JPH058072B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、振動発生機に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、動電型の振動発生機においては、振動
台を往復振動させるための駆動コイルが、交番電
流の供給により加熱するため、冷却する必要があ
る。従来、この冷却手段として、ブロワにより外
部の空気を機内に取り込んで該機内を貫流させる
ことが行われている。そして、この冷却用空気の
流れ方向はブロワの吐出方向の一方向のみであつ
た。

〔発明が解決しようとする問題点〕

冷却用空気の流れ方向がブロワの吐出方向のみ
であるので、該ブロワの運転継続によりブロワ内
温度が上昇すれば、温かい空気が振動発生機内に
送入されることとなり、冷却効果が低下するとい
う問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の振動発生機は、外部に設置のブロワの
吐出と吸込の両作動を切換えて、機体内を貫流す
る冷却用空気の流れ方向を正逆切換可能としたも
のである。

〔作用〕

冷却用空気がブロワの吐出方向（正方向）に流
れる場合には、冷却用空気はブロワ内で該ブロワ
の運転継続による温度上昇の影響を受けた後に振
動発生機内へ導入される。逆に、冷却用空気がブ
ロワの吸込方向（逆方向）に流れる場合には、冷
却用空気はブロワを通る前、即ちブロワによる温
度上昇の影響を受ける前に振動発生機内へ導入さ
れる。従つて、振動発生機が置かれる周囲の温度
環境に応じて流れ方向を適宜切換えることによ
り、正方向の冷却用空気の温度よりも低い温度の
冷却用空気を逆方向から振動発生機内へ導入する
ことができるので、極めて高い冷却効果が得られ
る。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図において、１は本発明に係る振動発生機
であり、その機体２全体はコイルバネ３からなる
防振機構４及び該防振機構４の下側に配設された
複数個の移動用ローラ５……により支持されてい
る。機体２は、容器体６と、該容器体６の内部底
面に突設された固定部７と、容器体６と固定部７
との上部間に形成された環状の間隙部８に下端の
駆動コイル９を挿入状として容器体６から上方へ
突出し、軸心方向に往復動可能なように図示省略
の支持装置にて支持された振動台１０と、これら
容器体６及び固定部７及び振動台１０とからなる
振動発生機１１を内有状として収納する断熱用の
外部カバー材１２とから構成されている。被試験
物１３は該カバー材１２の天板部１４を介して図
示省略の取付治具により振動台１０に固着され
る。そして、振動台１０は間隙部８の強磁界内に
置かれた駆動コイル９に交番電気を供給すること
で、上下方向に往復振動する。なお、カバー材１
２は振動台１０の振動に十分耐え得る可撓性の材
質にて形成されている。

以上のように構成された振動発生機１は図例で
は環境試験槽１５に収納され、被試験物１３は該
環境試験槽１５内において、所定の温度又は湿度
等の環境条件に振動を付加したいわゆる複合環境
試験が行われる。なお、環境試験槽１５は箱型を
なし、その前面には開閉自在な扉（図示省略）を
有している。

１６は上記駆動コイル９を冷却すべく機体２に
接続された冷却用外部配管であつて、内管１７と
外管１８の同心２重構造とされ、内管１７の一端
は容器体６の側壁及びカバー材１２の側壁を貫通
して外部に突出した接続管１９に着脱自在に接続
されると共に、他端は環境試験槽１５上部の貫通
孔２０を挿通して該試験槽１５外のブロワ２１に
切換弁２２を介して接続されている。また、外管
１８の一端は接続管１９と同心状としてカバー材
１２の側壁に貫設された接続管２３に着脱自在に
接続されると共に、他端は環境試験槽１５の貫通
孔２０部において該貫通孔２０の構成部材である
環体２４に着脱自在に接続され、該貫通孔２０を
介して外気に開放されている。２５は環体２４と
共に貫通孔２０を構成するセラミツク製の筒体で
ある。

しかして、ブロワ２１の作動による冷却用空気
の流れ方向は切換弁２２により第２図Ａ，Ｂの如
く正逆切換可能である。即ち、切換弁２２が第２
図Ａの状態では、冷却用空気はブロワ２１の吐出
作用により第１図に実線矢印で示す如く内管１７
を通つて振動発生機１の機体２内へ送られ、該機
体２内を貫流した後外管１８を通つて貫通孔２０
から外部に排出される。逆に、切換弁２２が第２
図Ｂの状態に切換わつた場合には、冷却用空気は
ブロワ２１の吸込作用により第１図に破線矢印で
示す如く貫通孔２０から外管１８内へ取り入れら
れ、機体２内を貫流した後内管１７を通つてブロ
ワ２１内に吸い込まれ、該ブロワ２１から外部へ
排出される。即ち、第２図Ａのときは、冷却用空
気はブロワ２１を通つて機体２内へ送られ、一
方、第２図Ｂのときは冷却用空気は機体２内を通
つた後にブロワ２１から排出されるのであり、両
者の大きな相違は冷却用空気が振動発生機１に対
してブロワ２１を通つてくるかこないかにある。

そこで、環境試験槽１５の槽内設定温度が高温
の場合には、切換弁２２を第２図Ｂの状態として
冷却用空気の流れ方向を逆方向とすることによ
り、外部の空気をブロワ２１を通さずに振動発生
機１の機体２内へ導入でき、ブロワ２１による温
度上昇を受けないために機体２内、特に駆動コイ
ル９の冷却が効果的に行われる。また、逆に槽内
設定温度が低温の場合には、切換弁２２を第２図
Ａの状態として冷却用空気の流れ方向を正方向と
することにより、外部の空気がブロワ２１を通る
ことによつて温度上昇を受けて機体２内へ導入さ
れるため、カバー材１２の内面等の機体２内各部
への結露が有効に防止される。また、これにより
冷却空気温度調整用の電熱ヒータの機体２内への
取付けが不要となる。なお、この場合でも冷却用
空気が機体２内（駆動コイル９）の冷却作用を行
うことは勿論である。

なお、本発明は図示の実施例に限定されるもの
ではなく、要旨を逸脱しない範囲で設計変更自由
なことは勿論であつて、例えば、冷却用空気の流
れ方向の切換えは切換弁２２に代えてブロワ２１
自体を正逆回転させても良い。また、冷却用外部
配管１６は内管１７と外管１８の同心２重構造と
せずに、該両管１７，１８を夫々別々に配設して
も良いことは勿論である。

〔発明の効果〕

本発明の振動発生機は、冷却用空気の流れ方向
を正逆切換可能としたので、振動発生機１の置か
れている周囲の温度環境に応じて流れ方向に切換
えることにより、冷却用空気をブロワ２１による
温度上昇の影響を受けることなく機体２内へ導入
することができ、駆動コイル９の冷却効果を高め
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す縦断面図、第
２図は切換弁の切換状態を示す要部の回路図であ
る。 ２……機体、２１……ブロワ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 外部に設置のブロワ２１の吐出と吸込の両作
   動を切換えて、機体２内を貫流する冷却用空気の
   流れ方向を正逆切換可能としたことを特徴とする
   振動発生機。