JPH0599262A - 自己伸縮型マウント - Google Patents

自己伸縮型マウント

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Publication number
JPH0599262A
JPH0599262A JP29063991A JP29063991A JPH0599262A JP H0599262 A JPH0599262 A JP H0599262A JP 29063991 A JP29063991 A JP 29063991A JP 29063991 A JP29063991 A JP 29063991A JP H0599262 A JPH0599262 A JP H0599262A
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JP
Japan
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liquid chamber
vibration
liquid
main liquid
casing
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Pending
Application number
JP29063991A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Kobayashi
利彰 小林
Koji Okazaki
幸治 岡崎
Masaki Kamiyama
雅樹 上山
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE69210529T priority patent/DE69210529T2/de
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  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 振幅の大きい振動源の低周波振動を正確に且
つ十分に制御可能な自己伸縮型マウントを提供するこ
と。 【構成】 パワーユニット側2に固定された弾性ゴム3
と車体側4に固定されたケーシング5との間に画成され
た主液室6と、主液室6内の液体圧力を変化させる液圧
変化手段7とを備える。液圧変化手段7は、ケーシング
5のシリンダ5a内に、その軸方向に変位自在な金属ベ
ローズ71と、ベローズ71を駆動するボイスコイル・
モータ70とを有する。モータ70は、永久磁石75
と、その磁界内でシリンダ5aの軸方向に変位可能で且
つ制御電流が入力されるコイル77が外周に巻かれた駆
動子76と、ロッド78とから成る。駆動子76の振動
変位がロッド78によりベローズ71に伝達され、ベロ
ーズ71がシリンダ5a内でその軸方向に伸縮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体が充填された液室
を有し、エンジン等の振動源の振動に応じて液室内の液
体圧力を変化させることにより、振動源側に固定された
弾性体が伸縮して振動源の振動が車体等の基台に伝達さ
れるのを防止する自己伸縮型マウントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような自己伸縮型マウント、
いわゆるアクティブマウントとしては、例えば、特開昭
60-8540号公報、米国特許第4,638,983号公報に開示され
たものがある。
【0003】前者の技術は、振動体と被振動体との間に
流体が充填されて振動体の振動により拡縮する流体室を
画成し、該流体室内の流体に前記振動により生じる脈動
と逆位相の脈動を脈圧発生手段により付与して、前記振
動の伝達を防止する防振装置において、前記脈圧発生手
段は、磁性材から成る略平板形状を有して前記流体室を
画成する画壁の一部を構成し、その振動により前記流体
室内の流体に脈動を発生可能な振動子と、該振動子を加
振して該振動子に振動を発生させるソレノイドとを備え
ているものである。このものでは、平板形状の振動子
が、ソレノイドにより加振されて上下方向に振動するこ
とにより、流体室内の流体にエンジン振動により生じる
脈動と逆位相の脈動を発生させ、これによってエンジン
の振動が車体に伝達されるのが防止される。
【0004】また、後者の技術は、振動体を弾性的に支
持する装置で、液体が充填された液室を含む弾性部材を
介して連結された支持ブラケット及び受け台と、振動に
よって生じる液体内の圧力変化を位置調節により調整す
るように設けられた位置決め部材に組み合せられた調整
板とを有するものにおいて、調整板は、液室に臨んでお
り、位置決め部材は、振動体の振動を検出する一次エレ
メントによって駆動されるようにされており、且つ一次
エレメントと位置決め部材は自由にプログラムできる制
御ユニットを介して連結されているものである。この従
来技術では、例えば、エンジンの下方への動きにより液
室内の液体が圧縮されるときは、前記調整板が上方へ変
位することにより、エンジンの振動が車体に伝達される
のが防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記従来
技術は、いずれも、平板形状の振動子又は調整板を液室
内で振動変位させて液室内の液体圧力を変化させ、これ
によって、液室を形成し且つエンジン側に固定された弾
性体が伸縮してエンジンの振動が車体に伝達されるのを
防止するものである。
【0006】ところが、上記前者の従来技術では、平板
形状の振動子は、その両端部に対向して配置されたソレ
ノイド間の間隙内で往復変位する構造であり、ソレノイ
ドの出力即ち振動子を加振する駆動力は前記間隙の距離
の2乗に反比例するので、前記間隙の距離を大きくして
振動子の変位を大きくすることができない。すなわち、
前記流体室内の流体圧力を大きな振幅で変化させること
ができず、その結果エンジン側に固定された弾性体を大
きな振幅で伸縮させることができない。従って、この従
来技術では、振幅の大きいエンジンの低周波振動を正確
に且つ十分に制御することができないという問題点があ
る。
【0007】また、上記後者の従来技術では、液室内の
液体に圧力変動を与える前記調整板が、エンジン側に連
結された弾性部材の中央部に該弾性部材に固着されて設
けられ且つ内部に位置決め部材が配置されたコアに、液
室を気密に保つゴム弾性膜によって支持されている構造
であるので、前記調整板の変位を大きくするためにはゴ
ム弾性膜の面積を大きくする必要がある。しかしなが
ら、ゴム弾性膜の面積を大きくすると、調整板の変位に
よって生じる液体の圧力変動は、エンジン側に連結され
た弾性部材より弾性の弱いゴム弾性膜によって吸収され
てしまうことになるので、ゴム弾性膜の面積を小さくせ
ざるを得ず、調整板の変位を大きくすることができな
い。すなわち、前記液室内の液体圧力を大きな振幅で変
化させることができず、その結果エンジン側に固定され
た弾性体を大きな振幅で伸縮させることができない。従
って、この従来技術でも、振幅の大きいエンジンの低周
波振動を正確に且つ十分に制御することができないとい
う問題点がある。
【0008】本発明は、このような従来の問題点に着目
して為されたもので、振幅の大きい振動源の低周波振動
を正確に且つ十分に制御可能な自己伸縮型マウントを提
供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、振動源側に固定された弾性体と基台側に
固定されたケーシングとの間に画成され、液体が充填さ
れた主液室と、振動源の振動に応じて主液室内の液体圧
力を変化させる液圧変化手段と、前記主液室にオリフィ
スを介して連通した副液室とを備え、該液圧変化手段に
よる液体圧力の変化により前記弾性体が伸縮して振動源
の振動が基台に伝達されるのを防止する自己伸縮型マウ
ントにおいて、前記液圧変化手段は、前記ケーシングに
形成されて前記主液室の一部を形成するシリンダ内に、
その軸方向に変位自在に配置された被駆動体と、前記ケ
ーシングの下部に配置され、前記被駆動体を駆動する電
磁駆動手段とを有し、該電磁駆動手段は、永久磁石と、
該永久磁石により形成される磁界内で前記シリンダの軸
方向に変位可能で且つ振動源の振動に応じた制御電流が
外部から入力されるコイルが外周に巻かれた駆動子と、
該駆動子の変位を前記被駆動体に伝える伝達部材とから
成るものである。
【0010】好ましくは、前記被駆動体は伸縮自在のベ
ローズであり、且つ前記主液室内の液体圧力が過大に変
化するとき、前記両液室の一方から他方へ液体を逃す圧
力逃し機構が設けられている。
【0011】
【作用】永久磁石の磁界内にあるコイルに振動源の振動
に応じた制御電流が外部からコイルに入力されることに
よってコイルに駆動力が発生し、この駆動力によりコイ
ルと一体の駆動子がシリンダの軸方向に振動変位し、こ
の振動変位が伝達部材により被駆動体に伝達されて該被
駆動体が主液室内で振動変位するので、被駆動体の変位
振幅を大きくとることができ、これによって、主液室内
の液体圧力を大きな振幅で変化させることができる。そ
の結果、振動源側に固定された弾性体を大きな振幅で伸
縮させることができる。
【0012】主液室内の液体圧力が過大に変化すると
き、主液室及び副液室の一方から他方へ液体が圧力逃し
機構を介して逃げるので、主液室内の過大な圧力変動が
防止され、これによって主液室内が常に略一定圧に保た
れる。
【0013】
【実施例】以下、図面に基いて本発明の各実施例を説明
する。
【0014】なお、各実施例の説明において同様の部位
には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0015】図1は本発明の第1実施例に係る自己伸縮
型エンジンマウント(自己伸縮型マウント)を示してい
る。
【0016】この自己伸縮型エンジンマウント1は、パ
ワーユニット側のブラケット(振動源)2に固定された
弾性ゴム(弾性体)3と車体側フレーム(基台)4に固
定されたケーシング5との間に画成され、液体(不凍液
のような非圧縮性流体)が充填された主液室6と、エン
ジン振動に応じて主液室6内の液体圧力を変化させる液
圧変化手段7と、主液室6にオリフィス8を介して連通
した副液室9とを備えている。
【0017】図1及び図2に示すように、前記弾性ゴム
3は円形状を有しており、その中央部に形成された凹部
3aには取付部材10が固着されている。この取付部材
10がボルト11とナット12によってブラケット2に
締結され、これによって弾性ゴム3の中央部がパワーユ
ニット側のブラケット2に固定されている。弾性ゴム3
の外周縁3bは、環状の取付部材13の内周面に固着さ
れている。この外周縁3bの下端部3cが取付部材13
の内周側下端部とケーシング5の上部に配置された仕切
り板14との間で挟持された状態で、取付部材13が複
数のボルト15によって仕切り板14を介してケーシン
グ5の上部に固定されている。仕切り板14は、ケーシ
ング5と共にボルト16によって車体側フレーム4に固
定されている。このようにして、弾性ゴム3はパワーユ
ニット側のブラケット2と車体側フレーム4に固定され
たケーシング5との間に保持されており、これによっ
て、主液室6の上部空間6aを形成している。
【0018】前記ケーシング5には、図1に示すよう
に、その中央部を軸方向に貫通するシリンダ5aと、上
面中央部にある環状の凹部5bとが形成されている。前
記仕切り板14は、図1及び図3に示すように、ケーシ
ング5の環状の凹部5bに嵌合する環状の肉厚部14b
を有し、該肉厚部14bには前記シリンダ5aに合致す
る大きさの貫通孔14cが穿設されている。そして、仕
切り板14は、肉厚部14bの個所で止めねじ17によ
ってケーシング5の上面に固定されている。
【0019】前記液圧変化手段7は、図1に示すよう
に、ケーシング5のシリンダ5a内に配置された被駆動
体である金属ベローズ71と、ケーシング5の下部に配
置され、金属ベローズ71を駆動する電磁駆動手段とし
てのボイスコイル・モータ(以下、単にVCMという)
70とから構成されている。
【0020】VCM70は、ケーシング5の下部に配置
されたボディ72を有している。このボディ72は、そ
の上端部に形成されたフランジ部72aが止めねじ73
によって仕切り板74を介してケーシング5の下端面5
cに固定され、外周部に軸方向の略中間部から下端面ま
で軸方向に延びた環状空間72bを有している。さら
に、VCM70は、前記環状空間72bの外側内周面に
固着された環状の永久磁石75と、永久磁石75により
形成される磁界内で環状空間72bの内側内周面に摺動
自在に嵌合した円筒形状のボビン76aを有し且つ該ボ
ビン76aの外周にコイル77が巻かれた駆動子76
と、ボディ72の中心部を貫通する中心孔72cに摺動
自在に嵌合し、摺動子76の変位を金属ベローズ71に
伝えるロッド78とを有している。前記金属ベローズ7
1の下端部71aは仕切り板74の上面に固着されてお
り、その上端部71bはロッド78に固定された押え板
79の下面に固着されている。前記仕切り板74の中央
には、ロッド78が挿通し且つ金属ベローズ71の径方
向寸法より十分小さい径の孔74aが穿設されている。
従って、前記弾性ゴム3、シリンダ5a及び仕切り板7
4により前記主液室6が画成されている。
【0021】上記構成を有するVCM70は、永久磁石
75により形成される磁界内にあるコイル77にエンジ
ン振動に応じた制御電流が外部から入力されることによ
り駆動力が発生し、この駆動力により摺動子76がシリ
ンダ5aの軸方向に振動変位するようになっている。こ
の変位がロッド78を介して金属ベローズ71に伝達さ
れて該ベローズ71が主液室6内で伸縮し、この伸縮に
より主液室6内の液圧が変化するようになっている。な
お、金属ベローズ71は、前記VCM70が駆動力を発
生していないとき、自身のばね力により図1に示す中立
位置にある。また、金属ベローズ71が中立位置から上
方へ最大に伸びたとき、その上端部が主液室6の上部空
間6a内に臨むようになっている。また、このベローズ
71は、高さ方向の寸法が径方向の寸法に比べて十分大
きい形状、すなわち軸方向の変位量を大きくとれ且つ有
効面積の小さい形状を有している。
【0022】前記副液室9は、ケーシング5の下部外周
にダイヤフラム18によって形成された環状空間であ
る。このダイヤフラム18は環状の帯形状のものであ
る。ダイヤフラム18の上端部18aには環状の取付部
材19が、その下端部18bには断面がL字形状である
環状の取付部材20が夫々固着されている。取付部材1
9はケーシング5の車体側フレーム4に当接する下面5
dに複数の止めねじ21によって固定されており、取付
部材20は前記止めねじ73によって前記フランジ72
aと共にケーシング5に固定されている。これによっ
て、ダイヤフラム18がケーシング5と前記ボディ72
との間に保持されている。
【0023】前記オリフィス8は、図1〜図3に示すよ
うに、主液室6の上部空間6aの外周部付近に対応する
位置で仕切り板14の肉厚部14bに軸方向に穿設され
た貫通孔8aと、該貫通孔8aから前記肉厚部14bの
外周面まで延びた孔8bと、該孔8bに連通し且つ孔8
bとの連通部から前記副液室9の上部に達する半径方向
位置まで仕切り板14の下側で径方向に延びた連通溝8
cと、この連通溝8cの外側端部から終端部8d´まで
仕切り板14の下側で略270度周方向に延びた環状溝
8dと、この環状溝8dの終端部8d´と副液室9とを
連通するべくケーシング5内を軸方向に延びた貫通孔8
eとから構成されている。
【0024】このオリフィス8は、その通路断面積とそ
の通路長とによって決定される共振周波数をエンジンの
基本振動周波数(10Hz程度〜100Hz程度)以下
の極低周波(例えば、7Hz程度)に設定してある。こ
れによって、エンジンEをマウント1に載置することに
よりマウント1に静圧がかかったとき、或いは周波数が
極低周波以下のエンジン振動が生じたときにのみ、主液
室6と副液室9との間で液体がオリフィス8を介して流
動し、これによって主液室6内にある金属ベローズ71
は図1に示す中立位置に保持され、主液室6内が常に略
一定圧に保たれるようになっている。一方、極低周波よ
り周波数の大きいエンジン振動がマウント1に作用した
ときには、液体は主液室6と副液室9との間でオリフィ
ス8を介して流動できず、従って、圧力変動が主液室6
内に限定されるようになっている。
【0025】さらに、前記ケーシング5には、図1及び
図3に示すように、圧力逃し機構40が設けられてい
る。この圧力逃し機構40は、ケーシング5内に夫々形
成され、前記貫通孔8aに連通する上部開口端を有し且
つこの開口端から下方へ延びた主孔41と、この主孔4
1の中間部から水平方向に延びてシリンダ5の外周面に
開口した連通孔42と、この連通孔42と副液室9とを
連通する連通孔43と、主孔41の下部と副液室9とを
連通する連通孔44とを有している。前記連通孔42の
開口端は、この開口端に螺着した盲栓45により塞がれ
ている。
【0026】前記主孔41内には、弁体46が摺動自在
に配置されている。この弁体46は、上端が開口端であ
り且つ下端が閉塞端である円筒体である。弁体46の中
間部には前記連通孔42の入口42aを塞ぐのに十分な
幅の閉塞部46aが、この閉塞部46aの上下にはポー
ト46b,46cが形成されている。そして、弁体46
の上下に、前記閉塞部46aが連通孔42の入口を塞ぐ
中立位置(図3の位置)に弁体46を付勢保持する一対
のばね47,48が配置されている。
【0027】さらに、図1及び図3に示すように、前記
ケーシング5の上端面と仕切り板14の当接面には、前
記オリフィス8の環状溝8dより外周側の位置に、Oリ
ング31が介装されている。また、前記ケーシング5の
下端面5cと仕切り板74の当接面にも、シリンダ5a
より外周側の位置に、Oリング32が介装されている。
【0028】上記構成を有する自己伸縮型エンジンマウ
ント1は、例えば図6に示すように、パワーユニット内
のエンジンEの前部及び後部に配置されてエンジンEの
前後部を車体側フレーム4に支持している。各エンジン
マウント1のVCM70のコイル77には、各コントロ
ーラ51から制御電流が図1及び図3に示すリード線5
5を介して入力される。各コントローラ51の入力部
は、制御装置(以下、ECUという)50の出力部に接
続されている。このECU50は、エンジンEからエン
ジン振動に関連する各種のパラメータ、例えばエンジン
回転数等の信号が入力されており、エンジン振動に応じ
た制御指令を各コントローラ51に出力するようになっ
ている。
【0029】次に、上記構成を有する第1実施例に係る
自己伸縮型エンジンマウント1の作動を説明する。
【0030】エンジン振動(振動源の振動)がECU5
0により検知されると、ECU50から各コントローラ
51にこのエンジン振動を制御するための制御指令が出
力され、各コントローラ51から前記制御指令に応じた
制御電流が各エンジンマウント1のVCM70のコイル
77に出力される。これによって、永久磁石75により
形成される磁界内にあるコイル77にエンジン振動に応
じた駆動力が発生し、この駆動力により摺動子76がシ
リンダ5aの軸方向に振動変位する。この変位がロッド
78を介して金属ベローズ71に伝達されて該ベローズ
71が図1に示す中立位置を中心に主液室6内で伸縮
し、この伸縮により主液室6内の液圧が変化し、この液
圧変化により弾性ゴム3が上下に弾性変形して伸縮す
る。このとき、弾性ゴム3は、エンジンEがマウント1
即ち弾性ゴム3を押し下げるとき、下方へ弾性変形して
縮み、逆にエンジンEがマウント1即ち弾性ゴム3を引
き上げるとき、上方へ弾性変形して伸びるように変位す
る。このようにして、弾性ゴム3をエンジン振動に応じ
て伸縮させることにより、エンジン振動が車体側フレー
ム4即ち車体に伝達されるのが防止される。
【0031】なお、主液室6内の液圧が所定値以上に加
圧されたとき、圧力逃し機構40の弁体46が図1及び
図3の中立位置から図5に示す位置まで下方に変位して
弁体46の上側ポート46bが連通孔44の入口42a
に連通する。これによって、主液室6から液体が、図5
の矢印で示すように、貫通孔8a、主孔41、弁体46
の内部、弁体46の上側ポート46b、連通孔42及び
43を通って副液室9へ逃げるので、主液室6内の過大
な圧力変動が防止される。これによって、金属ベローズ
71及びVCM70が保護される。なお、副液室9内に
流入した液体は、弁体46が図5の位置から図1の中立
位置に復帰した後、ダイヤフラム18の弾性復帰力によ
りオリフィス8を介して主液室6内へ戻るので、主液室
6内が常に略一定圧に保たれる。
【0032】これとは逆に、主液室6内の液圧が所定値
以上に減圧されたとき、圧力逃し機構40の弁体46が
中立位置から図4に示す位置まで上方に変位して弁体4
6の下側ポート46cが連通孔42の入口42aに連通
する。これによって、副液室9から液体が、図4の矢印
で示すように、連通孔43,42、弁体46の下側ポー
ト46c、弁体46の内部、主孔41及び貫通孔8aを
通って主液室6へ逃げるので、主液室6内の過大な圧力
変動が防止される。これによっても、金属ベローズ71
及びVCM70が保護される。なお、主液室6内に流入
した液体は、弁体46が中立位置に復帰した後、ダイヤ
フラム18の弾性復帰力によりオリフィス8を介して副
液室9内へ戻るので、主液室6内が常に略一定圧に保た
れる。
【0033】上述したように、VCM70の駆動子76
が、永久磁石75により形成される磁界内にあるコイル
77にエンジン振動に応じた制御電流が外部から入力さ
れることによりコイル77に発生する駆動力によって、
シリンダ5aの軸方向に振動変位し、且つこの振動変位
がロッド78により金属ベローズ71に伝達されて金属
ベローズ71が主液室6内で図1の中立位置を中心にし
て伸縮するので、被駆動体である金属ベローズ71の伸
縮量、即ち変位振幅を大きくとることができ、これによ
って主液室6内の液体圧力を大きな振幅で変化させるこ
とができる。その結果、パワーユニット側のブラケット
2に固定された弾性ゴム3を大きな振幅で伸縮、即ち上
下に振動変位させることができる。従って、振幅の大き
いエンジンの低周波振動を正確に且つ十分に制御するこ
とができる。
【0034】また、上記第1実施例によれば、主液室6
内でシリンダ5aの軸方向に振動変位する被駆動体とし
て金属ベローズ71を用いており、且つこの金属ベロー
ズ71は、高さ方向の寸法が径方向の寸法に比べて十分
大きい形状、すなわち軸方向の変位量を大きくとれ且つ
有効面積の小さい形状を有しているので、金属ベローズ
71を変位させる駆動力即ちVCM70の出力を小さく
抑えつつ金属ベローズ71全体の変位量(伸縮量)を大
きくとることができる。このように、全体の変位量を大
きくとれるという金属ベローズ71自体の構造上の特徴
によっても、主液室6内の液体圧力を大きな振幅で変化
させることができ、その結果、パワーユニット側のブラ
ケット2に固定された弾性ゴム3を大きな振幅で伸縮さ
せることができる。
【0035】さらに、上記第1実施例によれば、金属ベ
ローズ71が図1の中立位置から上方へ最大に伸びたと
き、その上端部が主液室6の上部空間6a内に臨むよう
になっているので、これによっても主液室6内の液体圧
力を大きな振幅で変化させることができる。
【0036】次に、図7に基いて本発明の第2実施例に
係る自己伸縮型エンジンマウントを説明する。
【0037】この第2実施例に係る自己伸縮型エンジン
マウント1では、前記金属ベローズ71の代わりに被駆
動体としてピストン710を用いたものである。
【0038】このピストン710は、前記シリンダ5a
内に摺動自在に配置されている。また、このピストン7
10には、主液室6の上部空間6a側に臨む平坦な上面
710aと、軽量化のために大きくえぐられ、前記VC
M70側に開口した環状の凹部710bとが形成されて
いる。このピストン710は、前記ロッド78の上端部
に止めねじ711により固定されている。ピストン71
0の下部にできた空間、即ちシリンダ5a内の空間6b
は、前記ケーシング5に形成された連通孔712を介し
て副液室9に連通している。
【0039】前記ピストン710を図7に示す中立位置
に付勢するために、一対のコイルばね713,714が
設けられている。上側のコイルばね713は、VCM7
0のボディ72の上端面と前記ロッド78に固設された
ばね受け715との間に介装されている。一方、下側の
コイルスプリング714は、前記駆動子76の内面とボ
ディ72の下端面との間に介装されている。
【0040】上記構成を有する第2実施例に係る自己伸
縮型エンジンマウント1では、上記第1実施例の場合と
同様に、エンジン振動に応じた制御電流がVCM70の
コイル77に入力される。これによって、永久磁石75
により形成される磁界内にあるコイル77にエンジン振
動に応じた駆動力が発生し、この駆動力により摺動子7
6がシリンダ5aの軸方向に振動変位する。この変位が
ロッド78を介してピストン710に伝達されて該ピス
トン710が図7に示す中立位置を中心に主液室6内で
振動変位し、この変位により主液室6内の液圧が変化
し、この液圧変化により弾性ゴム3が上下に弾性変形し
て伸縮する。これによって、エンジン振動が車体側フレ
ーム4即ち車体に伝達されるのが防止される。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る自己
伸縮型マウントによれば、永久磁石の磁界内にあるコイ
ルに振動源の振動に応じた制御電流が外部からコイルに
入力されることによってコイルに駆動力が発生し、この
駆動力によりコイルと一体の駆動子がシリンダの軸方向
に振動変位し、この振動変位が伝達部材により被駆動体
に伝達されて該被駆動体が主液室内で振動変位するの
で、被駆動体の変位振幅を大きくとることができ、これ
によって、主液室内の液体圧力を大きな振幅で変化させ
ることができる。その結果、振動源側に固定された弾性
体を大きな振幅で伸縮させることができる。従って、振
幅の大きい振動源の低周波振動を正確に且つ十分に制御
することができる。
【0042】また、主液室内の液体圧力が過大に変化す
るとき、主液室及び副液室の一方から他方へ液体が圧力
逃し機構を介して逃げるので、主液室内の過大な圧力変
動が防止され、これによって主液室内が常に略一定圧に
保たれる。従って、被駆動体であるベローズ及び電磁駆
動手段を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係る自己伸縮型エンジ
ンマウントを示す縦断面図である。
【図2】図1に示すエンジンマウントの平面図である。
【図3】図1の一部拡大断面図で、逃し弁の弁体が中立
位置にある状態を示す図である。
【図4】図3と同様の断面図で、弁体が中立位置から上
方へ変位した状態を示す図である。
【図5】図3と同様の断面図で、弁体が中立位置から下
方へ変位した状態を示す図である。
【図6】図1に示すエンジンマウントの制御装置を示す
概略構成図である。
【図7】この発明の第2実施例に係る自己伸縮型エンジ
ンマウントを示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 自己伸縮型エンジンマウント 2 パワーユニット側のブラケット(振動源) 3 弾性ゴム(弾性体) 4 車体側フレーム(基台) 5 ケーシング 5a シリンダ 6 主液室 7 液圧変化手段 8 オリフィス 9 副液室 40 圧力逃し機構 70 ボイスコイル・モータ(電磁駆動手段) 71 金属ベローズ(被駆動体) 75 永久磁石 77 コイル 78 ロッド(伝達部材) 710 ピストン(被駆動体)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動源側に固定された弾性体と基台側に
    固定されたケーシングとの間に画成され、液体が充填さ
    れた主液室と、振動源の振動に応じて主液室内の液体圧
    力を変化させる液圧変化手段と、前記主液室にオリフィ
    スを介して連通した副液室とを備え、該液圧変化手段に
    よる液体圧力の変化により前記弾性体が伸縮して振動源
    の振動が基台に伝達されるのを防止する自己伸縮型マウ
    ントにおいて、前記液圧変化手段は、前記ケーシングに
    形成されて前記主液室の一部を形成するシリンダ内に、
    その軸方向に変位自在に配置された被駆動体と、前記ケ
    ーシングの下部に配置され、前記被駆動体を駆動する電
    磁駆動手段とを有し、該電磁駆動手段は、永久磁石と、
    該永久磁石により形成される磁界内で前記シリンダの軸
    方向に変位可能で且つ振動源の振動に応じた制御電流が
    外部から入力されるコイルが外周に巻かれた駆動子と、
    該駆動子の変位を前記被駆動体に伝える伝達部材とから
    成ることを特徴とする自己伸縮型マウント。
  2. 【請求項2】 前記被駆動体は伸縮自在のベローズであ
    り、且つ前記主液室内の液体圧力が過大に変化すると
    き、前記両液室の一方から他方へ液体を逃す圧力逃し機
    構が設けられていることを特徴とする請求項1記載の自
    己伸縮型マウント。
JP29063991A 1991-10-09 1991-10-09 自己伸縮型マウント Pending JPH0599262A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06193669A (ja) * 1992-12-22 1994-07-15 Bridgestone Corp 防振装置
US5439204A (en) * 1993-05-17 1995-08-08 Nippondenso Co., Ltd. Vibration isolator
US5848663A (en) * 1994-12-27 1998-12-15 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Active engine mount system effective in controlling vertical motion of a vehicle body
JP2012251634A (ja) * 2011-06-06 2012-12-20 Isuzu Motors Ltd アクティブマウント装置及びそれを搭載した車両

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