JPH0565929B2 - - Google Patents

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JPH0565929B2
JPH0565929B2 JP59136229A JP13622984A JPH0565929B2 JP H0565929 B2 JPH0565929 B2 JP H0565929B2 JP 59136229 A JP59136229 A JP 59136229A JP 13622984 A JP13622984 A JP 13622984A JP H0565929 B2 JPH0565929 B2 JP H0565929B2
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JP
Japan
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film
polyester
magnetic recording
water
dicarboxylic acid
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Shigeri Higuchi
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Toyobo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明は磁気記録用フイルムに関し、片面が磁
性層の、フイルム基体に対する接着性が改善され
るための塗膜、もう一方の片面がS/Nを低下さ
せることなく摩擦係数を低下させ走行性を向上さ
せるために滑剤を分散せしめた塗膜が形成されて
なる磁気記録用フイルムを提供することにある。 <従来技術との関係> 一般に、オーデイオ用、ビデオ用あるいはコン
ピユータ用の磁気記録テープにおいてテープの磁
気記録感度を改善するために基体フイルムの表面
が平滑に仕上げられている。しかし、このような
平滑な磁気記録テープは巻き取り、巻き戻しの際
に整然と巻きとられず、乱巻き状態を起こしやす
い。このような磁気テープを使用すると張力変動
などにより走行性が悪くなり出力が変動し、テー
プの変形、損傷も起こしやすい。 一方磁気記録の高性能化に対応して、磁性粉末
の高充填化が図られている。ところが磁性粉の充
填密度を高くすると、磁性層の基体フイルムに対
する接着性が悪くなり、塗膜強度が低下する傾向
がある。 <発明の目的> 本発明は、このような事情に鑑み、走行性が良
くまた磁性層の、基体フイルムに対する接着性が
著しく良好な磁気記録用フイルムを提供する事を
目的とする。 <発明の構成> 本発明は、ポリエステルフイルムの少なくとも
片面に、(A)ジカルボン酸成分中0.5〜15モル%が
スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸である混合
ジカルボン酸の残基とグリコールの残基を主成分
とする水不溶性ポリエステル共重合体、(B)沸点60
〜200℃の水溶性有機化合物および(C)水を主成分
とし、かつ (A)/(B)=100/20〜5000、 (B)/(C)=100/50〜10000 の重量割合に配合されたポリエステル樹脂の水分
散液から膜が形成され、該塗膜上であつて該コー
トフイルムの片面に、スルホン酸金属塩基含有ポ
リエステル樹脂を少なくとも一成分として含む塗
料中に滑剤を分散せしめた塗膜が形成されてなる
磁気記録用フイルムであり、かかるフイルムが磁
性層との接着性にすぐれ且つ走行性にすぐれてい
ることを見出したのである。 この発明の水系分散液に含有されるポリエステ
ル共重合体(A)は、スルホン酸金属塩基含有ジカル
ボン酸0.5〜15モル%と、スルホン酸金属塩基を
含有しないジカルボン酸85〜99.5モル%との混合
ジカルボン酸をポリオール成分と反応させて得ら
れた実質的に水不溶性のポリエステル共重合体で
ある。実質的に水不溶性とは、ポリエステル共重
合体を80℃の熱水中で攪拌しても熱水中にポリエ
ステル共重合体が消散しないことを意味し、具体
的にはポリエステル共重合体を過剰の80℃熱水中
で24時間攪拌処理した後のポリエステル共重合体
の重量減少が5重量%以下のものである。 上記のスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸と
しては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフ
タル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタ
レン−2,7−ジカルボン酸、5〔4−スルホフ
エノキシ〕イソフタル酸等の金属塩があげられ、
特に好ましいのは5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、ナトリウムスルホテレフタル酸である。こ
れらのスルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸成分
は、全ジカルボン酸成分に対して0.5〜15モル%
であり、望ましくは、2.0〜10モル%である。15
モル%を越えると水に対する分散性は向上するが
ポリエステル共重合体の耐水性が著しく低下し、
また0.5モル%未満では水に対する分散性が著し
く低下する。ポリエステル共重合体の水に対する
分散性は、共重合組成分、水溶性有機化合物の種
類および配合比などによつて異なるが、上記スル
ホン酸金属塩基含有ジカルボン酸は水に対する分
散性を損わない限り、少量の方が好ましい。 スルホン酸金属塩基を含まないジカルボン酸と
しては、芳香族、脂環族、脂肪族のジカルボン酸
が使用できる。芳香族ジカルボン酸としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸等をあげること
ができる。これらの芳香族ジカルボン酸は全ジカ
ルボン酸成分の40モル%以上であることが好まし
く、40モル%未満ではポリエステル共重合体の機
械的強度や耐水性が低下する。脂肪族および脂環
族のジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、1,3−シクロペンタンジカル
ボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸などがあげられる。
これらの非芳香族ジカルボン酸成分を加えると、
場合によつては接着性能が高められるが、一般的
にはポリエステル共重合体の機械的強度や耐水性
を低下させる。 上記混合ジカルボン酸と反応させるポリオール
成分としては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコー
ルまたは炭素数6〜12個の脂環族グリコールであ
り、具体的には、エチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シ
クロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキ
サンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、P−キシリレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコールなどであ
る。またポリエーテルとして、ポリエチレングル
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールなどがあげられる。また、P
−オキシエトキシ安息香酸の様なオキシカルボン
酸成分を共重合させてもかまわない。 ポリエステル共重合体は、通常の溶融重縮合に
よつて得られる。すなわち上記のジカルボン酸成
分およびグリコール成分を直接反応させて水を留
去しエステル化したのち、重縮合を行なう直接エ
ステル化法、あるいは上記ジカルボン酸成分のジ
メチルエステルとグリコール成分を反応させてメ
チルアルコールを留出しエステル交換を行なわせ
たのち重縮合を行なうエステル交換法などによつ
て得られる。その他、溶液重縮合、界面重縮合な
ども使用され、この発明のポリエステル共重合体
は重縮合の方法によつて限定されるものではな
い。溶融重縮合の際には、酸化防止剤、滑り剤、
無機質微粒子、帯電防止剤などを必要に応じて適
宜加えることができる。 上記のポリエステル共重合体の水系分散液を得
るには、水溶性有機化合物とともに水に分散する
ことが必要である。例えば、上記ポリエステル共
重合体と水溶性有機化合物とを50〜200℃であら
かじめ混合し、この混合物に水を加え攪拌して分
散する方法、あるいは逆に、混合物を水に加え攪
拌して分散する方法、あるいはポリエステル共重
合体と水溶性有機化合物と水とを共存させて40〜
120℃で攪拌する方法がある。 上記水溶性有機化合物は、20℃で1の水に対
する溶解度が20g以上の有機化合物であり、具体
的に脂肪族および脂環族のアルコール、エーテ
ル、エステル、ケトン化合物であり、例えばメタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブ
タノール等の1価アルコール類、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール等のグリコール類、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−ブチ
ルセロソルブ等のグリコール誘導体、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エ
チル等のエステル類、メチルエチルケトン等のケ
トン類である。これら水溶性有機化合物は、単独
または2種以上を併用することができる。上記化
合物のうち、水への分散性、フイルムへの塗布性
からみて、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ
が好適である。 上記の(A)ポリエステル共重合体、(B)水溶性有機
化合物および(C)水の配合重量割合は (A)/(B)=100/20〜5000 (B)/(C)=100/50〜10000 を満足することが重要である。ポリエステル共重
合体に対して水溶性有機化合物が少なく(A)/(B)が
100/20を越える場合は、水系分散液の分散性が低
下する。この場合、界面活性剤を添加することに
よつて、分散性を補助することができるが、界面
活性剤の量が多過ぎると接着性、耐水性が低下す
る。逆に(A)/(B)が100/5000未満の場合、または
(B)/(C)が100/50を越える場合は、水系分散液中の
水溶性有機化合物が多くなり溶融押出された未延
伸フイルムあるいは一軸延伸フイルムに上記ポリ
エステル樹脂の水系分散液を塗布後延伸するいわ
ゆるインラインコート時の溶剤による爆発の危険
性が生じ、このために防爆対策を講ずる必要があ
り、さらに環境汚染、コスト高となるので化合物
回収を考慮する必要がある。(B)/(C)が100/10000
未満の場合は、水系分散液の表面張力が大きくな
り、フイルムへの濡れ性が低下し、塗布斑を生じ
易くなる。この場合、界面活性剤の添加によつて
濡れ性を改良することができるが、界面活性剤の
量が多過ぎると上記したと同様に接着性や耐水性
が低下する。 上記の水系分散液には、滑り剤、帯電防止剤、
耐ブロツキング剤、架橋剤等を添加してもよい。 ポリエステル共重合体(A)の水系分散液を塗布す
るポリエステルフイルムとしては溶融押出された
未延伸フイルム、あるいは一軸延伸フイルム又は
二軸延伸フイルムであり、未延伸フイルムあるい
は一軸延伸フイルムの場合は、ポリエステル樹脂
の水系分散液を塗布後延伸により二軸延伸フイル
ムとされる。 ポリエステルフイルムに塗布される水系分散液
の塗布量は、二軸延伸後のフイルムに対してポリ
エステル共重合体として0.01〜5g/m2が好まし
い。塗布量が0.01g/m2未満の場合は上記ポリエ
ステル共重合体層上に設ける磁気材層の接着性が
不十分である。塗布量が5g/m2を越えると、ポ
リエステルフイルムの機械的強度を低下し、また
回収再生されたフイルム中の共重合ポリエステル
樹脂が増加するので再生フイルムの機械的強度や
耐熱性が劣化する。 上記ポリエステル樹脂の水系分散液を塗布する
前に、ポリエステルフイルムにコロナ放電処理を
施せば、水系分散液の塗布性がよくなり、かつポ
リエステルフイルムとポリエステル共重合体塗膜
との間の接着強度が改善されるので好ましい態様
である。 またポリエステル共重合体層に、コロナ放電処
理、窒素雰囲気下でのコロナ放電処理、紫外線照
射処理などを施すことによつて磁性層や、滑剤を
分散せしめた塗膜との濡れ性や接着性を向上させ
ることができる。 上記ポリエステル共重合体層塗膜上であつて、
該コートフイルムの片面に形成される塗膜中に分
散せしめる滑剤としては二硫化タングステン、二
硫化モリブデン、窒化ホウ素、SiO2,CaCO3
Al2O3,Fe2O3,TiO2,MgO,ZnO,CaO,
SnO2,BaSO4などがある。上記の中でもSiO2
CaCO3,TiO2,BaSO4が好ましく、特に好まし
くはCaCO3,BaSO4である。これらの滑剤を用
いるときには特に大きさと硬さに注意が払わねば
ならない。大きさとして平均粒径として0.02〜
0.5μが好ましく、特に好ましくは、0.02〜0.5μで
ある。硬さはモース硬度2.5以上が好ましい。こ
れらの滑剤の使用量は結合剤に対して重量比で
0.1〜4.0好ましくは0.1〜2.5、特に好ましくは0.5
〜1.5である。 これらと同時に用いる結合剤としては、たとえ
ば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂或い
はこれらの混合物が使用されるが、本発明におい
て使用される共重合ポリエステル樹脂(D)のジカル
ボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸、P−オキシ安息香酸、P−
(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族オ
キシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸など
の脂肪族ジカルボン酸などがあるが、芳香族ジカ
ルボン酸成分と脂肪族ジカルボン酸成分とのモル
比が50/50〜100/0、しかも芳香族ジカルボン
酸成分の少なくとも30モル%がテレフタル酸であ
ることが望ましい。トリメリツト酸、トリメシン
酸、ピロメリツト酸などのトリおよびテトラカル
ボン酸成分を少量併用してもよい。 上記ジカルボン酸と反応させるグリコール成分
としては、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフエノールAのエチレンオキシド付加物
およびプロピレンオキシド付加物、水素化ビスフ
エノールAのエチレンオキシド付加物およびプロ
ピレンオキシド付加物、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコールなどがある。トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペン
タエリスリトールなどのトリおよびテトラオール
を少量併用してもよい。また、P−オキシエトキ
シ安息香酸の様なオキシカルボン酸成分を共重合
させてもかまわない。 共重合ポリエステル樹脂(D)を特徴づけるスルホ
ン酸金属塩基を含有するジカルボン酸成分として
は、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−カ
リウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスル
ホテレフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル
酸などがあり、これらのスルホン酸金属塩基を含
有するジカルボン酸成分の共重合量は全ジカルボ
ン酸成分に対して0.3〜7.0モル%、望ましくは1.0
〜5.0モル%である。0.3未満の共重合量では性能
向上が充分なものとはならず、また、7.0モル%
を越えた共重合量では共重合ポリエステルの溶剤
溶解性が不良となり実用性に欠けたものとなる。 これらの共重合ポリエステル樹脂は、特に滑剤
の分散性向上及びポリエステルフイルムに対する
密着性向上効果がある。共重合ポリエステル樹脂
の使用量は、全結合剤の2重量%以上であるが、
好ましくは10重量%以上である。 また他に添加する結合剤としては塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重
合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル共
重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン
共重合体、アクリル酸エステル−スチレン共重合
体、メタアクリル酸エステル−アクリロニトリル
共重合体、メタアクリル酸エステル−塩化ビニリ
デン共重合体、メタアクリル酸エステル−スチレ
ン共重合体、ウレタンエラストマー、ポリ弗化ビ
ニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合
体、ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリ
ビニルブチラール、繊維素系樹脂(セルロースア
セテートブチレート、ニトロセルロース、セルロ
ースダイアセテート、セルロースプロピオネート
など)、スチレン−ブタジエン共重合体、クロロ
ビニルエーテル−アクリル酸エステル共重合体、
アミノ樹脂、フエノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン、硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、アルキツド樹脂、アクリル系反応樹脂、ポリ
イソシアネート、ポリアミンなどがある。 共重合ポリエステル樹脂(D)の軟化点が低い場合
には、用途によつてはヘツドとの間のまさつ熱で
軟化したり、テープを巻いた状態でブロツキング
したりする危険性がある。このような場合には、
滑剤粒子の分散性をそこなわない範囲内で共重合
ポリエステル樹脂に相溶性があり、しかも反応し
て架橋する化合物を混合することが望ましい。混
合量は、一般に共重合ポリエステル樹脂100重量
部に対して2〜100重量部である。 このような化合物としては、エポキシ樹脂、イ
ソシアネート化合物、メラミン樹脂などがある。
これらの中ではイソシアネート化合物が特に好ま
しい。 このようにして得られる共重合ポリエステル樹
脂(A),(D)の末端基を利用して二官能性イソシアナ
ート化合物、例えば2,4トリレンジイソシアナ
ート、2,6トリレンジイソシアナート、ジフエ
ニルメタンジイソシアナート、キシレンジイソシ
アナート、イソホロンジイソシアナートで鎖延長
反応させた重合体を用いる事ができる。この方法
は2種類の共重合ポリエステル樹脂を結合して、
特徴を生かす事が出来る。すなわち、ウレタン基
導入によりポリエステルフイルムへの接着性向上
や、共重合ポリエステル樹脂の溶剤溶解性を高
め、また塗膜の耐水性を高める事が出来るので好
ましい態様である。 なお、磁気記録媒体のベースフイルムとして
種々のフイルムが提案されているが、力学的性
質、耐薬品性、耐熱性などの点からポリエステル
フイルムがすぐれており、なかでもポリエチレン
テレフタレートフイルムが諸性質の点ですぐれて
いる。 このポリエステルフイルムの下塗り剤塗布面及
び反塗布面の表面粗さは磁気記録媒体をつくる上
でノイズ低減及び信号欠落防止のため非常に重要
であり、中心線平均粗さ(RA)(サーフコム
300A型表面粗さ計(東京精密製)を用い、針径
1μm、加重0.07g、測定基準長0.8mm、カツトオフ
0.08mmの条件で測定)が0.05μm以下が望ましく、
0.05μmを越えるとノイズ及び信号の欠落が発生
し使用上問題となる。 また、滑剤を分散せしめた塗膜表面粗さは、磁
気テープにした場合、塗膜表面の凹凸が磁性層に
転写されるためノイズ低減及び信号欠落防止のた
め非常に重要であり、中心線平均粗さ(RA)(サ
ーフコム300A型表面粗さ計(東京精密製)を用
い、針径1μm、加重0.07g、測定基準長0.8mm、カ
ツトオフ0.08mmの条件で測定)が0.03μm以下が望
ましく、0.03μmを越えるとノイズ及び信号の欠
落が発生し使用上問題となる。 本発明の磁気記録用フイルムは滑剤を分散せし
めた塗膜に帯電防止のためにカーボンブラツク粉
末、グラフアイトの如き添加剤を含有させること
ができる。 <発明の効果> このように本発明によつて得られたフイルムは
磁気記録用として用いた場合、磁性層に対する接
着性が優れ、かつ走行時の摩擦係数が低く、走行
耐久性に優れているという効果がある。 <実施例> 以下本発明を実施例によつて具体的に説明す
る。 実施例中単に部とあるのは重量部を示す。接着
性テスト(ピールバツク法)は磁性層の表面に粘
着テープを貼り付け全面に均一に接着させたのち
瞬間的に引き剥がしたときの状態を観察した。磁
性層が残つている部分が全面積の95%以上を◎、
50〜95%を○、10〜50%を△、10%以下を×で示
した。走行耐久テストはVHSビデオデツキで100
回くりかえし走行させたテープと、走行させない
バージンテープの、滑剤を分散させた塗膜側の動
摩擦係数(走行速度3.3m/sec時)を測定した。 還元粘度ηsp/C(dl/g)はポリエステル樹
脂0.10gをフエノール/テトラクロルエタン(重
量比6/4)混合溶媒25ml溶解し30℃で測定し
た。 軟化点はJIS2351に従つて測定した。 実施例中では磁気テープは次のようにして下塗
り層の上に形成した。 磁性塗料 Co−Fe(3:7)合金微粒子(平均直径
0.02μm) 300部 アクリロニトリル/アクリル酸ブチル/メタク
リル酸2ヒドロキシル(=90/190/20) 30部 やし油50%変性アルキツド樹脂 35部 シリコーン油 2部 酢酸ブチル 700部 上記塗料をボールミルに入れて12時間混練り後
ポリイソシアネート化合物としてコロネートL
(日本ポリウレタン社製)22部を加え、1時間高
速剪断分散して磁性塗料とした。この塗料を3ミ
クロンの平均孔径を有するフイルターで濾過し下
塗り層を形成した厚さ25ミクロンのポリエチレン
テレフタレートフイルム上に乾燥後の厚みが3μm
になるように塗布し加熱乾燥した。 このようにして得られた磁気テープをカレンダ
ー処理し、1/2インチ幅にスリツトし、ビデオテ
ープを得た。 実施例 1 (1) ポリエステル共重合体(A)の水系分散液の製造 ジメチルテレフタレート117部(49モル%)、ジ
メチルイソフタレート117部(49モル%)、エチレ
ングリコール103部(50モル%)、ジエチレングリ
コール58部(50モル%)、酢酸亜鉛0.08部、三酸
化アンチモン0.08部を反応容器中で40〜220℃に
昇温させて3時間エステル交換反応させ、次いで
5−ナトリウムスルホイソフタル酸9部(2モル
%)を添加して220〜260℃、1時間エステル化反
応させ、更に減圧下(10〜0.2mmHg)で2時間重
縮合反応を行ない、平均分子量18000、軟化点140
℃のポリエステル共重合体を得た。このポリエス
テル共重合体300部とn−ブチルセロソルブ140部
とを容器中で150〜170℃、約3時間攪拌して、均
一にして粘稠な溶融液を得、この溶融液に水560
部を徐々に添加し約1時間後に均一な淡白色の固
形分濃度30%の水分散液を得、これに更に水4500
部、エチルアルコール4500部を加えて希釈し固形
分濃度3%の塗布液を得た。 (2) コートフイルムの製造 ポリエチレンテレフタレートを280〜300℃で溶
融押出し、15℃の冷却ロールで冷却して厚さ130
ミクロンの未延伸フイルムを得、、この未延伸フ
イルムを周速の異なる85℃の一対のロール間で縦
方向に3.5倍延伸し、この一軸延伸フイルムにコ
ロナ放電処理を施し、コロナ放電処理面へ前記の
塗布液をエアナイフ方式で塗布し、70℃の熱風で
乾燥し、次いでテンターで98℃で横方向に3.5倍
延伸し、さらに200〜210℃で熱固定し厚さ12ミク
ロンの二軸延伸コーテイングポリエステルフイル
ムを得た。(下塗工程:インライン) (3) 滑剤分散含有塗膜形成用共重合ポリエステル
樹脂(D)の製造 温度計、攪拌機および部分環流式冷却器を具備
した反応容器にジメチルテレフタレート175部、
ジメチルイソフタレート78部、エチレングルコー
ル161部、ネオペンチルグリコール145部、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸ジメチル14.8部、酢
酸亜鉛0.17部、酢酸ナトリウム0.02部および三酸
化アンチモン0.16部を加え140〜220℃で3時間エ
ステル交換反応を行つた。次いで、セバシン酸
131部を加え210〜250℃で1時間反応させたのち
反応系を60分間かけて1〜5mmHgまで減圧し、
さらに250℃で0.1〜0.3mmHgの減圧下で60分間重
縮合反応を行つた。得られた共重合ポリエステル
樹脂(D)はηsp/C=0.63、軟化点113℃を有し淡黄
色透明であつた。NMR(核磁気共鳴)分析等か
らその組成は次の通りであつた: テレフタル酸 45モル% イソフタル酸 20 セバシン酸 32.5 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 2.5 エチレングリコール 50 ネオペンチルグリコール 50 (4) 滑剤分散含有塗膜の形成法 共重合ポリエステル樹脂(D) 50部 塩ビ−酢ビ共重合体(電気化学工業(株)製) 5部 ニトロセルロース 10部 ポリイソシアネート(コロネートL:日本ポリ
ウレタン社製) 15部 CaCO3(平均粒径0.05μm) 70部 を混練分散したものを前記(2)で得られた厚さ12ミ
クロンの二軸延伸コーテイングポリエステルフイ
ルム上に塗布し、乾燥後の塗膜の厚さが1ミクロ
ンになるようにした。 実施例 2 実施例1において下塗り剤の組成において
DEGの1部をPEGに変え滑剤分散塗膜組成にお
ける結合剤組成を変えた以外実施例1と同様にし
て磁気記録用フイルムを得た。 実施例 3〜4 実施例3は実施例2において滑剤分散塗膜組成
における結合剤組成を変える以外及び実施例4は
滑剤の種類をSiO2に代える以外は実施例2と同
様にして磁気記録用フイルムを得た。 比較例 1 実施例1において下塗り工程無し以外は実施例
1と同様にして磁気記録用フイルムを得た。 比較例 2 実施例1において滑剤分散塗膜を形成しなかつ
た以外は実施例1と同様にして磁気記録用フイル
ムを得た。 比較例 3 実施例1において下塗剤の5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸を20モル%にした以外は実施例1
と同様にして磁気記録用フイルムを得た。 比較例 4 実施例2において滑剤分散塗膜へ共重合ポリエ
ステル樹脂を添加しなかつた以外は実施例2と同
様にして磁気記録用フイルムを得た。 比較例 5 下塗り及び滑剤分散塗膜の両方とも形成させな
い未処理ポリエステルフイルムの特性を示した。 第1表より本発明は比較例に比べて、磁性層
の、基体フイルムに対する接着性は良好であり、
走行性も極めて良好であることがわかる。
【表】 比較例 6 実施例2において滑剤分散塗膜組成の樹脂分
(ポリエステル樹脂、塩ビ、酢ビ共重体)に代え
てメチルメタアクリレート/エチルアクリレー
ト/ヒドロキシアクリレート共重合体(モル比
65/30/5)を用いる以外実施例2と同様に行な
つた。 比較例 7 実施例2において、滑剤分散塗膜組成の樹脂分
に代えて、テレフタル酸/イソフタル酸/アジピ
ン酸/エチレングリコール/ジエチレングリコー
ル共重合体(モル比40/40/20/30/70)をジフ
エニルメタンジイソシアナートと反応させたポリ
ウレタン樹脂を用いる以外実施例2と同様になつ
た。 比較例 8 実施例2において、フエノキシ樹脂(PKHH,
商品名)を用いる以外実施例2と同様に行なつ
た。 比較例 9 実施例2において、ナイロン樹脂(トレジン,
商品名)を用いる以外、実施例2と同様に行なつ
た。 比較例6〜9の特性の結果を第2表に示す。
【表】 以上より、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、
フエノキシ樹脂、ナイロン樹脂を滑剤分散塗膜用
の樹脂として用いても良好な効果が得られないこ
とがわかる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリエステルフイルムの少なくとも片面に(A)
    全ジカルボン酸成分中0.5〜15モル%がスルホン
    酸金属塩基含有ジカルボン酸である混合ジカルボ
    ン酸の残基とグリコールの残基を主成分とする水
    不溶性ポリエステル共重合体、(B)沸点60〜200℃
    の水溶性有機化合物および(C)水を主成分とし、か
    つ (A)/(B)=100/20〜5000、 (B)/(C)=100/50〜10000 の重量割合に配合されたポリエステル樹脂の水分
    散液から塗膜が形成され、該塗膜上であつて該コ
    ートフイルムまの片面に、スルホン酸金属塩基含
    有ポリエステル樹脂と少なくとも一成分として含
    む塗料中に滑剤を分散せしめた塗膜が形成されて
    なる磁気記録用フイルム。 2 滑剤を分散せしめた塗膜に用いられる塗料の
    スルホン酸金属塩基含有ポリエステル樹脂が、(D)
    還元粘度が0.1以上であり、全ジカルボン酸成分
    中0.3〜7.0モル%がスルホン酸金属塩基含有ジカ
    ルボン酸である混合ジカルボン酸の残基とグリコ
    ールの残基を主成分とするポリエステル樹脂であ
    る特許請求の範囲第1項記載の磁気記録用フイル
    ム。 3 ポリエステルフイルムがポリエチレンテレフ
    タレートからなるフイルムである特許請求の範囲
    第1項ないし第2項記載の磁気記録用フイルム。 4 ポリエステルフイルムの表面の中心線平均粗
    さ(RA)が0.05μm以下である特許請求の範囲第
    1項ないし第3項記載の磁気記録用フイルム。 5 滑剤を分散せしめた塗膜表面の中心線平均粗
    さ(RA)が0.03μm以下である特許請求の範囲第
    1項ないし第4項記載の磁気記録用フイルム。 6 水不溶性ポリエステル共重合体(A)が、ジイソ
    シアネート化合物で鎖延長された重合体である特
    許請求の範囲第1項ないし第5項記載の磁気記録
    用フイルム。 7 ポリエステル樹脂(D)が、ジイソシアネート化
    合物で鎖延長された重合体である特許請求の範囲
    第1項ないし第6項記載の磁気記録用フイルム。
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JPS5687233A (en) * 1979-12-14 1981-07-15 Hitachi Maxell Ltd Magnetic recording medium
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