JPH0584851U - ガソリンの性状判別装置 - Google Patents

ガソリンの性状判別装置

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JPH0584851U
JPH0584851U JP3203692U JP3203692U JPH0584851U JP H0584851 U JPH0584851 U JP H0584851U JP 3203692 U JP3203692 U JP 3203692U JP 3203692 U JP3203692 U JP 3203692U JP H0584851 U JPH0584851 U JP H0584851U
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temperature
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heavy
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JP3203692U
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政彦 島村
秀樹 上岡
進 坂上
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日本電子機器株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガソリンの性状を判別するガソリンの性状判
定装置において、ガソリンの性状を正確に判定すると共
にエンジンの始動性も向上させる。 【構成】 ステップ5で温度センサ20からエンジン始
動時の燃温ti を読込み、ステップ8でガソリンの温度
差Δt(Δt=t1 −ti )を演算し、ステップ9でこ
の温度差Δtが所定温度差t0 よりも大きいか否かを判
定(判定禁止処理)する。そして、ガソリンの温度差が
顕著になっていないときには、ステップ10で先に記憶
された記憶エリア22Aのガソリンの性状を読出し、ス
テップ11で点火時期制御を行って、エンジン1の始動
性を向上させ、ガソリンの温度差が顕著な場合には、第
1の判定処理および第2の判定処理によりガソリンGの
性状判別を正確に行う。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、自動車用エンジン等に使用されるガソリンの重,中,軽質等の性状 を判別するのに用いて好適なガソリンの性状判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車用エンジンの燃料として使用されている純正ガソリンには、ヘ プタン,ペンタン等の炭化水素を主成分とする軽質ガソリンと、ベンゼン等の炭 化水素を主成分とする重質ガソリンと、該重質ガソリンと軽質ガソリンとの中間 に位置する中質ガソリンとがある。軽質ガソリンは気化しやすい性質を有してお り、一方、重質ガソリンは気化しにくい性質を有している。
【0003】 そして、自動車用エンジンに用いられるガソリンエンジンは、通常軽質ガソリ ンにマッチングして点火時期等が設定されている。
【0004】 ところで、前述したようにガソリンエンジンは、軽質ガソリンにマッチングさ せてエンジンの点火時期等を制御するようにしている。しかし、最近では重質ガ ソリンの使用が一般化してきていること、大気汚染法の施行等の理由により、ガ ソリンの重質化が進んでいる。
【0005】 然るに、軽質ガソリンにマッチングさせてエンジンの点火時期等を制御するよ うに設定されたガソリンエンジンに、重質ガソリンを燃料として使用した場合に は、軽質ガソリンに比較して着火時期が遅れる結果、全体としてリーン化傾向と なり、低温時の始動性、運転性の悪化を招くという問題点がある。また、走行状 態においても、重質ガソリン使用時には、息づき現象等の運転性能の悪化を起こ すばかりでなく、不完全燃焼によって排気ガス中の有害成分が増大する等の問題 点がある。
【0006】 一方、前述とは逆に、重質ガソリンにマッチングさせて点火時期等を制御する ように設定されたガソリン車に、軽質ガソリンを使用した場合には、全体として オーバリッチ傾向となり、点火プラグに「くすぶり」が発生するという問題点が ある。
【0007】 このような問題点を解決するために、本出願人は従来技術として先に実開平4- 8956号として、ガソリン中に配設され、当該ガソリンの性状に応じて定まる誘電 率から電極間の静電容量を検出する静電容量検出手段と、該静電容量検出手段に よって検出した静電容量に基づいた周波数を発振する発振手段と、該発振手段に よる発振周波数を電圧に変換する周波数−電圧変換手段と、該周波数−電圧変換 手段から出力された電圧信号を所定電圧値と比較し、軽質ガソリンか重質ガソリ ンかを判定する性状判定手段とから構成してなるガソリン性状(重軽質)判別装 置を提案した。
【0008】 そして、このような構成により、軽質ガソリンと重質ガソリンとでは重質ガソ リンの方が誘電率が大であるから、静電容量検出手段で固有の誘電率によって電 極間に形成される静電容量を検出し、発振手段で検出静電容量に基づいた周波数 を発生し、周波数−電圧変換手段で発振周波数を電圧変換し、性状判定手段でこ の電圧信号を所定の比較電圧値と比較し、ガソリンの重軽質を判定することがで きる。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、市販されている純正ガソリンには、添加剤としてメタノール,エタ ノール,MTBE(メチルターシャルブチルエーテル)等のアルコール分が混入 されていることがある。このように純正ガソリンにアルコール分が混入させると 、当該アルコール分によって誘電率が高くなるから、図10に示すように添加剤 の混入割合に応じて出力電圧が高くなる。
【0010】 然るに、従来技術のガソリン性状判別装置では、出力電圧を所定の比較電圧値 で比較するだけであるから、例えば、図10に示す如く、重質ガソリンの性状状 態に対する周波数−電圧変換手段から出力されるセンサ出力電圧VがV0 のとき には、重質ガソリンのみの場合、中質ガソリンに添加剤を5%添加した場合、軽 質ガソリンに添加剤を10%添加した場合の3種類の状態を検出することがあり 、実際にガソリン性状が重質ガソリンの場合であったとしても、添加剤の混入割 合に応じて中,軽質ガソリンと判別してしまい、正確な重質ガソリンの性状状態 を検出することができないという問題点がある。
【0011】 本考案は前述した従来技術による問題点に鑑みなされたもので、ガソリン中に 添加剤(アルコール分)が含まれている場合にも、重質ガソリンとしての性状と 、軽,中質ガソリン(重質ガソリンに添加剤が混入されたことによって中,軽質 化した場合を含む)としてのガソリン性状を正確に判定し、適正なエンジン制御 を行ない得るようにし、かつエンジンの始動時のようにガソリンの温度が変化し ていないときの誤判定を防止できるガソリンの性状判別装置を提供することを目 的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本考案が採用するガソリンの性状判別装置は、軽 質,中質,重質からなるガソリンの性状に応じて出力電圧が変化する静電容量式 センサと、前記ガソリンの温度を検出する感温センサと、前記静電容量式センサ からの出力電圧と感温センサによる検出温度との関係から軽,中質ガソリンか仮 性重質ガソリンかを判定する第1の判定手段と、該第1の判定手段により仮性重 質ガソリンであると判定された場合には、前記各センサからの出力信号に基づき 温度勾配を演算し、この温度勾配により軽,中質ガソリンか真性重質ガソリンか を判定する第2の判定手段と、前記第1,第2の判定手段により判定されたガソ リンの性状を記憶するガソリン性状記憶手段と、ガソリンの温度が所定温度変化 するまでの間は、前記第1,第2の判定手段による判定を禁止する判定禁止手段 と、該判定禁止手段により、前記第1,第2の判定手段による判定を禁止してい る間は、前記ガソリン性状記憶手段に記憶されたガソリン性状を出力するガソリ ン性状出力手段とから構成してなる。
【0013】
【作用】
上記構成により、第1の判定手段で仮性重質ガソリンと判定された場合には、 添加剤の影響により中,軽質ガソリンの場合でも重質ガソリンと判定する場合が ある。このため、第2の判定手段によって、出力電圧の温度勾配を演算して、こ の温度勾配により軽,中質ガソリンか真性重質ガソリンかを確実に判定すること ができる。さらに、エンジン始動時等のようにガソリンの温度差が所定温度差よ りも小さいときには、判定禁止手段により第1,第2の判定手段による判定を禁 止し、かつガソリン性状記憶手段に記憶されたガソリン性状をガソリン性状出力 手段から出力し、この信号に基づいて点火時期制御等のエンジン制御を行うこと ができる。
【0014】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図1ないし図9に基づいて説明する。
【0015】 まず、図1中、1は例えば4気筒のエンジンを示し(1気筒のみ図示)、該エ ンジン1はシリンダ1Aと、該シリンダ1A上に搭載されたシリンダヘッド1B と、シリンダ1A内を往復動するピストン1Cとから大略構成されている。2は 各シリンダ1Aの上側に位置してシリンダヘッド1Bに設けられた点火プラグ( 1個のみ図示)を示し、該点火プラグ2は後述のコントロ−ルユニット21から 点火信号が出力されたときに、シリンダ1A内の混合気を燃焼(爆発)させるよ うになっている。
【0016】 3は基端側が分岐管となってシリンダ1のシリンダヘッド1Bの吸気側に設け られたインテイクマニホールドを示し、該インテイクマニホールド3の先端側に は吸気フィルタ4が設けられ、途中には吸気空気量を計測するエアフロメータ5 、スロットルバルブスイッチ6が付設されたスロットルバルブ7等が設けられ、 さらにシリンダヘッド1Bの近傍に位置して噴射弁8が設けられ、該噴射弁8は コントロ−ルユニット21からの噴射信号によってエンジン1内にガソリンGを 噴射するものである。
【0017】 9は内部にガソリンGを貯える燃料タンクで、該燃料タンク9内にはインタン ク型燃料ポンプ10が設けられている。11は燃料配管で、該燃料配管11の一 端は燃料フィルタ12を介して燃料ポンプ10の吐出側と接続され、その他端は 噴射弁8、圧力レギュレータ13の流入側と接続され、該圧力レギュレータ13 の流出側はリターン配管14を介して燃料タンク9と接続されている。
【0018】 15は例えば燃料配管11の途中に設けられた静電容量式センサを示し、該静 電容量式センサ15は燃料配管11内を流れるガソリンGの性状状態による誘電 率の変化を電圧として検出するものである。
【0019】 ここで、前記静電容量式センサ15は、図2に示す如く、ガソリンの誘電率に 対応した静電容量Cを検出する静電容量検出器16と、該静電容量検出器16の 静電容量Cに基づいて発振周波数fを発振するLC型の発振回路17と、該発振 回路17からの発振周波数fを、検出電圧Vとして変換する周波数−電圧変換回 路18(以下、「f/V変換回路18」という)と、該f/V変換回路18から の検出電圧Eを反転増幅し、出力電圧Vとして出力する反転増幅回路19とから 大略構成され、前記各回路17,18,19は電子部品によって、それぞれ構成 されている。
【0020】 そして、前記静電容量検出器16は、燃料配管11内に設けられた一対の平行 平板形または同軸同筒形の電極からなり、平行平板形電極の場合、静電容量Cを 、次式の数1のようにして検出する。
【0021】
【数1】
【0022】 また、LC型の発振回路17の発振周波数fは、次式の数2のようになる。
【0023】
【数2】
【0024】 ここで、ガソリンGは産地によって炭化水素の主成分が異なっており、当該炭 化水素の誘電率ε(比誘電率ε0 )は、下記の表1のようになっている。
【0025】
【表1】
【0026】 このため、静電容量検出器16による静電容量Cは、純正ガソリン性状に比例 して図3のような特性となり、発振回路17を経てf/V変換回路18による検 出電圧Eは図4のような特性となり、これを反転増幅回路19で反転増幅するこ とにより、図5に示すような出力電圧Vをもった特性となる。かくして、静電容 量式センサ15からは、純正ガソリンの重軽質性状に対応して図5に示す特性の 出力電圧Vを得ることができる。
【0027】 次に、20は前記静電容量式センサ15の近傍に設けられた感温センサとして の温度センサを示し、該温度センサ20は燃料配管11内を流れるガソリンGの 燃料温度を検出信号として後述のコントロ−ルユニット21に出力するようにな っている。
【0028】 21は本実施例に用いるコントロールユニットで、該コントロールユニット2 1は例えばマイクロコンピュータ等によって構成され、該コントロ−ルユニット 21はRAM,ROM等からなる記憶回路22を含んで構成されると共に図7な いし図9に示す性状判定処理プログラム、燃料噴射量演算プログラム、点火時期 制御プログラム(いずれも図示せず)等が内蔵されている。さらに、記憶回路2 2の記憶エリア22Aには図6に示す静電容量式センサ15の温度特性マップ2 3,真性重質ガソリンの判定温度勾配α0 および所定温度差t0 等が格納される と共に、性状判定処理プログラムにより判定されたガソリンGの性状を記憶する ようになっている。
【0029】 ここで、図6に示す温度特性マップ23は、重質,中質,軽質ガソリンのガソ リンGの温度t(以下、燃温tという)に対する前記静電容量式センサ15から の出力電圧Vの特性を示したもので、本実施例では仮性重質ガソリンの判定領域 Aを設定したものである。また、所定の温度勾配α0 は真性重質ガソリンの温度 勾配を示したものである。
【0030】 そして、コントロ−ルユニット21の入力側には前記エアフロメータ5,スロ ットルバルブスイッチ6,エンジン1の回転数を検出するクランク角センサ24 ,静電容量式センサ15,温度センサ20,エンジンスイッチ25等の他、水温 センサ,酸素センサ等の各種センサが接続され、出力側には点火プラグ2,噴射 弁8等が接続されている。
【0031】 本実施例はこのように構成されるが次にその作用について図7ないし図9のガ ソリン性状判定処理を参照しつつ述べる。
【0032】 まず、ステップ1でエンジンスイッチ25の状態を読込み、ステップ2ではエ ンジンスイッチ25がONか否かを判定し、「NO」と判定した場合にはステッ プ3に移り、ステップ3ではカウンタiをリセット(i=0)して、ステップ4 で終了する。
【0033】 一方、前記ステップ2で「YES」と判定した場合には、ステップ5に移り、 このステップ5ではエンジン1が起動しているから、温度センサ20から燃温t i を読込み、ステップ6では燃温ti をエンジン1の始動時のガソリンGの燃温 として燃温t1 に置換えて記憶し、ステップ7で再び温度センサ20から燃温t i を読込む。
【0034】 そして、ステップ8ではガソリンGの温度差Δt(Δt=t1 −ti )を演算 し、ステップ9でこの温度差Δtが所定温度差t0 よりも大きいか否かを判定( 判定禁止処理)する。ステップ9で「NO」と判定した場合には、ガソリンGの 温度差Δtが著しくないから、ステップ10に移り、ステップ10では後述のス テップ21で記憶エリア22Aに記憶されたガソリンGの性状を読出す。そして 、ステップ11ではこのガソリンGの性状に応じた点火時期制御を行い、ステッ プ7にリターンしてステップ7以降の処理を行う。
【0035】 一方、前記ステップ9で「YES」と判定した場合には、ガソリンGの温度差 Δtが顕著になっているから、ステップ12に移り、ステップ12では静電容量 式センサ15からガソリンGの誘電率に対応した出力電圧Vi を読込み、次のス テップ13においては記憶エリア22A内の温度特性マップ23より仮性重質ガ ソリンの判定領域Aを読出す。
【0036】 さて、次のステップ14では広い判定を行うべく、読込んだ燃温ti と出力電 圧Vi とから得られる点が、温度特性マップ23の仮性重質ガソリンの判定領域 A内にあるか否かを判定(第1の判定処理)し、このステップ14で「YES」 と判定した場合には、この点が仮性重質ガソリンの判定領域A内にあるからステ ップ16に移り、「NO」と判定した場合には、この点が仮性重質ガソリンの判 定領域A外にあるからステップ15に移る。そして、このステップ15ではガソ リンGを中,軽質ガソリンと判定し、ステップ21に移り、このステップ21で はガソリンGの性状を中,軽質として記憶エリア22A内に記憶し、ステップ2 2ではこの性状に対応した点火時期制御を行う。そして、ステップ23では燃温 ti をti-1 に置換えて記憶し、ステップ24では出力電圧Vi をVi-1 に置換 えて記憶する。さらに、ステップ25ではカウンタiを「1」づつ歩進させる。 そして、ステップ26でリタ−ンさせる。
【0037】 一方、前記ステップ14で「YES」と判定した場合には、ステップ16でカ ウンタiが「0」か否かを判定し、「YES」と判定した場合には、第1回目の プログラムサイクルであるから、ステップ21に移り、前述と同様の処理と行い ステップ23からリターンされ、「NO」と判定した場合には、ステップ17に 移る。
【0038】 さて、前記ステップ16で「NO」と判定した場合には、第2回目以降のプロ グラムサイクルとなっているから、ステップ17による温度勾配αの演算を行う 。即ち、前述したステップ14における判定処理では、読込んだ燃温ti と出力 電圧Vi とから得られる点が仮性重質ガソリンの判定領域A内に存在していると 判定したが、この広い判定においては重質ガソリンの中にも添加剤(アルコール 分)を含んだ中,軽質ガソリンが存在している。
【0039】 このため、ステップ17では今回読込んだ燃温ti と出力電圧Vi 、ステップ 23,24で記憶された前回プログラムサイクルでの燃温ti-1 と出力電圧Vi- 1 とに基づき、温度勾配αを次式の数3のようにして演算する。
【0040】
【数3】
【0041】 そして、次のステップ18ではステップ17で演算した温度勾配αが記憶エリ ア22A内に格納した真性重質ガソリンの判定温度勾配α0 よりも大きいか否か を判定(第2の判定処理)する。即ち、ステップ18で「NO」と判定した場合 には、温度勾配αが真性重質ガソリンの判定温度勾配α0 よりも小さいから、ス テップ19でガソリンGが中,軽質ガソリンであると判定し、ステップ21に移 って記憶エリア22Aにこの性状を記憶し、ステップ22以降の処理を行う。
【0042】 一方、前記ステップ18で「YES」と判定した場合には、ステップ20に移 って、ステップ20では温度勾配αが真性重質ガソリンの判定温度勾配α0 より も大きいから、ガソリンGが真性重質ガソリンと判定でき、ステップ21に移っ てこの性状を記憶エリア22Aに記憶し、ステップ22以降の処理を行う。
【0043】 上述した処理により、コントロ−ルユニット21では、記憶エリア22Aに記 憶されたガソリンGの性状状態によって、記憶回路22内に内蔵された燃料噴射 量演算処理および点火時期制御処理を重質ガソリンと中,軽質ガソリンとに分け て処理するようになっている。
【0044】 このように、本実施例によれば、ガソリンGはその性状の相違に応じて誘電率 が異なることによって得られる出力電圧Vと、燃温tの特性の相違から、重質ガ ソリンと中,軽質ガソリンを判定するに際して、ガソリンG中に添加剤等のアル コール分が含まれている場合にも、当該アルコール分の影響を除去した状態で重 質ガソリンの判定を行なう構成としたから、極めて高精度なガソリンの性状判別 装置とすることができる。この結果、ガソリンGの性状に応じて点火進角、遅角 を補正し、また燃料噴射量を補正し、オーバーリーン,オーバリッチとなるのを 防止し、適正な燃料条件を与えることができる。
【0045】 従って、従来技術で述べた如く、エンジンの点火時期等を軽質ガソリンにマッ チングさせた場合でも、重質ガソリンの使用時にはこの点火時期をこの重質ガソ リンに対応した点火時期に補正でき、点火時期がずれて不完全燃焼を起こす等の 問題を解消でき、排気ガス中の有害成分を効果的に低減できる。
【0046】 ところで、エンジン1の始動時等のように、該エンジン1が暖まっていないと きには、ガソリンGの燃温ti による温度差Δtが顕著に得られない場合に、重 質,中質,軽質を判定する第1,第2の判定処理を実行すると、燃温ti-1 ,t i および静電容量式センサ15からの出力電圧Vi-1 ,Vi のそれぞれの差が正 確に検出できず、ガソリンGの性状を誤判定することになり、エンジン1の始動 性を悪化させる。特に、燃温ti の温度差が生じていないときには、温度勾配α により判定する第2の判定処理は実行することができず、正確なガソリンGの性 状判定を行うことができない。
【0047】 そこで、本実施例においては、ステップ5〜9による判定禁止処理を用いて、 燃温の温度差Δtが所定温度差t0 以下のときには、記憶エリア22Aに記憶さ れた先のガソリンGの性状を用いることにより、ガソリンGの性状判定が正確に 行うことのできないエンジン1の始動時等においても、先に記憶されたガソリン Gの性状を用いることで該エンジン1の始動性を向上させることができる。そし て、ガソリンGの燃温の温度差Δtが所定温度差t0 よりも大きくなったときに 、第1,第2の判定手段を用いて判定することにより正確にガソリンGの性状を 判定し、この判定によりエンジン1の点火時期を制御する。
【0048】 さらに、ステップ5〜9による判定禁止処理はエンジン1の始動時だけでなく 、ガソリンGの燃温ti が一定の燃温になった場合にも作用して、ガソリンGの 誤判定を防止し、正確な点火時期制御を行う。
【0049】 なお、図7ないし図9に示すプログラム中でステップ5およびステップ12〜 14が本考案による第1の判定手段の具体例であり、ステップ17〜20が本考 案による第2に判定手段の具体例である。さらに、ステップ21は本考案による ガソリン性状記憶手段の具体例であり、ステップ5〜9が本考案による判定禁止 手段の具体例であり、ステップ10が本考案によるガソリン性状出力手段の具体 例である。
【0050】 また、第1の判定手段をマップ23の仮性重質ガソリンの判定領域Aによって 判定したが、前述した従来技術と同様に比較電圧値V0 により判定してもよい。
【0051】 さらに、静電容量式センサ15内に反転増幅回路19を設けるものとして述べ たが、非反転増幅回路を用いてもよい。
【0052】 一方、前記実施例の静電容量式センサ15と温度センサ20は燃料配管11の 途中に設けるものとして述べたが、例えば燃料タンク9内に設けてもよく、要は 燃料供給系統内であればいずれの場所であってもよいものである。
【0053】
【考案の効果】
本考案によるガソリンの性状判別装置は以上詳細した如くであって、ガソリン の性状に応じて定まる誘電率を利用して、出力電圧が変化する静電容量式センサ と、前記ガソリンの温度を検出する感温センサを設け、ガソリンの温度変化に対 する性状検出センサのセンサ出力により、重質ガソリンか、中,軽質ガソリンか を判定する第1の判定手段と、第1の判定手段で重質ガソリンと判定した場合に 温度勾配を演算し、この温度勾配から第2の判定手段により真性重質ガソリンか 中,軽質ガソリンかの性状を判定すると共に、この各判定手段により判定された ガソリンの性状を記憶するガソリン性状記憶手段と、ガソリンの温度が所定温度 変化するまでの間は前記判定手段の判定を禁止する判定禁止手段と、この判定禁 止手段により禁止されているときには先に記憶したガソリン性状記憶手段のガソ リン性状を出力するガソリン性状出力手段とから構成する。これにより、ガソリ ン中に添加剤(アルコール分)等が混入している場合にも、第2の判定手段によ る温度勾配演算により、真性重質ガソリンか、中,軽質ガソリンかの判定を正確 に行うことができ、エンジンの制御処理を正確に行うことができる。
【0054】 さらに、エンジン始動時等のように、ガソリンの温度の温度差が得られないと きには、先に記憶されたガソリン性状記憶手段からガソリンの性状を出力するよ うにしたから、エンジン始動時のガソリン性状の誤検出を防止し、エンジンの始 動性を確実に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を燃料噴射制御装置に適用した
場合の全体構成図である。
【図2】本実施例による回路構成を示すブロック図であ
る。
【図3】本実施例によるガソリン性状に対する検出静電
容量の関係を示す特性線図である。
【図4】本実施例によるガソリン性状に対するf/V変
換回路からの検出電圧の関係を示す特性線図である。
【図5】本実施例によるガソリン性状に対する反転増幅
回路からの出力電圧の関係を示す特性線図である。
【図6】本実施例によるコントロールユニットの記憶回
路内に格納された重質ガソリン領域判定マップを示す説
明図である。
【図7】本実施例による制御処理を示す流れ図である。
【図8】図7に続く制御処理を示す流れ図である。
【図9】図8に続く制御処理を示す流れ図である。
【図10】従来技術による純正ガソリンと添加剤を混入
したガソリンとのガソリン性状に対する出力電圧を示す
特性線図である。
【符号の説明】
15 静電容量式センサ 16 静電容量検出器 17 発振回路 18 周波数−電圧変換回路 19 反転増幅回路 20 温度センサ(感温センサ) 21 コントロールユニット 22 記憶回路 22A 記憶エリア A 仮性重質ガソリンの判定領域 α 温度勾配 α0 真性重質ガソリンの判定温度勾配

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽質,中質,重質からなるガソリンの性
    状に応じて出力電圧が変化する静電容量式センサと、前
    記ガソリンの温度を検出する感温センサと、前記静電容
    量式センサからの出力電圧と感温センサによる検出温度
    との関係から軽,中質ガソリンか仮性重質ガソリンかを
    判定する第1の判定手段と、該第1の判定手段により仮
    性重質ガソリンであると判定された場合には、前記各セ
    ンサからの出力信号に基づき温度勾配を演算し、この温
    度勾配により軽,中質ガソリンか真性重質ガソリンかを
    判定する第2の判定手段と、前記第1,第2の判定手段
    により判定されたガソリンの性状を記憶するガソリン性
    状記憶手段と、ガソリンの温度が所定温度変化するまで
    の間は、前記第1,第2の判定手段による判定を禁止す
    る判定禁止手段と、該判定禁止手段により、前記第1,
    第2の判定手段による判定を禁止している間は、前記ガ
    ソリン性状記憶手段に記憶されたガソリン性状を出力す
    るガソリン性状出力手段とから構成してなるガソリンの
    性状判別装置。
JP3203692U 1992-04-16 1992-04-16 ガソリンの性状判別装置 Pending JPH0584851U (ja)

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JP3203692U Pending JPH0584851U (ja) 1992-04-16 1992-04-16 ガソリンの性状判別装置

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