JPH0581459B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は自動車のシール構造、特にセンタピラ
ーと前後のドアのドアガラスとのシール構造に関
するものである。

［従来技術］ 第１図に示すような自動車において、センタピ
ラー１には、前後のドア２，３のドアガラス２
０，３０との間をシールするウエザストリツプが
装着されている。

第３図は従来のシール構造の代表例を示すもの
で、センタピラー１の外側面は車室外方向へ突出
する山形の突出部１１を有し、突出部１１の両側
面、即ち車両前方側の面１１ａおよび後方側の面
１１ｂにはそれぞれリテーナ４ａ，４ｂを介して
発泡ゴムよりなるウエザストリツプ５ａ，５ｂが
装着されている。そして前後のドアが閉じられた
とき、前部ドアガラス２０の後縁がウエザストリ
ツプ５ａに圧接し、後部ドアガラス３０の前縁が
ウエザストリツプ５ｂに圧接し、これによりフロ
ントピラー１とドアガラス２０，３０との間がシ
ールされる。なお、６はモール、７ａ，７ｂはト
リムである。

このような従来構造では、センタピラーに２本
のリテーナを取付け、各リテーナにそれぞれウエ
ザストリツプを取付けなければならず、生産性が
よくない。また、センタピラー部でボデーサイド
面に凹凸が生じ、風切音発生の原因となる。

かかる問題を解消するものとして、前後のウエ
ザストリツプを一体に形成したウエザストリツプ
がある。しかしながら一体の中空体の中央に中心
壁を設けて中空体を単に前後に仕切る構造では形
状安定性が不足し、ドアガラスが押付けられたと
きに異常に変形することがある。そこで、一体構
造のウエザストリツプにおいて、ピラーへの取付
部から、前後のドアガラスの端縁が押付けられる
前後のシール壁に向けて放射状に支柱を形成する
ことが提案されている（実開昭60−45272号）。

しかしながら、このようにすると支持の突つ張
りでドア閉力やドアガラス閉力が増加する不具合
がある。

［発明の目的］ 本発明は前後のドアガラスに圧接するセンタピ
ラーのウエザストリツプを一体化して構造を簡素
化し、かつドアおよびドアガラス閉力を上げるこ
となくウエザストリツプの形状を安定にしてシー
ル性を良好にした、ドアガラスのシール構造を提
供することを目的とするものである。

［発明の構成］ 本発明においては、センタピラーの外側面にリ
テーナを介して前後のドアガラスのシールに供用
する単一のウエザストリツプを装着する。このウ
エザストリツプは、リテーナを介してセンタピラ
ーに取付ける保持部と、保持部の中央から外方へ
突出する中心壁と、中心壁の先端と支持部の前後
端とをそれぞれ連結して中心壁の前後に中空部を
形成する発泡ゴムの第１および第２のシール壁と
備え、かつ前後の中空部にはそれぞれ中空内を仕
切り第１および第２のシール壁とほぼ平行に対向
する補助壁を備えている。

しかして、上記補助壁により前後の中空部の形
状安定化がなされ、特にドアが強閉され、ドアガ
ラスでシール壁が強く押込まれた場合などでは、
シール壁が補助壁で受けられてシール壁の過変形
が防止される。

［実施例］ 以下、本発明の詳細を第２図に示す実施例によ
り説明する。

センタピラー１は断面ほぼ矩形で、ドア閉時の
前後のドアガラス２０，３０はセンタピラー１よ
りも車外位置にある。センタピラー１の外側面に
はこれに沿つてリテーナ４が固着してあり、これ
にウエザスリツプ５が装着してある。

ウエザストリツプ５はゴム製の一体押出成形品
であつて、中央が凹状をなす支持部５１と、凹状
の中央から支持部５１に対して垂直外方へ突出す
る中心壁５１ａと、中心壁５１ａの先端と支持部
５１の前端とを連結して中心壁５１ａの前側に中
空部５３ａを形成する第１のシール壁５２ａと、
中心壁５１ａの先端と支持部５１の後端とを連結
して中心壁５１ａの後側に中空部５３ｂを形成す
る第２のシール壁を備えている。また、前側の中
空部５３ａには、中心壁５１ａの先端側と支持部
５１の前端側とを結んで中空部５３ａを前後に仕
切る補助壁５４ａが第１のシール壁５２ａとほぼ
平行に対向して形成してある。同様に後側の中空
部５３ｂには、中心壁５１ａの先端側と支持部５
１の後端側とを結んで中空部５３ｂを前後に仕切
る補助壁５４ｂが第２のシール壁５２ｂとほぼ平
行に対向して形成してある。ウエザストリツプ５
は、その両シール壁５２ａ，５２ｂが発泡ゴムで
構成され、他の部分は硬質ゴムで構成されてい
る。

上記ウエザストリツプ５は支持部５１の中央凹
部をリテーナ４に嵌着することによりセンタピラ
ー１に、その外面を覆うように取付けられる。

［作用効果］ ドア閉時には、前部ドアガラス２０の後端縁が
第１のシール壁５２ａの外端寄りの位置の圧接さ
れ、後部ドアガラス３０の前端縁が第２のシール
壁５２ｂの外端寄りの位置に圧接されることによ
り、センタピラー１とドアガラス２０，３０間は
シールされる。

しかして、補助壁５４ａ，５４ｂを設けたこと
でウエザストリツプ５全体に剛性が付与される。
従つて、例えば一方のドアを開として他のドアを
閉じたときにウエザストリツプ全体が他のドア側
に傾き、次に一方のドアを閉じると傾いた状態で
一方のドアのドアガラスが押付けられるような不
具合はなくなる。また、ドアを強閉したときに
は、シール壁５２ａ（または５２ｂ）は大きく押
込まれようとするが、補助壁５４ａ（または５４
ｂ）で受けられるからシール壁が異常変形をし、
所期の位置からずれた位置でドアガラスがシール
壁に当接、その状態で閉状態となるような不具合
が防止される。

そして、補助壁５４ａ，５４ｂは、シール壁５
２ａ，５２ｂと平行に形成されているから、ドア
ガラス端縁のシール壁５２ａ，５２ｂへの押付け
に抗する突つ張りとはならず、従つてドアおよび
ドアガラス閉力の増大を招くことはない。

なお、本発明では前後のドアガラスをシールす
るウエザストリツプを一体化したからシール構造
が簡素でウエザストリツプ取付作業性がよく、ま
た前後のドアガラス間の幅を狭く、かつ凹凸を小
さくすることができ、自動車側面部の視界が拡大
されるとともに、風切音の発生もなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の斜視図、第２図は本発明のシ
ール構造の実施例を示すもので、第１図の−
線に沿う断面図、第３図は従来のシール構造の断
面図である。 １……センタピラー、２０，３０……ドアガラ
ス、４……リテーナ、５……ウエザストリツプ、
５１……支持部、５１ａ……中心壁、５２ａ……
第１のシール壁、５２ｂ……第２のシール壁、５
３ａ，５３ｂ……中空部、５４ａ，５４ｂ……補
助壁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 自動車のセンタピラーの外側面に沿つて、該
   外側面に取付けられる支持部と、支持部の中央か
   ら外方へ突出する中心壁と、中心壁の先端と支持
   部の前後端とをそれぞれ連結して中心壁の前後に
   中空部を形成する発泡ゴムの第１および第２のシ
   ール壁を備え、かつ前後の中空部にはそれぞれこ
   れ等の内部を仕切り第１および第２のシール壁と
   ほぼ平行に対向する補助壁を備えたゴム製一体成
   形体のウエザストリツプをリテーナを介して装着
   し、上記第１および第２のシール壁に前後のドア
   ガラスの端縁をそれぞれ圧接せしめるようになし
   た自動車ドアガラスのシール構造。