JP3437022B2 - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JP3437022B2
JP3437022B2 JP29478795A JP29478795A JP3437022B2 JP 3437022 B2 JP3437022 B2 JP 3437022B2 JP 29478795 A JP29478795 A JP 29478795A JP 29478795 A JP29478795 A JP 29478795A JP 3437022 B2 JP3437022 B2 JP 3437022B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F14/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen
    • C08F14/02Monomers containing chlorine
    • C08F14/04Monomers containing two carbon atoms
    • C08F14/06Vinyl chloride

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嵩比重が大きい塩
化ビニル系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体は、物理的性質に優
れた樹脂であり、硬質塩化ビニル又は軟質塩化ビニルと
して広く利用されている。また、近年では、硬質塩化ビ
ニルを押出成形する場合に、ポリ塩化ビニル製品の生産
性を高めるために押出成形機における押出量を増大する
ことができる嵩比重の高い塩化ビニル系重合体が要望さ
れている。従来、嵩比重が大きい塩化ビニル系重合体を
得ることを目的とした懸濁重合法としては、例えば、単
量体を重合の途中で追加する方法(特開昭59-168008 号
公報参照)、高ケン化度ポリビニルアルコールを懸濁剤
として使用する方法(特開昭57−7600号公報、特開平4-
323204号公報、特公平1-27088 号公報等参照)、懸濁剤
を重合の途中で追加する方法(特開平3- 70703号公報、
特開平5-39309 号公報等参照)等が知られている。しか
し、これらの方法は、重合体の嵩比重をある程度大きく
することができるものの、その反面、得られる重合体の
ゲル化速度が遅くなったり、重合体から得た成形品にフ
ィッシュアイが増加するという問題がある。また特に、
得られた重合体に各種添加剤を配合した成形品製造用コ
ンパウンドにCa−Zn系安定剤等の所謂無毒安定剤を
添加した場合には、コンパウンドの嵩比重がさほど大き
くならず、また成形機による押出量も増加しないという
問題がある。さらに、このような無毒安定剤は重合体に
対する安定化作用が弱いため、得られた重合体の製品
(成形品)の熱安定性や初期着色性等が不十分であると
いう問題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、嵩比
重が大きく、かつゲル化が速い塩化ビニル系重合体であ
って、フィッシュアイや単量体の残留量が少ない成形品
を製造することができ、特に、Ca−Zn系安定剤等を
用いる場合であっても、コンパウンドの嵩比重が大き
く、さらには熱安定性や初期着色性に優れた成形品を得
ることができる塩化ビニル系重合体の製造方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル単
量体又は塩化ビニル単量体を含む単量体混合物を水性媒
体中で油溶性重合開始剤を用いて懸濁剤の存在下に懸濁
重合を行う塩化ビニル系重合体の製造方法において、
(A)平均重合度1500〜2700、ケン化度75〜85モル%の
部分ケン化ポリビニルアルコール、(B)メトキシ置換
度26〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ置換度4〜15重
量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースであって、
その2重量%水溶液の20℃における粘度が5〜 4000 cP
のもの、及び(C)平均重合度1500〜4000、ケン化度90
〜98モル%の部分ケン化ポリビニルアルコールからなる
懸濁剤の存在下に前記単量体の重合を開始した後、重合
転化率が5〜60%に達した時点で、(D)平均重合度15
00〜4000、ケン化度75〜98モル%の部分ケン化ポリビニ
ルアルコールを懸濁剤としてさらに追加して重合を行う
製造方法であって、多価アルコールの脂肪酸エステルを
重合開始前の重合器内容物、重合中の重合器内容物及び
得られた重合体のうち少なくとも1つに添加することを
特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の製造方法は、先ず、第一懸濁剤の存在下に
単量体の重合を開始する。第一懸濁剤は、下記(A)成
分、(B)成分及び(C)成分からなる。
【0006】第一懸濁剤 (A)成分は、平均重合度が1500〜2700であり、ケン化
度が75〜85モル%の部分ケン化ポリビニルアルコールで
ある。この平均重合度やケン化度が小さすぎると懸濁系
が不安定となり、得られる重合体が粗粒化したり、重合
缶内にスケールが付着したりする。これとは逆に平均重
合度やケン化度が大きすぎると、得られた重合体を成形
した場合に、成形品に発生するフィシュアイの量が増加
する。
【0007】(B)成分は、メトキシ置換度が26〜30重
量%であり、ヒドロキシプロポキシ置換度4〜15重量%
のヒドロキシプロピルメチルセルロースであって、その
2重量%水溶液の20℃における粘度が5〜 4000 cPのも
のである。このメトキシ置換度やヒドロキシプロポキシ
置換度が小さすぎると、成形品に発生するフィシュアイ
の量が増加する。これとは逆にメトキシ置換度やヒドロ
キシプロポキシ置換度が大きすぎると、得られる重合体
粒子の粒度分布がブロードとなるという不都合を生じ
る。また、前記粘度が高すぎると成形品にフィッシュア
イが増加するという不都合を生じる。
【0008】(A)成分及び(B)成分の使用量は、
(A)成分及び(B)成分の合計量で、単量体の使用量
100 重量部当たり、0.03〜0.1 重量部が好ましく、さら
に好ましくは0.03〜0.06重量部である。また、(A)成
分/(B)成分の重量比は、6/4〜9/1が好まし
く、さらに好ましくは7/3〜9/1である。この
(A)成分/(B)成分の比が大きすぎると、成形品中
のフィッシュアイや単量体の残留量が多くなる場合があ
り、また得られる重合体が粗粒化し、篩上品が多くなる
場合がある。これとは逆にこの比が小さすぎると、重合
体の嵩比重が小さくなる場合がある。
【0009】(C)成分は、平均重合度1500〜4000、ケ
ン化度90〜98モル%の部分ケン化ポリビニルアルコール
である。平均重合度やケン化度が小さすぎたり、大きす
ぎると重合体の嵩比重が低下したり、篩上品が増えて成
形品のフィッシュアイが増加する。
【0010】(C)成分の使用量は、単量体の使用量10
0 重量部当たり、0.002 〜0.1 重量部が好ましく、さら
に好ましくは0.005 〜0.08重量部である。この使用量が
少なすぎると重合体の嵩比重が小さくなる場合がある。
これとは逆に多すぎると成形品中のフィッシュアイや単
量体の残留量が多くなる場合がある。
【0011】 本発明の製造方法は、このような第一
懸濁剤の存在下に単量体の重合を開始した後、重合転化
率が5〜60%、好ましくは30〜60%に達した時点で、重
合系にさらに第二懸濁剤を追加して単量体の重合を継続
する。なお、重合転化率が5%に達しないうちに、第二
懸濁剤を重合系に添加すると、得られる重合体の粒径が
微細になり好ましくない。また、重合転化率が60%を超
えてから第二懸濁剤を重合系に添加すると、重合体の嵩
比重が小さくなる。尚、重合添加率は、重合を開始して
からの経過時間を測定することにより算出することがで
きる。
【0012】第二懸濁剤 本発明に用いる第二懸濁剤は、平均重合度が1500〜4000
であり、ケン化度が75〜98モル%の部分ケン化ポリビニ
ルアルコールである。この平均重合度やケン化度が小さ
すぎたり、大きすぎると嵩比重を増大させる効果がなく
なる。
【0013】第二懸濁剤の使用量は、単量体の使用量10
0 重量部当たり、0.002 〜0.1 重量部が好ましく、さら
に好ましくは0.005 〜0.1 重量部である。この使用量が
少なすぎると嵩比重が増大しない場合がある。これとは
逆に多すぎると重合器内容物の泡立ちにより、重合器内
壁等にスケールが付着したり、得られた重合体の成形品
のフィッシュアイが増加する場合がある。なお、第二懸
濁剤としては、前記(A)成分及び(C)成分から1種
以上を選択して使用することもできる。
【0014】 本発明の製造方法は、このように第一
懸濁剤及び第二懸濁剤を使用して単量体の重合を行う製
造方法であって、多価アルコールの脂肪酸エステルを重
合開始前の重合器内容物、重合中の重合器内容物及び得
られた重合体のうち少なくとも1つに添加するものであ
る。本発明に用いる該エステルは、多価アルコールの水
酸基の一部又は全部を脂肪酸でエステル化したものであ
る。
【0015】前記の多価アルコールとしては、例えば、
エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,4-
ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、リシノ
レイルアルコール、エリスリトール、マンニトール、ソ
ルビトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン、2-ヒドロキシメチル-3- メチルブ
タン-1,3- ジオール、3-メチルペンタン-1,3,5- トリオ
ール、トリス(2- ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト、ヘキサン-1,2,6- トリオール、2-ヒドロキシメチル
-2- メチルブタン -1,3-ジオール、2,4-ジメチル-3- ヒ
ドロキシメチルペンタン-2,4- ジオール、ペンタエリス
ルトール、ジグリセン、ジトリメチロールエタン、ジト
リメチロールプロパン、2,2,6,6-テトラメチロールシク
ロヘキサノール、ジペンタエリスリトール、イノシトー
ル等が挙げられる。前記の脂肪酸としては、例えば、カ
プロン酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、2-エチルヘキシ
ル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ウンデシレン酸、
リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、ネオデカン
酸、イソステアリン酸、12- ヒドロキシステアリン酸、
12- ケトステアリン酸、クロロステアリン酸、フェニル
ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ブラ
ンジン酸、獣脂脂肪酸、やし油脂肪酸、桐油脂肪酸、大
豆油脂肪酸、綿実油脂肪酸、安息香酸、トルイル酸、サ
リチル酸、p−tert−ブチル安息香酸、5−t−オクチ
ルサリチル酸、ナフテン酸、キシリル酸、エチル安息香
酸、イソプロピル安息香酸、ジ−t−ブチル安息香酸、
ブロモ安息香酸、アジピン酸等が挙げられる。特に代表
的な多価アルコールの脂肪酸エステルとしては、例え
ば、ペンタエリスリトールモノステアレート、ジペンタ
エリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトール
モノミリステート、ジペンタエリスリトールジアジペー
ト、ペンタエリスリトールモノアジペート等が挙げられ
る。
【0016】該エステルを添加する対象は、重合開始前
の重合器内容物、重合中の重合器内容物及び得られた重
合体のうち少なくとも1つである。ここで重合開始前の
重合器内容物に該エステルを添加するとは、少なくとも
該エステルの存在下に単量体の重合を開始できるように
該エステルを添加する意味であり、重合器内に該エステ
ルを最初に投入する場合を含む。即ち、少なくとも成形
直前の重合体に該エステルが含まれているように添加す
る。従って、該エステルは、例えば、重合開始前に重合
容器内に水性媒体、第一懸濁剤等と共に投入してもよい
し、重合中に第二懸濁剤と共に重合容器内に投入しても
よいし、重合終了後のスラリー、脱水後のケーキ、乾燥
後の重合体、成形直前の重合体等に該エステルを添加し
てもよい。
【0017】このように多価アルコールの脂肪酸エステ
ルを添加することにより、嵩比重の大きい塩化ビニル重
合体を得ることができる。添加する該エステルとして
は、重合開始前の重合器内容物やスラリーに添加するの
であれば該エステルの粉末を使用することもできるが、
通常、該エステルを水又は溶媒に溶解した溶液、或いは
分散した分散液を使用するのが好ましい。多価アルコー
ルの脂肪酸エステルの使用量は、得られる重合体100 重
量部に当たり、0.005 〜0.5 重量部が好ましい。この使
用量が少なすぎると、安定剤としてCa−Zn系の無毒
安定剤を用いた場合に、得られる重合体のゲル化速度並
びに初期着色性及び熱安定性が低下する場合がある。ま
た、多すぎても増加分に見合う効果の増大が認められな
いので経済的ではない。
【0018】 本発明の製造方法は、前記のように第
一懸濁剤及び第二懸濁剤並びに多価アルコールの脂肪酸
エステルを使用して重合を行う以外は、通常行われてい
る塩化ビニル系重合体の製造方法と同様の条件で行うこ
とができる。即ち、単量体、油溶性重合開始剤及び水性
媒体等の重合器への仕込みは、従来と同様にして行えば
よい。
【0019】単量体 本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法に用いる単量体
は、上記の通り、塩化ビニル単量体のほか、塩化ビニル
単量体を主体とするこれと共重合可能なビニル系単量体
(コモノマー)との混合物(塩化ビニルが50重量%以
上)であってもよい。上記コモノマーとしては、例え
ば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル
酸エステル又はメタアクリル酸エステル;エチレン、プ
ロピレン等のオレフィン;ラウリルビニルエーテル、イ
ソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;無水マレ
イン酸;アクリロニトリル;スチレン;塩化ビニリデ
ン;その他塩化ビニルと共重合可能な単量体などが挙げ
られ、これらは1種単独で又は2種以上の組合せで用い
られる。
【0020】油溶性重合開始剤 本発明に用いる油溶性重合開始剤としては、例えば、ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチ
ルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチ
ルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート化合
物;t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミル
パーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオ
デカネート、3-ヒドロキシ-1,1- ジメチルブチルパーオ
キシネオデカネート、(α,α’−ビスネオデカノイル
パーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1-シクロヘキシ
ル-1- メチルエチルパーオキシネオデカネート、2,4,4-
トリメチルペンチル-2- パーオキシネオデカネート等の
パーエステル化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニ
ルパーオキシド、2,4,4 −トリメチルペンチル−2−パ
ーオキシフェノキシアセテート等の過酸化物;アゾビス
−2,4 −ジメチルバレロニトリル、アゾビス−(4−メ
トキシ−2,4 −ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合
物;さらには過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過
酸化水素等があり、これらは一種単独で又は2種以上組
み合せて使用することも可能である。
【0021】油溶性重合開始剤の使用量は、前記単量体
100 重量部当り、好ましくは0.03〜5.0 重量部、さらに
好ましくは0.04〜1.5 重量部である。
【0022】水性媒体 前記水性媒体としては、例えば脱イオン水を挙げること
ができ、水性媒体の使用量は、前記単量体100 重量部当
り80〜150 重量部程度でよく、重合の途中で該水性媒体
を追加してもよい。
【0023】その他の添加剤 本発明の塩化ビニル系重合体の製造方法においては、さ
らに必要に応じて、塩化ビニル系重合体の製造に適宜使
用される重合度調整剤、連鎖移動剤、pH調整剤、ゲル化
改良剤、帯電防止剤、架橋剤、充てん剤、酸化防止剤、
緩衝剤、スケール防止剤等を添加することもできる。ま
た少量の界面活性剤を添加することもできる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。実施例1〜3及び比較例1〜5 攪拌機及びジャッケット付きの内容積2000リットルのス
テンレス製重合器に、脱イオン水900kg 並びに表1〜3
[表1には実施例1〜3を示し、表2には、比較例1〜
3を示し、表3には、比較例4〜5を示す。以下、同
じ。]に示す種類及び量の懸濁剤(表中、「重合開始前
に添加する懸濁剤」と称する)を仕込んだ。次いで、重
合器内圧が50mmHgになるまで排気した後、塩化ビニル単
量体700kgを仕込んだ。そして、重合器内容物を攪拌機
で攪拌しながら、重合器内にt−ブチルネオデカネート
350 g及びα−クミルネオデカネート105 gを圧入し、
同時にジャケットに熱水を通じて重合器内容物を57℃ま
で昇温した。その後、内容物の温度を57℃に保ちながら
攪拌下に重合反応を行った。次に、重合転化率が表1〜
3に示す値に達した時点で表1〜3に示す種類及び量の
懸濁剤(表中、「重合途中に添加する懸濁剤」と称す
る)を重合器内に圧入し、重合反応を継続した。
【0025】次に、重合器内圧が6.0 kg/cm2 (ゲージ
圧)に降下した時点で重合反応を停止し、未反応単量体
を回収した後、塩化ビニル重合体をスラリー状で重合器
外に抜き出した。そして、抜き出した塩化ビニル重合体
を、棚段式の脱モノマー塔に通して、スチームと向流接
触させ、脱モノマー塔の中間位置における重合体の温度
が90℃となるような条件で2分間加熱処理した。
【0026】次に、加熱処理した塩化ビニル重合体に、
表1〜3に示す種類及び量の多価アルコールの脂肪酸エ
ステルを添加した後、遠心分離器で脱水した。次に、得
られた脱水ケーキをバッチ式流動乾燥器を使用して70℃
で3時間乾燥した。このようにして得られた重合体につ
いて、下記の嵩比重、粒度分布、フィッシュアイ、残留
単量体、初着着色性、熱安定性及びゲル化速度を測定し
た。結果を表1〜3に示す。
【0027】嵩比重 JIS K 6721に規定する方法に準拠して測定した。
【0028】粒度分布 JIS Z 8801に準拠して#60、#80、#100 、#150 及び
#200 の各篩を使用して篩分けし、篩上の残留量と通過
量を計量し、通過量を重量%で表した。
【0029】フィッシュアイ 得られた重合体100 g、三塩基性硫酸鉛0.5 g、ステア
リン酸鉛2.5 g、ステアリン酸バリウム0.7 g、酸化チ
タン0.1 g及びカーボンブラック0.035 gを混合してコ
ンパウンドを得た。このコンパウンドを6インチロール
を用いて160 ℃で7分間混練した後、幅15cm×厚さ0.5m
m のシートに成形した。得られたシート全表面に現れた
透明粒子の個数を計数した。
【0030】残留単量体 得られた重合体の一定量をテトラヒドロフランに溶解し
てガスクロマトグラフにより重合体中の単量体含有量を
定量した。残留単量体は乾燥した重合体(重量)当たり
のppm で表わした。
【0031】初着着色性 得られた重合体100 gに、Ca−Zn系ワンパック安定
剤3gを加え、6インチロールを用いて180 ℃で5分間
混練した後、厚さ0.8mm のシートに成形した。得られた
シートを8枚重ねにし、これを180 ℃で5分間プレスす
ることにより35mm(縦)×35mm(横)×5mm(厚み)の
成形品を得た。得られた成形品の着色の程度を下記の基
準で初期着色性を評価した。
【0032】(評価基準) A:良好である。 B:やや劣る(少し黄色味を帯びている)。 C:悪い(黄色味が強く、暗色がかっている)。
【0033】熱安定性 前記の初期着色性の評価試験に使用した厚さ0.8mm のシ
ートを、190 ℃のギヤーオーブンに吊るし、完全黒化す
るまでの時間(分)を測定した。
【0034】ゲル化速度 得られた重合体100 重量部にCa−Zn系ワンパック安
定剤3重量部を混合したコンパウンド67gを、ブラベン
ダープラストグラフ(50型ニーダー、ジャケット温度20
0 ℃ローター50rpm )に投入して攪拌し、投入時から、
ブラベンダープラストグラフの攪拌トルクが最大に達し
た時点までの時間(分)を測定した。
【0035】
【表1】 表1中、懸濁剤Aは、ケン化度80.2モル%、平均重合度
2600の部分ケン化ポリビニルアルコールである。懸濁剤
Bは、メトキシ置換度29.2重量%、ヒドロキシプロポキ
シ置換度8.9 重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースであって、その2重量%水溶液の粘度(20℃)が4
9.5cPであるものである。懸濁剤Cは、ケン化度97.0モ
ル%、平均重合度2100の部分ケン化ポリビニルアルコー
ルである。懸濁剤Dは、ケン化度95.0モル%、平均重合
度3300の部分ケン化ポリビニルアルコールである。
【0036】
【表2】 表2中、懸濁剤A、懸濁剤B及び懸濁剤Cは、表1と同
じである。懸濁剤Eは、ケン化度88.0モル%、平均重合
度2500の部分ケン化ポリビニルアルコールである。
【0037】
【表3】 表3中、懸濁剤A、懸濁剤B、懸濁剤C及び懸濁剤E
は、表2と同じである。
【0038】実施例4 実施例1において、使用したペンタエリスリトールモノ
ステアレート0.05重量部(重合体100 重量部当たり)
を、加熱処理した塩化ビニル重合体に添加しないで、そ
の代わり、重合開始前に添加する懸濁剤と共に、ペンタ
エリスリトールモノステアレート0.05重量部(重合体10
0 重量部当たり)相当量を重合器に仕込んだ以外は、実
施例1と同様にして重合を行った。そして重合終了後、
得られた塩化ビニル重合体をスラリー状で重合器外に抜
き出し、実施例1と同様にして脱モノマー塔で加熱処理
した。このようにして得られた重合体について、実施例
1と同様にして嵩比重、粒度分布、フィッシュアイ、残
留単量体、初着着色性、熱安定性及びゲル化速度を測定
した。結果を表4に示す。
【0039】
【表4】 表4中、懸濁剤A、懸濁剤B及び懸濁剤Cは、表1と同
じである。
【0040】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、得られる塩
化ビニル系重合体の嵩比重が大きいため、硬質塩化ビニ
ルを押出成形する場合であっても、押出成形機における
押出量を増大することができ、ポリ塩化ビニル製品の生
産性を高めることができる。また、得られる重合体のゲ
ル化が速く、しかもフィッシュアイや単量体の残留量が
極めて少ない成形品を得ることができる。また、Ca−
Zn系安定剤等の無毒安定剤を使用する場合であって
も、コンパウンドの嵩比重が十分に大きく、熱安定性や
初期着色性に優れたポリ塩化ビニル製品を得ることがで
きる。従って、本発明の製造方法は、特に、Ca−Zn
系安定剤等の無毒安定剤を使用した硬質塩化ビニルを押
出成形する場合に用いる塩化ビニル系重合体を製造する
のに適する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−340714(JP,A) 特開 平6−298811(JP,A) 特開 平5−39310(JP,A) 特開 平5−39309(JP,A) 特開 昭54−163984(JP,A) 特開 昭54−28381(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60,14/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体又は塩化ビニル単量体
    を含む単量体混合物を水性媒体中で油溶性重合開始剤を
    用いて懸濁剤の存在下に懸濁重合を行う塩化ビニル系重
    合体の製造方法において、 (A)平均重合度1500〜2700、ケン化度75〜85モル%の
    部分ケン化ポリビニルアルコール、 (B)メトキシ置換度26〜30重量%、ヒドロキシプロポ
    キシ置換度4〜15重量%のヒドロキシプロピルメチルセ
    ルロースであって、その2重量%水溶液の20℃における
    粘度が5〜 4000 cPのもの、及び (C)平均重合度1500〜4000、ケン化度90〜98モル%の
    部分ケン化ポリビニルアルコールからなる懸濁剤の存在
    下に前記単量体の重合を開始した後、重合転化率が5〜
    60%に達した時点で、 (D)平均重合度1500〜4000、ケン化度75〜98モル%の
    部分ケン化ポリビニルアルコールを懸濁剤としてさらに
    追加して重合を行う製造方法であって、多価アルコール
    の脂肪酸エステルを重合開始前の重合器内容物、重合中
    の重合器内容物及び得られた重合体のうち少なくとも1
    つに添加することを特徴とする塩化ビニル系重合体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記(A)成分、(B)成分、(C)成
    分及び(D)成分の使用量が下記(i) 〜(iii) のとおり
    である請求項1に記載の塩化ビニル系重合体の製造方
    法。 (i) (A)成分/(B)成分が重量比で9/1〜6/4
    であって、(A)成分と(B)成分の合計量が単量体の
    使用量100 重量部当たり、0.03〜0.1 重量部。 (ii) (C)成分が単量体の使用量100 重量部当たり、
    0.002 〜0.1 重量部。 (iii) (D)成分が単量体の使用量100 重量部当たり、
    0.002 〜0.1 重量部。
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