JPH05967U - リコイルプーリー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 部品点数を減少し、クランクシャフトの長さ
を短くし、組立工数を減少できるリコイルプーリーの提
供。 【構成】 板金製リコイルプーリー４′にウェルディン
グナット１１を溶接し、このウェルディングナット１１
にてクランクシャフト５の一端のねじ７に取付けた板金
製リコイルプーリー４′に於いて、ウェルディングナッ
ト１１と同心に穿設されクランクシャフト５の一端のね
じ７が貫通する板金製リコイルプーリー４′の穴の内周
に凸部１２を設けて、この凸部１２を前記ねじ７に干渉
させた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、内燃機関の始動に用いるリコイルスタータのリコイルプーリーに関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

内燃機関のクランクシャフトに取付けられるリコイルプーリーは、図５に示す ように円盤部１と周縁部２と中央の筒状部３とよりなり、このリコイルプーリー ４を筒状部３にてクランクシャフト５の一端部にキー６にて取付け、クランクシ ャフト５の一端のねじ７にワッシャ８を介在してナット９を螺締して、リコイル プーリー４を固定している。先行技術文献として実公平１−１４７６１号公報を 挙げることができる。

【０００３】 ところで、上記のリコイルプーリー４は、円盤部１、周縁部２、筒状部３が一 体の厚肉構造である為、重量が大でクランクシャフト５の回転負荷が大きく、ま た製作が面倒である。

【０００４】 この為、図６に示すような板金製のリコイルプーリー４′を作り、これの中央 に明けた穴１０の位置にウェルディングナット１１を溶接し、このウェルディン グナット１１をクランクシャフト５のねじ７に螺合し、穴１０を貫通したねじ７ にワッシャ８を介在してナット９を螺締し、リコイルプーリー４′を固定するこ とが行われている。

【０００５】 然し乍ら、このようにダブルナットで板金製のリコイルプーリー４′をクラン クシャフト５に固定することは、部品点数が増加するばかりではなく、クランク シャフト５のねじ７の長さが長くなり、それだけクランクシャフト５の長さが長 くなる。その上組立工数が多くなる等の不都合がある。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案は、部品点数を減少し、クランクシャフトの長さを短くでき、組 立工数を減少できるリコイルプーリーを提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための本考案のリコイルプーリーは、板金製リコイルプー リーにウェルディングナットを溶接し、このウェルディングナットにてクランク シャフトの一端のねじに取付けた板金製リコイルプーリーに於いて、ウェルディ ングナットと同心に穿設されクランクシャフトの一端のねじが貫通する板金製リ コイルプーリーの穴の内周に凸部を設けて、この凸部を前記ねじに干渉させたこ とを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

上記のように構成された本考案のリコイルプーリーは、板金製リコイルプーリ ーのウェルディングナットに螺通しさらに同心の穴に貫通したクランクシャフト の一端のねじに、前記穴の内周に設けた凸部を干渉させているので、ウェルディ ングナットのクランクシャフトのねじに対する緩みが防止され、板金製リコイル プーリーがクランクシャフトに確実に固定されることとなる。

【０００９】

【実施例】

本考案のリコイルプーリーの実施例を図によって説明すると、図１に示すよう に板金製のリコイルプーリー４′に方形のウェルディングナット１１を溶接し、 このウェルディングナット１１にてクランクシャフト５の一端のねじ７に取付け た板金製リコイルプーリー４′に於いて、ウェルディングナット１１を螺通した ねじ７が貫通する板金製リコイルプーリー４′の穴１０の内周に図２に示される ように凸部１２を設けて、この凸部１２を図３に示すようにクランクシャフト５ のねじ７に干渉させている。図１中の１３は図示せぬリールの筒部に当接する係 合部材、１４は係合部材１３を付勢するばねである。

【００１０】 尚、凸部１２は板金製リコイルプーリー４′の打抜き成形時に穴１０と一緒に 形成されるもので、この凸部１２の大きさはねじ７の溝に係合する大きさである 。また凸部１２は１個に限らず穴１０の内周の数ケ所に設けても良いものである 。

【００１１】 リコイルプーリーの他の実施例としては図４に示すように穴１０の形状をトラ ック形の細長い形状になし、両側の直線部をねじ７の溝に係合する凸部１２′と なしたものもある。勿論この凸部１２′は片側のみでも良い。

【００１２】 上記のように構成された各実施例のリコイルプーリーは、板金製リコイルプー リー４′のウェルディングナット１１に螺通し、さらに同心の穴１０に貫通した クランクシャフト５の一端のねじ７に、前記穴１０の内周に設けた凸部１２，１ ２′を係合して干渉させているので、ウェルディングナット１１のクランクシャ フト５のねじ７に対する緩みが防止され、板金製リコイルプーリー４′がクラン クシャフト５に確実に固定されることとなる。従って、従来のようにダブルナッ トで板金製リコイルプーリー４′を固定する必要がなくなり、従来のワッシャ８ 、ナット９は不要となって部品点数が減少する。またワッシャ８、ナット９の取 付けが不要となる為、クランクシャフト５のねじ７の長さが短くでき、それだけ クランクシャフトの長さを短くできる。さらに組立工数が減少する。

【００１３】

【発明の効果】

以上の通り本考案のリコイルプーリーは、板金製リコイルプーリーをクランク シャフトの一端のねじに確実に固定できて、従来用いていたワッシャ、ナットは 不要となって部品点数が減少し、しかもクランクシャフトのねじの長さを短くで きるので、リコイルスターターの小型化に貢献でき、その上組立工数が減少して リコイルスターターの製作能率が向上し、さらにコストも低減される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のリコイルプーリーの一実施例を示す断
面図である。

【図２】図１のＡ矢視部分図である。

【図３】図１のＢ部拡大図である。

【図４】本考案のリコイルプーリーの他の実施例の要部
を示す図である。

【図５】従来のリコイルプーリーを示す断面図である。

【図６】従来の板金製リコイルプーリーを示す断面図で
ある。

【符号の説明】

４′ 板金製リコイルプーリー ５ クランクシャフト ７ ねじ １０ 穴 １１ ウェルディングナット １２，１２′ 凸部

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 板金製リコイルプーリーにウェルディン
   グナットを溶接し、このウェルディングナットにてクラ
   ンクシャフトの一端のねじに取付けた板金製リコイルプ
   ーリーに於いて、ウェルディングナットと同心に穿設さ
   れクランクシャフトの一端のねじが貫通する板金製リコ
   イルプーリーの穴の内周に凸部を設けて、この凸部を前
   記ねじに干渉させたことを特徴とするリコイルプーリ
   ー。