JPH0593885U - シャープペンシルとボールペンの多芯筆記具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】鉛筆芯をシャープペンシル中具の先口から繰出
させるノック操作がきわめて容易なシャープペンシルと
ボールペンの多芯筆記具を提供する。 【構成】尾端にノック部 64 が突設され、作動子４，５
の押圧部 41, 51 が挿通される窓穴 61 が周面に形成さ
れるとともに内部に係止部 63 を有するノック筒６を、
ノック部 64 が軸筒 10 の尾端開口から突出した状態で
前後動可能に軸筒内に収容し、シャープペンシル中具８
の先口 81 が軸筒の先端開口 21 から前進不能の状態で
突出したときに、ノック部 64 を押圧してノック操作を
行うと鉛筆芯が繰出するようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、シャープペンシル中具とボールペン芯が軸筒内に収容された多芯筆 記具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

最近はボールペンインキの多色化が進み、軸筒内にインキの色の異なる４本程 度の複数のボールペン芯を同心円状に配置してボールペンのペン体を軸筒の先端 開口から択一的に突出するようにしたボールペンの多芯筆記具が実用化されてい る。かかる多芯筆記具は、ボールペン芯の尾端に色分けした作動子が連結されて おり、作動子の押圧部が軸筒の窓穴から径方向に突出している。そして、筆記す る色の作動子の押圧部を指頭で軸線方向に前進させるとボールペン芯が前進して ペン体が軸筒の先端開口から突出するが、このとき、作動子の押圧部は指頭で径 方向にも押されるので、ボールペン芯は軸筒の軸心寄りに少し偏位し、作動子の 押圧部が軸筒内にほとんど入り込んで軸筒内に形成された係止部に係合し、筆圧 を受け止めるようになっている。

【０００３】 また、作動子の裏面には、後退駆動用と被後退駆動用の２つの突起が上下に形 成されており、作動子が前進する過程で下側の後退駆動用が前進位置にある他の ボールペン芯の作動子の被後退駆動用突起に当たってこの芯を軸筒の軸心寄りか ら周辺部に押しやる。従って、前進位置にあった他のボールペン芯の作動子と軸 筒の係止部との係合が解除され、後退するようになっている。

【０００４】 かかる多芯筆記具にシャープペンシル中具も収容してシャープペンシルとボー ルペンの多芯筆記具にすると用途が更に拡大されて好ましく、一部で実用化され ている。つまり、シャープペンシル用作動子がシャープペンシル中具の芯ケース に連結されており、この作動子を前進させると、シャープペンシル中具の先口が 軸筒の先端から突出する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで従来のシャープペンシルとボールペンの多芯筆記具において、シャー プペンシルで筆記する際に、鉛筆芯をシャープペンシルレフィールの先口から繰 出させるために、前進位置にあって係止部に係合したシャープペンシル用作動子 を更に前進させてノック操作を行う必要がある。しかしながら、前進位置にある 作動子は、その押圧部の軸筒の窓穴からの突出距離は僅かであり、しかも軸筒の 周面から径方向に突出しているので、筆記中にノック操作を行うことがきわめて 困難である不具合がある。

【０００６】 そこで本考案は、鉛筆芯をシャープペンシル中具の先口から繰出させるノック 操作がきわめて容易なシャープペンシルとボールペンの多芯筆記具を提供するこ とを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、本考案は、ボールペン用作動子がインキ収容管 の尾端に連結されたボールペン芯とシャープペンシル用作動子が芯ケースの尾端 に連結されたシャープペンシル中具が軸筒内に収容され、軸筒の窓穴から径方向 に突出したボールペン用作動子ないしシャープペンシル用作動子の押圧部を押圧 して軸線方向に前進させるとボールペン芯ないしシャープペンシル中具が前進し て該作動子が係止部に係合し、ボールペン芯のペン体ないしシャープペンシル中 具の先口が軸筒の先端開口から突出するとともに前進位置にある他のボールペン 芯ないしシャープペンシル中具を後退させるシャープペンシルとボールペンの多 芯筆記具において、尾端にノック部が突設され、ボールペン用作動子およびシャ ープペンシル用作動子が挿通される窓穴が周面に形成されるとともに内部に係止 部を有するノック筒を、ノック部が軸筒の尾端開口から突出した状態で前後動可 能に軸筒内に収容し、シャープペンシル中具の先口が軸筒の先端開口から前進不 能の状態で突出したときに、ノック部を押圧してノック操作を行うと鉛筆芯が繰 出するようにする。

【０００８】

【作用】

すなわち、作動子が係合する係止部を有するノック筒を前後動可能に軸筒内に 収容し、ノック筒のノック部を軸筒の尾端開口から突出させたので、シャープペ ンシル中具の先口が軸筒の先端開口から前進不能の状態で突出したときにノック 部を押圧してノック操作を行うと、鉛筆芯が繰出する。

【０００９】

【実施例】

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明する。図１において、 軸筒 10 は後軸１と前軸２からなり、後軸１と前軸２は継手３によって取り外し 可能に連結されている。そして、軸筒 10 内には、油性インキが充填されたボー ルペン芯７とシャープペンシル中具８が収容されている。後軸１には、縦長の２ 個の窓孔 11 が対向して穿設されている。なお、２〜３本のボールペン芯を収容 するようにしても良い。

【００１０】 後軸１内には、ノック筒６が前後動可能に配置されている。ノック筒６は、図 ４に示すように、縦長の２個の窓孔 61 が対向して穿設されている。この窓孔 6 1 は後軸１の窓孔 11 と同等の大きさであり、窓孔 11 と対面しているが、窓孔 11 よりも大きくても良い。ノック筒６の内部には、図３に示すように、４本の 縦リブ 62 が形成されており、縦リブ 62 の中腹部に係止部 63 が形成されてい る。そして、ノック筒６の頂面にはノック部 64 が突設され、後軸１の尾端開口 から突出している。

【００１１】 ボールペン芯７は、油性インキが充填されたインキ収容管 72 の先端にボール を有するペン体 71 が取り付けられたものである。一方、シャープペンシル中具 ８は、図５に示すように、通常のノック繰出式である。これを簡単に説明すると 、芯ケース 87 とチャック継手 86 およびチャック 83 が連結されており、先口 81 と固定ねじ 84 が連結されている。そして、ノックスプリング 85 が固定ね じ 84 とチャック継手 86 の間に介装されており、ノックスプリング 85 の弾発 力でチャック 83 が後退するとチャック 83 はチャックリング 82 で締め付けら れて鉛筆芯 88 を咬持するようになっている。

【００１２】 ボールペン芯７のインキ収容管 72 の尾端には、ボールペン用作動子４の先端 小径部が挿入されて連結され、シャープペンシル中具８の芯ケース 87 の尾端に はシャープペンシル用作動子５の先端小径部が連結されている。作動子４と作動 子５には、その外面にそれぞれ押圧部 41 と押圧部 51 が突設されており、押圧 部 41 と押圧部 51 は、ノック筒６の窓穴 61 を通って後軸１の窓穴 11 から突 出している。作動子４と作動子５の内面には、後退駆動用突起 43, 53 と被後退 駆動用突起 42, 52 がそれぞれ上下に形成されている。そして、作動子４および 作動子５はリターンスプリング９で後方に弾発されており、不使用時はシャープ ペンシル中具８の先口 81 とボールペン芯７のペン体 71 はいずれも先軸２内に 没入している。

【００１３】 しかして、ボールペンにて筆記するときは、ボールペン用作動子４の押圧部 4 1 を指頭で押圧して軸線方向に前進させる。このとき、押圧部 41 は指頭で径方 向にも押されるので、ボールペン芯７は軸筒 10 の中心寄りに少し偏位し、押圧 部 41 が後軸１内に入り込んで被後退駆動用突起 42 が後軸１の中心に位置する とともに作動子４の頂面が係合部 63 に係合して筆圧を受け止める。これと同時 にペン体 71 が前軸２の先端開口 21 から突出して筆記可能になる。

【００１４】 次に、シャープペンシルにて筆記するときは、シャープペンシル用作動子５の 押圧部 51 を指頭で押圧して軸線方向に前進させる。この場合もシャープペンシ ル中具８が軸筒 10 の中心寄りに少し偏位し、作動子５の後退駆動用突起 53 が 後軸１の中心に位置しているボールペン用の作動子４の被後退駆動用突起 42 に 衝合して外側に押しやる。従って、作動子４の頂面と係合部 63 の係合が解除し てボールペン芯７が後退してペン体 71 が前軸２の先端開口 21 から没入すると ともに、先口 81 が代わって先端開口 21 から突出する。このとき、作動子５の 頂面が係合部 63 に係合して筆圧を受け止めるが、図２に示すように、先口 81 の外段部81a が先端開口 21 の内段部21a に衝合して先口 81 はそれ以上前進不 能の状態になる。

【００１５】 鉛筆芯 88 を繰出させる時は、後軸１の尾端開口から突出したノック部 64 を ノックして前進させればよい。作動子５の頂面がノック筒６の係合部 63 に係合 しているので、このノック操作によって芯ケース 87 が前進する。従って、前進 不能の先口 81 内でチャック 83 が前進して鉛筆芯 88 を先口 81 から繰出させ 、更にチャック 83 が前進する過程でチャックリング 82 が外れて鉛筆芯 88 を 開放する。そして、クリップ６のノックを解除するとチャック 83 が後退してチ ャックリング 82 で締め付けられ、再び鉛筆芯 88 を咬持する。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のシャープペンシルとボールペンの多芯筆記具は 、シャープペンシル用作動子が係合する係止部を有するノック筒を前後動可能に 軸筒内に収容し、ノック筒のノック部を軸筒の尾端開口から突出させたので、シ ャープペンシル中具の先口が軸筒の先端開口から前進不能の状態で突出したとき にノック部を押圧してノック操作を行うと、鉛筆芯が繰出する。従って、鉛筆芯 をシャープペンシル中具の先口から繰出させるノック操作がきわめて容易なシャ ープペンシルとボールペンの多芯筆記具とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の断面図である。

【図２】作動説明図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線における断面図である。

【図４】ノック筒の一部断面図である。

【図５】シャープペンシル中具の断面図である。

【符号の説明】

１０ 軸筒 １ 後軸 １１ 窓穴 ２ 前軸 ２１ 先端開口 ３ 継手 ４ ボールペン用作動子 ４１ 押圧部 ５ シャープペンシル用作動子 ５１ 押圧部 ６ ノック筒 ６１ 窓穴 ６３ 係止部 ６４ ノック部 ７ ボールペン芯 ７１ ペン体 ８ シャープペンシル中具 ８１ 先口 ８８ 鉛筆芯 ９ リターンスプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボールペン用作動子がインキ収容管の尾
   端に連結されたボールペン芯とシャープペンシル用作動
   子が芯ケースの尾端に連結されたシャープペンシル中具
   が軸筒内に収容され、 軸筒の窓穴から径方向に突出したボールペン用作動子な
   いしシャープペンシル用作動子の押圧部を押圧して軸線
   方向に前進させるとボールペン芯ないしシャープペンシ
   ル中具が前進して該作動子が係止部に係合し、ボールペ
   ン芯のペン体ないしシャープペンシル中具の先口が軸筒
   の先端開口から突出するとともに前進位置にある他のボ
   ールペン芯ないしシャープペンシル中具を後退させるシ
   ャープペンシルとボールペンの多芯筆記具において、 尾端にノック部が突設され、該ボールペン用作動子およ
   びシャープペンシル用作動子が挿通される窓穴が周面に
   形成されるとともに内部に該係止部を有するノック筒
   を、該ノック部が軸筒の尾端開口から突出した状態で前
   後動可能に軸筒内に収容し、 シャープペンシル中具の先口が軸筒の先端開口から前進
   不能の状態で突出したときに該ノック部を押圧してノッ
   ク操作を行うと鉛筆芯が繰出することを特徴とするシャ
   ープペンシルとボールペンの多芯筆記具。