JPH0594A - 発酵法によるアントラニル酸の製造法 - Google Patents

発酵法によるアントラニル酸の製造法

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JPH0594A
JPH0594A JP17909291A JP17909291A JPH0594A JP H0594 A JPH0594 A JP H0594A JP 17909291 A JP17909291 A JP 17909291A JP 17909291 A JP17909291 A JP 17909291A JP H0594 A JPH0594 A JP H0594A
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JP
Japan
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anthranilic acid
producing
strain
fermentation
tyrosine
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JP17909291A
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English (en)
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Hidekazu Nakano
英一 中野
Kazuhiko Totsuka
一彦 戸塚
Shigeru Nakamori
茂 中森
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ブレビバクテリウム属またはコリネバクテ
リウム属に属し、フェニルアラニンアナログ耐性でかつ
チロシンを生育に要求し、アントラニル酸生産能を有す
る変異株を用いた発酵法によるアントラニル酸の製造
法。 【効果】 本発明で使用する菌株は、アントラニル酸
の生産性に優れており、従来法より安価かつ効率的にア
ントラニル酸を発酵生産することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発酵法によるアントラニ
ル酸の製造法に関する。アントラニル酸は香料等の合成
中間体となる有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】従来、発酵法によるアントラニル酸の製
造法としては、ストレプトミセス・シオヤエンシスのト
リプトファン要求性株(特開昭48−39692号公
報)、ブレビバクテリウム・フラバムのトリプトファン
アナログ耐性株(Agric.Biol.Chem.第
39巻、627〜635頁、1975年)、ブレビバク
テリウム・フラバムのトリプトファン要求性株(J.B
iochem.第81巻、823〜833頁、1977
年)、あるいはブレビバクテリウム・フラバムのチロシ
ン、フェニルアラニン複要求性株(Agric.Bio
l.Chem.第47巻、2295−2305頁、19
83年)を培養し、培養液中に生成蓄積されたアントラ
ニル酸を採取する方法が知られている。しかしながら、
これらの方法においては、培養液中に生成蓄積されるア
ントラニル酸の量は高々5g/lと少なく、実用面でよ
り生産性の優れた菌株を用いた発酵法によるアントラニ
ル酸の製造法の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
法より安価かつ効率的な発酵法によるアントラニル酸の
製造法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アントラ
ニル酸を効率よく発酵生産する方法を開発するために鋭
意研究を重ねた結果、ブレビバクテリウム属またはコリ
ネバクテリウム属に属し、フェニルアラニンアナログ耐
性でかつチロシンを生育に要求し、アントラニル酸生産
能を有する変異株の使用がその目的に適合しうることを
見い出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至
った。
【0005】すなわち、本発明は、ブレビバクテリウム
属またはコリネバクテリウム属に属し、フェニルアラニ
ンアナログ耐性でかつチロシンを生育に要求し、アント
ラニル酸生産能を有する変異株を培養し、培養液中にア
ントラニル酸を生成蓄積せしめ、これを採取することを
特徴とする発酵法によるアントラニル酸の製造法を提供
するものである。
【0006】本発明において使用されるフェニルアラニ
ンアナログとは、親株の生育を阻害し、その阻害がフェ
ニルアラニンの添加によって特異的に回復されるような
フェニルアラニンの構造アナログのことであり、例とし
ては、メタフロロフェニルアラニン、パラフロロフェニ
ルアラニン、フェニルアラニンハイドロキサメート、D
−フェニルアラニン等が挙げられる。
【0007】本発明において使用する変異株は、ブレビ
バクテリウム属またはコリネバクテリウム属に属し、親
株の生育を阻害する濃度のフェニルアラニンアナログの
存在下で生育可能で、かつチロシンを生育に要求し、ア
ントラニル酸生産能を有する変異株である。具体的に例
示すれば、以下のものがある。
【0008】 ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタム AJ12612 (FERM P−12122) コリネバクテリウム・アセトアシドフィラム AJ12613 (FERM P−12123)
【0009】また、フェニルアラニンアナログ耐性及び
チロシン要求性の他に、トリプトファンアナログ耐性、
トリプトファン要求性、フェニルアラニン要求性等、ア
ントラニル酸の生産性を高めることが知られている性質
を付与することにより、更に生産性の高い変異株を得る
こともできる。
【0010】この様な変異株を得る際に使用される親株
としては、ブレビバクテリウム属またはコリネバクテリ
ウム属に属する菌株が用いられる。さらに以下に例示す
るような野生株も親株として使用できる。
【0011】 ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタム ATCC13869 ブレビバクテリウム・フラバム ATCC14077 コリネバクテリウム・アセトアシドドフィラム ATCC13870 コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13032
【0012】これらの親株に、先にフェニルアラニンア
ナログ耐性を付与した後チロシン要求性を付与してもよ
いし、先にチロシン要求性を付与した後フェニルアラニ
ンアナログ耐性を付与してもよい。
【0013】これらの親株を変異処理する方法は、例え
ばX線や紫外線の照射、あるいはN−メチル−N’−ニ
トロ−N−ニトロソグアニジン(以下、NGと記す)等
の変異誘導剤に接触せしめる等の通常の方法が適用でき
る。本発明の変異株の取得のより具体的な実験例を以下
に示す。
【0014】ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタ
ム ATCC13869の菌体を、0.02Mリン酸緩
衝液(pH7.0)に1.1x10個/mlになるよ
うに懸濁し、これに200μg/mlの濃度になるよう
にNGを加え、室温で30分間保持した後、0.02M
リン酸緩衝液で洗浄した。得られた菌体を同緩衝液で希
釈し、表1に示す組成の完全寒天平板培地に100〜5
00個/プレートのコロニーが出現するように塗布し、
31.5℃で3日間培養した。
【表1】
【0015】これをマスタープレートとして、常法によ
り表2に示す組成の最少寒天平板培地とそれにL−チロ
シン100mg/lを添加した寒天平板培地にそれぞれ
レプリカし、前者の培地で生育せず、後者の培地で生育
するチロシン要求性変異株を採取した。
【表2】
【0016】次に、ブレビバクテリウム・ラクトフェル
メンタム ATCC13869が生育できない濃度のD
L−メタフロロフェニルアラニンを含有する培地とし
て、表3に示す組成の培地を設定した。上記チロシン要
求性株を、上と同様の操作でNGにて変異処理した後表
3の培地に植え、31.5℃で5日間培養して生育した
株、すなわちメタフロロフェニルアラニン耐性でかつチ
ロシンを生育に要求する変異株を得た。
【表3】
【0017】得られた菌株を、試験管に3ml宛入れた
表4に示す組成の培地に植え、31.5℃で72時間振
盪培養し、アントラニル酸を大量に生産する菌株を選択
した。こうしてメタフロロフェニルアラニン耐性でかつ
チロシンを生育に要求し、高いアントラニル酸生産能を
有する変異株として、ブレビバクテリウム・ラクトフェ
ルメンタム AJ12612を得た。
【表4】
【0018】また、コリネバクテリウム・アセトアシド
フィラム ATCC13870を親株として、同様な操
作により、パラフロロフェニルアラニン耐性でかつチロ
シンを生育に要求し、高いアントラニル酸生産能を有す
る変異株として、コリネバクテリウム・アセトアシドフ
ィラム AJ12613を取得することができた。
【0019】これらの変異株を用いてアントラニル酸を
生産せしめるには、炭素源、窒素源、無機塩類、生育因
子及び使用する微生物が要求する栄養物質を含有する通
常の栄養培地を用いて常法により行なうことができる。
炭素源としては、グルコース、シュクロース、糖蜜、デ
ンプン加水分解液等、窒素源としては、硫安、尿素、ア
ンモニア等が利用できる。
【0020】培養方法は、発酵温度25〜40℃、好ま
しくは30〜34℃で通気培養を行なう。培養開始時及
び培養中のpHは5.0〜9.0、好ましくは6.0〜
7.5が良く、pHの調整には無機あるいは有機の酸性
あるいはアルカリ性物質、更には尿素、炭酸カルシウ
ム、アンモニアガスなどを使用することができる。
【0021】培養終了後の発酵液からのアントラニル酸
の採取は、イオン交換樹脂法、晶析法等の従来からの公
知の方法及びその組合せにより行うことができる。
【0022】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
【0023】
【実施例1】表5に示す組成の培地を500ml振とう
フラスコに20mlずつ分注した。115℃で10分間
加熱殺菌後、予め180℃で2時間乾熱滅菌した炭酸カ
ルシウム1gを加えた。この培地にブレビバクテリウム
・ラクトフェルメンタム AJ12612とその親株A
TCC13869をそれぞれ接種し、31.5℃で72
時間振とう培養した。培養液中に生成蓄積したアントラ
ニル酸を高速液体クロマトグラフィー(カラム:三菱化
成工業製CPK−08、φ2.6×500mm、溶媒:
0.2Mリン酸バッファー、検出:UV210nm)に
より定量した。その結果、ATCC13869ではアン
トラニル酸は全く蓄積しなかったの対し、AJ1261
2では8.5g/lのアントラニル酸が生成蓄積してい
た。
【表5】
【0024】次に、AJ12612の培養液135ml
を、陽イオン交換樹脂(三菱化成工業製ダイヤイオンS
K−1B)を充填したカラムに吸着、溶出させ、濃縮及
び中和晶析によってアントラニル酸を採取した。得られ
たアントラニル酸は0.73gであった。
【0025】
【実施例2】実施例1と同様の方法により、コリネバク
テリウム・アセトアシドフィラムAJ12613とその
親株ATCC13870のアントラニル酸の生産能を測
定した。親株ATCC13870ではアントラニル酸は
全く蓄積しなかったのに対し、AJ12613を用いた
場合、7.2g/lのアントラニル酸が生成蓄積した。
【0026】
【発明の効果】本発明で使用する変異株は、アントラニ
ル酸の生産性に優れており、従来知られている菌株より
大量のアントラニル酸を培養液中に生成蓄積させること
ができるため、本発明の方法は安価かつ効率的な発酵法
によるアントラニル酸の製造法として好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレビバクテリウム属またはコリネバ
    クテリウム属に属し、フェニルアラニンアナログ耐性で
    かつチロシンを生育に要求し、アントラニル酸生産能を
    有する変異株を培養し、培養液中にアントラニル酸を生
    成蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする発酵法
    によるアントラニル酸の製造法。
  2. 【請求項2】 フェニルアラニンアナログがメタフロ
    ロフェニルアラニンまたはパラフロロフェニルアラニン
    である請求項1記載の発酵法によるアントラニル酸の製
    造法。
JP17909291A 1991-04-19 1991-04-19 発酵法によるアントラニル酸の製造法 Pending JPH0594A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015124687A1 (en) * 2014-02-20 2015-08-27 Bayer Materialscience Ag Recombinant strain producing o-aminobenzoate and fermentative production of aniline from renewable resources via 2-aminobenzoic acid
CN105992824A (zh) * 2014-02-20 2016-10-05 科思创德国股份有限公司 经由邻氨基苯甲酸盐生产苯胺
US11168341B2 (en) * 2015-11-20 2021-11-09 Covestro Deutschland Ag Method for producing aminobenzoic acid or an aminobenzoic acid derivative

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