JPH0569318U - 電気加熱触媒担体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、電気加熱触媒担体に関し、電気の
短絡を確実に防止して、触媒担持体を良好に発熱させる
ことにより触媒による排気ガスの充分な浄化を可能とし
た電気加熱触媒担体を提供することを目的とする。 【構成】 両端部１９ａに所定の間隔を開けて複数の凸
部２９が成形されたセラミックス触媒担持体１９と、金
属製の平板と波板を重ねてなり、セラミックス触媒担持
体１９の両端部１９ａに夫々上記各凸部２９を介してつ
づら折り形状に装着され電極２５，２７が配設されたメ
タル触媒担持体２１と、両メタル触媒担持体２１を導通
する電極２３とからなることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両排気系に装着される触媒コンバータの触媒担体に係り、特に、 電気により触媒担持体を加熱するようにした電気加熱触媒担体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、車両排気系には、排気ガスを浄化するために触媒コンバータが装着され ているが、触媒コンバータは、触媒担体の温度が低いと触媒が活性化されないた め、エンジン始動時には排気ガスの充分な浄化が行えないという問題がある。

【０００３】 そこで、昨今では、特開平２−２２３６２２号公報に開示されるように、触媒 担体の温度が低いエンジンの始動時に、電気によって触媒担持体を加熱するよう にした電気加熱触媒担体が開発されている。

【０００４】 図６は上記公報に開示された電気加熱触媒担体を示し、当該電気加熱触媒担体 は、ステンレス鋼からなる触媒担持体１の中心部と外側面に夫々電極３，５を設 け、これらの電極３，５間に通電できるように電源７とスイッチ９を備えたもの である。

【０００５】 而して、上記触媒担持体１は、図７の如くステンレス鋼からなる平板１１と波 板１３を交互に重ねたもので、図８に示すように平板１１と波板１３を重ね合わ せて螺旋状に巻き上げ、必要な箇所をスポット溶接した後、触媒成分として白金 族元素等を担持させたメタルハニカム構造となっている。又、図８の二点鎖線で 示すように、従来、平板１１と波板１３を重ね合わせて螺旋状に巻き上げる際に セラミックス等を材料とする絶縁体１５が巻回されており、当該絶縁体１５によ って電気の短絡が防止されている。

【０００６】 尚、図示しないが、上記触媒担持体１に代えて、平板と波板，絶縁体を重ねて これらをつづら折りして触媒担持体を構成した電気加熱触媒担体も提案されてい る。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

然し、上述の如き従来の触媒担持体は絶縁体の肉厚が薄いため、長期に亘る使 用によって絶縁体が車両走行時の振動で損傷してしまう虞があり、斯様に絶縁体 が損傷すると、触媒担持体を流れる電気が肉厚の薄い絶縁体の損傷部分で短絡し てしまう虞がある。

【０００８】 そして、斯様に電気が短絡すると、短絡部分のみの触媒担持体が電気抵抗によ って発熱するものの、触媒担持体全体を発熱させることができなくなり、触媒に よる排気ガスの充分な浄化が行えなくなる問題があった。

【０００９】 本考案は斯かる実情に鑑み案出されたもので、電気の短絡を確実に防止して、 触媒担持体を良好に発熱させることにより触媒による排気ガスの充分な浄化を可 能とした電気加熱触媒担体を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

斯かる目的を達成するため、本考案に係る電気加熱触媒担体は、両端部に所定 の間隔を開けて複数の凸部が成形されたセラミックス触媒担持体と、金属製の平 板と波板を重ねてなり、セラミックス触媒担持体の両端部に夫々上記各凸部を介 してつづら折り形状に装着され電極が配設されたメタル触媒担持体と、両メタル 触媒担持体を導通する電極とからなるものである。

【００１１】

【作用】

本考案によれば、メタル触媒担持体の両電極間に電源により電圧を印加すると 、メタル触媒担持体の間に電圧が印加され、この電圧の印加により、電流が一方 の電極から一方のメタル触媒担持体，両メタル触媒担持体を導通する電極，他方 のメタル触媒担持体を順次通過して、他方の電極へと流れ、各メタル触媒担持体 の電気抵抗によりメタル触媒担持体が発熱されて、メタル触媒担持体やセラミッ クス触媒担持体の温度が低いエンジン始動時に於ける触媒の活性化が図られるこ ととなる。

【００１２】 そして、セラミックス触媒担持体の各凸部がメタル触媒担持体の絶縁体として 機能し、各メタル触媒担持体を流れる電流の短絡を防止する。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づき詳細に説明する。 図１に於て、１７は本考案の一実施例に係る電気加熱触媒担体を示し、当該電 気加熱触媒担体１７は、セラミックス触媒担持体１９と、このセラミックス触媒 担持体１９の両端部１９ａにつづら折り状に装着されたメタル触媒担持体２１と 、両メタル触媒担持体２１を導通させる板状の電極２３とで構成されており、両 メタル触媒担持体２１には、夫々、電極２５，２７が配設されている。

【００１４】 而して、上記セラミックス触媒担持体１９の両端部１９ａには、図２に示すよ うに、当該両端部１９ａを切り欠いて複数の板状の凸部２９が所定の間隙３１を 開けて平行に設けられており、各凸部２９は、図１に示すようにメタル触媒担持 体１９がつづら折り形状に装着できるように、図３の如く中心線Ｌに対してセラ ミックス触媒担持体１９の一側部１９ｂから他側部１９ｃに亘って凸部２９が交 互に配置するように形成されている。又、各凸部２９の一側縁部２９ａは、メタ ル触媒担持体２１，２３の損傷を防止するためにアール状に丸みを帯びて成形さ れている。

【００１５】 そして、上記構造からなるメタル触媒担持体１９の両端部１９ａに、夫々、ス テンレス鋼の平板と波板を重ねてなるメタル触媒担持体２１が、図４及び図５に 示すように各凸部２９間の間隙３１を介してつづら折り形状に装着されている。 当該メタル触媒担持体２１は、予め平板と波板を重ねてこれらを別途治具でつづ ら折り形状に形成した後、両端部１９ａに装着したものである。

【００１６】 又、セラミックス触媒担持体１９の下部には、両端部１９ａに夫々装着したメ タル触媒担持体２１同士を導通させる板状の電極２３がセラミックス触媒担持体 １９の軸方向に取り付けられている。更に、各メタル触媒担持体２１には夫々電 極２５，２７が配設されており、図６の従来例と同様、両電極２５，２７間にス イッチと電源（自動車のバッテリ）が接続されている。

【００１７】 本実施例に係る電気加熱触媒担体１７はこのように構成されているから、各触 媒担持体１９，２１に触媒を担持させた後、これを収容容器（図示せず）内に組 み込んで車両排気系に設置すればよい。

【００１８】 そして、上記電気加熱触媒担体１７を組み込んだ触媒コンバータに排気ガスが 導入されると、各触媒担持体１９，２１によって排気ガスが浄化されるが、両電 極２５，２７の間に電源により電圧を印加すると、セラミックス触媒担持体１９ の両端部１９ａに夫々装着されたメタル触媒担持体２１の間に電圧が印加され、 この電圧の印加により、電流が一方の電極２５から一方のメタル触媒担持体２１ ，電極２３，他方のメタル触媒担持体２１を順次通過して、他方の電極２７へと 流れ、各メタル触媒担持体２１の電気抵抗によりメタル触媒担持体２１が発熱さ れて、メタル触媒担持体２１やセラミックス触媒担持体１９の温度が低いエンジ ン始動時に於ける触媒の活性化が図られることとなる。

【００１９】 そして、セラミックス触媒担持体１９の各凸部２９が絶縁体として機能し、各 メタル触媒担持体２１を流れる電流の短絡を防止することとなる。 このように、本実施例は、セラミックス触媒担持体１９の両端部に複数の凸部 ２９を成形し、当該凸部２９間にメタル触媒担持体２１をつづら折り形状に装着 したので、長期に亘る使用によって電気加熱触媒担体１７が車両走行時の振動等 で加振されても、セラミックス触媒担持体１９は従来の絶縁体１５に比し容易に 破損することがないため、メタル触媒担持体２１間を流れる電流の短絡を確実に 防止でき、その結果、メタル触媒担持体２１を良好に発熱させることにより当該 メタル触媒担持体２１と、この熱が伝わったセラミックス触媒担持体１９の触媒 によって排気ガスの確実な浄化が可能となった。

【００２０】 又、本実施例によれば、セラミックス触媒担持体１９の全長を図６の触媒担持 体１の長さと略同様にすると、上述したように、一方のメタル触媒担持体２１と 他方のメタル触媒担持体２１とを電流が流れるため、結果的にメタル触媒担持体 ２１による抵抗値が約２倍になり、メタル触媒担持体２１の単位長さ当たりの発 熱量が約２倍になり、これにより電気加熱触媒担体１７を迅速に加熱することが 可能となる利点を有する。

【００２１】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、セラミックス触媒担持体によってメタル 触媒担持体間を流れる電流の短絡を確実に防止できるので、メタル触媒担持体を 良好に発熱させることにより当該メタル触媒担持体と、この熱が伝わったセラミ ックス触媒担持体の触媒によって排気ガスの充分な浄化が可能となると共に、電 気加熱触媒担体全体が迅速に加熱できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る電気加熱触媒担体の全
体斜視図である。

【図２】セラミックス触媒担持体の端部の斜視図であ
る。

【図３】セラミックス触媒担持体の端部の正面図であ
る。

【図４】メタル触媒担持体を装着したセラミックス触媒
担持体の端部の正面図である。

【図５】図１に示す電気加熱触媒担体の側面図である。

【図６】従来の電気加熱触媒担体の斜視図である。

【図７】図６に示す電気加熱触媒担体の触媒担持体の断
面図である。

【図８】図７の触媒担持体の製造方法を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１７ 電気加熱触媒担体 １９ セラミックス触媒担持体 ２１ メタル触媒担持体 ２３，２５，２７ 電極 ２９ 凸部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 両端部（１９ａ）に所定の間隔を開けて
   複数の凸部（２９）が成形されたセラミックス触媒担持
   体（１９）と、 金属製の平板と波板を重ねてなり、セラミックス触媒担
   持体（１９）の両端部（１９ａ）に夫々上記各凸部（２
   ９）を介してつづら折り形状に装着され電極（２５，２
   ７）が配設されたメタル触媒担持体（２１）と、 両メタル触媒担持体（２１）を導通する電極（２３）
   と、 からなることを特徴とする電気加熱触媒担体。