JPH0592839A - 記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被記録材の送給から排出まで、斜行を防止す
るレジスト調整を含めて１つの駆動源の正逆転制御のみ
で実施可能なコンパクトで使い勝手の良い記録装置の提
供。 【構成】 累積された被記録材１を分離して送給する第
１搬送手段２、その送給された被記録材１のレジスト調
整後これをさらに第３搬送手段６，７に送給する第２搬
送手段４，５、第１，第２，第３の搬送手段２，３，
４，５６を駆動可能な１つの駆動源１１、および駆動源
１１の正逆転切換に伴って第１搬送手段２と第２，第３
搬送手段３，４，５６とに駆動力の伝達を切換える手段
１３〜２０を具備した記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、記録装置に関し、詳し
くは、累積された被記録材のシートを１枚ずつ記録位置
に送給し、記録がなされたシートを排出する搬送手段を
具えた記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の記録装置として、所定のサイズに
裁断された被記録材（記録シート）を供給部に累積され
た状態に保持し、ここから１枚ずつシートを送給ローラ
により分離してレジストローラの位置まで送給し、ここ
で記録シートの先端部をとどめて斜行を補正するように
した上、記録位置に所定のタイミングで記録シートを送
給するようにしたものが知られている。かかる記録装置
ではこれまで大方の場合、電磁チャックや複数のモータ
の組合せによって記録シートの斜行補正をなし、あとの
搬送がなされるようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来例のように複数のモータや電磁チャック等の組合
せによって記録シートの搬送を行うのではコストの高い
ものとなる上に、このような部材を装置内に配置するこ
とによって大型化を招く。さらにまた、制御の対象とな
る電気部品の数が多くなることにより、制御系が複雑と
なり、それだけ微妙な制御が要求され、故障も発生し易
い。

【０００４】本発明の目的は、かかる従来の問題に着目
し、その解決を図るべく、被記録材である記録シートの
送給から排出までを斜行させることなく１つの駆動源の
正逆転制御のみにより実施することのできるコンパクト
で使い勝手の良い記録装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、累積された複数枚の被記録材から１枚
ずつを分離して送給可能な第１搬送手段と、該第１搬送
手段の搬送方向下流側に配設され、搬送されてきた前記
被記録材の斜行を補正するレジスト調整が可能な第２搬
送手段と、該第２搬送手段の搬送方向下流側に配設さ
れ、前記レジスト調整された被記録材を記録位置に導く
第３搬送手段と、前記第１，第２および第３搬送手段の
駆動が可能であり正逆転自在な１つの駆動源と、該１つ
の駆動源の正転または逆転により前記第１搬送手段と前
記第２および第３搬送手段とのいずれかに駆動力の伝達
が選択的に可能な駆動力伝達切換手段と、を具備し、前
記１つの駆動源により前記駆動力伝達切換手段を介して
前記第１と第２および第３搬送手段とを所定のタイミン
グで切換えて駆動し、前記被記録材を搬送するようにし
たことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】本発明によれば、駆動源の正逆転いずれか一方
の回転により駆動力伝達切換手段を介して第１搬送手段
が駆動されて被記録材を１枚ずつ送給部から送出する
が、第２搬送手段に到達後所定のタイミングで駆動源の
回転が切換えられることにより第２搬送手段と共に第３
搬送手段、さらに排出用の第４搬送手段を有する場合は
この第４の搬送手段をも含めて駆動され、これらの駆動
によって第２搬送手段でレジスト調整された被記録材が
第３搬送手段により記録位置に導かれて記録後排出され
るもので、第４の搬送手段を有する場合はその排出が第
４の搬送手段の協働によって行われる。

【０００７】

【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例を詳
細かつ具体的に説明する。

【０００８】図１は本発明の一実施例の構成を示すもの
で、図２はその搬送系の説明図である。まず図２に従っ
て本発明にかかる搬送系について説明しておく。ここ
で、１はシート送給部に累積された状態に保持された記
録シート、２は累積された記録シート１のうち最上に位
置する記録シート１に接してこれを他から分離送給する
送給ローラ、３は分離送給された記録シート１をレジス
トローラ４およびローラ４に圧接する押圧ローラ５との
間に導くガイド板である。

【０００９】また、６および７は記録シート１を記録位
置に導くプラテンローラおよびその押圧ローラ、８は記
録位置に保持される記録シート１の対向位置に配置さ
れ、シート１上に記録を行う記録ヘッド、９および１０
は記録済の記録シート１を排出する排出ローラおよびそ
の押圧ローラである。

【００１０】このように構成した記録装置の搬送系にお
いては、記録開始のスタートが指令されると送給ローラ
２が駆動されて記録シート１をガイド板３に沿わせレジ
ストローラ４と押圧ローラ５との間に導く。そして、シ
ート１の先端が双方のローラ４，５間の当接部に突き当
たった状態でさらにシートの送給が続けられ、斜行が補
正された時点でレジストローラ４およびプラテンローラ
６が駆動されて、記録シート１を記録位置に導く。な
お、本発明による各例では、後述するようにプラテンロ
ーラ６等と共に排出ローラ９が駆動されることにより記
録済の記録シート１が後続のシートの送給のためにとど
こおったりすることなく排出ローラ９によって排出され
る。

【００１１】ついで、図１によって、このような搬送系
の構成について詳述する。ここで、１１は正逆転自在な
搬送系駆動モータ、１２はモータ１１と同軸の小歯車、
１３は小歯車１２と噛合し、送給ローラ２を駆動する送
給ローラ駆動ギア、１４は送給ローラ２と駆動ギア１３
との間に設けられ、一方の回転のみを許容するばねクラ
ッチである。また、１５は小歯車１２と噛合する中間ギ
アであり、この中間ギア１５を介してレジストローラ４
より下流側の搬送系を一斉に駆動ならびに停止すること
ができる。

【００１２】すなわち、１６は中間ギア１５と噛合し、
ばねクラッチ１７を介して以下の駆動系を一方向にのみ
駆動するための駆動ギア、１８はばねクラッチ１７を介
して前記駆動ギア１６に連結されたレジストローラ４と
同軸のギア、１９はギア１８およびプラテンローラ６の
駆動ギア２０の双方に噛合し、プラテンローラ６に駆動
力を伝達するための中間ギア、２１は排出ローラ９の駆
動プーリ、２２はプーリ２１を介して排出ローラ９を駆
動させるためのタイミングベルトである。

【００１３】このように構成した記録装置においては、
モータ１１の正，逆転によって、全ての搬送系をタイミ
ング良く駆動制御できるもので、以下にその動作を図３
のタイミングチャートを参照しつつ説明する。なお、以
下で、図１に示す各部材の回転方向を表わすにあたって
は説明を分り易くするために、図面の右側から見てモー
タ１１の時計回り（ＣＷ）の方向およびその回転時にお
ける各部材の回転方向をそれぞれ実線の矢印で、またそ
の反時計回り（ＣＣＷ）の方向の回転時における各部材
の回転方向を破線で示すこととする。

【００１４】まず、シートの送給が指令されると、モー
タ１１が時計回り方向に回動させられることによって送
給ローラ駆動ギア１３が反時計回りの方向に回転され
る。そして、この場合、ばねクラッチ１４は締る方向に
作用するため送給ローラ２も同方向に回転され、これに
よって記録シート１がガイド板３を介して案内され送給
部からレジストローラ４に向けて搬送される。かくし
て、記録シート１の先端部がローラ４，５間に当接した
後も図３に示すように送給ローラ２の回転が継続される
ことにより、シートの斜行が補正されたタイミングでこ
んどはモータ１１の回転が反時計回りＣＣＷの方向に切
換えられる。

【００１５】なお、上述したモータ１１の時計回りの回
転はレジストローラ駆動ギア１６に伝達されるが、この
間、ばねクラッチ１７は緩む方向に作用するので、ギア
１８には伝達されず、従って、レジストローラ４，プラ
テンローラ６および排出ローラ９はモータ１１の回転方
向が反時計回りの方向に回転されるまでは回転されるこ
とはない。かくして、モータ１１が反時計回りの方向に
回転し始めると、送給ローラ２の方はばねクラッチ１４
が緩められることによってその回転は伝達されないが、
後述するようにシート１が下流側のローラ４，６，９に
よって搬送されることによりシート１が送給ローラ２か
ら完全に送り出されるまでの間はシート１の送り出しに
伴って回転させられる。

【００１６】一方、モータ１１の反時計回りの回転（Ｃ
ＣＷ）はギア１２，１５を介してギア１６に伝達され、
これを時計回りの方向に回転させる。このとき、ばねク
ラッチ１７は締る方向に作用するので、ギア１８を介し
てレジストローラ４と共に、プラテンローラ６および排
出ローラ９が回転させられ記録終了後シート１の排出が
完了したあと、さらに２枚目の送給がなされる時点でモ
ータ１１の回転が再び時計回りの方向に切換えられて、
１枚目のシート搬送時と同様の動作が繰返される。な
お、全ての記録シート１に対して記録が終了し、排出さ
れたあとはモータ１１の停止によって全ての搬送系が停
止されることはいうまでもない。

【００１７】図４は本発明の他の実施例を示す。ここ
で、３１は中間ギア１９と同心に設けられた固定軸、３
２は固定軸３１と中間ギア１９との間に設けられたばね
クラッチである。そして、本例では、このばねクラッチ
３２の締付けによりプラテンローラ６が振動やシート１
の腰の強さなどのために通常の送り方向とは逆方向に回
転しようとした場合の回動力をギア１９を介して抑制す
ることができる。また、３３は送給ローラ２と同軸に取
付けられたギア、３４はこのギア３３と噛合するギア、
３５はギア３４と同心の固定軸、３６は固定軸３５とギ
ア３４との間に設けられたばねクラッチである。かくし
て、送給ローラ２が何らかの理由で逆方向、すなわち、
図４で時計回りの方向に回動させられようとしたとき
に、ばねクラッチ３６の締付けにより、ギア３４，３３
の噛合関係を介して送給ローラ２の回動を抑止する効果
が得られ、共に安定した記録シート１の搬送動作に貢献
する。

【００１８】図５は本発明のさらに他の実施例を示す。
ここで、４１はモータ１１と同軸に取付けられたギア、
４２はギア４１と噛合するギアであり、これらのギア４
１と４２とは互いに連結板４３によって連結されてい
て、揺動ギア４４として構成されている。従って、モー
タ１１の反時計回りの回転方向ＣＣＷにより実線で示す
ように、ギア４２が送給ローラ駆動ギア１３側に偏倚さ
れてこれと噛合し、送給ローラ２を駆動する。

【００１９】また、モータ１１の時計回りの回転方向Ｃ
Ｗにより揺動ギア４４が同方向に揺動されて、ギア４２
が中間ギア４５と噛合する。その結果、中間ギア４５と
噛合するレジストローラギア１８を介してレジストロー
ラ４を、さらにまた、中間ギア１９およびプラテンロー
ラ駆動ギア２０を介してプラテンローラ６を、さらにま
た、タイミングベルト２２，プーリ２１を介して排出ロ
ーラ９をそれぞれ同時に駆動させることができる。

【００２０】図６は図５に示す実施例による各搬送部材
の駆動タイミングを示す。すなわち、本例の場合は、送
給開始指令と同時にモータ１１がＣＣＷ方向に回転する
ことによって揺動ギア４４は送給ローラ駆動ギア１３側
に偏倚され、これによって送給ローラ２を回転させて記
録シート１をレジストローラ４側に向けて送給し始め
る。なお、この状態では中間ギア４５は駆動されず、従
って、レジストローラ４，プラテンローラ６および排出
ローラ９はいずれも駆動されず停止状態にある。

【００２１】ついで、記録シート１の先端がレジストロ
ーラ４の位置で止められ、さらに斜行が矯正されたタイ
ミングでこんどはモータ１１がＣＷ方向に逆転される。
そして、この逆転により揺動ギア４４が揺動されてギア
４２が中間ギア４５と噛合する。よって、中間ギア４５
と噛合するギア１８，１９，２０の列およびタイミング
ベルト２２によりレジストローラ４，プラテンローラ６
および排出ローラ９がそれぞれ回転駆動される。なお、
この場合、送給ローラ駆動ギア１３はフリーの状態に保
たれるが、記録シート１が送給部から送出されるまでの
間はシート１に接していて、シート１によって従動させ
られる。かくして、シート１の排出が完了し、さらに次
の記録シート１の送給が開始されるところで、再びモー
タ１１の回転方向が元のＣＣＷ方向に逆転され、揺動ギ
ア４４の揺動によって送給ローラ２の駆動が開始され
る。

【００２２】本例によれば、ばねクラッチ１４に代えて
揺動ギアを設け、モータの回転方向に応じて揺動ギアを
揺動させて、駆動させる搬送部材を切換えるようにした
ことによって、構造の簡略化を図ることができる。

【００２３】なお、以上にのべた各実施例では記録ヘッ
ド８の記録方式については特に述べなかったが、ライン
型のインクジェット記録方式は勿論のこと、静電方式，
熱記録方式等、送給部から１枚ずつ送給される記録シー
トに対し、その搬送中に所定のタイミングで記録がなさ
れる記録装置に広く適用できるものであることはいうま
でもない。

【００２４】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、累積された複数枚の被記録材から１枚ずつを分離し
て送給可能な第１搬送手段と、該第１搬送手段の搬送方
向下流側に配設され、搬送されてきた前記被記録材の斜
行を補正するレジスト調整が可能な第２搬送手段と、該
第２搬送手段の搬送方向下流側に配設され、前記レジス
ト調整された被記録材を記録位置に導く第３搬送手段
と、前記第１，第２および第３搬送手段の駆動が可能で
あり正逆転自在な１つの駆動源と、該１つの駆動源の正
転または逆転により前記第１搬送手段と前記第２および
第３搬送手段とのいずれかに駆動力の伝達が選択的に可
能な駆動力伝達切換手段と、を具備し、前記１つの駆動
源により前記駆動力伝達切換手段を介して前記第１と第
２および第３搬送手段とを所定のタイミングで切換えて
駆動し、前記被記録材を搬送するようにしたので、１つ
のモータで全ての搬送系の駆動を制御することができ、
部品点数の削減によるコストダウンと構造のコンパクト
化，簡略化に貢献し、さらに複雑な制御系を必要とせず
に正常に搬送動作を連続して行わせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例としてその搬送系の構成を
示す斜視図である。

【図２】本発明による搬送系の搬送経路にかかわる概要
を示す説明図である。

【図３】本発明の第１実施例による各搬送手段の駆動タ
イミングを示すタイミングチャートである。

【図４】本発明の第２実施例による搬送系の構成を示す
斜視図である。

【図５】本発明の第３実施例による搬送系の構成を示す
斜視図である。

【図６】本発明の第３実施例による各搬送手段の駆動タ
イミングを示すタイミングチャートである。

【符号の説明】

１ 被記録材（記録シート） ２ 送給ローラ ３ ガイド板 ４ レジストローラ ５，７，１０ 押圧ローラ ６ プラテンローラ ８ 記録ヘッド ９ 排出ローラ １１ 駆動モータ １２，１３，１５，１６，１８，１９，２０ ギア １４，１７ ばねクラッチ ２２ タイミングベルト ３１，３５ 固定軸 ３２，３６ ばねクラッチ ３３，３４ ギア ４４ 揺動ギア ４５ ギア

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 累積された複数枚の被記録材から１枚ず
   つを分離して送給可能な第１搬送手段と、 該第１搬送手段の搬送方向下流側に配設され、搬送され
   てきた前記被記録材の斜行を補正するレジスト調整が可
   能な第２搬送手段と、 該第２搬送手段の搬送方向下流側に配設され、前記レジ
   スト調整された被記録材を記録位置に導く第３搬送手段
   と、 前記第１，第２および第３搬送手段の駆動が可能であり
   正逆転自在な１つの駆動源と、 該１つの駆動源の正転または逆転により前記第１搬送手
   段と前記第２および第３搬送手段とのいずれかに駆動力
   の伝達が選択的に可能な駆動力伝達切換手段と、 を具備し、前記１つの駆動源により前記駆動力伝達切換
   手段を介して前記第１と第２および第３搬送手段とを所
   定のタイミングで切換えて駆動し、前記被記録材を搬送
   するようにしたことを特徴とする記録装置。
2. 【請求項２】 前記第３搬送手段の搬送方向下流側に記
   録済の前記被記録材を排出させるための第４搬送手段を
   具備し、前記駆動力伝達切換手段により前記第２および
   第３搬送手段と共に前記第４搬送手段が切換えられて駆
   動されることを特徴とする請求項１に記載の記録装置。
3. 【請求項３】 前記第２搬送手段に前記被記録材の先端
   部が当接した後該被記録材が前記第１搬送手段により所
   定の距離送出されてくるまでは前記第２搬送手段が前記
   レジスト調整のために停止されることを特徴とする請求
   項１または２に記載の記録装置。
4. 【請求項４】 前記第１，第２，第３および第４搬送手
   段は、前記被記録材が正常な搬送方向とは逆の方向に搬
   送されるのを抑止する手段を有することを特徴とする請
   求項１ないし３のいずれかの項に記載の記録装置。