JPH0566410B2 - - Google Patents

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JPH0566410B2
JPH0566410B2 JP60236966A JP23696685A JPH0566410B2 JP H0566410 B2 JPH0566410 B2 JP H0566410B2 JP 60236966 A JP60236966 A JP 60236966A JP 23696685 A JP23696685 A JP 23696685A JP H0566410 B2 JPH0566410 B2 JP H0566410B2
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JP
Japan
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film
polyester
poly
present
glycol
Prior art date
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JP60236966A
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English (en)
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JPS6296530A (ja
Inventor
Seiji Sakamoto
Juji Iwasaki
Satoshi Otonari
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Mitsubishi Polyester Film Corp
Original Assignee
Mitsubishi Polyester Film Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Polyester Film Corp filed Critical Mitsubishi Polyester Film Corp
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Publication of JPS6296530A publication Critical patent/JPS6296530A/ja
Publication of JPH0566410B2 publication Critical patent/JPH0566410B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、表面が平担で耐摩耗性及び耐突出変
形性に優れたポリエステルフイルムに関する。更
に詳しくはかかる特性に加え、フイルム製造時の
熱安定性に優れ生産性が高く、高密度磁気気録用
のベースフイルムとして特に適した二軸配向ポリ
エステルフイルムに関する。 (ロ) 従来の技術と解決すべき問題点 ポリエステルフイルムはその優れた熱的特性、
機械的特性、耐候性、耐薬品性等の故に産業上広
く利用されている。就中二軸配向ポリエチレンテ
レフタレートフイルムは他のフイルムに比べて特
に弾性率、平面性及び寸法安定性等の点で優れて
いるため、磁気記録媒体の基材として必要欠くべ
かざるものとなつている。 一方、近年磁気記録媒体の改良は急速なテンポ
で進んでおり、特にベースフイルムに対する要求
が厳しいものとなつている。例えば、磁気録画に
おいて高性能化を達成するためには、電磁変換特
性を高めなければならないが、このためにはベー
スフイルムの表面をより平担にする必要がある。
しかしながら良く知られているようにフイルム表
面が平担になると、フイルムと基材との間の摩擦
摩耗が厳しくなり生じた摩耗粉が種々の弊害を引
き起すようになる。 例えば、フイルム製造工程を含む磁性層塗布工
程以前の工程で摩耗粉が発生すると、磁性層をコ
ーテイングする際いわゆる塗布抜けが生じドロツ
プアウトの原因となるし、また製品となつた後も
耐摩耗性が悪いてテープデツキ内の走行系で発生
した摩耗粉が電磁変換特性を悪化させたりドロツ
プアウトを引き起したりするようになる。 一方フイルム製造工程及び磁性層塗布工程にお
けるフイルムの取り扱い作業性を改良するために
は、フイルムの摩擦係数を低減させる必要があ
り、このためにはフイルムにポリエステルに対し
不活性な無機又は有機の微粉子を配合せしめれば
良いことが知られている。フイルム表面近傍にお
ける該微粒子の存在は摩擦係数の低減のみなら
ず、耐摩耗性の向上にもある程度寄与し得るが、
ベースフイルムに対する作今の厳しい要求には充
分答え得るものではなかつた。 というのは、耐摩耗性を改良するためこれら微
粒子の配合量を増加せしめると、必然的にフイル
ム表面の平均粗度が高くなると共に、粗大粒子の
混在や粒子同志の凝集による粗大粒子の生成のた
めに往々にして粗大突起が著しく増加してしまう
ので、高性能化のためにフイルム表面の平担化を
計る目的と相反してしまうことになる。 近年需要の急増している電磁変換特性に優れた
高性能ビデオテープのベースフイルムは、従来よ
り表面が平担であり、例えば中心線平均粗さ
(Ra)で0.009〜0.023(μ)であるが、かかる平担
領域において所望の表面粗度を維持したまま耐摩
耗性の改良を計ることは特に困難であつた。二律
背反のこの事象を達成する効果的な唯一の方向と
して磁性層と反対の面に適当なコーテイングを施
すいわゆるバツトコート法が知られているが、著
しくコストが高くなる上しばしばバツクコート層
がロール等に転写しロール汚れを引き起す等必ず
しも実用的に優れた方法ではなかつた。 一方磁気記録材料のベースフイルムとして要求
される主要な特性の一つにいわゆる突出変形があ
る。この現象は張力をかけてフイルムを巻き上げ
る際、フイルムとフイルムとの間にゴミが混入し
そのためにフイルムが盛り上る現象である。突出
変形部では通常フイルムがリング状に変形してお
り、磁性膜を塗布する際膜が均一に塗布できず、
磁気テープとして使用した場合ドロツプアウトの
原因となる。 耐突出変形性を向上させるためにはフイルムに
滑り性改良に効果的な微粒子より大きい粒子を配
合せしめ、フイルム表面に比較的大きな周期の凹
凸を付与せしめれば良いことが知られているが、
平担領域でこの事を達成することは極めて困難
で、耐突出変形性をある程度犠性にしてベースフ
イルムの設計が行なわれているのが実情である。 このように磁気記録媒体のベースフイルムにお
いて、Raが0.009〜0.023μの平担領域において耐
摩耗性及び耐突出変形性を簡便な手段で効果的に
改良することができるならば工業的に極めて有用
である。 (ハ) 問題点を解決するための手段 本発明者らは上記実情に鑑みて、磁気記録媒体
用の二軸配向ポリエステルフイルムについて鋭意
検討を進めた結果、通常の微粒子配合法を含む既
知の方法によつては工業的容易に達成することが
極めて困難な平担領域において、耐摩耗性及び耐
突出変形性を発現させるためには、フイルムに特
定微量のポリ(アルキレングリコール)を含有せ
しめれば良いことを知見し、本発明に到達するに
至つた。 即ち、本発明はポリ(アルキレングリコール)
を0.01重量%以上2重量%未満含有し、且つフイ
ルム表面の中心線平担粗さ(Ra)が0.009〜
0.023μであることを特徴とする磁気記録媒体用二
軸配向ポリエステルフイルムに存する。 以下本発明を更に詳細に説明する。 本発明でいうポリエステルとは、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸の如き芳香族ジカルボン酸又はそのエステ
ルと、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール等の如きグリコールとを重縮合させて得
ることのできるポリエステルである。 これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸と
グリコールとを直接反応させて得られる他、芳香
族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコール
とをエステル交換反応させた後重縮合せしめる
か、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコール
エステルを重縮合せしめる等の方法によつても得
ることができる。 かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエ
チレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−
ナフタレート等が例示される。このポリマーはホ
モポリマーであつても良く、また第三成分を共重
合させたものでも良い。いずれにしても本発明に
おいてはエチレンテレフタレート単位及び/又は
エチレン−2,6−ナフタレート単位を80モル%
以上、好ましくは90モル%以上有するポリエステ
ルが好ましい。 本発明においてはポリエステルの重合度が低す
ぎると機械的特性が低下するので、その固有粘度
は0.40以上、好ましくは0.50〜0.90、更に好まし
くは0.55〜0.85のものが好ましい。 本発明においてはかかるポリエステルを原料と
して二軸配向フイルムを得るが、このためには次
のような方法を採用する。 即ち、通常280〜320℃の範囲の温度でポリエス
テルを押出機よりシート状に押し出し、約70℃以
下の温度に冷却して実質的に無定形のシートと
し、次いで該シート状物を縦及び横方向に少くと
も面積倍率で4倍以上、好ましくは9倍以上に延
伸して二軸配向ポリエステルを得、更に該フイム
ムを120〜250℃の範囲の温度で熱処理することに
より得ることができる。 本発明においてはこのようにして二軸配向ポリ
エステルフイルムを得るが、本発明においては該
フイルムの中心線平担粗さ(Ra)は0.009〜
0.023μ、好ましくは0.010〜0.020μ、更に好ましく
は0.011〜0.018μである必要がある。Raが0.009μ
未満ではフイルム表面が平担すぎてフイルム製造
工程及び磁性層塗布工程における取り扱い作業性
が悪く、バツクコート等の特殊な処理を施こさな
い限り、キズやシワが入り易く実用に供し難いも
のとなる。一方Raが0.023μを越えると最終的に
得られた磁気テープ、磁気デイスク等の電磁気的
な特性が悪化するようになる。 本発明においてはフイルムにかかる表面粗度を
与えるためには、次のような方法を採用するのが
良い。 即ち、通常製膜に供するポリエステルに微細な
不活性化合物を予め配合しておく方法が簡便で好
ましく採用される。 かかる方法には大きく二つの方法がある。その
一つは添加法と呼ばれるものであり、カオリン、
タルク、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭
酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リ
ン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネ
シウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チ
タンあるいは架橋構造を有する高分子化合物等を
必要に応じ粉砕、分級した後ポリエステル製造工
程以降、製膜のための領融押出の工程までのいず
れかの時期に添加する方法である。 この方法は粒度の調節が容易で再現法にも優れ
るので本発明で用いるに適した方法の一つである
が、操作が煩雑な上粗大粒子が混入し易いので、
次の析出粒子法がより好ましく採用される。 析出粒子法とは、ポリエステル製造時エチレン
グリコールやポリエステルオリゴマーに可溶なリ
チウム化合物、カルシウム化合物及びマグネシウ
ム化合物等の金属化合物をリン化合物の存在下あ
るいは非存在下、微細な粒子として沈澱させる方
法である。もちろんこれら金属化合物は例えばエ
ステル交換反応初期に加するならば、触媒として
の働きを兼ねさせることもできる。 本発明においてはこのような方法により、本発
明に必要な特定の表面粗度を発現させるための粒
子をポリエステル中に配合せしめるが、添加粒子
法、析出粒子法のいずれを採用するとしてもその
粒子量はポリエステルに対し0.005〜2重量%、
好ましくは0.01〜0.6重量%、更に好ましくは0.02
〜0.5重量%の範囲から選択するのが良い。また、
かかる粒子の平均粒径は通常0.002〜4μ、好まし
くは0.1〜2μの範囲から選択される。なお、当然
のことながら本発明においては必要に応じ両者の
方法を併用することもできる。 次にこれが本発明の眼目とするところである
が、本発明においてはかかる特定の表面粗度を有
するポリエステルフイルムに特定微量のポリ(ア
ルキレングリコール)を共存せしめる。 従来、磁気記録媒体用のポリエステルフイルム
にポリ(アルキレングリコール)を配合すること
は例えば特開昭56−90423号公報、特開昭58−
177522号公報、特開昭59−227421号公報等に記載
されており良く知られたところである。 しかしながら、ポリ(アルキレングリコール)
が耐摩耗性及び耐突出変形性を有することは全く
知られておらず、まして特にこれらの特性が強く
要求される平担領域において、特定微量の配合が
極めて顕著な効果を奏することについては何ら触
れるところがなかつた。 本発明者らはこれらの特性の改良に関しさまざ
まな方法について検討を加えた結果、ポリ(アル
キレングリコール)を特定微量配合することによ
り、工業的容易にこれらの特性を一挙に極めて満
足すべきレベルまで高め得ることを知見し本発明
に到達したものである。 本発明におけるポリ(アルキレングリコール)
としては、ポリ(エチレングリコール)、ポリ
(トリメチレングリコール)、ポリ(テトラメチレ
ングリコール)、ポリ(ヘキサメチレングリコー
ル)等を例示することができる。もちろんエチレ
ンオキシドとプロピレンオキシド、あるいはエチ
レンオキシドとテトラメチレンオキシドとの共重
合に代表されるランダム又はブロツク共重合体や
未端をアルキル基やアルケニル基で置換したポリ
(アルキレングリコール)を用いることもできる。
後者の具体例としては例えばポリエチレングリコ
ールジラウレート、ポリエチレングリコールジス
テアレート、ポリエチレングリコールジベヘネー
ト、ポリエチレングリコールジオレエート、ポリ
プロピレングリコールジステアレート、ポリエチ
レングリコール−ポリプロピレングリコール共重
合体のジステアレート、ポリエチレングリコール
モノラウレート、ポリエチレングリコールモノス
テアレート、ポリプロピレングリコールモノステ
アレート等を挙げることができる。 いずれにしても本発明で用いるポリ(アルキレ
ングリコール)とはその分子中にポリエーテルセ
グメントが含まれているものを指し、その成分の
ポリエステルとの共有結合の有無は問わない。 本発明におけるポリ(アルキレングリコール)
の使用量はポリエステルフイルムに対し0.01重量
%以上2重量%未満、好ましくは0.03〜0.5重量
%、更に好ましくは0.05〜0.4重量%、最も好ま
しくは0.07〜0.3重量%である。この量が0.01重量
%未満では耐摩耗性及び耐突出変形性の改良効果
がほとんど認められないし、また2重量%以上に
なるとこれらの特性が更に改良されることがない
ばかりか、製膜に供するポリエステルの乾燥及び
溶融熱安定性が悪化するようになる。 本発明においては、ポリ(アルキレングリコー
ル)をポリエステルフイルムに配合する方法は特
に限定されないが、その配合量が少いためいわゆ
るマスターバツチ法が好ましく採用される。即
ち、通常ポリエステルに対し1〜20重量%程度の
ポリ(アルキレングリコール)を含むマスターバ
ツチを製造し、最終的にフイルム中のポリ(アル
キレングリコール)の量が所望の値となるよう該
マスターバツチを製膜すべきポリエステルとブレ
ンドするのが良い。なおかかるマスターバツチ
は、いわゆる溶融重合法を製造することもできる
し、またドライブレンド法で製造することもでき
る。 なお、本発明において用いるポリ(アルキレン
グリコール)の分子量は500〜5000000好ましくは
1000〜1000000、より好ましくは4000〜500000、
最も好ましくは8000〜200000である。ポリ(アル
キレングリコール)の分子量が500未満では本発
明の効果はほとんど発揮できないし、またこの値
があまり大き過ぎるとポリエステルフイルム中で
の分散性が悪く、しばしばフイルム表面に許容し
得ないほどの粗大突起が生じドロツプアウト等に
誘発してしまう。 このように本発明においては、特定範囲のポリ
(アルキレングリコール)を含有することが必須
であるが、更に製膜に供するポリ(アルキレング
リコールを含むポリエステル組成物の溶融時に比
抵抗がある特定要件を満足する時、磁気記録媒体
のベースフイルムとしてより優れたものを得るこ
とができる。 即ち、厚さむらに対する要求特性が特に厳しい
磁気記録用途においては、いわゆる静電印加冷却
法を用いて無定形シートを得ることまた、この場
合ポリエステル組成物の溶融時の比抵抗が小さい
ほどその効果が顕著であることが知られている。 しかるにポリ(アルキレングリコール)を比較
的多量に含むポリエステル組成物は一般にかかる
方法が効果的に適用できず、効率良く均一な表面
を有するフイルムを得ることが困難なこともまた
特開昭58−177317号公報に記載されているところ
である。 本発明者らはポリ(アルキレングリコール)を
含むポリエステル組成物の溶融時の比抵抗と静電
印加冷却法との関係について詳細に検討した結
果、次のような結論を得た。 ポリ(アルキレングリコール)は溶融時ポリ
エステルに溶解し導電性の改良に寄与している
金属イオンと積極的に反応し、該金属イオンを
不活性化させること。 しかしながら、この反応は比較的緩やかに進
み、例えば290℃の溶融条件下では通常の押出
機の滞留時間と同程度の15〜25分間で概ね一定
値に達すること。 静電印加冷却時の密着力と強い相関性を有す
る値は従来知られているポリエステル組成物の
溶融直後の値ではなく、充分混練した後の値で
あること。 また、混練後の溶融時の比抵抗が5×108Ω
−cm以下、好ましくは2×108Ω−cm以下の場
合、磁気記録媒体用のベースフイルムとするに
ふさわしい表面欠陥のないフイルムを生産性良
く得ることができること等を知見した。 表面欠陥のないポリ(アルキレングリコール)
を配合したポリエステルフイルムを得るために、
製膜に供するポリエステル組成物の溶融時の比抵
抗をかかる所望の範囲とするための手段は特に限
定されないが、通常ベースとなるポリエステルま
たはマスターバツチのいずれかまたは双方にアル
カリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛およびマンガ
ンより成る群から選ばれた金属化合物の一種以上
を配合、溶解せしめておくのが良い。もちろん必
要に応じ、これらの金属化合物を含む第3のポリ
エステルをブレンドする等の方法を採用しても良
い。 いずれにしても本発明においては最終的に製膜
に供するポリエステル組成物中にこれらの金属化
合物、好ましくはアルカリ土類金属化合物が0.01
〜0.5モル%、好ましくは0.02〜0.3モル%、更に
好ましくは0.03〜0.2モル%含まれていることが
好ましい。 以上詳述した如く、本発明は電磁気特性の高性
能化のために特に平担化が要求されるRaが0.009
〜0.023μの領域において、これまで満足すべきレ
ベルまで改良することが困難であつた耐摩耗性及
び耐突出変形性を特定微量のポリ(アルキレング
リコール)を配合せしめるという極めて簡便な方
法によつて、一挙に極めて高度なレベルまで改良
せしめたものであつて、本発明の工業的な意義は
大きい。 (ニ) 実施例 以下本発明を実施例により更に詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 なお、諸物性の測定法は次の方法によつた。 中心線平均粗さRa(μ);小坂研究所社製表面
粗さ測定器(SE−3FK)によつて、次のように
して求めた。 即ち、フイルム断面曲線からその中心線の方向
に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜
き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸
として粗さ曲線Y=f(X)で表わした時、次の式で
与えられた値をμ(ミクロン)で表わす。但し触
針の先端半径は2μ、荷重は30mgとし、カツトオ
フ値は80μである。Raは縦方向に5点、横方向に
5点の計10点の平均値を求めた。 Ra=1/L∫L 0|f(X)|dx 耐耗性の評価;第1図に示すテープ摩耗評価機を
用いた。即ち、幅10mmのポリエステルフイルム
を200m長にわたつて走行させ、図中()で
示した固定ピン(直径6mmの硬質クロムメツキ
仕上げ)に付着した摩耗粉の量を目視評価し、
次に示す4つのランクに分けた。なお、フイル
ムの走行速度は10m/分とし、張力は()で
示したテンシヨンピツクアツプで検出し、初期
張力を400g、フイルムとのピンとの巻き付け
角θを135゜とした。 ランクA 付着が全く認められない。 ランクB 付着が極くわずか認められるが実用
上は全く問題ない。 ランクC 付着量がやや多く長時間使用すると
問題となりうる。 ランクD 付着量が多く実用上使用し難い。 耐突出変形性;フイルム巻き取り時故意に約5μ
の粒子を一定量加え生じたフイルムの部分的な
ふくらみが消失するに要する巻数を数え、A、
B、Cの三ランクに分け、最も巻き数の少いも
の即ち耐突出変形性の優れているものをAとし
た。 溶融時の比抵抗;ブリテイツシジアーナルオブア
プライドフイジツクス(Brit.J.Appl.Phys.)第
17巻第1149〜1154頁(1966年)に記載してある
方法。但しこの場合ポリマーの溶融温度は285
℃とし直流1000Vを印加した直後の値を溶融時
の比抵抗とする。 なお、測定に供するサンプルは予め285℃で
20分間充分に混練したものを用いた。 表面欠陥;製膜した二軸配向フイルムの表面を偏
光レンズ下観察し、次の三つのランクに分け
た。 ランクA:表面欠陥が全く認められず、極めて
均一な表面構造を有している。 ランクB:微細な気泡を有するもしくは該気泡
が破壊された表面欠陥が所々に生じて
いる。 ランクC:大きな表面欠陥が生じている。 磁気テープ特性;まず常法によりポリエステルフ
イルムに磁性層を塗布した。即ちγ−
Fe2O3250部、ポリウレタン40部、ニトロセル
ロース15部、塩酢ビ共重合体20部、レシチン7
部、メチルエチルケトン250部及び酢酸ブチル
270部を混合しボールミルで24時間混練した後、
ポリイソイアネート化合物14部を加え磁性塗料
とし、これを乾燥厚さとして6μになるようフ
イルムに塗布した。 次いで塗料が充分乾かない間に常法により磁気
配合させ、しかる後オーブンに導き乾燥・キユア
リングした。かくして得られた磁気テープをスー
パーカレンダー処理し、1/2インチ幅にスリツト
してテープ化した。 電磁変換特性の測定はVTRヘツド出力をシン
クロスコープで測定することにより行なつた。測
定時の周波数は4メガヘルツとしヘツド出力
(db単位)1mVを標準とした。この値が高いほど
好ましい。 ポリエステル組成物の熱安定性;製膜後のフイ
ルムの黄色味の増加の程度を熱安定性の尺度とし
た。 測定は東京電力(株)製色差計TC−50を用いて行
ないb値で示した。この値が大きくなると黄色味
が増し熱安定性が悪いことになる。 実施例 1 (ポリエステルの製造) ジメチルテレフタレート100部、エチレングリ
コール70部、酢酸リチウム0.19部及び酢酸カルシ
ウム−水塩0.09部を反応器にとり加熱昇温すると
共にメタノールを留出させエステル交換反応を行
なつた。反応開始温度は150℃とし反応開始後約
4時間を要し235℃に達せしめ、実質的にエステ
ル交換反応を終了せしめた。 次いでトリエチルホスフエート0.19部とリン酸
0.03部との混合したエチレングリコール溶液を添
加し、更に酢酸マグネシウム四水塩0.03部及び三
酸化アンチモン0.045部を添加した後常法に従つ
て重合反応を行なつた。 即ち、三酸化アンチモン添加後反応系の温度を
徐々に上昇させ、285℃に達せしめると共に、圧
力を常圧より徐々に減じ最終的に1mmHgとした。
4時間後系内を常圧に戻しポリエステル(A)を得
た。得られたポリマーの極限粘度は0.625であり、
ポリマー中の粒子を観察したところ、平均粒径
0.7〜1.0μ程度の極めて均一な析出粒子や多数認
められた。 なお、該ポリエステルの溶融時の比抵抗は7.0
×107Ω−cmであつた。 (ポリ(エチレングリコール)含有マスターバ
ツチの製造) ポリエステル(A)の製造においてエステル交換触
媒としてリチウム化合物及びカルシウム化合物の
代りに、酢酸マグネシウム四水塩0.18部を添加す
る他は、同様にしてエステル交換反応を終了せし
めた。 次いで、該エステル交換反応終了物に平均分子
量20000のポリ(エチレングリコール)11部及び
抗酸化剤0.2部を添加し、更にトリエチルホスフ
エート0.10部、三酸化アンチモン0.05部を加えた
後ポリエステル(A)の製造と同様にしてポリ(エチ
レングリコール)10重量%を含むマスターバツチ
(B)を得た。ポリエステルをベースとした該マスタ
ーバツチ中には析出粒子は認められず、その溶融
時の比抵抗は6.4×107Ω−cmであつた。 (ポリエステルフイルムの製造) ポリエステル(A)98部とポリエステル(B)2部とを
均一にブレンドした後、290℃で押圧機よりシー
ト状に押出し静電印加冷却法を用いて無定形シー
トを得た。この時の静電印加の条件は次の通りで
ある。即ちプラス電極として直径0.1mmのタング
ステン線を用い、これを回転冷却ドラムの上面に
シートの流れと直角方向に張り、これに直流電圧
約8.5KVを印加した。 回転冷却ドラムの速度を35m/分とし、得られ
た無定形シートを縦方向に3.5倍、横方向に3.6倍
延伸し、次いで210℃で3秒間熱処理を行ない厚
さ14μの二軸配向ポリエステルフイルムを得た。 得られたフイルムの特性及び磁気テープ化後に
特性を第1表に示す。 なお、製膜に供したポリエステル組成物を充分
混練した後の溶融時の比抵抗は1.0×108Ω−cmで
あつた。 実施例2、3及び比較例1〜3 第1表に示す条件を変える他実施例1と同様に
してフイルムを得、更に該フイルムを用いて磁気
テープを得、これらの特性を評価した。 本発明の要件を満たす実施例1〜3のフイルム
はいずれもフイルム表面が平担で電磁変換特性が
優れていると共に耐摩耗性及び耐突出変形性が極
めて良好である。また表面欠陥もなく磁気記録用
のベースフイルムとするに特に好適なものであ
る。 これに対し比較例1はポリ(アルキレングリコ
ール)を添加しない場合の例であるが、耐摩耗
性、耐突出変形性に劣るものであつた。 また比較例2はポリ(アルキレングリコール)
の配合量が本発明の上限を越えた場合の例である
が、ポリエステル組成物が熱安定性に劣り、いわ
ゆる縦スジやメヤニの発生が頻発するようになり
円滑な運転が困難となる。また表面欠陥が多発
し、磁気テープ化後の特性も悪化するようにな
る。 比較例3はベースフイルムのRaが高い場合の
例であるがポリ(エチレングリコール)を適当量
配合することにより耐摩耗性や耐突出変形性には
優れるものの電磁変換特性に劣り高性能を要求さ
れるベースフイルムとしては不適当なものであ
る。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図は耐摩耗性を評価する走行系を示し、
()は6mmφの硬質クロム固定ピン、()はテ
ンシヨンメーターを示しθは135゜である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ポリ(アルキレングリコール)を、0.01重量
    %以上2重量%未満含有し、且つフイルム表面の
    中心線平均粗さが0.009〜0.023μであることを特
    徴とする磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフ
    イルム。
JP23696685A 1985-10-23 1985-10-23 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム Granted JPS6296530A (ja)

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56149455A (en) * 1980-04-21 1981-11-19 Teijin Ltd Antistatic polyester film
JPS58177522A (ja) * 1982-04-12 1983-10-18 Diafoil Co Ltd 磁気記録媒体
JPS5935921A (ja) * 1982-08-23 1984-02-27 Diafoil Co Ltd ポリエステルフイルムの製造方法
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