JPH06100625A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JPH06100625A
JPH06100625A JP25020492A JP25020492A JPH06100625A JP H06100625 A JPH06100625 A JP H06100625A JP 25020492 A JP25020492 A JP 25020492A JP 25020492 A JP25020492 A JP 25020492A JP H06100625 A JPH06100625 A JP H06100625A
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JP
Japan
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vinyl chloride
chloride resin
tert
polymerization
butyl
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JP25020492A
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English (en)
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Toru Haruna
徹 春名
Masashi Harada
原田  昌史
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着色性の優れた塩化ビニル系樹脂を得ること
ができる塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供すること。 【構成】 本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法は、塩
化ビニルまたは塩化ビニルを含む単量体混合物から塩化
ビニル系樹脂を製造するに際し、下記〔化1〕の一般式
(I)で表される環状ホスファイト化合物を重合系に添
加することを特徴とする。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂の製
造方法に関し、詳しくは、塩化ビニル系樹脂を製造する
に際し、特定の環状ホスファイト化合物を重合系に添加
することを特徴とする、着色がなく、熱安定性の優れた
塩化ビニル系樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】塩化ビ
ニル系樹脂は、保存中の酸化劣化、加工時の熱劣化ある
いは使用時の熱または光劣化などの種々の要因により劣
化し、製品に着色が生じたり、その物性が損なわれると
いう欠点を有している。そのため加工時に種々の安定剤
が添加されているが、当然ながらこのような方法では加
工前の劣化を防止することはできなかった。そこで、保
存中の酸化劣化を防止するために、特開昭60−149
608号公報および特開昭63−218711号公報に
は重合時にフェノール系を主体とした酸化防止剤を添加
することが提案されている。
【0003】ところが、特にフェノール系酸化防止剤を
使用したときには、それ自体が着色しやすいために樹脂
に対しても着色を生じるという欠点を有しており、ま
た、従来のホスファイト化合物を重合系に添加してもあ
まり保存中の酸化劣化等の防止効果は認められなかっ
た。
【0004】また、特開平4−81444号公報には、
環状ホスファイト化合物を農業用塩化ビニル樹脂に添加
することが提案されているが、樹脂の重合完了後に添加
しても保存時の安定化効果が不十分なだけでなく、加工
後の安定化効果も満足できるものではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の現状
に鑑み、保存時の安定性および成型加工後の特に初期の
着色の抑制された塩化ビニル樹脂を得るために種々検討
を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂を製造するに際し、特
定の環状ホスファイト化合物を重合系に添加することに
よって、保存安定性および加工後の初期着色性に優れ、
更に熱安定性も改善された塩化ビニル系樹脂が得られる
ことを見出し、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、塩化ビニルまたは塩化ビ
ニルを含む単量体混合物から塩化ビニル系樹脂を製造す
るに際し、下記〔化2〕(〔化1〕と同じ)の一般式
(I)で表される環状ホスファイト化合物を重合系に添
加することを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法を
提供するものである。
【0007】
【化2】
【0008】以下、本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方
法について詳述する。
【0009】本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法に用
いられる環状ホスファイト化合物を表す上記一般式
(I)において、R1で示される炭素原子数1〜9のアル
キル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、
アミル、第三アミル、ヘキシル、オクチル、イソオクチ
ル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソ
ノニルなどがあげられ、R2で示される炭素原子数1〜4
のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブ
チルなどがあげられる。
【0010】また、上記一般式(I)において、R3で示
される炭素原子数1〜30の一価の基としては、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、第
三アミル、ヘキシル、オクチル、イソオクチル、2−エ
チルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、第
三ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、テトラデシ
ル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコシ
ル、テラコシル、トリアコンチルなどのアルキル基、メ
トキシエチル、ブトキシエチル、メトキシエトキシエチ
ル、ブトキシエトキシエチルなどのエーテル結合を有す
るアルキル基、フェニル、トリル、キシリル、4−第三
ブチルフェニル、4−オクチルフェニル、4−ノニルフ
ェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニルなどのアリール
基があげられ、R3で示される炭素原子数2〜20の二価
の基としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロ
パンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル
−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,10−デカンジオール、3,9−ビス(1,
1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,
10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンなどの
グリコール類から二個の水酸基を除いた残基があげられ
る。
【0011】従って、本発明の塩化ビニル系樹脂の製造
方法で用いられる上記一般式(I)で表される化合物と
しては、例えば、次の〔化3〕〜〔化10〕の化合物
(No.1化合物〜No. 8化合物)が具体例として挙げら
れる。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
【化7】
【0017】
【化8】
【0018】
【化9】
【0019】
【化10】
【0020】上記一般式(I)で表される環状ホスファ
イト化合物は、塩化ビニルまたは塩化ビニルを含む単量
体混合物100重量部に対して、好ましくは0.000
1〜5重量部、さらに好ましくは0.001〜5重量
部、特に好ましくは0.01〜1重量部が添加される。
【0021】本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法に用
いることができる塩化ビニル以外の単量体としては、例
えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−テトラデセ
ン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン
等のα−オレフィン、アクリル酸およびそのエステル
類、メタクリル酸およびそのエステル類、マレイン酸お
よびそのエステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、アルキルビニルエーテル等のビニル化合物およびこ
れらの混合物があげられる。
【0022】本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法にお
いて、塩化ビニルまたは塩化ビニルを含む単量体混合物
を重合させる方法としては、これらを水系媒体中で懸濁
重合(水性懸濁重合)または乳化重合させる方法があげ
られる。
【0023】上記の水性懸濁重合法または乳化重合法に
より塩化ビニルまたは塩化ビニルを含む単量体混合物を
重合させる場合、単量体と水との割合は一般に単量体1
00重量部に対し水80〜300重量部であり、また重
合温度は通常35〜70℃である。
【0024】また、上記の水性懸濁重合法または乳化重
合法で使用できる重合開始剤としては、例えば、ジイソ
プロピルパーオキシジカーボネート、ジオクチルパーオ
キシジカーボネート、ジラウリルパーオキシジカーボネ
ート、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジ第三ブチ
ルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチ
ル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−メトキシプロ
ピル)パーオキシジカーボネート、ジベンジルパーオキ
シジカーボネート、ジシクロヘキシルパーオキシジカー
ボネート、ジ第三ブチルシクロヘキシルパーオキシジカ
ーボネート等のパーオキシジカーボネート、2,2’−
アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’
−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル等のアゾ化合物、第三ブチルパーオキシネオデカ
ネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、第三ブ
チルパーオキシピバレート、α−クミルパーオキシピバ
レート、アミルパーオキシピバレート、ジ第三ブチルオ
ギザレート、イソブチリルパーオキサイド等のパーオキ
サイド類があげられ、これらは重合反応速度を均一化す
るために組み合わせて使用してもよい。
【0025】上記水性懸濁重合法で使用される分散剤と
しては、例えば、ポリビニルアルコール、セルローズ誘
導体、無水マレイン酸−スチレン共重合体、無水マレイ
ン酸−メチルビニルエーテル共重合体、ゼラチン等があ
げられる。
【0026】上記乳化重合法で使用される乳化剤として
は、通常ペーストレジンの重合に用いられるものなら問
題なく使用でき、例示するならば、アルキルスルホン酸
塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルアルコール
硫酸エステル塩、脂肪酸塩、ジアルキルスルホコハク酸
塩のようなアニオン系界面活性剤があげられる。これら
の乳化剤は組み合わせて使用することができる。
【0027】上記乳化重合法においては、上記アニオン
系界面活性剤の他に、乳化助剤が用いられ、高級脂肪酸
のグリセリンエステル、グリコールエステルまたはソル
ビタンエステル、高級アルコール縮合物、高級脂肪酸縮
合物、ポロプロピレン縮合物などのノニオン系界面活性
剤、セチルアルコールおよびラウリルアルコールなどの
高級アルコール類、ラウリル酸およびステアリン酸など
の高級脂肪酸およびそのエステルなどが使用することが
できる。
【0028】上記乳化重合法においては、芳香族炭化水
素、高級脂肪族炭化水素、塩素化パラフィンのようなハ
ロゲン化炭化水素、重炭酸ナトリウム、アンモニア等の
pH調整剤、連鎖移動剤等の通常の重合助剤を併用する
ことができる。
【0029】上記乳化重合法においては、乳化剤、重合
開始剤、水、単量体、及び必要に応じてその他重合助剤
を重合反応に先立って予備混練し、しかる後高剪断力を
適用して均質化する。この均質化は公知の均質化方法、
例えば、一段または二段加圧高圧ポンプ、コロイドミ
ル、ホモミキサー、ノズルまたはオリフィスよりの高圧
噴出および超音波などを用いる方法により行なうことが
できる。
【0030】また本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法
においては、上記一般式(I)で表される環状ホスファ
イト化合物とともに通常知られている酸化防止剤などを
併用することができる。併用できる酸化防止剤として
は、フェノール系、アミン系、硫黄系、ホスファイト系
酸化防止剤などがあげられる。
【0031】上記フェノール系酸化防止剤としては、例
えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6
−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、ジ
ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)ホスホネート、ステアリル−β−(3,5−ジ
第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾ
ール) 、2−オクチルチオ−4,6−ジ (3,5−ジヒ
ドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2’2’−メ
チレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三
ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕
グリコールエステル:4,4’−ブチリデンビス(6−
第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデン
ビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−
エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェ
ノール) 、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ア
クリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジ
ル)フェノール、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−
6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベ
ンジル)フェニル〕テレフタレート、ヘキサメチレンビ
ス〔β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕、チオジエチレンビス〔β−
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕、3,6−ジオキサオクタンビス〔β−
(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオネート〕、N,N’−ビス〔β−(3,5
−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル〕ヘキサメチレンジアミン、3,9−ビス〔1,1−
ジメチル−2−{β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチ
ル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.
5〕ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,
3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−
4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,
5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス〔β−
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、1,3,
5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、テトラキ
ス〔メチレン−β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕メタンなどがあげら
れる。
【0032】上記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、
チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ジス
テアリルエステルなどのジアルキルチオジプロピオネー
ト類、ペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメル
カプトプロピオネート)などのポリオールのβ−アルキ
ルメルカプトプロピオン酸エステル類および3,9−ビ
ス(β−ドデシルメルカプトエチル)−2,4,8,1
0−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカンなどのス
ピロ化合物があげられる。
【0033】上記ホスファイト系酸化防止剤としては、
例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス
(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−
ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホス
ファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジデシル
モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、ジ (ノニルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12〜C
15アルキル)−ビスフェノールAジホスファイトなどが
あげられる。
【0034】本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法は、
上記一般式(I)で表されるホスファイト化合物を重合
系に添加する方法であるが、その添加方法としては特に
限定されるものではなく、例えば、微粉末としてそのま
ま添加する方法、乳化剤、懸濁剤とともに分散液中に粉
末として添加する方法、予め溶剤等に溶解させたり、エ
マルジョンとして添加する方法などがあげられる。
【0035】また、上記一般式(I)で表される環状ホ
スファイト化合物の添加時期は、重合前、重合中あるい
は重合後等、塩化ビニル系樹脂を重合系から回収する脱
水乾燥工程前の段階であれば、任意の段階で添加するこ
とができる。
【0036】
【実施例】次に実施例によって本発明組成物の安定化効
果を具体的に示す。しかしながら本発明は、次にあげら
れた実施例によって限定されるものではない。
【0037】〔実施例1〕試験化合物(〔表1〕参照)
50重量部、脱イオン水48重量部、ソルビット・モノ
ラウレート2重量部を攪拌層にとり、ホモジナイザーに
より均質化し、重合用の乳濁液を得た。
【0038】内容積7m3 の重合機に、水2250k
g、けん化度80モル%で平均重合度2000の部分け
ん化ポリビニルアルコール1.8kg、ジオクチルパー
オキシジカーボネート0.45kg、α−クミルパーオ
キシネオデカノエート0.86kgを装入し、内部の空
気を真空ポンプで排除した後、塩化ビニル2250kg
を装入した。重合温度50.5℃に設定し、反応を進行
せしめ、内部の圧力が5kg/cm2 Gに達したところ
で、上記乳濁液1.5kgをミルフローポンプを用い重
合機内に圧入し、攪拌したのち、未反応単量体を回収
し、次いで重合体のスラリーを排出し、脱水乾燥後、塩
化ビニル樹脂を取得し、以下の試験に用いた。
【0039】得られた塩化ビニル樹脂(粉体)をフェロ
板上に2mm厚に敷き、150℃のオーブン中に10分
間入れた後、その着色性を評価した。
【0040】また、得られた塩化ビニル樹脂100重量
部に対し、ジオクチルフタレート50重量部、エポキシ
化大豆油2重量部、ステアリン酸バリウム1.0重量
部、ステアリン酸亜鉛1.0重量部を加え、ビーカー中
でよく攪拌した後、らいかい機で10分間混練し、18
0℃、30回転、5分間でロール上げし、180℃、1
00kg/cm2 でプレスして1mmのシートを得た。
そのシートの初期着色性を評価し、それを更に180℃
のギヤーオーブン中に入れ、15分後および30分後の
着色を評価した(表中には「プレスシートの着色性」と
して示す)。
【0041】着色性の評価はいずれも目視によるもの
で、10段階で1は全く着色のない状態を示し、数値が
大きくなるに従って着色が大きいことを示す。
【0042】その結果を下記〔表1〕に示す。
【0043】
【表1】
【0044】〔実施例2〕内容積300ccのビーカー
に脱イオン水210g、けん化度79.5%、平均重合
度2550のポリビニルアルコール15g、試験化合物
(〔表2〕参照)25gを投入し、均一に分散して分散
液を得た。
【0045】内容積100リットルのステンレス製重合
缶に脱イオン水60kg、部分けん化ポリビニルアルコ
ール25g、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカー
ボネート15gを仕込んだ。缶内を40mmHgになる
まで脱気した後、塩化ビニル単量体を30kg仕込み、
攪拌しながら57℃まで昇温し、この温度に保持したま
ま重合反応を行なわせた。缶内圧が6.5kg/cm2
Gに達した時点で、上記分散液150gをポンプで圧入
した。その後未反応単量体を回収しながら、80℃で3
0分保った後冷却した。得られた重合体スラリーを脱
水、乾燥して、塩化ビニル樹脂を取得し、以下の試験に
用いた。
【0046】上記塩化ビニル樹脂100重量部に対し、
ジオクチルフタレート50重量部、エポキシ化大豆油2
重量部、ステアリン酸バリウム1.0重量部、ステアリ
ン酸亜鉛1.0重量部を加え、ビーカー中でよく攪拌し
た後、180℃、30回転でロール混練し、5分後、1
5分後、30分後および45分後でサンプリングし、経
時の着色を観察した(表中には「加工時の着色の経時変
化」として示す)。評価は実施例1と同様に10段階で
行なった。
【0047】その結果を下記〔表2〕に示す。
【0048】
【表2】
【0049】上記〔表1〕及び〔表2〕に示したよう
に、塩化ビニル系樹脂を製造するに際し、重合系にフェ
ノール系酸化防止剤を添加した場合には、粉体として貯
蔵した際に熱による着色が大きく、塩化ビニル系樹脂を
成型加工した場合、成型品の初期着色性が悪いだけでな
く、成型品の熱による着色も大きく、また上記一般式
(I)で表される以外のホスファイト系酸化防止剤を添
加した場合には、その効果が殆ど認められない。
【0050】また、塩化ビニル系樹脂に、配合剤として
上記一般式(I)で表されるホスファイト化合物を加え
た場合にも着色の改良効果は不充分である。
【0051】これに対して、塩化ビニル系樹脂を製造す
るに際し、重合系に上記一般式(I)で表されるホスフ
ァイト化合物を添加した場合には、上記欠点が全て改良
され、着色性の優れた塩化ビニル系樹脂が得られたこと
がわかった。
【0052】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法に
よれば、着色性の優れた塩化ビニル系樹脂を得ることが
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニルまたは塩化ビニルを含む単量
    体混合物から塩化ビニル系樹脂を製造するに際し、下記
    〔化1〕の一般式(I)で表される環状ホスファイト化
    合物を重合系に添加することを特徴とする塩化ビニル系
    樹脂の製造方法。 【化1】
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002294089A (ja) * 2001-04-02 2002-10-09 Asahi Denka Kogyo Kk 硬質塩素含有樹脂組成物
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