JPH0512621U - 電気加熱触媒担体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、自動車，産業用車両等に、排気ガ
スを浄化するために搭載される触媒担体に係わり、特
に、電気により触媒担持体を加熱するようにした電気加
熱触媒担体に関し、触媒担持体の単位長さ当たりの発熱
量を従来より大幅に増大することを目的とする。 【構成】 触媒担持体３７および内側電極３９，４１
を、少なくとも２分割し、外側電極３１内に所定間隔を
置いて配置して構成する。また、触媒担持体３７および
外側電極４５，４７を、少なくとも２分割し、軸長方向
に所定間隔を置いて配置して構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車，産業用車両等に、排気ガスを浄化するために搭載される触 媒担体に係わり、特に、電気により触媒担持体を加熱するようにした電気加熱触 媒担体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、自動車の排気系には、排気ガスを浄化するため、触媒コンバータが配 置されているが、このような触媒コンバータでは、触媒担体の温度が低いと触媒 が活性化されないため、エンジン等の始動時には、排気ガスの充分な浄化が困難 になるという問題があった。

【０００３】 そこで、例えば、特開平２−２２３６２２号公報に開示されるように、触媒担 体の温度が低い、エンジン等の始動時に、電気により触媒担持体を加熱するよう にした電気加熱触媒担体が開発されている。

【０００４】 図７は、この種の電気加熱触媒担体を示すもので、図において符号１１は、円 筒状の外側電極を示しており、この外側電極１１は、接続部１３を介して、例え ば、直流電源１５のマイナス側に接続されている。

【０００５】 外側電極１１の中央部には、外側電極１１の軸長方向に沿って棒状の内側電極 １７が配置されており、この内側電極１７は、接続部１９を介して、例えば、直 流電源１５のマイナス側に接続されている。

【０００６】 外側電極１１と内側電極１７との間には、導電性金属からなり、一側を外側電 極１１に導通され、他側を内側電極１７に導通される多数の触媒担持体２１が渦 状に配置されている。

【０００７】 このような電気加熱触媒担体では、外側電極１１と内側電極１７との間に、直 流電源１５により、電圧を印加すると、触媒担持体２１に通電され、触媒担持体 ２１の電気抵抗により触媒担持体２１が発熱される。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の電気加熱触媒担体では、触媒担持体２１およ び内側電極１７が、外側電極１１の全長と同様の長さを有しているため、触媒担 持体２１による抵抗値が比較的小さく、触媒担持体２１の単位長さ当たりの発熱 量が少なくなり、触媒担持体２１を迅速に加熱することが困難になるという問題 があった。

【０００９】 本考案は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、触媒担持体の 単位長さ当たりの発熱量を従来より大幅に増大することができる電気加熱触媒担 体を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

請求項１の電気加熱触媒担体は、筒状の外側電極の中央部に、外側電極の軸長 方向に沿って棒状の内側電極を配置するとともに、前記外側電極と内側電極との 間に、導電性金属からなり、一側を前記外側電極に導通され、他側を前記内側電 極に導通される触媒担持体を配置してなる電気加熱触媒担体において、前記触媒 担持体および内側電極を、少なくとも２分割し、前記外側電極内に所定間隔を置 いて配置してなるものである。

【００１１】 請求項２の電気加熱触媒担体は、筒状の外側電極の中央部に、外側電極の軸長 方向に沿って棒状の内側電極を配置するとともに、前記外側電極と内側電極との 間に、導電性金属からなり、一側を前記外側電極に導通され、他側を前記内側電 極に導通される触媒担持体を配置してなる電気加熱触媒担体において、前記触媒 担持体および外側電極を、少なくとも２分割し、軸長方向に所定間隔を置いて配 置してなるものである。

【００１２】

【作用】

請求項１の電気加熱触媒担体では、分割された一方の内側電極と、他方の内側 電極との間に電圧が印加され、この電圧の印加により、電流が、一方の内側電極 ，一方の触媒担持体，外側電極，他方の触媒担持体を順次通過し、他方の内側電 極へと流れる。

【００１３】 請求項２の電気加熱触媒担体では、分割された一方の外側電極と、他方の外側 電極との間に電圧が印加され、この電圧の印加により、電流が、一方の外側電極 ，一方の触媒担持体，内側電極，他方の触媒担持体を順次通過し、他方の外側電 極へと流れる。

【００１４】

【実施例】

以下、本考案の詳細を図面に示す実施例について説明する。 図１は、本考案の電気加熱触媒担体の一実施例を示しており、図において符号 ３１は、円筒状の外側電極を示している。

【００１５】 この外側電極３１内には、分割された一対のコア部３３，３５が、所定間隔を 置いて配置されている。 コア部３３，３５は、導電性金属からなる多数の触媒担持体３７を渦状に配置 して構成されており、中央に、棒状の内側電極３９，４１が配置されている。

【００１６】 そして、各触媒担持体３７は、一側を外側電極３１に導通され、他側を内側電 極３９，４１に導通されている。 上述した電気加熱触媒担体では、図２に示すように、自動車のバッテリー等の 直流電源４３により、分割された一方の内側電極３９と、他方の内側電極４１と の間に電圧が印加される。

【００１７】 そして、この電圧の印加により、電流が、一方の内側電極３９，一方の触媒担 持体３７，外側電極３１，他方の触媒担持体３７を順次通過し、他方の内側電極 ４１へと流れる。

【００１８】 しかして、上述した電気加熱触媒担体では、２分割された触媒担持体３７およ び内側電極３９，４１を、外側電極４１内に所定間隔を置いて配置したので、分 割された一方の内側電極３９と、他方の内側電極４１との間に電圧を印加すると 、この電圧の印加により、電流が、一方の内側電極３９，一方の触媒担持体３７ ，外側電極３１，他方の触媒担持体３７を順次通過し、他方の内側電極４１へと 流れるため、触媒担持体３７の単位長さ当たりの発熱量を従来より大幅に増大す ることができる。

【００１９】 すなわち、この電気加熱触媒担体では、外側電極３１の全長を、従来の外側電 極とほぼ同様にすると、図２から明らかなように、一方の触媒担持体３７と他方 の触媒担持体３７とを電流が流れるため、結果的に、触媒担持体３７による抵抗 値が約２倍になり、触媒担持体３７の単位長さ当たりの発熱量が約２倍になり、 これにより、触媒担持体３７を迅速に加熱することが可能となる。

【００２０】 図３は、本考案の他の実施例を示すもので、この実施例では、一対の外側電極 ４５，４７が、軸長方向に所定間隔を置いて配置されている。 そして、外側電極４５，４７内には、それぞれ多数の触媒担持体３７によりコ ア部４９，５１が形成されている。

【００２１】 コア部４９，５１の中心には、一本の内側電極５３が挿通され、この内側電極 ５３により、一対のコア部４９，５１が連結されている。 上述した電気加熱触媒担体では、図４に示すように、自動車のバッテリー等の 直流電源４３により、接続部５５，５７を介して、分割された一方の外側電極４ ５と、他方の外側電極４７との間に電圧が印加される。

【００２２】 そして、この電圧の印加により、電流が、一方の外側電極４５，一方の触媒担 持体３７，内側電極５３，他方の触媒担持体３７を順次通過し、他方の外側電極 ４７へと流れる。

【００２３】 しかして、上述した電気加熱触媒担体では、２分割された一方の外側電極４５ と、他方の外側電極４７との間に電圧を印加すると、この電圧の印加により、電 流が、一方の外側電極４５，一方の触媒担持体３７，内側電極５３，他方の触媒 担持体３７を順次通過し、他方の外側電極４７へと流れるため、触媒担持体３７ の単位長さ当たりの発熱量を従来より大幅に増大することができる。

【００２４】 すなわち、この電気加熱触媒担体では、一対の外側電極４５，４７を加えた長 さを、従来の外側電極の全長とほぼ同様にすると、図４から明らかなように、一 方の触媒担持体３７と他方の触媒担持体３７とを電流が流れるため、結果的に、 触媒担持体３７による抵抗値が約２倍になり、触媒担持体３７の単位長さ当たり の発熱量が約２倍になり、これにより、触媒担持体３７を迅速に加熱することが 可能となる。

【００２５】 図５は、本考案のさらに他の実施例を示すもので、この実施例では、図２に示 したと同様の構造の触媒担体の一側に、軸長方向に所定間隔を置いて、分割され た外側電極５９が配置され、この外側電極５９内に、触媒担持体３７によりコア 部６１が形成されている。

【００２６】 コア部６１の中心には、一本の内側電極６３が挿通され、この内側電極６３が 、隣りのコア部３３の内側電極３９に連結されている。 この電気加熱触媒担体では、自動車のバッテリー等の直流電源４３により、図 ５に示したように、外側電極５９と、内側電極４１との間に電圧が印加される。

【００２７】 そして、この電圧の印加により、電流が、外側電極５９，触媒担持体３７，内 側電極６３，３９，触媒担持体３７，外側電極３１，触媒担持体３７を順次通過 し、内側電極４１へと流れる。

【００２８】 以上のように構成された電気加熱触媒担体においても図１および図３に示した 実施例とほぼ同様の効果を得ることができるが、この実施例では、分割数を増大 したので、触媒担持体３７の単位長さ当たりの発熱量をより大幅に増大すること が可能となる。

【００２９】 図６は、本考案のさらに他の実施例を示すもので、この実施例では、図５に示 したと同様の構造の触媒担体の他側にも、軸長方向に所定間隔を置いて、分割さ れた外側電極６５が配置され、この外側電極６５内に、触媒担持体３７によりコ ア部６７が形成されている。

【００３０】 コア部６７の中心には、一本の内側電極６９が挿通され、この内側電極６９が 、隣りのコア部３５の内側電極４１に連結されている。 この電気加熱触媒担体では、自動車のバッテリー等の直流電源４３により、図 ６に示したように、外側電極５９と、外側電極６５との間に電圧が印加される。

【００３１】 そして、この電圧の印加により、電流が、外側電極５９，触媒担持体３７，内 側電極６３，３９，触媒担持体３７，外側電極３１，触媒担持体３７，内側電極 ４１，６９，触媒担持体３７を順次通過し、外側電極６５へと流れる。

【００３２】 以上のように構成された電気加熱触媒担体においても図５に示した実施例とほ ぼ同様の効果を得ることができるが、この実施例では、分割数をさらに増大した ので、触媒担持体３７の単位長さ当たりの発熱量をより大幅に増大することが可 能となる。

【００３３】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案の電気加熱触媒担体では、触媒担持体の単位長さ当 たりの発熱量を従来より大幅に増大することができるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の電気加熱触媒担体の一実施例を示す斜
視図である。

【図２】図１の電気加熱触媒担体の電気の流れを示す説
明図である。

【図３】本考案の電気加熱触媒担体の他の実施例を示す
斜視図である。

【図４】図３の電気加熱触媒担体の電気の流れを示す説
明図である。

【図５】本考案の電気加熱触媒担体のさらに他の実施例
を示す説明図である。

【図６】本考案の電気加熱触媒担体のさらに他の実施例
を示す説明図である。

【図７】従来の電気加熱触媒担体の一例を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

３１，４５，４７ 外側電極 ３７ 触媒担持体 ３９，４１，５３ 内側電極

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状の外側電極（３１）の中央部に、外
   側電極（３１）の軸長方向に沿って棒状の内側電極（３
   ９，４１）を配置するとともに、前記外側電極（３１）
   と内側電極（３９，４１）との間に、導電性金属からな
   り、一側を前記外側電極（３１）に導通され、他側を前
   記内側電極（３９，４１）に導通される触媒担持体（３
   ７）を配置してなる電気加熱触媒担体において、前記触
   媒担持体（３７）および内側電極（３９，４１）を、少
   なくとも２分割し、前記外側電極（３１）内に所定間隔
   を置いて配置してなることを特徴とする電気加熱触媒担
   体。
2. 【請求項２】 筒状の外側電極（４５，４７）の中央部
   に、外側電極（４５，４７）の軸長方向に沿って棒状の
   内側電極（５３）を配置するとともに、前記外側電極
   （４５，４７）と内側電極（５３）との間に、導電性金
   属からなり、一側を前記外側電極（４５，４７）に導通
   され、他側を前記内側電極（５３）に導通される触媒担
   持体（３７）を配置してなる電気加熱触媒担体におい
   て、前記触媒担持体（３７）および外側電極（４５，４
   ７）を、少なくとも２分割し、軸長方向に所定間隔を置
   いて配置してなることを特徴とする電気加熱触媒担体。