JPH0598049A - 帯電防止性合成樹脂成形品 - Google Patents

帯電防止性合成樹脂成形品

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JPH0598049A
JPH0598049A JP3284214A JP28421491A JPH0598049A JP H0598049 A JPH0598049 A JP H0598049A JP 3284214 A JP3284214 A JP 3284214A JP 28421491 A JP28421491 A JP 28421491A JP H0598049 A JPH0598049 A JP H0598049A
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有民 米村
Tsuneo Hagiwara
恒夫 萩原
Eiichi Hashimoto
▲えい▼一 橋本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成樹脂成形品本来の物性を損なうことなく
恒久的な帯電防止性能を付与する。 【構成】 基材合成樹脂成形品の表面に、特定の4級ア
ンモニウム塩を有する単量体と、架橋性オリゴマーと、
3官能以上の多官能のアクリル酸エステル及び/または
メタアクリル酸エステルと、光重合開始剤とから主とし
て成る紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物被膜を形成した
ことを特徴とする帯電防止性合成樹脂成形物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良好かつ恒久的な帯電
防止性能を有する合成樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、多くの合成樹脂成形品が市販され
ているが、これらは一般に電気抵抗値が高いため、摩擦
等によって容易に帯電し、ゴミ、ほこり等を吸引して汚
れる、傷が付く等の外観を損ねる、人間がそれらの帯電
した機器に触れたときに電気ショックを受ける場合があ
る等の問題を起こしている。
【0003】合成樹脂成形品に帯電防止性能を付与する
方法としては、 (1)界面活性剤の内部添加 (2)界面活性剤の表面塗布 (3)シリコン系化合物の表面塗布 (4)プラズマ処理による表面改質 等が挙げられる。これらのうち(3)の方法は塗工液の
ポットライフが短い、コストが高い他、膜性能自体にも
問題があり、又(4)の方法はその効果が永久的でな
い、コスト的に高価となる等の問題があり、一般には
(1)、(2)の方法が用いられる。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】界面活性剤の内部添
加方法は、重合前の合成樹脂原料や成形前の合成樹脂に
界面活性剤を混合または分散させるので、製造工程は簡
単となるが、充分な帯電防止性能を得るためには、一般
に界面活性剤の添加量を多くする必要があり、そのため
合成樹脂成形品本来の物性を保持することが難しい。か
つ、これらの界面活性剤は成形品内部で移動し易く、そ
のため得られた帯電防止性能が水洗や摩擦等により容易
に失われてしまい、耐久性に劣るという欠点があった。
【0005】また、界面活性剤を表面塗布する方法は、
基材となる合成樹脂の物性を損なうことが無い上少量の
界面活性剤で良好な帯電防止性能が得られる利点を持つ
が、反面合成樹脂成形品本来の美麗な外観を損ねる可能
性があり、また得られた帯電防止性能が水洗や摩擦等に
より容易に失われてしまうという欠点があった。
【0006】このように、これまでは良好な帯電防止性
能を恒久的に示し、かつ合成樹脂本来の物性を保持して
いるような合成樹脂成形品は得られていなかった。
【0007】更に、最近では、光ディスク、ビデオテー
プ等のように帯電防止性能に加えて優れた表面硬度や耐
湿耐久性、さらには透光性を要求される場合が多く、こ
れらの性能を満足するものは得られていない現状であ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構造を持つ4級
アンモニウム塩を有する単量体を含有する特定の紫外線
硬化型樹脂で合成樹脂成型品の表面を被覆することによ
り、合成樹脂成形品本来の物性を損なうことなく恒久的
な帯電防止性能を付与できることを見いだし本発明に到
達した。
【0009】即ち、本発明は、基材合成樹脂成形品の表
面に (A)下記一般式(イ)
【0010】
【化2】
【0011】[式中,R1 は水素原子またはメチル基
を、R3 ,R4 ,R5 は各々独立に水素原子またはアル
キル基を、R2 はアルキレン基またはオキシアルキレン
基を、X- はハロゲンイオン,R6 SO3 - (R6 はア
ルキル基置換芳香族基、アルコキシ基)または(R
7 0)2 P02 - (R7 はアルキル基)を示す]で示さ
れる4級アンモニウム塩を有する単量体と、(B)架橋
性オリゴマーと、(C)3官能以上の多官能のアクリル
酸エステル及び/またはメタアクリル酸エステルと、
(D)光重合開始剤から主として成る紫外線硬化型樹脂
組成物の硬化物被膜を形成したことを特徴とする帯電防
止性合成樹脂成形物である。
【0012】中でも、その架橋性オリゴマーがアクリロ
イル基当りの分子量が少なくとも150である紫外線硬
化樹脂組成物の硬化物被膜を形成した帯電防止性合成樹
脂成形物、さらには、架橋性オリゴマーの含有量が15
wt%以上であり、3官能以上の多官能アクリル酸エス
テル及び/又はメタアクリル酸エステルの含有量が20
wt%以上であり、前記4級アンモニウム塩を有する単
量体の含有量が10〜50wt%である紫外線硬化型樹
脂組成物の硬化物被膜を形成した帯電防止性合成樹脂成
形物が、好ましい。
【0013】本発明において紫外線硬化樹脂組成物の単
量体として使用する4級アンモニウム塩を有する単量体
は前記一般式(イ)で表され、アミノ基を有するアクリ
レートもしくはメタクリレートを4級化させることによ
り得られる。アミノ基を有するアクリレートもしくはメ
タクリレートとしては、ジメチルアミノエチルメタアク
リレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエ
チルアミノエチルプロピルメタクリレート、ジメチルア
ミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリ
レート、ジエチルアミノエチルプロピルアクリレート、
ジヒドロキシエチルアミノエチルメタクリレート等やこ
れらの混合物が挙げられる。
【0014】4級化剤としては、ジメチル硫酸、ジエチ
ル硫酸、ジプロピル硫酸等のアルキル硫酸エステル類、
P―トルエンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メ
チル、メタンスルホン酸メチル、トリフルオロメタンス
ルホン酸メチル等のスルホン酸エステル類、トリメチル
ホスフェイト、トリエチルホスフェイト等のアルキル燐
酸、アルキルベンジルクロライド、ベンジルクロライド
等のハライドが用いられ、特にアルキル硫酸エステル
類、スルホン酸エステル類が耐熱分解性の点より好まし
い。
【0015】4級化反応は両者を適当な溶剤に溶解し混
合することより行われる。溶剤としては反応に関連する
化合物を溶解し、反応しない物質であれば特に制約はな
い。アルコール、エーテルなど、アルコール類が好まし
く、特に低級脂肪族アルコールが好ましく使用される。
反応は冷却、撹伴下に行うのが無難である。
【0016】両反応成分の混合比はアミノ基含有(メ
タ)アクリル酸エステル化合物を過剰の状態で使用する
ことが好ましい、硫酸エステル等が過剰の状態では未反
応の4級化剤が存在することになり、これら4級化剤の
加水分解物が被膜周辺を劣化させる可能性があり、一般
的に好ましくない結果をもたらす場合がある。逆に、ア
ミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物は表面改
質剤として使用されており、その表面抵抗値が所望の範
囲内にある限り、過剰のアミノ基含有(メタ)アクリル
酸エステル化合物が存在しても一般に特に支障はない。
4級化に際してその混合量比は硫酸エステルまたはスル
ホン酸エステルなどの4級化剤に対してアミノ基含有
(メタ)アクリル酸エステル類が100モル%を超え6
00モル%以下、好ましくは110〜500モル%、更
に好ましくは120〜400モル%である。アミノ基含
有(メタ)アクリル酸エステル類の存在量が600モル
%を越えると反応速度が低下する傾向を示し、逆に10
0モル%以下になると前記の通り未反応の硫酸エステル
またはスルホン酸エステルが存在する可能性が高くな
り、好ましくない。
【0017】この反応は前記のようにアミノ基を有する
アクリレートなどと4級化剤とを予め混合してもよい
が、本発明のその他の成分と混合して後、4級化剤を添
加しても余計な副反応が進行しない限り、差し支えな
い。アミノ基を有するアクリレートなどの4級化物の溶
解性を上げるため、若干のアルコール類の添加は膜の性
能に重大な影響を与えない範囲で差し支えない。
【0018】本発明で用いる架橋性オリゴマーは、分子
中に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合、例えば、
アクリロイル基を有する付加重合可能な化合物を言う。
【0019】本発明においては、紫外線硬化型樹脂中、
架橋性オリゴマーのアクリロイル基当りの分子量は少な
くとも150であり、好ましくは350以上であり、特
に好ましくは1、000以上である。
【0020】ここで、アクリロイル基当りの分子量が1
50より小さい場合、紫外線照射による架橋膜の物性は
伸びが小さく脆いものとなる。その結果、光りディスク
等に適用した場合、その記録膜との接着力は弱くなり、
更に湿熱雰囲気下での低下が著しく実用に適さない。架
橋膜の靭性(タフネス)及び硬化時の体積収縮の観点か
ら、架橋性アクリロイル基当りの分子量は大きい方が望
ましい。紫外線照射による硬化収縮に起因する光りディ
スク等における媒体歪(記録膜の浮き上がりや媒体の反
り等)を極力なくすためには、架橋性オリゴマーのアク
リロイル基当りの分子量は大きい方が好ましいと言え
る。しかしその全体の分子量が増加するに従い系の粘度
が上昇するので、加工上の点から、おのずと制約はあ
る。
【0021】本発明に用いる架橋性オリゴマーである付
加重合可能なエチレン性不飽和化合物の代表的なものと
して、次のアクリレート及び/又はメタアクリレート
(以下”(メタ)アクリレート”と略記する場合があ
る)化合物を例示することが出来る。
【0022】ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリ
ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)
アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、シリコ
ーン(メタ)アクリレート等である。これらの具体例と
して、さらに次のものを挙げることが出来る。
【0023】ポリブチレンアジペートジアクリレート、
ポリエチレングリコールジメタアクリレート、ポリプロ
ピレングリコールジアクリレート、(ポリエステルグリ
コールとイソシアナートから成る)ポリウレタンのジア
クリレート、スピログリコールウレタンジアクリレー
ト、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ビスフ
ェノールF型エポキシメタアクリレート、フェノールノ
ボラック型エポキシアクリレート、クレゾールノボラッ
ク型エポキシメタアクリレート、カプロラクトン変性ジ
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリジメチ
ルシロキサンジメタアクリレート等。
【0024】これらのアクリレート類は実用性に富む化
合物であるが、これら以外に不飽和ポリエステル、ダッ
プ樹脂の如きアリル樹脂、スチレン共重合体の如きビニ
ル樹脂、あるいは、側鎖に活性基を有するポリアミド、
ポリウレタン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエー
テルスルホン、ポリフェニレンオキシド等の如き樹脂を
アクリル酸エステル変性したもの等も充分に使用でき
る。
【0025】本発明において、上記付加重合可能なエチ
レン性不飽和化合物からなる架橋性オリゴマーは少なく
とも15wt%、好ましくは25wt%以上用いること
が望ましく、1種類でも良いし、2種類以上を併用して
もよい。
【0026】本発明の帯電防止性を付与する4級アンモ
ニウム塩を有する単量体成分の添加量は10〜50wt
%、好ましくは15〜45wt%、更に好ましくは20
〜40wt%である。10wt%以下の場合抵抗が高く
なり帯電防止能力が不足し、また50wt%以上の場合
には硬化膜の表面抵抗値は満足できるが、架橋性オリゴ
マー等との相溶性が低下することや、被膜の硬度、強
度、表面性が不十分となり本発明の特性を満足すること
が難しくなる。
【0027】本発明で用いる3官能以上の多官能(メ
タ)アクリル酸エステルの含有量は少なくとも20重量
%である。好ましくは25重量%であり、特に好ましく
は30重量%以上である。3官能以上の多官能(メタ)
アクリル酸エステルが20重量%より少ない場合、紫外
線により硬化した膜の架橋度が不足し、接着強度などの
初期物性の低下のみならず湿熱雰囲気下に於ける接着力
の低下が著しく実用的でない。
【0028】本発明で用いる3官能以上の多官能(メ
タ)アクリル酸エステルの代表的なものとして次のもの
を挙げることが出来る。
【0029】トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリ
レート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
トリアクリロイルオキシイソシアヌレートなど。
【0030】実際に使用する紫外線硬化型樹脂には上記
の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートの外に2官
能や単官能の(メタ)アクリレートを併用することが可
能であり、粘度調整及び硬化後の物性の適正化などの点
から各種の(メタ)アクリル酸エステルを選ぶことが出
来る。
【0031】例えば2官能の(メタ)アクリル酸エステ
ルとしては、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリ
コールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノール
ジアクリレートなどを挙げることが出来る。
【0032】単官能の(メタ)アクリル酸エステルの代
表的なものとしては、次のものを挙げることが出来る。
【0033】2―ヒドロキシエチルアクリレート、ラウ
リルメタアクリレート、ジエチルアミノエチルメタアク
リレート、メチルメタアクリレート、n―ブチルメタア
クリレート、n―ブチルアクリレート、テトラヒドロフ
ルフリルアクリレートなどである。
【0034】上記(メタ)アクリル酸エステル以外に、
ジアリルフタレートあるいはスチレン、酢酸ビニル、ア
クリロニトリル、塩化ビニルなども使用することが可能
である。
【0035】光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、
ミヒラーズケトンなどのベンゾフェノン系開始剤、ベン
ジル、フェニルメトキシジケトンなどのジケトン系開始
剤、アセトフェノンなどのアセトフェノン系開始剤、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタールの
如きベンゾイン系開始剤、2,4―ジエチルチオキサン
トンなどのチオキサントン系開始剤、2―メチルアント
ラキノン、カンファーキノンなどのキノン系開始剤など
が好適に用いられる。必要に応じてアミン系促進剤など
の促進剤の併用も可能である。用いられる開始剤量とし
ては、その上限はコスト等の実用面から制限され、硬化
性樹脂組成物の合計量に対して1〜10wt%、好まし
くは2〜5wt%が用いられる。
【0036】これらの開始剤は一種類の化合物を使用す
ることはもちろん複数種の化合物を適当に組み合わせて
使用しても差し支えない。
【0037】本発明に於て基材合成樹脂成形品に特に制
約はない。例えば、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、PEN(ポリエチレン2,6ナフタレート)等の
ポリエステルフィルムやポリプロピレン、ポリエチレン
等のポリオレフィンフィルムなど各種の合成樹脂フィル
ムに容易に適用することが可能である。さらにそれら成
形品の加工商品であるオーディオテープ、ビデオテープ
などに適用することも出来る。
【0038】また、光ディスク、例えば、コンパクトデ
イスク(CD)などのガラスや樹脂などからなる基板上
にピットが形成されたピットタイプの光ディスク、基板
上に熱記録層が形成された光デイスク、レーザー光など
の照射によりバブルを形成し、反射光の変化でレベル変
動を検知するバブルタイプの光ディスク、あるいは基板
上に光磁気記録層が形成された光磁気ディスクなどが含
まれる。本発明が適用される光ディスクは、基板にポリ
カーボネート、ポリメチルメタクリレート、アモルファ
スポリオレフィンなどの樹脂基板を用いた光デイスクで
ある.中でも、本発明は、帯電防止性と共に高硬度、透
明性等が要求される光デイスク、用途が広く各種用途で
同様な性能が必要となるポリエステルフイルム等に好適
である。
【0039】その他、常に帯電し易い環境で使用される
各種のOA用機器のケース等にも容易に使用することが
出来る。
【0040】本発明の帯電防止性組成物は、公知のコー
ティング法により各種の成形物の表面に塗布することが
出来る。例えば各種の光ディスクに塗布する場合には、
スピンコーティング法、浸漬コーティング法、ドクター
ナイフによるコーティング、バーコーターによる方法
で、ディスク表面を被覆することが出来る。特にスピン
コーテイング法は、膜厚の制御が容易で実用上最も好ま
しい。光ディスクの被覆にあたっては、光ディスクの側
面をも被覆すると帯電防止効果を向上させることが出来
る。いずれにせよ溶媒を用いずに塗工を可能にするため
に、該帯電防止性組成物の粘度は、20ポイズ以下、好
ましくは10ポイズ以下、更に好ましくは5ポイズ以下
である。それ以上では塗膜制御が円滑に行えないために
好ましくない。
【0041】また、各種のフィルムに塗布する場合に
も、広く一般にウエッブコーティングで使用されている
方法、グラビヤロールコーティング、各種ロールコーテ
ィング、浸漬コーティング法、バーコーティング等の塗
工方法が条件に応じて使用される。
【0042】さらに、各種OA機器のハウジング等の複
雑な形態をした3次元的成形品に対しても浸漬コーティ
ング法、スプレイコーティング法等を使用して、容易に
本発明を実施することが出来る。
【0043】本発明の塗膜の厚さは対象物により異なる
が、概して0.01〜100μmであり、好ましくは
0.5〜50μm、更に好ましくは1〜20μmであ
る。それ以下では表面抵抗の上で十分な性能が発揮され
ず、それ以上では硬化不足を生じ易く、塗膜性能が不安
定になり、好ましくない場合が生じる。
【0044】本発明で得られる成型品の表面抵抗は10
14Ω/□未満、更に好ましくは1013Ω/□未満であ
る。これ以上の抵抗を有するものは帯電防止性の観点か
ら効果がない。
【0045】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。本発明はかかる実施例に限定されない。
【0046】まず、撹伴羽根付きガラス製フラスコにジ
エチルアミノエチルメタクリレート112.2部(部は
重量部、以下同じ)、エタノール220部を入れ撹伴し
ながらジエチル硫酸77部、エタノール77部の混合物
を内温30℃以下になるように滴下し、滴下終了後1時
間撹伴を続け、4級アンモニウム塩を有するジエチルア
ミノエチルメタクリレートの混合物を得た。これを以
下”DEAMS”と略記する。
【0047】
【実施例1〜4】厚さ1.2mm、直径130mmのポリカ
ーボネート樹脂製光ディスク用基板のフラット(溝を形
成していない)面に、前記DEAMS、架橋性オリゴマ
ー及び多官能アクリレート等を含有する第1表に示した
組成の紫外線硬化型樹脂組成物をスピンコーターにより
約10μmの厚さで均一に塗布した。
【0048】次いで塗布した有機物層の側から80W/
cmの高圧水銀灯により紫外線を照射し樹脂を硬化させ
た。
【0049】なお、光重合開始剤は何れも、ダロキュア
1173(チバ・ガイギー社)を3phr (parts per
hundred resin )添加した。
【0050】得られたディスクの表面抵抗を測定し、つ
ぎに各々のディスクを70℃の水中に16〜24時間浸
漬し乾燥後、再び表面抵抗を測定した。このような過酷
な試験の後でも、その表面抵抗値が実質的に変化してい
ないことが確認された。結果を表2にまとめる。実施例
において、表面抵抗(Ω/□)はJIS K6911に
よった。
【0051】なお、表1において、化合物名の略号は以
下の通りである。 BPA―EA:ビスフェノール―A―エポキシアクリレ
ート PN―EPA:フェノールノボラック―エポキシアクリ
レート CSN―EPA:クレゾールノボラック―エポキシアク
リレート TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート NPGDA:ネオペンチルグリコールジアクリレート HDDA:ヘキサンジオールジアクリレート DEG―DA:ジエチレングリコールジアクリレート THF―A:テトラヒドロフルフリルアクリレート PETA:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
【0052】
【比較例1〜4】実施例1〜4と同じ基板を使用し、表
1の比較例の項に記載した本発明の範囲外の組成の紫外
線硬化型樹脂組成物を用いて該実施例と同じようにして
基板のフラット面に硬化被膜を形成し、評価した。その
結果を表2に併記する。DEAMSの量を範囲外にする
と、表面抵抗が過大になる、または硬度が不足するなど
の欠点があることが判る。
【0053】
【比較例5】実施例1〜4と同じディスク用基板に市販
の帯電防止剤“ハイボロンSCI”(ボロンインターナ
ショナル)を塗布し、80℃で10分間熱処理をして硬
化膜を形成し、実施例と同じく加速試験前後の表面抵抗
値を測定し、評価した。その結果を表2に示した。この
結果前述の実施例と異なり、その硬化膜の帯電防止効果
の耐久性は低いことが判る。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【実施例5〜7】厚さ100μmのポリエステルフィル
ムに、表3記載の組成の紫外線硬化型樹脂組成物をバー
コーターにより被覆後、引続き80w/cmの高圧水銀灯
を使用して紫外線照射を行った。得られたフィルムの硬
化被膜形成面の表面抵抗を測定し、つぎに各々のフィル
ムを70℃の水中に16〜24時間浸漬し乾燥後、再び
表面抵抗を測定した。このような過酷な試験の後でも、
その表面抵抗値が実質的に変化していないことが確認さ
れた。結果を表4にまとめる。
【0057】なお、表3の化合物名の略号は、表1と同
じである。
【0058】
【比較例6〜10】実施例5〜7と同じフィルムに表3
記載の組成の紫外線硬化型樹脂組成物を用い、該実施例
と同様にして硬化被膜を形成し、その表面抵抗を該実施
例と同様にして測定し、評価した。その結果を表4に示
した。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【実施例8〜10】実施例1〜4と同じ基板を用い実施
例1の紫外線硬化型樹脂組成物において4級化剤のみを
実施例1のDEAMSに変えて、表5の化合物とした紫
外線硬化型樹脂組成物を使用して、実施例1と同様にし
て硬化被膜を形成し、その表面抵抗により評価した。そ
の結果を表5に示した。
【0062】
【表5】
【0063】
【本発明の効果】本発明は、高度の耐久性をもつ帯電防
止能を有する合成樹脂成型品を提供するものであり、特
に透明性、高硬度表面が必要な光デイスク等の合成樹脂
成形品に好適なものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材合成樹脂成型品の表面に (A)下記一般式(イ) 【化1】 [式中、R1 は水素原子またはメチル基を、R3
    4 ,R5 は各々独立に水素原子またはアルキル基を、
    2 はアルキレン基またはオキシアルキレン基を、X-
    はハロゲンイオン、R6 SO3 - (R6 はアルキル基置
    換芳香族基、アルコキシ基)または(R7 0)2 P02
    - (R7 はアルキル基)を示す]で示される4級アンモ
    ニウム塩を有する単量体と、 (B)架橋性オリゴマーと、 (C)3官能以上の多官能のアクリル酸エステル及び/
    またはメタアクリル酸エステルと、 (D)光重合開始剤 から主として成る紫外線硬化型樹脂組成物の硬化物被膜
    を形成したことを特徴とする帯電防止性合成樹脂成形
    物。
  2. 【請求項2】 前記架橋性オリゴマーが分子中に少なく
    とも1つのアクリロイル基を有する付加重合可能な化合
    物であり、アクリロイル基当りの分子量が少なくとも1
    50である請求項第1項記載の帯電防止性合成樹脂成形
    物。
  3. 【請求項3】 前記紫外線硬化型樹脂組成物が、その架
    橋性オリゴマーの含有量が15wt%以上であり、その
    多官能アクリル酸エステル及び/又はメタアクリル酸エ
    ステルの含有量が20wt%以上であり、その4級アン
    モニウム塩を有する単量体の含有量が10〜50wt%
    である請求項第1項又は第2項記載の帯電防止性合成樹
    脂成形物。
  4. 【請求項4】 前記硬化物被膜の表面抵抗値が1014Ω
    /□未満である請求項第1項〜第3項記載のいずれかの
    帯電防止性合成樹脂成形物。
  5. 【請求項5】 基材合成樹脂成形品が透明合成樹脂基板
    からなる光ディスクであり、その読み取り面に前記硬化
    物被膜を形成した請求項第1項〜第4項記載のいずれか
    の帯電防止性合成樹脂成形品。
  6. 【請求項6】 基材合成樹脂成形品がポリエステルフィ
    ルムである請求項第1項〜第4項記載のいずれかの帯電
    防止性合成樹脂成形品。
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