される触媒にエチレン、3−メチル−1−ブテンおよび
    必要に応じて炭素数3〜12のα−オレフィンを接触さ
    せて、重合させることにより得られる、3−メチル−1
    −ブテン含有エチレン共重合体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012515821A (ja) * 2009-01-23 2012-07-12 エボニック オクセノ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 3置換c4−10アルケンとのポリオレフィン気相重合

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