JPH0598198A - 塗料組成物及び複層塗膜形成方法 - Google Patents

塗料組成物及び複層塗膜形成方法

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JPH0598198A
JPH0598198A JP3289450A JP28945091A JPH0598198A JP H0598198 A JPH0598198 A JP H0598198A JP 3289450 A JP3289450 A JP 3289450A JP 28945091 A JP28945091 A JP 28945091A JP H0598198 A JPH0598198 A JP H0598198A
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JP
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coating
pigment
coating composition
coated
graphite flake
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JP3289450A
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Masahiro Endo
正浩 遠藤
Kazuhiro Takeda
一宏 武田
Takashi Kawasaki
尚 河崎
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車塗装において、緻密で連続した、渋く
輝くような光輝感を長期に渡って安定に与えることがで
きる塗料組成物及び塗膜形成方法を提供する。 【構成】 酸素含有雰囲気下での加熱による酸化処理及
び/又は水溶性酸化剤による酸化処理が表面に施された
グラファイトフレーク粒子表面に、二酸化チタンが均一
かつ緻密に被覆されたグラファイトフレーク顔料を含有
する塗料組成物及びこの塗料組成物をベースコートと
し、その上に透明トップコートを2コート1ベーク塗装
することからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板及びその他の被塗
物に塗装するための塗料組成物及びこれを用いた複層塗
膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】被塗物(鋼板等)を被覆する組成物とし
ては、着色顔料及び熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含
む組成物で、一般にソリッドカラー塗料として知られて
いる組成物や、さらにメタリック顔料として、例えば、
アルミニウム、酸化チタン及び/又は酸化鉄によって被
覆された雲母片、銅、真鋳、雲母状酸化鉄、青銅、ステ
ンレススチール、チタン、クロムなどのリン片状メタリ
ック粉末を含有する、一般にメタリックカラー塗料とし
て知られている組成物がある。
【0003】この様な組成物で被塗物を被覆する方法と
しては、被塗物に直接もしくは硬化又は乾燥した中塗塗
膜面に、前記ソリッドカラー塗料またはメタリックカラ
ー塗料を塗装し、それを硬化又は乾燥する1コート方
式、さらにその上に透明塗膜を形成するクリヤー塗料を
塗装し、再び硬化又は乾燥するか又は該両塗料を上記順
序で塗装し、1回で両塗膜を同時に硬化又は乾燥せしめ
る2コート方式、該2コート方式によって形成せしめた
塗面にさらにクリヤー塗料を塗り重ね、再度硬化又は乾
燥せしめる3コート方式などが知られている。
【0004】これらのうち、塗装工程数、仕上り外観、
塗膜性能などを総合的に判断してソリッドカラー塗膜で
は1コート方式及びソリッドカラー塗料と透明クリヤー
を前記順序で塗装し、同時に硬化又は乾燥せしめる2コ
ート方式が多く採用されている。
【0005】一方、メタリックカラー塗膜ではメタリッ
クカラー塗料と透明クリヤーを前記順序で塗装し同時に
硬化又は乾燥せしめる2コート方式が多く採用されてい
る。
【0006】ソリッドカラー塗膜の反射光は、塗膜中に
含有せしめた着色顔料から帰ってくる選択吸収をすませ
た特定色の拡散光であり、キラキラした輝きはともなわ
ないのに対し、メタリック塗膜の反射光は、塗膜中に含
有せしめた着色顔料から帰ってくる選択吸収をすませた
特定色光とメタリック顔料で反射される光と混在してい
る。これら両者の光の間に干渉の現象が生じるために、
メタリック塗膜の色は入射する光量や反射角度によっ
て、反射光の構造がかなり異なり、多彩なキラメキをみ
せる。
【0007】そして、メタリック塗膜の見え方の特徴
は、塗面にほぼ垂直の方向から観察の角度を増していく
と、明るさは減少し、しばしば色相の変化を伴うことが
ある。このような色の変化は、“flop”又は“tw
o tone”といわれる。塗面に対してほぼ垂直方向
から見られる色は“face color”と呼ばれ、
垂直方向から離れた大きな角度で見られる色は“flo
p color”と呼ばれる。“face colo
r”がメタリック顔料からの反射光の大部分を含むのに
対して“flop color”はメタリック顔料から
の反射光がほとんど含まれていない。
【0008】従来の被塗物を塗膜で被覆する方法として
は、前記のソリッドカラー又はメタリックカラーが用い
られているのであるが、ソリッドカラーはメタリックカ
ラーのキラキラ感がなく、拡散光による発色である。
【0009】一方、メタリックカラーは多彩なキラメキ
をみせることと“flop”又は“two tone”
といわれる見え方に特長があり、美粧性にすぐれてい
る。しかし、その光輝性についてみると、メタリック顔
料の個々の粒子による輝きが強すぎるという欠陥があ
る。
【0010】もっとも、このような欠陥を改良した、す
なわち緻密で連続した、渋く輝くような光輝感を有する
塗膜を得るべく種々の方法が提案されている。
【0011】例えば、本出願人も先に着色マイカ又は硫
酸バリウムを被覆したマイカを含有する塗料組成物によ
る塗膜形成方法を提案している(特開平3−12478
0号など)。
【0012】この方法によると、マイカを二酸化チタン
等の金属酸化物で被覆して製造されるパールマイカ顔料
を含有する塗料組成物を塗装して得られる塗膜よりも緻
密で連続した、渋く輝くような光輝感を有する塗膜が得
られる。
【0013】しかしながら、マイカは透明または半透明
であることから、着色マイカ及び硫酸バリウム被覆マイ
カの着色力及び隠ぺい性能は劣っており出現する塗膜の
色域に限界がある。
【0014】一方、より鮮明な干渉色を得ることができ
る材料が、例えば特開昭59−126468号に開示さ
れている。この材料の着色力及び隠ぺい性能は、前記の
二酸化チタン等の金属酸化物を被覆したパールマイカ顔
料よりもすぐれているが、輝きが強すぎて、緻密で連続
した、渋く輝くような光輝感を有する塗膜を得るには適
していない。
【0015】その他に、黒色系で不透明な素材であるり
ん片状グラファイト表面に、二酸化チタンなどの高屈折
率かつ透明性金属酸化物の薄膜を形成させて得られる顔
料が、例えば特公昭49−3824号及び特開昭52−
87422号に開示されているが、安定な性状のものが
得られず、商業的に製造されていないのが実情である。
【0016】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、最近の自
動車塗装分野において高級な意匠仕上げが望まれる状況
に鑑み、前記した材料を凌駕するような、緻密で連続し
た、渋く輝くような光輝感を有する塗膜を形成し得る塗
料組成物を提供することを目的とするものである。
【0017】
【問題点を解決させるための手段】本発明者らは、斯か
る現状に鑑み、緻密で連続した、渋く輝くような光輝感
を長期にわたって保持する塗膜を形成させ得る塗料組成
物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、グラファイトフ
レーク粒子表面を予め酸化処理し、その上に二酸化チタ
ンを被覆したグラファイトフレーク顔料は、二酸化チタ
ンが均一かつ平滑にグラファイトフレーク表面に被覆さ
れ、その結果光輝感に優れ、長期にわたって安定な光輝
感を示す顔料であり、これを用いた塗料組成物が前記し
た目的を満たし従来の問題を解決することを見い出し本
発明を完成するに至った。
【0018】しかるに、本発明は、酸素含有雰囲気下で
の加熱による酸化処理及び/又は水溶性酸化剤による酸
化処理が施されたグラファイトフレーク粒子表面に二酸
化チタンが均一かつ緻密に被覆されたグラファイトフレ
ーク顔料を含有することを特徴とする塗料組成物及び基
体上にベースコートとして該塗料組成物を少なくとも一
層塗装し、該ベースコートが未乾燥の間にその上に透明
トップコートを少なくとも一層塗装し、両塗膜を同時に
乾燥させることを特徴とする複層塗膜形成方法に係るも
のである。
【0019】以下、本発明について具体的に説明する。
【0020】本発明において用いられる二酸化チタン被
覆グラファイトフレーク顔料(以下「グラファイトチタ
ン顔料」と略称する。)は、グラファイトフレーク粒子
表面を予め酸化処理したのち、その上に公知の方法で二
酸化チタン水和物を均一に沈着させ450〜950℃で
焼成することによって得られるものである。
【0021】酸化処理は、グラファイトフレーク粒子を
酸素含有雰囲気下で200〜500℃に加熱するか、グ
ラファイトフレーク粒子を水中に懸濁した後、過マンガ
ン酸カリウムのような過マンガン酸塩や、クロム酸塩、
過酸化物などの水溶性酸化剤を加えて常温で撹拌するこ
とによって行なわれる。
【0022】グラファイトチタン顔料の製造例を挙げれ
ば、例えば、グラファイトフレーク粒子を酸素含有雰囲
気下で200〜500℃で酸化処理し、この酸化処理さ
れたグラファイトフレーク粒子を水に懸濁した後、さら
に水溶性酸化剤を用いて酸化処理しこの酸化処理後の懸
濁液にチタン金属塩(例えば三塩化チタン、四塩化チタ
ンなど)の水溶液と塩基性物質を溶解させた水溶液とを
同時に添加し、グラファイトフレーク粒子表面に二酸化
チタン水和物を均一かつ緻密に沈着させ、ついで得られ
た顔料を450〜950℃で焼成することによって製造
される。
【0023】この場合、二酸化チタンをルチル型にする
にはチタン金属塩と一緒に酸化スズ、塩化第二スズ等の
ルチル化剤を用いることによって行なわれる。ルチル型
二酸化チタンで被覆された顔料は耐候性に優れ、自動車
用塗料に好適なものである。
【0024】前記したグラファイトチタン顔料の形状
は、長手方向寸法が1〜50μ、特に好ましくは1〜1
5μ、短手方向寸法が0.1〜5μ、特に好ましくは
0.1〜1μの範囲内に含まれる形状のものを用いる。
長手方向寸法が50μより大きくなると塗面から突出し
て平滑性を低下させ、また短手方向寸法が5μより大き
くなると光輝性が低下するのでいずれも好ましくない。
【0025】該グラファイト顔料は、一般に他の着色顔
料と併用される。併用される着色顔料としては、通常の
塗料に着色材として配合する無機もしくは有機の着色顔
料が適用できる。好ましい着色顔料として、粒径(直
径)が1μ以下の無彩色顔料、有彩色顔料等が挙げられ
る。無彩色顔料の具体例としては、チタン白、カーボン
ブラック等を例示できる。また有彩色顔料は、チタン白
と1:1に混合して得られる色がマンセル色相でR、Y
R、Y、YG、G、BG、B、PB、P又はRPである
顔料を広く使用でき、この中でもできるだけ透明性の高
い顔料が好適である。
【0026】本発明の塗料組成物中に配合される樹脂成
分は使用される用途によって異るが、般用塗料分野で
は、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、常温乾燥型アク
リル樹脂などを挙げることができる。
【0027】また、工業用塗料分野、特に自動車塗料分
野では、一般に加熱硬化型樹脂が用いられ、例えば、熱
硬化型アクリル樹脂/非水系分散微粒子(NAD)/メ
ラミン樹脂系、熱硬化型アクリル樹脂/CAB(セルロ
ースアセテートブチレート)/メラミン樹脂系、熱硬化
型ポリエステル(アルキド)樹脂/メラミン樹脂系、熱
硬化型ポリエステル(アルキド)樹脂/CAB又はNA
D/メラミン樹脂系などの組合せが用いられる。
【0028】これらの樹脂系でメラミン樹脂は架橋剤と
して用いられるものでるが、ポリイソシアネートで全部
又は一部を置換することも可能である。
【0029】本発明の塗料組成物は高級なイメージの仕
上がりが望まれる自動車塗装分野に適し、2コ−ト1ベ
ーク仕上げにおけるベースコートとして好適である。こ
のベースコートとして用いられる自動車用塗料組成物に
ついてさらに具体的に説明する。
【0030】自動車塗料用組成物は、下記の(a)熱硬
化性アクリル樹脂および(b)アミノ樹脂を必須成分と
し、これに必要に応じて(c)微粒子分散液を配合した
ものが好適である。
【0031】(a)熱硬化性アクリル樹脂 アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタ
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸
ラウリル等の(メタ)アクリル酸と炭素数1〜22の1
価アルコールとのエステル;アクリル酸、メタクリル
酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有ビニルモノ
マー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ート;アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタ
クリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキ
シプロピルトリ−n−ブトキシシラン等のアルコキシシ
ラン基含有ビニルモノマー;スチレン、ビニルトルエ
ン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−メチ
ルスチレン、酢酸ビニル等のその他のビニルモノマー:
等の1分子中に1個の重合性不飽和結合を有する化合物
と水酸基含有ビニル単量体、例えばアクリル酸2−ビド
ロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルとを共重合して
得られる樹脂などが挙げられる。
【0032】(b)アミノ樹脂 メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミ
ン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジ
アミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得
られる部分もしくは完全メチロール化アミノ樹脂があげ
られる。
【0033】(c)微粒子分散液 前記(a)のエチレン性不飽和単量体及び/又は架橋性
共重合単量体(例えば、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジビニルベンゼンなど)を水性媒体中で
サスペンジョン重合または乳化重合させて得られる微粒
子分散液や、また脂肪族炭化水素等の低SP有機溶媒あ
るいはエステル、ケトン、アルコール等の高SP有機溶
媒のようにモノマーは溶かすが重合体は溶解しない非水
性有機溶媒中でエチレン性不飽和単量体および/または
架橋性共重合単量体を共重合させて得られる微粒子分散
液をあげることができる。これらの微粒子分散液は粒子
内架橋したものも含む。
【0034】この微粒子分散液を配合することによっ
て、ごく少量の添加で塗料組成物の低粘度化、ハイソリ
ッド化を達成し得、塗装作業性、顔料の配向性を著しく
向上させ、硬化塗膜の耐酸性、耐衝撃性を改良させる。
【0035】前記した(a)、(b)及び(c)成分の
配合割合は、固形分で一般に、(a)/(b)=50〜
80/20〜50の範囲であり、(c)成分は、
(a)、(b)及び(c)成分の合計重量の5〜70重
量%の範囲である。
【0036】前記した本発明の塗料組成物に用いられる
樹脂成分は、あらかじめ有機溶剤および(または)水に
溶解もしくは分散しておくことが好ましい。その形態と
して、溶液型、分散液型、ハイソリッド型、非水分散液
型などがある。
【0037】本発明の塗料組成物において、グラファイ
トチタン顔料の配合量は樹脂成分100重量部(固形
分)当り通常0.5〜50重量部が好ましく、50重量
部より多くなると、平滑性が損なわれ、光沢、鮮映性を
充分確保できないことがある。また、着色顔料の量は、
使用される着色顔料の種類等により異なるが、本組成物
中に配合される樹脂成分100重量部(固形分)当り通
常0.1〜50重量部程度とするのがよい。より具体的
には、例えばチタン白を使用する場合には樹脂成分10
0重量部当り0.1〜10重量部程度が好ましく、0.
1〜5重量部程度が特に好ましい。またカーボンブラッ
クを使用する場合には樹脂成分100重量部当り0.1
〜5重量部程度が好ましく、0.1〜2重量部程度が特
に好ましい。更に有彩色顔料を使用する場合には樹脂成
分100重量部当り20重量部程度以下が好ましく、
1.0〜10重量部程度が特に好ましい。
【0038】本発明の塗料組成物において、グラファイ
トチタン顔料および着色顔料に加えて、メタリック顔料
を必要に応じて配合することができる。かかるメタリッ
ク顔料としては、例えば、アルミニウム粉、ブロンズ
粉、ステンレス粉、チタニウム粉、クロム粉、パールマ
イカ、着色パールマイカ、干渉パールマイカ、フタロシ
アニン板状結晶などをあげることができる。これらのメ
タリック顔料の配合量は樹脂成分固形分100重量部当
り、30重量部以下、好ましくは0.5〜5重量部であ
ることが望ましい。
【0039】本発明の塗料組成物を製造するに当り、グ
ラファイトチタン顔料を配合する方法は、特に制限され
るものではないが、その代表的な方法を下記(1)〜
(3)に示す。
【0040】(1)着色顔料を含有しない樹脂ワニス又
は着色顔料等を分散せしめた樹脂ワニス中にグラファイ
トチタン顔料を加え、撹拌することによって樹脂中に分
散させる。
【0041】(2)樹脂ワニスとグラファイトチタン顔
料とを混合した後、ボールミル、サンドミル等の分散機
によって着色顔料等と同様に撹拌する。
【0042】(3)グラファイトチタン顔料と溶剤と混
合し、撹拌後樹脂中に加える。
【0043】本発明の塗料組成物には、更に必要に応じ
て顔料分散剤、有機変性シリコン、消泡剤等の添加剤、
硬化触媒等を適宜配合することができる。
【0044】本発明の複層塗膜形成方法で用いられる透
明トップコートは、前記したベースコートからグラファ
イトチタン顔料及び着色顔料を除いたものが任意に使用
できる。
【0045】次に、本発明の複層塗膜形成方法について
説明する。
【0046】本発明の方法は、前記した本発明の塗料組
成物を塗装し、該塗面にクリヤー塗料を塗装するところ
に特徴がある。
【0047】本発明で用いられる基材(被塗物)として
は、例えば鋼およびアルミなどの金属やポリウレタン、
ポリプロピレン等に代表されるプラスチック基材等が挙
げられる。該基材は、必要に応じて予め電着塗装及び/
又は下塗乃至中塗塗装が施されたものである。電着塗装
及び下塗乃至中塗塗装方法は、特に限定されるものでは
なく、従来公知の方法でよい。
【0048】本発明では、斯かる基材上に前記本発明の
塗料組成物を用いて着色ベースコート層を形成させ、更
に該着色ベースコート層上にクリヤー塗料を塗装してク
リヤーコート層を形成させる。着色ベースコート層及び
クリヤーコート層の形成は、例えば本発明塗料組成物を
適当にシンナーで塗装に適した粘度に希釈した後、これ
を上記基板上にスプレー塗装し、次いでこれを焼付する
か又は焼付することなくクリヤーコート層形成のための
クリヤー塗料をスプレー塗装し、しかる後に焼付を行な
えばよい。この方法の中でも本発明塗料組成物を基板上
にスプレー塗装し、これを焼付することなくクリヤーコ
ート層形成のためのクリヤー塗料をスプレー塗装し、し
かる後に焼付を行なう。所謂2コート1ベーク法を採用
するのが好適である。スプレー塗装方法は、静電及び非
静電塗装のいずれでもよい。焼付条件も、従来と異なる
ものではなく、例えば120〜150℃の温度で20〜
40分焼付けることにより塗膜を硬化、乾燥させるのが
よい。
【0049】本発明塗料組成物及びクリヤー塗料の使用
量としては、特に制限されるものではないが、着色ベー
スコート層の硬化乾燥膜厚が通常10〜30μ程度、好
ましくは15〜20μ程度、またクリヤーコート層の硬
化乾燥膜厚が通常20〜60μ程度、好ましくは30〜
50μ程度となるように上記各組成物を使用するのがよ
い。
【0050】
【発明の効果】本発明の塗料組成物を用いて形成された
塗膜は、入射した光がグラファイトチタン顔料の表面を
被覆している二酸化チタンの高屈折率によって干渉色を
示し、二酸化チタンの膜厚を制御することによって任意
の色を出現させることができ、他方グラファイトは本質
的に異色系であり二酸化チタンを透過した光の相当部分
を吸収することから隠ぺい性に格段に優れたものであ
る。
【0051】かくして、色ムラなどの仕上り欠陥のない
しかも“Face Color”が独特の干渉色を示す
緻密で連続した、渋く輝くような美粧性にすぐれた塗膜
が長期にわたって安定に得られる。
【0052】この塗膜は、従来のソリッドカラー塗膜に
比べて立体的で深み感があり、またメタリック塗膜に比
べて光輝感がおさえられた緻密で連続した、輝く金属性
光沢を有している。このような金属性光沢は、従来のア
ルミニウムやパールマイカなどメタリック顔料を用いて
も得られなかったものであり、さらに、該塗面にクリヤ
ー塗料を塗装すると鮮映性、平滑性および耐候性などが
一層向上する。
【0053】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明をより一層明ら
かにする。なお、以下において単に「部」とあるのは
「重量部」を意味する。
【0054】鋼板にカチオン電着塗料(エレクロン94
00、関西ペイント社製)を電着せしめ、次にこの上
に、ポリエステル/メラミン樹脂系の中塗用樹脂(ES
プライマー TP−37、関西ペイント社製)100
部、チタン白(R−650、堺化学工業社製)20部、
硫酸バリウム(パリタ#100、堺化学工業社製)40
部及びカーボンブラック(カーボンMA−100、三菱
カーボン)4部の割合で配合した中塗用塗料を用いて中
塗り塗装を施した。
【0055】上記電着塗装及び中塗塗装が施された鋼板
上に、下記組成の本発明の塗料組成物及びクリヤー塗料
を用い、2コート1ベーク法(本発明の塗料を塗装後、
引続きクリヤー塗料を塗装して140℃で30分焼付け
る)により、乾燥膜厚が15〜20μの着色ベースコー
ト層及び乾燥膜厚が30μのクリヤーコート層を形成さ
せた。
【0056】この塗装工程で用いた本発明の着色ベース
コートの組成は第2表(配合は重量部)のとおりであ
り、クリヤー塗料は着色ベースコートの組成から顔料成
分を除いたもの用いた。比較用に用いるベースコートの
組成は第3表〜第5表(配合は重量部)に示した。
【0057】また、本発明の塗料組成物に用いるグラフ
ァイトチタン顔料は、下記第1表の4種類のものを使用
した。
【0058】
【表1】 グラファイトチタン顔料の製造例 粒径1〜100μm、平均粒径36μmのグラファイト
フレーク粒子(西村黒鉛株式会社製造PB−85)を4
50℃で30分、空気中で加熱酸化処理する。この加熱
酸化処理したグラファイトフレーク粒子20gをイオン
交換水500mlに撹拌懸濁し、この懸濁水溶液に、過
マンガン酸カリウム0.2gを添加し常温で、15時間
撹拌し、酸化処理を行う。この酸化処理後、この懸濁液
を濾過して得られる酸化処理したグラファイトフレーク
粒子をイオン交換水に洗浄し、残留する過マンガン酸カ
リウムを除去する。次いで、この酸化処理したグラファ
イトフレーク粒子20gにイオン交換水250gを加え
撹拌し、懸濁液とし、75℃に昇温維持し、これに、1
0重量%の塩酸水溶液を添加し、pHを1.8に調整す
る。この懸濁液に、53g/lの塩化第二スズ・5水和
物13.2mlと407g/lの四塩化チタン水溶液
1.86mlとを混合した溶液を0.2ml/minの
滴下速度で滴下し、同時にpHを1.8に維持するよう
に5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を滴下する。かく
して、二酸化チタン水和物と二酸化スズ水和物の混合酸
化水和物をグラファイトフレーク粒子表面に沈着させ
る。
【0059】さらに407g/lの四塩化チタン水溶液
80mlと10重量%の塩酸水溶液80mlからなる1
60mlの四塩化チタン溶液を0.2ml/minの滴
下速度で滴下し、同時にpHを1.8に維持するように
5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を滴下して二酸化チ
タン水和物を沈着させる。この160mlの四塩化チタ
ン溶液滴下終了後5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を
添加してpHを1.8から6.0に調整し、固体物質を
濾別し、イオン交換水で洗浄し、130℃で15時間乾
燥すると発色性の優れたゴールドの干渉の二酸化チタン
水和物被覆グラファイトフレーク顔料が得られる。これ
をさらに空気中で520℃で30分間焼成するとより発
色性の優れたゴールドの干渉のルチル型二酸化チタン被
覆グラファイトフレーク顔料が得られた。
【0060】グラファイトチタン顔料BLUE、PUR
PLEおよびGREENについては、同様の方法で四塩
化チタンの使用量を変えて被覆される二酸化チタン量を
上記のようにすることによって得られる。
【0061】
【表2】 第2表において、(1)〜(8)は下記のとおりであ
る。
【0062】(1)Sicotrans Red L2
715D: BASF社製、商品名 透明酸化鉄 (2)シアニングリーン G5301: 大日精化社
製、商品名 (3)シアニングリーン G314: 山陽色素社製、
商品名 (4)Hostaperm Pink EB tran
s: ヘキスト社製、商品名 キナクリドンレッド (5)Black Pearls BP−1300:
キャボット社製、商品名カーボンブラック (6)スチレン15%、メチルメタアクリレート15
%、ブチルメタアクリレート40%、2−エチルヘキシ
ルアクリレート13%、ヒドロキシエチルメタアクリレ
ート15%およびアクリル酸2%を重合開始剤アソビス
イソブチロニトリルを用いてキシロール中で共重合せし
めて得られた加熱残分50%、溶液酸価80、溶液粘度
Y(ガードナー、25℃)のアクリル樹脂溶液。
【0063】(7)三井東圧製、商品名 ユーバン28
SE (8)関西ペイント社製、芯架橋非水系ディスパージョ
ン (特開平3−126770号に基づく)
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】 第3表〜第5表において使用された顔料の内容は、下記
の通りである。
【0067】ペリレンレッド R−6436: バイエ
ル社製 ペリレン顔料 イエロ−YT915D: チバガイギー社製 キナクリ
ドン顔料 ホワイトR−701: テイカ社製 二酸化チタン顔料 カーボンブラックBP−1300: キャボット社製
カーボンブラック顔料 エロー3R: チバガイギー社製 黄色顔料 オキサイドイエローXLO: チタン工業社製 黄色酸
化鉄顔料 臭素化フタロシアニングリーン2YK: 大日本インキ
化学工業社製 フタロシアニン顔料 インフイニットカラー: 資生堂社製低次酸化チタン被
覆マイカ ホワイトパール: メルク社製 二酸化チタン被覆マイ
カ 第2表〜第5表に記載した配合に基づいて塗料化した実
施例1〜8及び比較例1〜24の塗料を塗装しその上に
クリヤー塗料を2コート1ベーク塗装して得られた塗膜
を、株式会社村上色彩技術研究所製変角分光光度計GC
MS−4によりC光源、2°視野の条件で入射角45°
固定、受光角−30°から20°まで5°間隔で測色し
た結果を後記第6表に示す。
【0068】この結果より実施例1〜8及び比較例9〜
24はいずれも受光角の変化によりマンセル値が変化
し、メタリック塗膜に特有の“face color”
と“flop color”の変化を示しているのに対
し比較例1〜8のソリッドカラーは受光角の変化による
マンセル値の変化が乏しいものであることがわかる。
【0069】
【表6】 またメタリック塗膜の他方の特長であるキラキラ感につ
いては、関西ペイント株式会社製レーザー式メタリック
感測定装置ALCOPE LMR−100を改良し、光
束をφ50μとし、−45°入射/35°受光の条件で
測定面8mmの距離を走査し255点の測定を行ない明
暗度(IV値)の平均値[IV(AVE)]と標準偏差
[IV(PET)]を測定した。その結果を表7表に示
す。
【0070】この結果より実施例1〜8は比較例9〜2
4よりも輝きの強弱の変化を示す[IV(PET)]が
小さく、緻密で連続した渋く輝くような光輝感を有して
いることがわかる。
【0071】
【表7】 また自動車塗料に特に求められる光輝感の長期保持性に
ついては、実際に屋外、例えばフロリダ等でのバクロ試
験結果をデータは、まだ得られていないが、長期保持性
を判定する目安としてのアトラス社製キャノンウエザオ
メーター Ci65で3000時間の促進バクロ試験を
行なった結果を第8表に示す。
【0072】この結果より、既に自動車用塗料に使われ
ているマイカ表面に二酸化チタンを被覆してなる顔料、
いわゆるパールマイカ顔料等を含有する塗膜組成物と比
較しても決して長期保持が劣るものでないことがわる。
【0073】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09C 1/46 PBD 6904−4J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素含有雰囲気下での加熱による酸化処
    理及び/又は水溶性酸化剤による酸化処理が表面に施さ
    れたグラファイトフレーク粒子表面に、二酸化チタンが
    均一かつ緻密に被覆されたグラファイトフレーク顔料を
    含有することを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 二酸化チタン被覆グラファイトフレーク
    顔料がルチル型二酸化チタンによって被覆されている顔
    料である請求項1の塗料組成物。
  3. 【請求項3】 二酸化チタン被覆グラファイトフレーク
    顔料の長手方向寸法が1〜50μm、短手方向寸法が
    0.1〜5μmであり、かつその配合量が0.5〜50
    重量%である請求項1の塗料組成物。
  4. 【請求項4】 塗料組成物が熱硬化性アクリル樹脂系ベ
    ースコートである請求項1の塗料組成物。
  5. 【請求項5】 基体上にベースコートとして請求項1の
    塗料組成物を少なくとも一層塗装し、該ベースコートが
    未乾燥の間にその上に透明トップコートを少なくとも一
    層塗装し、両塗膜を同時に乾燥させることを特徴とする
    複層塗膜形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007023064A (ja) * 2005-07-12 2007-02-01 Kansai Paint Co Ltd メタリック塗料組成物、塗膜形成方法、塗膜構造及び塗装物品
JP2007106925A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Kansai Paint Co Ltd メタリック塗料組成物、塗膜形成方法、塗膜構造及び塗装物品

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JP2007106925A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Kansai Paint Co Ltd メタリック塗料組成物、塗膜形成方法、塗膜構造及び塗装物品

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