JPH0536112B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、振動発生機に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、動電型の振動発生機は、被試験物が取
付けられる振動台を往復振動させる駆動コイルが
電気の供給により加熱するため、該駆動コイルを
冷却する必要があるが、従来、この冷却はブロワ
により機外から機内へ冷却空気を取り入れること
で行つていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

冷却用空気（外気）を振動発生機内に送り込む
ためのブロワ及び送入管及び排出管等が必要であ
り、そのため構造が複雑かつ大型となり、しかも
周囲の温度が高くなると冷却効果が低下するとい
う問題があつた。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の振動発生機は、固定部材と振動台とを
備えると共に該固定部材と振動台とが環境試験器
の試験槽に収納される振動発生機であつて、上記
試験槽の槽内が低圧状態となるように該試験槽を
密封状とする共に、上記振動台の駆動用の駆動コ
イルを上記固定部材に設け、かつ、該駆動コイル
の冷却手段をヒートパイプで構成すると共に、該
ヒートパイプの一端部を上記固定部材に固着した
ものである。

〔作用〕

環境試験器の試験槽を低圧状態とすることによ
り、被試験物の低圧・振動複合試験ができる。

また、ヒートパイプ内の液体は、該ヒートパイ
プの一端部において駆動コイルにより加熱され蒸
気となつて、ヒートパイプの他端部側へ流れ、他
端部側で放熱されて液体となり、毛細管現象によ
り再び一端部側へ送られて駆動コイルを冷却す
る。そして、再び駆動コイルにて加熱されて蒸気
となつて他端部側へ流れ、以下同様にしてパイプ
内を循環する。

しかも、ヒートパイプの一端部は、駆動コイル
が設けられた固定部材に固着されるので、常に安
定した状態で駆動コイルを冷却することができ
る。

〔実施例〕

以下、実施例を示す図面に基づいて本発明を詳
説する。

本発明に係る振動発生機は、固定部材１と、振
動台６と、を備え、被試験物Ｔが図示省略の取付
治具により該振動台６の上面に固定される。

固定部材１は、外容器体２と、該外容器体２の
内部底面に突設される固定部３と、からなる。

そして、外容器体２の上部内周面及び固定部３
の上部外周面に駆動コイル５Ａ，５Ｂが付設され
る。

即ち、駆動コイル５Ａ，５Ｂは、互いに対向し
て、その間に所定間隔の円環状の間隙部４を形成
する。従つて、駆動コイル５Ａ，５Ｂは固定部材
１に設けられることになる。

また、振動台６は、間隙部４に下端部を挿入状
として、外容器体２から上方へ突出し、軸心Ａ方
向に往復動可能に図示省略の支持装置にて支持さ
れる。

しかして、７は上記駆動コイル５Ａ，５Ｂの冷
却用のヒートパイプである。該ヒートパイプ７
は、具体的には、外側の駆動コイル５Ａの外周側
に近接するように外容器体２に垂直状に配設され
た複数本からなる枝管部７Ａと、内側の駆動コイ
ル５Ｂの内周側に近接するように固定部３に垂直
状に配設された複数本からなる枝管部７Ｂと、一
端部が外容器体２の底部壁２ａに埋設状とされ該
埋設状部において夫々の枝管部７Ａ，７Ｂと連通
連結される本管部７Ｃとからなる。

また、本管部７Ｃは、固定部材１と振動台６と
が収納される環境試験器８の試験槽９の槽内１３
から該試験槽９の壁部の貫通孔１０を介してその
他端部が外部へ導き出されている。

従つて、ヒートパイプ７は、枝管部７Ａ，７Ｂ
と本管部７Ｃの埋設部からなる一端部が、固定部
材１に固着される。

１１…は該本管部７Ｃの槽外の他端部に設けら
れたフインであつて、ヒートパイプ７の放熱部１
２を構成する。なお、本管部７Ｃは槽内１３露出
部分が断熱材１４で被覆され、槽内１３の雰囲気
との相互の熱影響が防止されている。

また、試験槽９は箱型をなし、その前面部には
開閉自在な扉（図示省略）を有している。

しかして、試験槽９の槽内１３が低圧状態とな
るように、試験槽９を密封状とすることができ
る。

従つて、振動発生機１は、外側及び内側の駆動
コイル５Ａ，５Ｂに電気が供給されることによつ
て生ずる電磁誘導作用により誘導板５ｃに電流が
流れ、この電流が磁束φを切ることによつて、振
動台６が上下方向に往復振動する。そして、被試
験物Ｔは環境試験器８の試験槽９内において、所
定の温度又は湿度等の環境条件に振動を付加し
た、いわゆる複合環境試験が行われる。

この際、ヒートパイプ７の減圧されたパイプ中
の水又はアルコール等の液体は、枝管部７Ａ，７
Ｂの先端で駆動コイル５Ａ，５Ｂを冷却し、該駆
動コイル５Ａ，５Ｂで加熱されると蒸気となつて
枝管部７Ａ，７Ｂから本管部７Ｃを通つて放熱部
１２に至り、該放熱部１２で再び液体となる毛細
管現象により、枝管部７Ａ，７Ｂの先端に至つて
駆動コイル５Ａ，５Ｂを冷却する。

本発明は図示の実施例に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない範囲で設計変更自由なこと
は勿論であり、例えばヒートパイプ７の配設構造
は自由に変更し得る。また、固定部材１及び振動
台６の構造も種々自由である。

〔発明の効果〕

本発明は上述の如く構成されているので、次に
記載する効果を奏する。

駆動コイル５Ａ，５Ｂの冷却をヒートパイプ
７で行うようにしたので、従来の外気導入方式
のようなブロワや送入・排出管等が不要とな
り、冷却構造を簡素化できると共に振動発生機
自体を小型化できる。

ヒートパイプ７の一端部は、駆動コイル５
Ａ，５Ｂが設けられた固定部材１に固着されて
いるので、常に安定した状態で駆動コイル５
Ａ，５Ｂを冷却することができる。

被試験物Ｔの低圧・振動複合試験を行うこと
ができ、飛行機等の高地・高空における環境を
シミユレートできる。

断熱材にて固定部材１等をカバーしなくても
よい利点がある。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示す縦断面図である。 １…固定部材、５Ａ，５Ｂ…駆動コイル、６…
振動台、７…ヒートパイプ、８…環境試験器、９
…試験槽。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定部材１と振動台６とを備えると共に該固
   定部材１と振動台６とが環境試験器８の試験槽９
   に収納される振動発生機であつて、 上記試験槽９の槽内１３が低圧状態となるよう
   に該試験槽９を密封状とすると共に、上記振動台
   ６の駆動用の駆動コイル５Ａ，５Ｂを上記固定部
   材１に設け、かつ、該駆動コイル５Ａ，５Ｂの冷
   却手段をヒートパイプ７で構成すると共に、該ヒ
   ートパイプ７の一端部を上記固定部材１に固着し
   たことを特徴とする振動発生機。