JPH0566922B2

JPH0566922B2 -

Info

Publication number: JPH0566922B2
Application number: JP60114455A
Authority: JP
Inventors: Makoto Fukushima; Kazuo Matsuda; Sadao Hoshizaki
Original assignee: Pola Chemical Industries Inc
Current assignee: Pola Orbis Holdings Inc
Priority date: 1985-05-28
Filing date: 1985-05-28
Publication date: 1993-09-22
Also published as: JPS61271210A

Description

【発明の詳細な説明】

「発明の目的」本発明は丹参の根より抽出して得られる抽出成
分を有効成分として含有することを特徴とする、
美肌効果、美白効果、保湿効果などに優れた化粧
料に関するものである。古来、基礎化粧料より整肌、美肌、美白などの
目的で多くのものが提案されており、それなりの
効果が得られるものであつた。本発明者は創傷治ゆ作用や細胞賦活作用の観点
より、天然物有効成分について、鋭意研究探索の
結果丹参の根より抽出して得られる抽出物に肌に
とつて好ましい作用すなわち美肌、美白、保湿な
どの効果や養毛効果を発見し本発明を完成するに
到つた。すなわち本発明は丹参の根より抽出して得られ
る抽出成分を有効成分として含有することを特徴
とする化粧料に関するものである。「発明の構成」本発明に適用される丹参（タンジン）は、シソ
科に属する多年草植物Salvia miltiorrhiza
Bungeまたは、Salvia przewalskii Maxim var.
mandarinorum stibであり、本発明は上記植物
のおもに乾燥根より有機溶媒及び／又は水で抽出
された抽出物（以下タンジンエキスと略す）を用
いるものである。尚、前述の丹参は、他の用途に
おいてはすでに使用されているものである。すな
わち、生薬として、血管拡張、強心作用の目的で
服用されている。上記タンジンエキスの製造方法は、公知の方法
が利用でき、例えば、まずタンジンの乾燥根を裁
断機により厚さ２cm以下の小片とするか又は粗粉
砕して粉末状とし、酢酸エチル、アセトン、ブタ
ノール、プロパノール、エタノール、メタノール
等の有機溶媒及び水をそれぞれ単独あるいは２種
以上混合して得られる抽出溶媒に侵漬して抽出
後、得られた抽出液より抽出溶媒を留去し、有効
成分を分離採取することができる。このようにし
て得られた抽出エキスは一般的に淡黄褐色〜赤褐
色の半固体又は粉末であり、臭いはほとんどない
ものである。又、上記の抽出エキスは必要に応じ
て、カラムクロマトグラフイー、液滴向流分配ク
ロマトグラフイー、活性炭又は活性白土処理など
の手法によりさらに精製して用いることができ
る。又、前記タンジンエキスに加えて水溶性高分子
物質を含有せしめた化粧料はさらに好ましい整肌
作用を有するものである。これは恐らく、皮膚上
に於て、水溶性高分子物質がビヒクルとなり、有
効成分であるオウギエキスを効果的に角質層へ移
行せしめ、経皮吸収を増大させることによるもの
と思われる。このような水溶性高分子物質として
は分子量2000以上のものであり、例えば、ポリペ
プチド、水溶性コラーゲン、ムコ多糖類、ヒアル
ロン酸、ガム質、カゼイン、デキストリン、ゼラ
チン、ペクチン等が挙げられ、これらのうち１種
又は２種以上が使用される。次に、本発明により提供される化粧料として
は、クリーム、乳液、化粧水、リツプクリーム、
リツプカラー、アンダーメークアツプ、養毛料な
ど多くのものが挙げられ、前記タンジンエキスの
配合量は化粧料の性質に応じて任意に選択される
が、通常は全重量に対し凡そ0.01〜10重量％好ま
しくは0.1〜５重量％である。又、上記水溶性高
分子物質の配合量は全重量に対し凡そ0.001〜１
重量％である。次に、配合の方法はタンジンエキスをそのまま
又は水、アルコール、多価アルコール等に溶解し
て、従来の薬効成分等を配合するのと同様の方法
により化粧料に配合することができる。又、本発明に係わる化粧料には前述のタンジン
エキス及び水溶性高分子物質の他通常化粧料に用
いられる添加剤たとえば、油脂類、界面活性剤、
酸化防止剤、香料、色素、アルコール類、多価ア
ルコール、防腐剤、サンスクリーン剤、水、保湿
剤等を配合することができる。「製造例」製造例１タンジンの乾燥根500ｇの裁断機により厚さ２
cm以下の小片とし、これにメタノール２を加え
室温にて１時間混合攪拌抽出し、ろ過する。この
操作を２回繰返し、ろ液を集めて減圧濃縮乾固
し、淡赤褐色粉末状のタンジンエキス20ｇを得
た。（収率４％）製造例２タンジンの乾燥根200ｇを裁断機により裁断し
た後、粉砕機により粉砕し、粉末とする。これに
50％含水メタノール１を加え室温にて１時間混
合攪拌抽出し、ろ過する。この操作を２回繰返
し、ろ液を集めて約0.3となるまで減圧濃縮す
る。これに水0.3を加えて攪拌し均一な分散液
としたものに毎回ｎ−ブタノール300mlを用いて
３回抽出操作を行ない、抽出液を集めて減圧濃縮
乾固して淡褐色半固体のタンジンエキス56ｇを得
た。（収率28％）製造例３タンジンの根500ｇを厚さ約５mmにスライスし
薄片状とし、これに約60℃の湯２を加えて30分
間混合攪拌抽出し、ろ過する。この操作を２回繰
返し、ろ液を集めて凍結乾燥し、淡赤褐色半固体
状のタンジンエキス205ｇを得た。（収率41％）「発明の効果」次に、本発明において使用されるタンジンエキ
スについて、その整肌効果を確認する為、ラツト
を用いて創傷治ゆテストを行ない結果を表−２に
示す。試験方法は下記の通りである。〈試料〉水中油型クリームとして、タンジンエキスを含
まないもの（比較例−１）、1.0％含有するもの
（実施例−１）、3.0％含有するもの（実施例−
２）、以上３検体を下表−１の通り調製する。創傷治ゆテスト実験動物として、５週令のSD系ラツトを購入
後７日間予備飼育したもの40匹を〜群まで各
10匹づつに分けて用いた。まず各群のラツト背部
を電気バリカンを用いて除毛し、水−エタノール
３：７消毒液を脱脂綿に含侵せしめたもので清浄
する。その後円形のたがね（φ11mm）を用いて正
中線に沿つて左右対称の皮膚欠損傷を４ケ所作成
する。次に、群を無処理群とし、群は毎日１
回観察終了後に比較例−１のクリームを塗布し、
及び群は同様にそれぞれ実施例−１のクリー
ム、実施例−２のクリームを塗布した。検体の塗
布は全て１日１回各損傷部位当り0.1ｇとした。
又、観察は１日１回創傷面積の測定と肉眼観察に
ついて行なつた。尚、各群の創傷面積（mm²）は10
匹の平均値（少数第２位を四捨五入）であり、治
ゆ率は下式により求めた。治ゆ率＝（０日目の創傷面積−11日目
の創傷面積）／０日目の創傷面積×100（％）

【表】

【表】以上の如く、タンジンエキスを含有せしめた化
粧料は優れた創傷治ゆ効果を有しており傷の回復
が早く、又、完治後（20日目）の皮膚の状態も無
処理群や比較例−１群に比べて美しいものであつ
た。次に、本発明に適用される化粧料について20日
間連用による臨床テスト後官能評価を行ない結果
を表−３に示した。このとき本発明品として後期
実施例−３のエモリエントクリームを用い、対照
品としては実施例−３のエモリエントクリームよ
りタンジンエキスを除いたものを用いた。試験方法は下記の通りである。臨床テスト：男女混合計20名をパネラーとし、左上腕内側部
に対照品を、右上腕内側部に本発明品をそれぞれ
１日２回通常の使用状態と同様に塗布し、これを
20日間続けた後、官能評価項目として肌のはり、
つや、なめらかさ、みずみずしさの４項目につい
て下記のような基準において評価し、20名の平均
値を評価点とした。

【表】にも言に
えな
い

【表】数値は官能評価点
以上の如く、本発明に適用される化粧料は皮膚
に連用することにより、肌のはり、つや、なめら
かさ、みずみずしさなどに好ましい効果を発揮す
るものである。又、実施例−５の養毛料については、例数が少
ないながらも臨床試験において養毛効果が確認さ
れた。「実施例」次に、本発明の実施例を示す。実施例１〜２に
ついては、前記表−１に示した通りである。以
下、配合量は重量部である。実施例３エモリエントクリームＡセタノール 2.0 ゲイロウ 5.0 流動パラフイン 7.0 オリーブ油 24.0 ステアリン酸 7.0 モノステアリン酸ソルビタン 4.0 ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタ
ン（20E0） 4.0 製造例−１のタンジンエキス 0.5 Ｂプロピレングリコール 10.0 エチルパラベン 0.1 精製水 36.0 Ｃ香料適量上記処方物Ａを混合加熱して80℃とする。これ
に上記処方物Ｂを同様に混合加熱して80℃とした
ものを加え、ホモミキサーで均一に乳化し、上記
Ｃを加えて冷却し、製品とする。実施例４乳液Ａミツロウ 1.0 セタノール 1.0 ラノリン 3.0 ステアリン酸 2.0 流動パラフイン 7.0 オリーブ油 3.0 ポリオキシエチレンモノオレイン 2.0 酸エステル（10E.O.）製造例−２のタンジンエキス 0.2 香料適量Ｂ製造例−３のタンジンエキス 0.4 ヒアルロン酸 0.7 グリセリン 4.0 プロピレングリコール 4.0 トリエタノールアミン 1.0 メチルパラベン 0.3 精製水 70.0 上記処方物Ｂを混合加熱して70℃とする。これ
に上記処方物Ａを同様に混合加熱して70℃とした
ものを加え、ホモミキサーで均一に乳化し、冷却
して製品とする。実施例５養毛料Ａ 95％エタノール 75.0 −メントール 0.1 ヒノキチオール 0.1 トウガラシチンキ 0.1 エチルアジペート 2.0 ツバキ油 1.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油（50E.O.）
1.0 製造例−２のタンジンエキス 0.7 香料 0.2 Ｂクエン酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.1 精製水 19.6 上記処方物Ａを攪拌溶解し、これに上記処方物
Ｂを添加、混合して透明液状の養毛料を得た。実施例６化粧水Ａエタノール 12.0 グリセリン 2.0 −メントール 0.05 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油（50E.O.）
0.5 製造例−３のタンジンエキス 0.2 香料適量Ｂクエン酸 0.1 クエン酸ナトリウム 0.2 メチルパラベン 0.1 アラントイン 0.1 精製水 84.5 上記処方物Ａ及びＢを加温溶解し、ＢにＡを加
え可溶化して製品とする。

Claims

【特許請求の範囲】１丹参の根より抽出して得られる抽出成分を有
効成分として含有することを特徴とする化粧料。２該化粧料中に水溶性高分子物質を含有する特
許請求の範囲第１項記載の化粧料。