JPH0570655U - 電気集塵機の残留電荷検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気集塵機に残留する残留電荷を検出する残
留電荷検出装置に関し、電気集塵機に残留する残留電荷
の有無を直接検出して作業上の安全が図れる残留電荷検
出装置を提供することを目的とする。 【構成】 電気集塵機に並列に接続された電圧分割回路
（９、１０）と、この電圧分割回路の所定の分圧点と接
地点との間に接続されて電気集塵機の残留電荷の有無を
検出する残留電荷検出器（７）と、残留電荷検出器の検
出出力に基づいて点灯する表示器（２）とを有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電気集塵機に残留する残留電荷を検出する残留電荷検出装置に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

電気集塵機は、放電極と集塵極から構成される容量性の負荷に高電圧を印加し 、コロナ放電によりガス中のダストを補集するものである。高電圧が印加される 電極を有するため、運転後のダストの除去又は集塵電極のメンテナンス等で作業 者が電気集塵機の付近で作業をする場合には感電に対する安全対策が必要である 。

【０００３】 こうした電気集塵機の感電防止の安全対策として従来は、図３に示した様に高 電圧発生器３の電源入力側に並列に表示灯２を接続し、入力スイッチ１の投入で 表示灯を点灯させて高電圧発生器３への通電状態を表示して作業者への感電防止 を促していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、電気集塵機は容量性の負荷である為に、運転終了時に電気集塵機への高 電圧の印加を停止しても、電気集塵機に残留する残留電荷により放電極を含めた 高電圧供給路の電圧は瞬時には降下しない。また、集塵対象のガス流に沿って複 数段の集塵室が設けられている構成の電気集塵機では、後段側の集塵室での高電 圧の印加を停止しても、前段側の集塵室で高電圧を印加している場合には電荷が ガス流により後段の集塵室に到達して電圧が誘起される。この為、高電圧発生器 ３の電源投入側での電圧印加停止を表示灯１で確認しても、高電圧発生器３の高 電圧出力側に接続された電気集塵機４自体の残留電荷の有無については何ら検知 手段が設けられておらず、電気集塵機付近での感電事故を完全に防止して作業の 安全性を図ることが難しかった。

【０００５】 この考案は、電気集塵機に残留する残留電荷の有無を直接検出して作業上の安 全が図れる残留電荷検出装置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案の電気集塵機の残留電荷検出装置は、電気集塵機と並列に接続された 電圧分割回路と、この電圧分割回路の所定の分圧点と接地点との間に接続されて 電気集塵機の残留電荷を検出する残留電荷検出器と、残留電荷検出器の検出出力 に基づいて点灯する表示器とを有するものである。

【０００７】

【作用】

電気集塵機に並列に接続された電圧分割回路で、電気集塵機に残留する電荷に よる高電圧を適当に分圧する。分圧点からの取扱い容易な電圧を残留電荷検出器 に印加して、残留電荷の有無を検出して、残留電荷に応じて表示器を点灯して作 業者に知らせる。

【０００８】

【実施例】

以下、図示するこの考案の実施例に基づいて説明する。図１はこの考案の残留 電荷検出装置を備えた電気集塵機の実施例の構成を示すブロック図である。図１ の構成において、高電圧発生器３には入力スイッチ１を介して適切な電源が接続 され、出力側に接続された電気集塵機４にコロナ放電を発生させる所定の高電圧 が供給される。この電気集塵機４に並列に分圧抵抗器９、１０が接続されており 、電気集塵機４の電圧を取扱い容易な低電圧に変換する。分圧抵抗器９、１０の 接続点（分圧点）と接地間に残留電荷検出器７が接続されている。残留電荷検出 器７は、図２に示した様に電気集塵機４の運転電圧ＥＰに対して予め設定された 残留電荷検出電圧ＶＬと分圧抵抗器９、１０の接続点と接地間の電圧から検出し た集塵機電圧を比較して、集塵機電圧が残留電荷検出電圧ＶＬを超えた場合に動 作する様に構成されている。残留電荷検出電圧ＶＬの値は、人体に影響の無い充 分低いレベルの電圧を予め設定する。

【０００９】 一方、残留電荷検出器７の出力側は残留電荷検出電圧以上の集塵機電圧を検出 している間、ネオン管、白熱電球等の表示灯２に電力を供給する様に結線されて いる。

【００１０】 高電圧発生器３の入力側には電磁接触器（リレー）５が並列に接続されている 。電磁接触器５の接点６は表示器２と直列に接続され、電源ラインに接続されて いる。電気集塵機４の運転時に入力スイッチ１が投入されて高電圧発生器３に電 源電圧が印加されると電磁接触器５にも電源電圧が印加されて電磁力が発生し、 電磁接触器５の接点が閉じる。すると、表示灯２が電源に接続されるので表示灯 ２が点灯して、高電圧発生器３の動作による電気集塵機４の高電圧の印加状態が 表示される。

【００１１】 また、電気集塵機４に並列接続された分圧抵抗器９、１０からの分圧電位を受 ける残留電荷検出器７は、この電気集塵機４の通常の動作中も電気集塵機運転電 圧ＥＰが分圧された値が印加されるので、当然動作して閉じた接点６と並列に表 示灯２に電力を供給するように供電ラインを構成する。

【００１２】 電気集塵機４の運転停止時に入力スイッチ１が開放されると、高電圧発生器３ への電源の供給が停止され、電磁接触器５への通電も停止されるためにこの電磁 接触器５の接点６は開放されて、この接点側からの表示灯２への電力の通電は停 止される。

【００１３】 しかし、高電圧発生器３への電源電圧の印加が停止されても電気集塵機４に高 電圧が残留している間は、分圧抵抗器９、１０で分圧された残留高電圧が残留電 荷検出器７で検出され、残留電圧が残留電荷検出電圧ＶＬを超えていればこの残 留電荷検出装置７が作動して表示灯２に電力を供給するので表示灯２が点灯し、 電気集塵機４に高電圧が残留していることを表示して注意を喚起する。

【００１４】 このように、入力スイッチ１を開放して電気集塵機４の運転を停止した場合で も、電気集塵機４の残留電圧の値が安全範囲を考慮して設定された残留電荷検出 電圧の値よりも大きければ残留電荷検出器７が動作して表示灯２が点灯し感電事 故の防止を図ることができる。

【００１５】 以上実施例に沿って本考案を説明したが、本考案はこれらに制限されるもので はない。たとえば、分圧抵抗器９、１０のいずれかにゼナーダイオードを並列接 続し、分割電圧の変化を制限してもよい。表示器２の位置に制御回路を接続し、 ２種類の表示器を駆動するようにして高電圧と安全電圧を切換表示してもよい。 残留電荷検出器７から同様の２出力を供給してもよい。その他、種々の変更、改 良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。

【００１６】

【考案の効果】

この考案による電気集塵機の残留電荷検出装置によれば、電気集塵機に並列接 続された電圧分割回路を設け、この電圧分割回路で分圧された電圧を残留電荷検 出器で検出して表示器で表示することで、電気集塵機の運転停止後でも電気集塵 機に高圧電荷が残留しているか否かを検出して表示出来るので電気集塵機の感電 事故を防止出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示すブロック図である。

【図２】実施例の残留電荷検出電圧の値を示す概念図で
ある。

【図３】従来例の構成を示すブロック図である。

【符号の説明】

１ 入力スイッチ ２ 表示灯 ３ 高電圧発生器 ４ 電気集塵機 ５ 電磁接触器（リレー） ６ 接点 ７ 残留電荷検出器 ９ 分圧抵抗器 １０ 分圧抵抗器

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気集塵機に並列に接続された電圧分割
   回路と、この電圧分割回路の所定の分圧点と接地点との
   間に接続されて電気集塵機の残留電荷を検出する残留電
   荷検出器と、残留電荷検出器の検出出力に基づいて点灯
   する表示器とを有する電気集塵機の残留電荷検出装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の電気集塵機の残留電荷検
   出装置において、 上記電気集塵機に集塵電圧を印加す
   る高電圧発生器の電源入力側に並列に接続された電磁接
   触器と、上記表示器を電源に接続する給電線とその給電
   線中に挿入された前記電磁接触器の接点とを有する電気
   集塵機の残留電荷検出装置。