JPH0582409U - Ｘ線断層撮影装置の患者頭部固定具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 患者の頭頂から首，上半身にかけて撮影部位
とした連続スキャンや全身を撮影部位とした連続スキャ
ンを可能にしたＸ線断層撮影装置の患者頭部固定具を提
供することを目的とする。 【構成】 クレードル２の先端に取り付けられる手段で
あって、クレードル２に載置される患者の頭部を保持し
て固定するＸ線断層撮影装置の患者頭部固定具におい
て、患者３の頭部を載せる保持部７が、固定具取付部８
よりもクレードル２の内側に配置されるように構成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はクレードルに載置される患者の頭部を保持して固定するＸ線断層撮影 装置の患者頭部固定具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

Ｘ線断層撮影装置、即ちＸ線ＣＴ(Computed Tomography) 装置は、患者にＸ線 を照射し、臓器、血液、灰白質等の人体組織のＸ線吸収率の差を検出し、これを コンピュ−タ処理することによって被撮影部位の断層面（スライス面）の画像を 得る構成となっている。このようなＸ線ＣＴ装置においては、撮影に当って被撮 影部位をガントリ内に正しく設定し、固定することが必要である。例えば、患者 の頭部を撮影するときには、患者頭部固定具で患者の頭部を保持して固定するよ うになっている。

【０００３】 図２及び図３は、従来のＸ線断層撮影装置の患者頭部固定具の概要説明図であ る。図２及び図３において、１はガントリ、２は患者３を載置するクレードル、 ４はクレードル２に載置された患者３の頭部を保持して固定する頭部固定具、５ はＸ線を放射するＸ線源、６は被撮影部位を透過したＸ線量を検出するＸ線検出 器である。頭部固定具４は、患者の頭部を保持して固定するＵ字型をした保持部 ７と、クレードル２の先端に設けられる金属製の取付け部８に係止する支持部９ とで構成され、保持部７を取付け部８よりもクレードル２の外側に配置して固定 されている。取付け部８は、頭部固定具４以外の手段、例えばクレードルエクス テンダ（患者を図２と逆方向に載置して足部の撮影をするときに使用される手段 ）、ファントム等の取付け部としても使用される。取付け部８は、患者に対する 安全性確保のための強度、剛性や各手段の取付けに適合した機構、製作時の加工 性等の関係から金属で構成されている。

【０００４】 上記のようなＸ線ＣＴ装置において、頭部撮影の患者に対し、頭部を保持部７ に保持して固定した状態で被撮影部位の撮影が行われる。 ところで、医療の現場では、患者の頭部を頭部固定具４に固定した状態で、頭 頂から首、上半身にかけて行う連続スキャンや全身を撮影部位とする連続スキャ ンが必要となる場合がある。例えば交通事故の被害者の全身を速やかに撮影した イメージを診断に供する場合などがそれである。

【０００５】

【考案が解決しようとする問題点】

しかし、従来のＸ線断層撮影装置の患者頭部固定具にあっては、上記連続スキ ャンのとき、取付け部８をも撮影領域にしているため、得られたイメージには取 付け部８の金属部材によるアーティファクトが顕著に現われ、診断に供すること はできないと言う問題があった。

【０００６】 本考案は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、患者の頭頂か ら首、上半身にかけてを撮影部位とした連続スキャンや全身を撮影部位とした連 続スキャンを可能にしたＸ線断層撮影装置の患者頭部固定具を提供することにあ る。

【０００７】

【問題点を解決するための手段】

前記の目的を達成する本考案は、クレードルの先端に取付けられる手段であっ て、クレードルに載置される患者の頭部を保持して固定するＸ線断層撮影装置の 患者頭部固定具において、患者の頭部を載せる保持部が、固定具取付け部よりも クレードルの内側に配置された構成であることを特徴としている。

【０００８】

【作用】

患者はクレードルに載置され、頭部を頭部固定具に保持して固定される。この 状態における患者の頭部は、固定具取付け部よりもクレードルの内側に位置する 。このため、患者の頭頂から首、上半身にかけてを撮影部位とした連続スキャン や全身を撮影部位とした連続スキャンにおいて、固定取付け部を含まない撮影領 域をとることができる。従って、金属部材によるアーティファクトのないイメー ジが得られる。

【０００９】

【実施例】

以下、図面を参照し本考案について詳細に説明する。 図１は、本考案の一実施例を示す構成図である。図１において、図２及び図３ と同一符号は同一意味で用いられているので、ここでの説明を省略する。この実 施例の特徴は、頭部固定具１０が患者の頭部を載せる保持部７を固定具取付け部 ８よりもクレードル２の内側にして配置されている点にある。

【００１０】 このような構成において、患者３はクレードル２に載置され、頭部を頭部固定 具１０に保持して固定されたときには、頭部を固定具取付け部８よりもクレード ル２の内側に位置している。このため、患者３の頭頂から首、上半身にかけてを 撮影部位とした連続スキャンや全身を撮影部位とした連続スキャンにおいて、固 定取付け部８を含まない撮影領域を選ぶことができる。従って、得られたイメー ジには金属部材によるアーティファクトが現われない。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、患者の頭部を載せる保持部が固定具取 付け部よりもクレードルの内側に配置されているので、患者の頭頂から首、上半 身にかけてを撮影部位とした連続スキャンや全身を撮影部位とした連続スキャン において、固定取付け部を含まない撮影領域をとることができる。従って、金属 部材によるアーティファクトのないイメージを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す構成図である。

【図２】従来のＸ線断層撮影装置の患者頭部固定具の概
要説明図である。

【図３】従来のＸ線断層撮影装置の患者頭部固定具の概
要説明図である。

【符号の説明】

１ ガントリ ２ クレ―ドル ３ 患者 ４、１０ 頭部固定具 ５ Ｘ線源 ６ Ｘ線検出器 ７ 保持部 ８ 取付け部 ９ 支持部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 クレードル（２）の先端に取付けられる
   手段であって、クレードル（２）に載置される患者
   （３）の頭部を保持して固定するＸ線断層撮影装置の患
   者頭部固定具において、患者（３）の頭部を載せる保持
   部（７）が、固定具取付け部（８）よりもクレードルの
   内側に配置された構成であることを特徴とするＸ線断層
   撮影装置の患者頭部固定具。