JPH059025A - ペロブスカイト型複合酸化物粉末の製造方法 - Google Patents

ペロブスカイト型複合酸化物粉末の製造方法

Info

Publication number
JPH059025A
JPH059025A JP18390391A JP18390391A JPH059025A JP H059025 A JPH059025 A JP H059025A JP 18390391 A JP18390391 A JP 18390391A JP 18390391 A JP18390391 A JP 18390391A JP H059025 A JPH059025 A JP H059025A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
perovskite
oxide powder
complex oxide
alkoxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18390391A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Sato
馨一 佐藤
Masakazu Nakamura
雅一 中村
Shinichi Yoyogi
新一 代々城
Yusuke Mitsuyoshi
裕介 光吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP18390391A priority Critical patent/JPH059025A/ja
Publication of JPH059025A publication Critical patent/JPH059025A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ペロブスカイト型複合酸化物の前駆体であるよ
うな金属化合物とアルコキシドとの混合物あるいは反応
物等から、焼結あるいは粉砕という煩雑な工程を経由せ
ず直接ペロブスカイト型複合酸化物粉末を製造する方法
を提供するにある。 【構成】ペロブスカイト型複合酸化物の前駆体、例えば
チタンイソプロポキシドとシュウ酸バリウムとの混合物
あるいは加水分解生成物から熱プラズマにより、チタン
酸バリウム粉末を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペロブスカイト型複合
酸化物粉末の製造方法に関する。さらに詳しくは、機能
性材料用等、例えばコンデンサー等の強誘電体薄膜、圧
電体薄膜等あるいは固体抵抗器の保護被膜等の形成に必
要な焼結性、結晶性、分散性、均一性、流動性等に優れ
た特性を有するペロブスカイト型複合酸化物粉末の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ペロブスカイト型複合酸化物
粉末は、固相法あるいは共沈澱法等によって得られた前
駆体であるような材料からバインダー混合、焼結および
粉砕工程を経由して製造する方法が知られている。しか
しながら何れの製造方法も、ペロブスカイト型複合酸化
物粉末を製造する前駆体であるような材料および原材料
の焼結に際して多大なエネルギーを必要とし、また焼結
物の粉砕時に不純物が混入する恐れや、物理的な力によ
る構造的結晶歪が生起する可能性等種々の問題点を有す
る。そのため粉砕工程を伴わない方法、すなわち焼結に
よる粒成長を抑制するための抑制剤の添加、あるいは粒
成長が著しく進行する前の状態である仮焼程度に焼結を
留めておく方法等も試みられている。前者の粒成長抑制
剤を添加する方法は、添加する抑制剤の種類によっては
製品の特性、例えば誘電体薄膜を形成した場合に、その
誘電特性に悪影響を及ぼし、また予期せぬ不純物等が混
入する恐れもあるために、粒成長抑制剤の種類および添
加方法が限定され、さらには製造する製品の設計も制限
される。さらに後者の仮焼程度に留める場合でも、その
原材料の焼結が不完全であるために、使用に際して再度
高温で焼結する必要があり、製品として成型を行なう場
合、焼結過程で原料の収縮等によりひび割れ等が発生し
やすく、特別の注意を必要とする。
【0003】他方、焼結あるいは粉砕工程を伴わないで
ペロブスカイト型複合酸化物粉末を得る水熱合成法およ
びゾル−ゲル法も考案されてはいる。しかしながら前者
の水熱合成法によるペロブスカイト型複合酸化物粉末の
製造には、およそ数十気圧、200℃以上の反応条件を
必要とする工程が含まれるため、実験室レベルでの研究
はかなり行なわれているが、工業化する場合には製造装
置が複雑になり、実用的ではない。また後者のアルコキ
シドを使用したゾル−ゲル法によるペロブスカイト型複
合酸化物粉末の製造方法は、近年電子材料の分野におけ
る微細加工技術の面で注目され研究が行なわれてはいる
が、生成される粒子の大きさが極めて小さく、二次凝集
を起こし易いために取り扱いが複雑になる。このため粒
子径をさらに大きくするために、少なくとも1000℃
以上の熱処理が必要となるが、通常の前記固相法あるい
は共沈澱法等によって製造する場合より比較的低温で焼
成が可能である。しかしながら、固相法あるいは共沈澱
法等によって製造される粒子径に比較して、製造される
粒子径が小さいため、焼成時間が長時間になる等の欠点
があり、場合によっては粉砕工程も必要となるため、省
エネルギー化が望めない。
【0004】これらいずれの製造方法も、多工程でしか
も得られたペロブスカイト型複合酸化物粉末は、分散
性、流動性等に劣るという欠点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、従来の
ペロブスカイト型複合酸化物粉末製造における欠点、す
なわち焼結および粉砕に多大のエネルギーを必要とし、
しかも多工程であり、かつ得られた粉末は分散性、流動
性に劣るという欠点を克服するために鋭意検討した結
果、公知の手法である熱プラズマ法を使用し、前駆体で
あるような材料あるいはそれらの混合物からバインダー
混合、焼結および粉砕、さらには再度、焼結および粉砕
という煩雑な工程を経由することなく直接ペロブスカイ
ト型複合酸化物粉末を製造できることを見出した。さら
に特定の熱プラズマ条件および特定の材料供給条件の時
に、球状のペロブスカイト型複合酸化物粉末を製造でき
ることを見出した。加えて熱プラズマ条件および材料供
給条件をさらに適切に選ぶことにより、ペロブスカイト
型複合酸化物の超微粒子が得られることも知った。
【0006】本発明者等は、かかる知見に基づきさらに
重ねて検討した結果、本発明を完成するに至ったもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
一般式(1)で表されるペロブスカイト型複合酸化物の
前駆体であるような材料あるいはそれらの混合物から熱
プラズマ中にて、ペロブスカイト型複合酸化物粉末を製
造する方法を提供するものである。 一般式(1) ABO3 ただし本発明において、金属元素としては、第IB族、第
IIA 族、第IIB 族、第IIIA 族、第IVA 族、第IVB 族、
第VB族、第VIII族である。
【0008】本発明において上記A元素としては、例え
ばCu、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Sc、
Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Pb、B
i、Fe、Co、Ni等を挙げることができ、さらに好
ましくはMg、Ca、Sr、Ba、Pbを挙げることが
できるが、これのみに限定されるものではない。上記B
元素としては、例えば、Ti、Zr、Hf、Sn、Sb
等を挙げることができるが、これのみに限定されるもの
ではない。
【0009】A元素あるいはB元素の中から選ばれる少
なくとも一種類以上の元素を有するアルコキシドを除
く、金属化合物あるいはこれらの元素を有する金属化合
物の混合物等、すなわち水和物、無機酸塩、アンモニウ
ム塩および有機酸塩等とA元素あるいはB元素の中から
選ばれる少なくとも一種類以上の元素を有するアルコキ
シドとを混合するか、あるいは反応させる等何れでも良
いが、調製物中にはA元素を一種類以上含有し、さらに
B元素を一種類以上含有したペロブスカイト型複合酸化
物の前駆体であるような材料に限定される。この場合、
好ましくは水和物としては水酸化物、オキシ水酸化物、
無機酸塩としては硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、
有機酸塩としては蟻酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、プロピ
オン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン
酸塩、アジピン酸塩、ムチン酸塩、安息香酸塩、サリチ
ル酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸
塩、トリメリット酸塩、セバシン酸塩、ピロメリット酸
塩あるいはステアリン酸塩等を挙げることができ、さら
に好ましくは、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩を挙
げることができるが、これのみに限定されるものではな
い。
【0010】1種類の金属元素を有する、アルコキシド
を除く、金属化合物の例としては、シュウ酸バリウム、
シュウ酸ストロンチウム、シュウ酸カルシウム、シュウ
酸マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、シュウ酸
スズ、硝酸ジルコニウム等を挙げることができるが、こ
れのみに限定されるものではない。
【0011】また2種類の金属元素を有する、アルコキ
シドを除く、金属化合物の例としては、ビス(シュウ
酸)酸化チタン(IV)バリウム、ビス(シュウ酸)酸化
チタン(IV)ストロンチウム、ビス(シュウ酸)酸化チ
タン(IV)マグネシウム、ビス(シュウ酸)酸化チタン
(IV)カルシウム、クエン酸酸化チタン(IV)バリウ
ム、クエン酸酸化チタン(IV)ストロンチウム、クエン
酸酸化チタン(IV)カルシウム、クエン酸酸化チタン
(IV)マグネシウム、酒石酸酸化チタン(IV)バリウ
ム、酒石酸酸化チタン(IV)ストロンチウム、酒石酸酸
化チタン(IV)カルシウム、酒石酸酸化チタン(IV)マ
グネシウム等を挙げることができるが、これのみに限定
されるものではない。
【0012】前述の金属化合物と混合あるいは反応させ
るアルコキシドとしては、例えば1種類の金属元素を有
するアルコキシドとして、マグネシウムメトキシド、マ
グネシウムエトキシド、マグネシウムプロポキシド、マ
グネシウムブトキシド、カルシウムメトキシド、カルシ
ウムエトキシド、カルシウムプロポキシド、カルシウム
ブトキシド、ストロンチウムメトキシド、ストロンチウ
ムエトキシド、ストロンチウムプロポキシド、ストロン
チウムブトキシド、バリウムメトキシド、バリウムエト
キシド、バリウムプロポキシド、バリウムブトキシド、
鉛メトキシド、鉛エトキシド、鉛プロポキシド、鉛ブト
キシド、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタン
プロポキシド、チタンブトキシド、ジルコニウムメトキ
シド、ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムプロポキ
シド、ジルコニウムブトキシド、ハフニウムメトキシ
ド、ハフニウムエトキシド、ハフニウムプロポキシド、
ハフニウムブトキシド、スズメトキシド、スズエトキシ
ド、スズプロポキシド、スズブトキシド、アンチモンメ
トキシド、アンチモンエトキシド、アンチモンプロポキ
シド、アンチモンブトキシド等を挙げることができる
が、これのみに限定されるものではない。この場合にア
ルコキシドとしては、中心金属とハロゲン原子が1種類
または2種類以上結合したものでも良いが、好ましくは
1種類および1個以下が良い。
【0013】また前述の金属化合物と混合あるいは反応
させる2種類の金属元素を有する複合アルコキシドとし
ては、バリウムチタンメトキシド、バリウムチタンエト
キシド、バリウムチタンプロポキシド、バリウムチタン
ブトキシド、ストロンチウムチタンメトキシド、ストロ
ンチウムチタンエトキシド、ストロンチウムチタンプロ
ポキシド、ストロンチウムチタンブトキシド、マグネシ
ウムチタンメトキシド、マグネシウムチタンエトキシ
ド、マグネシウムチタンプロポキシド、マグネシウムチ
タンブトキシド、カルシウムチタンメトキシド、カルシ
ウムチタンエトキシド、カルシウムチタンプロポキシ
ド、カルシウムチタンブトキシド等を挙げることができ
るが、これのみに限定されるものではない。この場合に
アルコキシドとしては、中心金属とハロゲン原子が1種
類または2種類以上結合したものでも良いが、好ましく
は1種類および1個以下が良い。
【0014】また金属化合物とアルコキシドとを混合す
る場合、均一に分散される方法であれば特に制限されな
いが、分散がしにくい場合には必要に応じて溶媒を添加
して、溶解させるか、あるいは分散剤など適宜添加して
も良い。この場合溶媒は公知の有機溶媒あるいは水が適
宜使用される。有機溶媒としては、メタノール、エタノ
ール、メチルエチルケトン、アセトン等必要に応じて何
れでも良い。さらに混合前後に、アルコキシドを加水分
解あるいは金属化合物と反応させても良い。また分散剤
は公知の界面活性剤等、例えばラウリル硫酸塩等が使用
できる。
【0015】アルコキシドの加水分解は、アルコキシド
単体あるいは金属化合物とアルコキシドの混合物に加水
分解剤を添加することにより、あるいは加水分解剤中に
アルコキシド単体あるいは金属化合物とアルコキシドの
混合物を添加することにより行なわれる。加水分解剤
は、酸またはアルカリ水溶液、さらには水等が使用可能
であるが、これらに限定されるものではない。酸または
アルカリとしては無機酸、有機酸、有機アミン類、水酸
化物等何れでも良く、例えば無機酸としては硝酸、リン
酸、硫酸、塩酸、有機酸としては蟻酸、シュウ酸、酢
酸、プロピオン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエ
ン酸、アジピン酸、ムチン酸、安息香酸、サリチル酸、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット
酸、セバシン酸、ピロメリット酸、ステアリン酸、有機
アミン類としてはトリメチルアミン、ジメチルアミン、
水酸化物としては水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等を挙げることができるが、これの
みに限定されるものではない。
【0016】本発明において、アルコキシド単体あるい
は金属化合物とアルコキシドの混合物を加水分解剤によ
って加水分解すると、加水分解の条件によって、ゾル溶
液あるいは生成したゲルがスラリー状または塊状になる
場合があるが、何れの場合も使用可能である。スラリー
状または塊状になる場合には適宜ゲルを砕いて使用すれ
ば良い。
【0017】上述した金属化合物あるいはアルコキシド
は、各化合物調製時にA元素またはB元素と置換可能な
元素を別の金属化合物、例えば金属酸化物として添加
し、調製したものでも良い。また混合物あるいは混合溶
液中に、さらに各種金属酸化物あるいはガラス等を添加
配合しても良い。これらを添加配合する場合、上述した
元素の金属化合物あるいはアルコキシド調製時さらには
加水分解時に、各種金属酸化物あるいはガラスを添加し
て、その金属化合物あるいはアルコキシドまたは加水分
解生成物中に混在させても良い。もちろん混合した添加
剤がアルコキシドあるいは加水分解生成物中に完全に溶
融している必要はないが、好ましくは溶融していた方が
良い。さらにアルコキシドの調製に必要なアルコール
は、異種のアルコールを混合したもの、例えばメタノー
ルとエタノールを混合したものでも良い。また金属化合
物は混合した酸、例えばシュウ酸とクエン酸を予め混合
して、調製したものでも良い。
【0018】A元素を一種類以上含有し、さらにB元素
を一種類以上含有したペロブスカイト型複合酸化物の前
駆体であるような材料等を熱プラズマ中に導入すること
により、下記一般式(1)で表される高い結晶性を有す
るペロブスカイト型複合酸化物粉末を得ることができ、
さらに特定の熱プラズマ条件の時に、結晶性良好な球状
のペロブスカイト型複合酸化物粉末も製造でき、加えて
熱プラズマ条件をさらに適切に選ぶことにより、ペロブ
スカイト型複合酸化物の超微粒子が得られる。 一般式(1) ABO3
【0019】用いる熱プラズマ源としては、好ましく
は、高周波誘導プラズマ、マイクロ波誘導プラズマある
いは直流アークプラズマのいずれでも良いが、これに限
定されるものではない。
【0020】
【作用】上記一般式(1)に示したペロブスカイト型複
合酸化物あるいは従来の製造方法により仮焼程度に留め
ておいたペロブスカイト型複合酸化物を熱プラズマ炎中
に供給した場合には、熱プラズマ条件、原材料の粒度条
件によっては球状ないしは球状に近い粉末も製造するこ
とができるが、結晶性の低い粉末しか得られず、しかも
粉末の組成を要求される値にするためには、厳密に熱プ
ラズマ条件をコントロールする必要があり、技術的な困
難さを伴う。
【0021】一方本発明の如く、熱プラズマ炎中への供
給原料としてペロブスカイト型複合酸化物の前駆体であ
るようなアルコキシドを除く、金属化合物とアルコキシ
ドとの混合物あるいは反応物等を用いた場合には、結晶
性の高い、誘電特性良好なペロブスカイト型複合酸化物
粉末、さらには球状ないしは球状に近い粉末が製造で
き、しかも製造されるペロブスカイト型複合酸化物粉末
の組成を要求される値にすることが比較的容易である。
【0022】このことはペロブスカイト型複合酸化物の
前駆体であるような材料を使用した場合には、熱プラズ
マ中で超高温が加わると、前駆体の熱分解反応あるいは
アルコキシドの加水分解生成物中に残存する有機物の熱
分解反応および脱水反応と、熱分解により生成されたペ
ロブスカイト型複合酸化物の分解あるいはガラス化反応
とが前後して起こるが、熱分解反応や脱水反応が遅いた
めか、あるいは熱分解反応あるいは脱水反応により、熱
プラズマによる超高温から、生成されつつあるペロブス
カイト型複合酸化物が保護されるために、構造変化を起
こすような分解等が抑制され、結晶性の高い、誘電特性
良好なペロブスカイト型複合酸化物粉末が製造されると
推定される。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、従来行なわれてきた、
焼結および粉砕工程を経由する方法と同程度の結晶性を
有するすなわちペロブスカイト型誘電性結晶相を多く含
有するペロブスカイト型複合酸化物粉末を製造すること
ができ、省力化および省エネルギー化を図ることができ
る。
【0024】以下の実施例に示した表1から明らかな如
く、ペロブスカイト型複合酸化物の前駆体であるような
材料を熱プラズマ中に供給すれば、焼結法に匹敵するほ
どの良好な結晶性を有する、すなわちペロブスカイト型
誘電性結晶相を多く含有するペロブスカイト型複合酸化
物粉末が得られる。
【0025】したがって、本発明により、熱プラズマ装
置を使用して、直接的にしかも連続的にペロブスカイト
型複合酸化物粉末を製造することが出来るようになった
ことは安価なペロブスカイト型複合酸化物原料を提供す
るものであり、その産業的意義は極めて多大である。
【0026】
【実施例】以下実施例を挙げて、本発明を具体的に説明
する。ただし、本発明の範囲は、下記実施例により何等
限定されるものではない。
【0027】実施例1 撹拌機および滴下器を備えたフラスコ中に、市販のチタ
ンイソプロポキシドを100gと予めモレキュラーシー
ブで脱水乾燥させたイソプロピルアルコール1000m
lとを仕込み、良く撹拌した後、予め良く乾燥させた市
販のシュウ酸バリウムを90g加え、30分間混合し、
スラリー溶液を調製した。
【0028】次に高周波誘導熱プラズマを発生させ、こ
の熱プラズマ炎中に上記試料を0.01〜0.5ml/
分にて供給し、チタン酸バリウム粉末を得た。得られた
チタン酸バリウム粉末は、X線回折実験を行ないX線回
折パターンからシャープピークと、ブロードピークを分
離し、式(2)を用いて計算された結晶化度を表1に示
す。
【0029】実施例2 実施例1のスラリー溶液中に、撹拌しながら蒸留水を少
量ずつ加えることにより、ゾル状溶液あるいは部分的に
ゲル化した溶液を調製した。
【0030】次に直流アーク熱プラズマを発生させ、こ
の熱プラズマ炎中に上記試料を0.01〜0.5ml/
分にて供給し、チタン酸バリウム粉末を得た。得られた
チタン酸バリウム粉末は、X線回折実験を行ないX線回
折パターンからシャープピークと、ブロードピークを分
離し、式(2)を用いて計算された結晶化度を表1に示
す。
【0031】実施例3 撹拌機および滴下器を備えたフラスコ中に、市販のチタ
ンイソプロポキシドを100gと予めモレキュラーシー
ブで脱水乾燥させたイソプロピルアルコール1000m
lとを仕込み、良く撹拌した後、予め良く乾燥させた市
販のシュウ酸ストロンチウムを70g加え、30分間混
合し、スラリー溶液を調製した。
【0032】次にマイクロ波誘導熱プラズマを発生さ
せ、この熱プラズマ炎中に上記試料を0.01〜0.5
ml/分にて供給し、チタン酸ストロンチウム粉末を得
た。得られたチタン酸ストロンチウム粉末は、X線回折
実験を行ないX線回折パターンからシャープピークと、
ブロードピークを分離し、式(2)を用いて計算された
結晶化度を表1に示す。
【0033】実施例4 実施例3のスラリー溶液中に、撹拌しながら蒸留水を少
量ずつ加えることにより、ゾル状溶液あるいは部分的に
ゲル化した溶液を調製した。
【0034】次に高周波誘導熱プラズマを発生させ、こ
の熱プラズマ炎中に上記試料を0.01〜0.5ml/
分にて供給し、チタン酸ストロンチウム粉末を得た。実
施した際の熱プラズマ発生条件は表1に示した。得られ
たチタン酸ストロンチウム粉末は、X線回折実験を行な
いX線回折パターンからシャープピークと、ブロードピ
ークを分離し、式(2)を用いて計算された結晶化度を
表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】なお、得られたペロブスカイト型複合酸化
物粉末の特性は下記方法によって測定した。得られたペ
ロブスカイト型複合酸化物粉末の誘電特性を、直接測定
することは粉末の誘電特性を測定することであり、測定
技術上大変困難である。しかも測定された誘電特性の信
頼性は乏しい。一般的に知られているように、ペロブス
カイト型複合酸化物においては良好な結晶性を有するす
なわち結晶中にペロブスカイト型誘電性結晶相を多く含
有するものは高誘電性であるため、調製したペロブスカ
イト型複合酸化物粉末を、X線回折実験により、回折パ
ターンを観測し、その結晶性を、2θ=10〜40度の
間で式(2)により結晶性の度合である結晶化度として
見積り、従来法により製造したペロブスカイト型複合酸
化物粉末と比較した。 結晶化度=(X/(X+Y))×100・・・・・・・ (2) X;結晶質積分強度 Y;非晶質積分強度
【0037】上記式(2)において結晶質積分強度はX
線回折パターンのシャープピークの面積積分であり、非
晶質積分強度はX線回折パターンのブロードピークの面
積積分である。測定したX線回折パターンからシャープ
ピークと、ブロードピークを分離し、式(2)を用いて
結晶化度を計算した。
【0038】なおX線回折装置は、日本電子社製X線回
折実験装置JDX−8030を使用した。
【0039】比較例 市販のチタン酸バリウム粉末のX線回折実験を行ない、
X線回折パターンからシャープピークと、ブロードピー
クを分離し、式(2)を用いて計算された結晶化度は、
実施例1〜3とほぼ同程度の結晶化度を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光吉 裕介 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)1種類以上の金属元素を有するア
    ルコキシドを除く、金属化合物、 (II)1種類以上の金属元素を有するアルコキシド、 (I)と(II)との混合物および/または(I)と
    (II)との反応物を用いた熱プラズマによるペロブス
    カイト型複合酸化物粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるペロブスカイト
    型複合酸化物において、Aの金属元素が元素周期律表の
    第IB族、第IIA 族、第IIB 族、第IIIA族、第IVB 族、第
    VB族、第VIII族から選ばれる少なくとも一種類以上であ
    り、Bの金属元素が元素周期律表の第IVA 族、第IVB
    族、第 VB 族から選ばれる少なくとも1種類以上を用い
    てなることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト
    型複合酸化物粉末の製造方法。 一般式(1) ABO3
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、Aの金属元素が
    元素周期律表の第 IIA族、第IVB 族から選ばれる少なく
    とも一種類以上であり、Bの金属元素が元素周期律表の
    第IVA 族、第IVB 族、第VB族から選ばれる少なくとも一
    種類以上を用いてなることを特徴とする請求項1記載の
    ペロブスカイト型複合酸化物粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属化合物が、水和物、無機酸塩、アン
    モニウム塩あるいは有機酸塩であることを特徴とする請
    求項1ないし3いずれか記載のペロブスカイト型複合酸
    化物粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属化合物が、水酸化物、オキシ水酸化
    物、硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、蟻酸塩、シュ
    ウ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、リンゴ
    酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アジピン酸塩、ムチン酸
    塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、フタル酸塩、イソフタ
    ル酸塩、テレフタル酸塩、トリメリト酸塩、セバシン酸
    塩、ピロメリト酸塩あるいはステアリン酸塩であること
    を特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のペロブス
    カイト型複合酸化物粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱プラズマ源として高周波誘導プラズ
    マ、マイクロ波誘導プラズマまたは直流アークプラズマ
    を用いることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記
    載のペロブスカイト型複合酸化物粉末を製造する方法。
JP18390391A 1991-06-28 1991-06-28 ペロブスカイト型複合酸化物粉末の製造方法 Pending JPH059025A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18390391A JPH059025A (ja) 1991-06-28 1991-06-28 ペロブスカイト型複合酸化物粉末の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18390391A JPH059025A (ja) 1991-06-28 1991-06-28 ペロブスカイト型複合酸化物粉末の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH059025A true JPH059025A (ja) 1993-01-19

Family

ID=16143833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18390391A Pending JPH059025A (ja) 1991-06-28 1991-06-28 ペロブスカイト型複合酸化物粉末の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH059025A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009509897A (ja) * 2005-06-08 2009-03-12 トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド 金属酸化物ナノ粒子及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009509897A (ja) * 2005-06-08 2009-03-12 トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド 金属酸化物ナノ粒子及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI380970B (zh) 使用二羧酸鎓鹽製備高級陶瓷粉末之方法
KR100753773B1 (ko) 페로브스카이트 구조를 갖는 산화물 나노 분말 제조 방법
JP2003252623A (ja) 複合酸化物粉末の製造方法、及び複合酸化物粉末
JP5270528B2 (ja) 無定形微粒子粉末、その製造方法およびそれを用いたペロブスカイト型チタン酸バリウム粉末
CN107381635B (zh) 一种Bi2Ti2O7陶瓷粉体及其制备方法
JP2726439B2 (ja) ペロブスカイト構造を有するセラミック粉末の製造方法
KR20100124776A (ko) 티탄산바륨의 제조 방법
JPH1149565A (ja) セラミック粉末の製造方法
JP6068749B2 (ja) チタン酸バリウム微粒子、チタン酸バリウム微粒子粉体およびそれらの製造方法
JP2017071537A (ja) チタン酸バリウム粉末の製造方法
Leite et al. Direct Amorphous‐to‐Cubic Perovskite Phase Transformation for Lead Titanate
TWI694979B (zh) 鈦酸鋇粉末的製造方法
JPH059025A (ja) ペロブスカイト型複合酸化物粉末の製造方法
JPH05269372A (ja) セラミックス粉末の製造方法
JPH059023A (ja) ペロブスカイト型複合酸化物粉末の製造方法
JPH059026A (ja) ペロブスカイト型複合酸化物薄膜の製造方法
JPH059024A (ja) ペロブスカイト型複合酸化物薄膜の製造方法
JPH03159903A (ja) ペロブスカイト系セラミック粉末の製造方法
Kinemuchi et al. Synthesis of nanosize PZT powders by pulsed wire discharge
JPS623768B2 (ja)
JP2010047428A (ja) チタン複合塩粉末、その製造方法及びそれを用いたペロブスカイト型チタン複合酸化物粉末の製造方法
JP2584519B2 (ja) ペロブスカイト型複合酸化物粉末の製造方法
TW200424129A (en) Production method for barium titanate powder
JP2002029745A (ja) 結晶性チタン酸バリウム粉末の製造方法
KR100290247B1 (ko) 티탄산바륨 및 페롭스카이트형 복합산화물 제조방법