JPH0583588U - 管継手用止水プラグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 管継手の樹脂製防食コアの筒状部を内径側へ
変形させることなく管継手の開口部の止水を行なうこと
ができる管継手用止水プラグを提供する。 【構成】 筒状の螺着部21を備え、この螺着部21が、管
継手２の金属製継手本体４の端部雌ねじ部７と樹脂製防
食コア２の筒状部13との間の円環状間隙部15に嵌入し
て、螺着部21の外周面に設けられたねじ部24が管継手２
の端部雌ねじ部７に螺合する。螺着部21の螺合状態で
は、螺着部21内に設けられた中栓部22が、防食コア５の
筒状部13に内嵌される。この中栓部22にて筒状部13の内
径側への変形を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は管継手用止水プラグに関する。

【０００２】

【従来の技術】

接続管を将来増設しようとする場合、被接続管の端部に、管継手を接続してお き、接続管が接続されていない管継手開口部を止水プラグにて施蓋していた。そ して、増設しようとする際に、プラグを取外し、新たな接続管を接続していた。

【０００３】 即ち、使用する管継手としては、図５に示すように、両端部に被接続管用雌ね じ部ａ，ｂを有する金属製継手本体ｃと、この継手本体ｃ内に設けられる樹脂製 防食コアｄと、からなるものであり、防食コアｄは、ねじ部ａ，ｂに対向する筒 状部ｅ，ｆを有し、ねじ部ａ，ｂと筒状部ｅ，ｆとの間に、被接続管嵌入用間隙 部ｇ，ｈが形成される。

【０００４】 そして、一方の開口部側のねじ部ａに被接続管を螺着し、他の開口部側のねじ 部ｂにプラグｉを螺着していた。

【０００５】 しかして、プラグｉは、外周面にねじ部ｊを有する筒状部ｋと該筒状部ｋの開 口部を施蓋する壁部ｍと、該壁部ｍに突設された回転操作部ｎと、からなり、筒 状部ｋのねじ部ｊを雌ねじ部ｂに螺着させれば、筒状部ｋが間隙部ｈに嵌入して 、管継手に装着される。図５で明らかな如く、従来の筒状部ｋの内周面は開口方 向へ拡径する大きなテーパ状であった。

【０００６】 そして、液漏れ防止のため、筒状部ｋの内周面と筒状部ｆの外周面とを密着さ せる必要があった。

【０００７】 つまり、筒状部ｋの開口方向へ順次拡径するテーパ面を、プラグｉの螺着時に 、防食コアｄの筒状部ｆへ強く押圧していた。

【０００８】 従って、防食コアｄの筒状部ｆが矢印方向（つまり、内径側）へ押圧されて縮 径し、該プラグｉが取外された場合でも該筒状部ｆが縮径したままとなり、新た な被接続管を接続した場合、被接続管の内面と防食コアｄの筒状部ｆの外周面と が密着せず、防食性能が低下していた。

【０００９】 そこで、本考案では、管継手の樹脂製防食コアの筒状部を内径側へ変形させる ことなく該管継手の開口部の止水を行なうことができ、被接続管をこの管継手に 被接続管を増設した際には、この管継手の防食性能を低下させることのない管継 手用止水プラグを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するために、本考案に係る管継手用止水プラグは、管継手の 金属製継手本体の端部雌ねじ部と該管継手の樹脂製防食コアの筒状部との間の円 環状間隙部に嵌入して該端部雌ねじ部に螺合する筒状の螺着部を備えた管継手用 止水プラグであって、上記螺着部の螺着状態にて上記防食コアの筒状部に内嵌さ れて該筒状部の内径側への変形を防止する中栓部を、上記螺着部内に設けたもの である。

【００１１】 または、筒状の上記螺着部の内面がストレートである。

【００１２】

【作用】

螺着部の螺着状態では、中栓部が樹脂製防食コアの筒状部に内嵌され、該筒状 部は内径側へ変形───クリープ現象による変形───することがなくなる。

【００１３】 また、螺着部の内面がストレートであるため、樹脂製防食コアを過大に縮径変 形させることが、なくなる。

【００１４】

【実施例】

以下、実施例を示す図面に基づいて本考案を詳説する。

【００１５】 図１は本考案に係る管継手用止水プラグ１と、該プラグ１が装着される管継手 ２と、該管継手２に接続される被接続管３と、を示している。

【００１６】 この管継手２は、金属製継手本体４と、この継手本体４内に一体形成される樹 脂製防食コア５と、からなる。

【００１７】 即ち、継手本体４には、一対の端部雌ねじ部６，７が設けられ、この雌ねじ部 ６，７間には、防食コア嵌着用凹窪部８が設けられている。

【００１８】 しかして、防食コア５は、凹窪部８に嵌着される胴部９と、該胴部９に連結部 10を介して連設される円筒状の本体11と、からなる。

【００１９】 即ち、本体11は、一方の雌ねじ部６に対応する筒状部12と、他方の雌ねじ部７ に対応する筒状部13と、からなり、雌ねじ部６と筒状部12との間に円環状間隙部 14を形成し、雌ねじ部７と筒状部13との間に円環状間隙部15を形成する。

【００２０】 そして、防食コア５の筒状部12，13の外周面には、夫々、螺旋状又は独立状の 小突条16を設けている。

【００２１】 また、被接続管３は、金属製管本体17と、この内面を被覆する防食樹脂層18と 、からなり、金属製本体17の端部外周面に雄ねじ部19が形成される。

【００２２】 従って、被接続管３の端部を間隙部14に進入させて、雄ねじ部19を雌ねじ部６ に螺着させれば、小突条16が被接続管３の防食樹脂層18の内面に次第に食い込む 、又は小突条16自体が押し潰され、被接続管３の防食樹脂層18の内面が、筒状部 12の外周面に圧接する。

【００２３】 しかして、本考案に係るプラグ１は、円盤部20と、該円盤部20の裏面側に連設 される筒状の螺着部21と、該円盤部20の裏面側に連設されて該螺着部21内に配設 される短円柱状の中栓部22と、円盤部20の表て面側に連設される回転操作部23と 、からなる。

【００２４】 即ち、螺着部21の外周面には、雌ねじ部７に螺合するねじ部24が設けられ、螺 着部21の内周面と中栓部22の外周面との間に、円環状の間隙部25が設けられる。

【００２５】 また、螺着部21の内径寸法Ｄ₁ と防食コア５の筒状部13の外径寸法Ｄ₂ （小突 条16を含まない外径寸法をいう）とを略同一に設定していると共に、中栓部22の 外径寸法Ｄ₃ と筒状部13の内径寸法Ｄ₄ とを略同一に設定している。そして、筒 状の螺着部21の内面はストレート（円柱曲面）を成している。

【００２６】 従って、螺着部21を間隙部15に進入させてねじ部24を雌ねじ部７に螺着すれば 、図２に示すように、中栓部22が筒状部13に内嵌される。

【００２７】 この状態では、筒状部13の小突条16がプラグ１の螺着部21にて押し潰されない 。

【００２８】 また、プラグ１の円盤部20の裏面側の外周面には、周方向切欠き部26が形成さ れ、この切欠き部26にＯリング等のシール材27が嵌合されている。

【００２９】 即ち、図２に示すように、このプラグ１が螺着された際には、管継手２の継手 本体４の開口端が、シール材27に圧接し、液漏れを確実に防止している。

【００３０】 勿論、中栓部22によっても一次の液漏れ防止（止水）を行なっている。

【００３１】 しかして、この管継手２は、初めは、雌ねじ部６に被接続管３のねじ部19を螺 着して、被接続管３を一方の開口部に接続すると共に、雌ねじ部７にプラグ１の ねじ部24を螺着して、他方の開口部を施蓋しておく。

【００３２】 そして、流路を増設する際にプラグ１を管継手から外し、この状態で、新たな 被接続管３のねじ部19を雌ねじ部７に螺着して、この新しい被接続管３を管継手 ２に接続する。

【００３３】 従って、新たな被接続管３が接続されるまで、防食コア５の筒状部13には、プ ラグ１の中栓部22が内嵌され、この筒状部13は、内径側に縮径変形することなく 、この筒状形状が保持され、また、小突条16が押し潰されていることもない。

【００３４】 即ち、プラグ１を取外して、新たな被接続管３を接続した場合、被接続管３の 防食樹脂層18の内面が、筒状部13の外周面に圧接し、形成される流路の内面全体 が樹脂被覆され、優れた防食性能を発揮する。

【００３５】 次に、図３と図４は他の実施例を示す。即ち、この実施例では、前述の実施例 の中栓部22を省略している。

【００３６】 特に、螺着部21の内面をストレート───円柱曲面───に形成し、かつ、そ の内径寸法Ｄ₁ を、防食コア５の筒状部13の外径寸法Ｄ₂ （小突条16を含まない 外径寸法をいう）に、略等しく設定する。

【００３７】 そのようにすれば、図４に示した止水プラグ１の取付状態に於て、筒状部13を 縮径永久変形させることが防止でき、前述の実施例と同様の作用効果が得られる 。

【００３８】 なお、いずれの実施例に於ても、プラグ１の材質は、樹脂であっても、金属で あっても、さらには、樹脂又は金属製本体にコーティング層を形成したものであ ってもよく、要は、腐食及びねじ込み抵抗の少ないものを用いる。即ち、螺着部 21の肉厚寸法ｔが小であるので、ねじ込み抵抗の少ないものとする。なお、金属 としては、砲金類が好ましい。

【００３９】 なお、本考案は上述の実施例に限定されず、本考案の要旨を逸脱しない範囲で 設計変更自由であり、例えば、図例では、管継手２として左右対称のものを使用 しているので、このプラグ１を雌ねじ部６に螺着するようにするも自由であり、 金属製継手本体４がチーズ型やエルボ型とされる管継手に使用することも可能で ある。

【００４０】

【考案の効果】

本考案は上述の如く構成されているので、次に記載する効果を奏する。

【００４１】 （請求項１によれば）螺着部21の螺着状態、つまり、管継手装着状態では、中 栓部22にて防食コア５の筒状部13は縮径することなく筒状が保持され、このプラ グを取外して、被接続管３を接続した場合には、被接続管３の内面が、筒状部13 の外周面に圧接し、形成される流路の内面全体が樹脂被覆され、優れた防食性能 を発揮する。

【００４２】 また、このプラグの装着状態では、中栓部22が止水効果を発揮し、液漏れを有 効に防止することができる。

【００４３】 （請求項２によれば）止水プラグの製造が容易となると共に、（従来の図５に 示したような）筒状部13の縮径永久変形を防止可能となる。従って、将来、この 止水プラグを取外して、代りに被接続管を接続した場合にも、優れた密封性及び 防食性を、管継手２が保持していることとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】螺着部の螺着状態の断面図である。

【図３】他の実施例を示す断面図である。

【図４】螺着部の螺着状態説明図である。

【図５】従来例の断面図である。

【符号の説明】

２ 管継手 ４ 金属製継手本体 ５ 樹脂製防食コア ７ 端部雌ねじ部 13 筒状部 15 円環状間隙部 21 螺着部 22 中栓部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 上田 茂雄 滋賀県栗太郡栗東町野尻75 積水化学工業 株式会社滋賀栗東工場内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 管継手２の金属製継手本体４の端部雌ね
   じ部７と該管継手２の樹脂製防食コア５の筒状部13との
   間の円環状間隙部15に嵌入して該端部雌ねじ部７に螺合
   する筒状の螺着部21を備えた管継手用止水プラグであっ
   て、上記螺着部21の螺着状態にて上記防食コア５の筒状
   部13に内嵌されて該筒状部13の内径側への変形を防止す
   る中栓部22を、上記螺着部21内に設けたことを特徴とす
   る管継手用止水プラグ。
2. 【請求項２】 管継手２の金属製継手本体４の端部雄ね
   じ部７と該管継手２の樹脂製防食コア５の筒状部13との
   間の円環状間隔部15に嵌入して該端部雌ねじ部７に螺合
   する筒状の螺着部21を備えた管継手用止水プラグであっ
   て、筒状の該螺着部21の内面がストレートであることを
   特徴とする管継手用止水プラグ。