JPH0589521A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH0589521A
JPH0589521A JP3249456A JP24945691A JPH0589521A JP H0589521 A JPH0589521 A JP H0589521A JP 3249456 A JP3249456 A JP 3249456A JP 24945691 A JP24945691 A JP 24945691A JP H0589521 A JPH0589521 A JP H0589521A
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JP
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optical recording
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guide layer
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JP3249456A
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Inventor
Kazuya Taki
和也 滝
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カー効果エンハンスメントが大きく、優れた
C/Nを示すとともに、トラッキング用プッシュプル信
号の低下を防ぎ、同時にトラックピッチを狭くしても、
クロストークが増大せず、生産性の高い光記録媒体を提
供する。 【構成】 透明な基板12上に、第1の誘電体層14と
案内層16と第2の誘電体層18と、記録層20が積層
され、トラッキング用案内膜と、干渉層と、記録層を備
え、案内層の一部が除去されている。第1および第2の
誘電体層14、18の屈折率は基板12より高く、そこ
を往復した光に生じる位相変化が略πあるいはそれに略
2πの整数倍を加えた値になると同時に、案内層16の
除去されている部分からの反射光と、前記案内層16の
除去されていない部分からの反射光の位相差が略πある
いはそれに略πの整数倍を加えた値にはならないように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光により情報の
記録・再生を行なう光ディスクメモリに用いられる光記
録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光記録媒体70は図7に示すよう
に、射出成形によりトラッキング用案内溝71の設けら
れたポリカーボネート等の透明基板72上にSiAlO
N、AlN等の干渉層74、GdTbFe、TbFeC
o等の光磁気記録層76、SiAlON、AlN等の保
護層78、Al等の反射層80が順次積層されている。
このような光磁気記録媒体70に於いて、情報の記録
は、光磁気記録層76にレーザ光を照射し、キュリー温
度或は補償温度以上に加熱すると同時に外部から磁界を
印加し、磁化を反転させることにより行なわれる。また
再生は光磁気記録層76に直線偏光のレーザ光を照射し
たとき、反射光の偏光面の回転が磁化の方向により反転
するというカー効果を利用して行なわれる。更に、カー
効果エンハンスメントにより見かけ上の回転角を増大さ
せ、C/Nを向上させるため、基板72、光磁気記録層
76および反射層80に挟まれた干渉層74および保護
層78に於ける多重反射による干渉効果を利用してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光磁気ディスクでは、干渉層74、光磁気記録層76、
保護層78、反射層80に於ける干渉効果によるカーエ
ンハンスメントを大きくするため、干渉層74の屈折率
をn2としたときに干渉層74の膜厚を略λ/4n2
し、光磁気記録層76の膜厚も反射率が略最小となるよ
うにしているため、トラッキングに必要な溝71に於け
る反射率も非常に小さくなる。これによりトラッキング
サーボが不安定になり、安定した再生出力が得られない
という問題があった。また、トラックピッチを狭くする
とクロストークが増大したり、溝71が狭くなることに
よる成形不良が増大し、生産効率が落ちるという問題が
あった。
【0004】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、その目的とするところは、透明
基板上に第1の誘電体層と、案内層と、第2の誘電体層
と、記録層とを積層し、前記案内層の一部を除去し、さ
らに、誘電体層の屈折率を基板よりも高くすることによ
りカー効果エンハンスメントが大きく、優れたC/Nを
示すと共に、トラッキングに必要なプッシュプル信号の
減少を防ぎ、安定したトラッキング特性を持つ高品位な
光記録媒体を提供するとともに、トラックピッチを狭く
しても、クロストークが増大せず、また、生産性の高い
光記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の光記録媒体では、透明な基板上に積層された
第1の誘電体層と、案内層と、第2の誘電体層と、記録
層とを有し、前記案内層の一部が渦巻状、同心円状、直
線状等に沿って連続あるいは不連続に除去されている。
そして、除去された部分の幅と、その両側の除去されて
いない部分の幅の和が、前記記録層上におけるレーザス
ポット径と等しいかそれよりも広くなっている。第1お
よび第2の誘電体層の屈折率は基板より高く、第1およ
び第2の誘電体層を往復した光に生じる位相変化が略π
あるいはそれに略2πの整数倍を加えた値になるよう
に、第1および第2の誘電体層の膜厚が定められてい
る。さらに、案内層の除去されている部分からの反射光
と、案内層の除去されていない部分からの反射光の位相
差が略πあるいはそれに略πの整数倍を加えた値とはな
らず、望ましくは、略π/2あるいはそれに略πの整数
倍を加えた値となるように各層の膜厚が定められてい
る。
【0006】また、第1および第2の誘電体層を往復し
た光に生じる位相変化が略πあるいはそれに略2πの整
数倍を加えた値になり、第2の誘電体層の屈折率をそれ
ぞれn2、真空中での光の波長をλ、mを整数としたと
きに、第2の誘電体層の膜厚が略 [(λ/(4n2)±λ/(12n2)]+mλ/4 となるように、第1および第2の誘電体層の膜厚が定め
られていてもよい。
【0007】さらに、第1の誘電体層のみを往復した光
に生じる位相変化と、前記第1および第2の誘電体層を
往復した光に生じる位相変化の差が略π/2あるいはそ
れに略πの整数倍を加えた値となり、かつ、前記第1お
よび第2の誘電体層を往復した光に生じる位相変化が略
πあるいはそれに略2πの整数倍を加えた値になるよう
に、第1および第2の誘電体層の膜厚が定められていて
もよい。
【0008】
【作用】上記の構成を有する光記録媒体では、第1およ
び第2の誘電体層、記録層、案内層はよく知られている
薄膜形成手段およびフォトリソグラフィーにより作製す
ることができ、射出成形を用いる必要が無いため、トラ
ックピッチを狭くしても容易に作製することができる。
また、トラックピッチを狭くしても、案内層の除去され
た部分、すなわち、記録領域の幅と、その両側の除去さ
れていない部分の幅の和が、前記記録層上におけるレー
ザスポット径と等しいかそれよりも広くなっているた
め、照射されたレーザ光が隣の記録領域には達せず、ク
ロストークは増大しない。
【0009】第1および第2の誘電体層は基板より屈折
率が高いため、案内層の除去された部分における基板と
記録層との間にある第1および第2の誘電体層において
再生光の多重反射が生じる。ここで本発明の光記録媒体
の第1および第2の誘電体層の膜厚は、第1および第2
の誘電体層を往復した再生光に生じる位相変化量がπと
なるように設定されているため、多重反射によるカー効
果エンハンスメントが増大しC/Nが向上する。またト
ラッキング用のプッシュプル信号は、本発明の構造にお
いては、案内層の除去されている部分からの反射光と、
案内層の除去されていない部分からの反射光の位相差
が、略π/2のとき最大となる。このとき、案内層の除
去されていない部分の反射率は、記録領域の反射率ほど
は低下しないため、トラッキング信号の低下を防ぎ安定
したトラッキングサーボが可能となる。
【0010】案内層が比較的厚い場合は、案内層で反射
され、第1の誘電体層のみを往復した光に生じる位相変
化と、記録層で反射され、前記第1および第2の誘電体
層を往復した光に生じる位相変化の差が略π/2あるい
はそれに略πの整数倍を加えた値となるように、第1お
よび第2の誘電体層の膜厚が定められていていればよ
い。さらに、第1および第2の誘電体層の屈折率を等し
くすることにより、第1および第2の誘電体層の境界に
おける不用な反射が生じないためC/Nおよびトラッキ
ング特性が向上する。
【0011】また、第1および第2の誘電体層を往復し
た光に生じる位相変化が略πあるいはそれに略2πの整
数倍を加えた値になり、第2の誘電体層の屈折率をそれ
ぞれn2、真空中での光の波長をλ、mを整数としたと
きに、第2の誘電体層の膜厚が略 [(λ/(4n2)±λ/(12n2)]+mλ/4 となるように、第1および第2の誘電体層の膜厚を定め
ることにより、プッシュプル信号は幾分小さくなるが、
案内層を所定の信号パターンで不連続的に除去した部分
からのプリフォーマット信号強度が大きくなるため、プ
リフォーマットディスクとしても使用することができ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施例である光記録媒
体の10の要部断面図であり、この光記録媒体10は、
ガラス等の透明な基板12上に第1の誘電体層14、案
内層16、第2の誘電体層18、記録層20、保護層2
2を順次積層することにより構成されている。
【0014】案内層16は、Al、Ta等の金属等で作
製されており、渦巻き状、同心円あるいは直線状に、基
板12側からみた平面図である図2のように連続あるい
は不連続的に除去されている。一定の長さだけ、連続し
て除去された部分は情報を記録するために用いられ、記
録領域30となる。また、不連続的に除去された部分は
そのままピット32を構成する。このため、セクターマ
ーク等の信号をピット32によってあらかじめ記録して
おくことができ、プリフォーマットを行うことができ
る。
【0015】第1および第2の誘電体層14、18は、
基板12よりも屈折率の高い、例えばSiO、SiAl
ON、TiO2、ZnS、ZnO、SiN、AlN等か
ら成る。このとき、第1および第2の誘電体層14、1
8を同一材料で構成することにより、案内層16の除去
部分である記録領域30における第1および第2の誘電
体層14、18の境界において、不用な反射が生じな
い。
【0016】記録層20には例えば希土類と遷移金属と
を主成分とするアモルファス合金である光磁気材料、即
ちTbFeCo(テルビウム鉄コバルト合金)等が用い
られる。また、保護層22は、記録層20を化学変化か
ら保護するためのものでSiAlON、AlN等から成
る。
【0017】基板12から入射した光は主に案内層1
6、および記録層20によって反射される。従って、案
内層16および記録層20によって生じる回折効果を利
用してよく知られたプッシュプル法によりトラッキング
を行うことができる。
【0018】また、図3に示すように入射した光40の
一部は案内層16に遮られるため、記録層20に記録さ
れるピットあるいは磁区の幅は案内層16の除去された
記録領域30の幅に制限される。従って、記録領域30
の幅をw、トラックピッチをP、照射光40の記録層2
0上におけるスポット径をdとすると、記録領域30と
その両側の案内層16の除去されていない部分のを合わ
せた幅Wは W=P+(P−w)=2P−w (1) となる。従って、Wがスポット径dよりも大きければ、
照射光40が隣の記録領域には達しないため、クロスト
ークは増大しない。すなわち、 d=2P−w (2) とすることにより、クロストークを増大させずトラック
ピッチをスポット径よりも小さくでき、狭トラックピッ
チ化による高密度化が可能となる。
【0019】本発明の光記録媒体は、よく知られている
薄膜形成手段およびフォトリソグラフィーにより作製さ
れる。即ち、基板12上に、SiAlON等の透明誘電
体層14を所定の厚さだけ、例えばスパッタリング等に
より形成する。その上に、Al、Ta等の金属膜を真空
蒸着、或はスパッタリング等の手段で形成し、その上に
フォトレジストをスピンコート法等で塗布する。次に、
レーザ露光法等によりフォトレジストを渦巻き状もしく
は同心円状に連続あるいは不連続的に取り除く。不連続
的に取り除く場合は、露光時にレーザをセクターマーク
等の信号で変調し、フォトレジストに照射すればよい。
さらに、酸、アルカリ溶液等を用いたエッチング、或
は、プラズマエッチング等により金属膜のフォトレジス
トが取り除かれた部分をエッチングする。その後、レジ
ストを有機溶剤等で除去することにより案内層16が形
成される。さらに、その上に、第2の誘電体層18、記
録層20、保護層22をスパッタリング等のよく知られ
ている薄膜形成手段により積層することにより光記録媒
体10が作成される。
【0020】このように、本発明の光記録媒体10は、
基板に案内溝を必要としないため、射出成形による溝部
の成形不良は生じなく、容易にトラックピッチの狭い光
記録媒体を製造することができる。
【0021】そしてかかる光記録媒体10は、その基板
12を通してレーザ光が記録層20に照射されると、磁
気光学効果により記録層20における局部磁化方向に関
連して反射光のカー回転角が変化させられ、この反射光
のカー回転角に基づいて、情報が読み出される。また、
情報の書き込みに際しては、レーザ光の照射により記録
層20をキュリー点あるいは補償温度まで局部加熱し、
この局部の冷却時に外部磁界の方向を所望する方向へ制
御することにより磁化方向に対応した情報を記録する。
【0022】上記の構成を有する光記録媒体10では、
第1および第2の誘電体層14、18は屈折率の高い透
光性材料であり、記録領域30において基板12と記録
層20との間で多重反射が生じる。ここで、第1および
第2の誘電体層14、18を往復する光に生じる位相変
化量をA、第1および第2の誘電体層の膜厚をそれぞれ
1、d2、屈折率をそれぞれn1、n2とすると、(3)
式が成り立つ。
【0023】 A=2(2π/λ)(n11+n22) (3) さらに、第1および第2の誘電体層14、18に同一材
料を用い、その屈折率をnIとすると(3)式は(4)
式のように表される。
【0024】 A=2nI(2π/λ)(d1+d2) (4) ここで、よく知られているように A=π+2mπ(mは整数) (5) のとき、記録層におけるカー効果エンハンスメントが最
大となり見かけのカー回転角が増大するためC/Nが向
上する。このとき、(4)、(5)式より d1+d2=λ/(4nI)+mλ/(2nI) (6) となる。すなわち、第1および第2の誘電体層14、1
8の膜厚の和が再生光の第1および第2の誘電体層1
4、18中での波長の約1/4、或はそれに半波長の整
数倍を加えたものに設定されている本発明の光記録媒体
では、記録層20におけるカー効果エンハンスメントが
増大しC/Nが向上する。
【0025】またトラッキング用のプッシュプル信号
は、本発明の構造においては、案内層16によって反射
され、第1の誘電体層14のみを往復した光に生じる位
相変化と、記録層20によって反射され第1および第2
の誘電体層14、18を往復した光に生じる位相変化の
差が略π/2あるいはそれに略πの整数倍を加えた値と
なるときに最大となり、π+mπのときにゼロとなる。
第1の誘電体層14のみを往復する光に生じる位相変化
量をBとすると、Bは B=2nI(π/λ)d1 (7) で表わされ、前記位相差はA−Bとなる。ここでカー効
果エンハンスメントが最大となる(5)式を満足し、且
つプッシュプル信号が最大となる A−B=π/2+lπ(lは整数) (8) を満足するとき、第1および第2の誘電体層14、18
の膜厚d1、d2は d1=λ/(8nI)+lλ/(4nI) (9) d2=λ/(8nI)+(2m−l)λ/(4nI) (10) となる。なお、このとき、記録領域30における反射率
はほぼ最小となるが、案内層16の除去されていない部
分の反射率は最小とならず、従来の溝付ディスクと比べ
てプッシュプル信号の低下を防ぐことができる。
【0026】なお、プッシュプル信号がゼロとなり、光
記録媒体の記録、再生ができなくなる条件、即ち A−B=π+lπ (11) となる場合、d1によらず d2=λ/(4nI)+lλ/(4nI) (12) となる。従って本発明の光記録媒体では、第2の誘電体
層18の膜厚が(12)式を満足するような条件以外で
あれば、プッシュプル信号が得られ、記録再生が可能と
なる。そして、第1の誘電体層の膜厚を適当に選ぶこと
で、カー効果エンハンスメントによりC/Nの向上を実
現することができる。
【0027】例えば、案内層16の一部を不連続的に除
去することにより形成されたピット32を再生する場
合、再生信号が最大になるときの第2の誘電体層の膜厚
は(12)式になるが、トラッキングに必要なプッシュ
プル信号が得られないため、(12)式から膜厚をずら
し、 d2=[(λ/(4nI)+λ/(12nI)]+lλ/(4nI) (13) 若しくは d2=[(λ/(4nI)−λ/(12nI)]+lλ/(4nI) (13′) となるように、第2の誘電体層の膜厚を定めてもよい。
このとき、カー効果エンハンスメントが最大になるよう
に(5)式を満たすように第1の誘電体層14の膜厚を
定めると、 d1=(2m−l)λ/(4nI)−λ/(12nI) (14) 若しくは d1=(2m−l)λ/(4nI)+λ/(12nI) (14′) となる。この場合プッシュプル信号および、ピットから
の信号がそれぞれ十分な強度で得られるので、プリグル
ーブディスクに対して良好に記録再生を行うことができ
る。
【0028】以上、本発明の一実施例を図1からおよび
図3に基づいて詳細に説明したが、本発明は他の様態で
実施することができる。
【0029】すなわち、記録層20および案内層16の
膜厚については特に限定されない。例えば図4に示すよ
うに記録層20を薄くし、保護層22の上にAl、A
u、Cu等から成る反射層24を設けてもよい。即ち、
基板12側から入射した光は、磁性薄膜を透過した後、
反射層によって反射され、再び磁性薄膜を透過する。こ
れにより、カー効果だけでなく、ファラデー効果も加わ
るため、さらに大きなカー効果エンハンスメントが生じ
る。この場合も案内層16の反射率低下を防ぎ、安定し
たトラッキング特性が得られる。案内層16が薄い場合
は、記録層20に生じる凹凸も小さくなるため、記録層
20の段差部分からの劣化の抑制効果が大きくなる。こ
のとき、基板12側から入射した光の一部は案内層16
を透過し、第2の誘電体層18を透過し、記録層20で
反射される。このとき、記録層20と案内層16の間で
も多重反射による干渉が生じ、基板12側に出射する光
に生じる位相変化は複雑になる。
【0030】このように、案内層16や記録層20が薄
い場合は案内層16の除去されている部分からの反射光
と、案内層16の除去されていない部分からの反射光の
位相変化は複雑となるがその差が略π/2あるいはそれ
に略πの整数倍を加えた値であれば最適のプッシュプル
信号が得られる。なお、位相差はトラッキングが可能で
あればこの値からずれていてもよく、プッシュプル信号
がゼロとなる位相差である略πおよびその整数倍を加え
た値にならないように各層の膜厚が設定されていればよ
い。
【0031】各層の材料についても特に限定されず、基
板材料としてガラスの代わりに、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネイト樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂等を
用いてもよい。
【0032】また、記録層20も光磁気材料だけでな
く、Te、Bi等の穴開け型や、GeSbTe、TeO
x等の相変化形材料、色素等の有機材料等等を用いるこ
とができる。光磁気材料以外の材料を用いた場合も、第
1および第2の誘電体層14、18を往復した光に生じ
る位相変化が略πあるいはそれに略2πの整数倍を加え
た値になるように、その膜厚が定められていれば記録感
度が向上する。
【0033】また、案内層の除去パターンについても特
に限定されず、渦巻状あるいは同心円状に連続して除去
してもよい。このとき、プリフォーマット信号は記録層
に記録すればよい。
【0034】また、第1および第2の誘電体層14、1
8の材料は特に限定されず、また、同一である必要はな
く、異なった材料で構成してもよい。例えば、図5のよ
うに第1の誘電体層14にSiAlON等を用い、第2
の誘電体層50としてスピンコーティングおよび熱処理
により作製したTiO2、PLZT等を用い、記録層2
0を略平坦にしてもよい。さらに、図6のように第2の
誘電体層14としてスピンコーティングで作製したTi
2、PLZT等の平坦化層50とその上にスパッタリ
ング等で作製したSiAlON等から成る誘電体膜52
を設けてもよい。すなわち、第1および第2の誘電体層
14、18はそれぞれ単一の材料で構成されている必要
はなく、それぞれ複数の材料を用いた多層膜で構成され
ていてもよい。
【0035】更に、トラッキング法はプシュプル法に限
定されず、3ビーム法によっても同様に良好に行なうこ
とができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の光記録媒体では、照射光の一部が案内層に遮ら
れ、隣の記録領域に達しないため、トラックピッチを狭
くしてもクロストークが増大せず、また、製造に射出成
形を用いないため、生産性が高くなる。また、第1およ
び第2の誘電体層が基板よりも屈折率の高い透光性の材
料で形成されており、カー効果エンハンスメントによる
記録層の見かけのカー回転角の増大によりC/Nが向上
すると同時にトラッキングに必要なプッシュプル信号の
低下を防ぎ安定したトラッキング特性を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である光記録媒体の要部断面
図である。
【図2】本発明の一実施例である光記録媒体の基板側か
らみた要部平面図である。
【図3】本発明の一実施例である光記録媒体の要部断面
図である。
【図4】本発明の他の実施例である光記録媒体の要部断
面図である。
【図5】本発明の他の実施例である光記録媒体の要部断
面図である。
【図6】本発明の他の実施例である光記録媒体の要部断
面図である。
【図7】従来の光磁気記録媒体の一例を示す要部断面図
である。
【符号の説明】
10 光記録媒体 12 ガラス基板 14 第1の誘電体層 16 案内層 18 第2の誘電体層 20 記録層 30 記録領域(案内層の除去された部分) 32 ピット(案内層の除去された部分)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基板と、前記基板上に積層された
    第1の誘電体層と、案内層と、第2の誘電体層と、記録
    層とを有し、前記案内層の一部が除去されていることを
    特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光記録媒体において、前
    記案内層が渦巻状、同心円状、直線状等に沿って連続あ
    るいは不連続に除去されており、除去された部分の幅
    と、その両側の除去されていない部分の幅の和が、前記
    記録層上におけるレーザスポット径と等しいかそれより
    も広いことを特徴とする光記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の光記録媒体において、前
    記第1および第2の誘電体層の一方あるいは両方の屈折
    率が基板より高いことを特徴とする光記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の光記録媒体において、前
    記第1および第2の誘電体層の屈折率が互いに等しいこ
    とを特徴とする光記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の光記録媒体において、前
    記第1および第2の誘電体層を往復した光に生じる位相
    変化が略πあるいはそれに略2πの整数倍を加えた値に
    なるように、前記第1および第2の誘電体層の膜厚が定
    められていることを特徴とする光記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の光記録媒体において、前
    記案内層の除去されている部分からの反射光と、前記案
    内層の除去されていない部分からの反射光の位相差が略
    πあるいはそれに略πの整数倍を加えた値ではないこと
    を特徴とする光記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の光記録媒体において、前
    記案内層の除去されている部分からの反射光と、前記案
    内層の除去されていない部分からの反射光の位相差が略
    π/2あるいはそれに略πの整数倍を加えた値であるこ
    とを特徴とする光記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の光記録媒体において、前
    記第2の誘電体層の屈折率をそれぞれn2、真空中での
    光の波長をλ、mを整数としたときに、前記第2の誘電
    体層の膜厚が略 [(λ/(4n2)±λ/(12n2)]+mλ/(4n2) となるように、前記第1および第2の誘電体層の膜厚が
    定められていることを特徴とする光記録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の光記録媒体において、前
    記第1の誘電体層のみを往復した光に生じる位相変化
    と、前記第1および第2の誘電体層を往復した光に生じ
    る位相変化の差が略π/2あるいはそれに略πの整数倍
    を加えた値となり、かつ、前記第1および第2の誘電体
    層を往復した光に生じる位相変化が略πあるいはそれに
    略2πの整数倍を加えた値になるように、前記第1およ
    び第2の誘電体層の膜厚が定められていることを特徴と
    する光記録媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0863782A (ja) * 1994-08-26 1996-03-08 Nec Corp 情報記録媒体
JPH0863783A (ja) * 1994-08-26 1996-03-08 Nec Corp 情報記録媒体
US6064642A (en) * 1998-01-16 2000-05-16 Nec Corporation Phase-change type optical disk

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