JPH0564545A - 水分含有チヨコレート類およびその製造方法 - Google Patents

水分含有チヨコレート類およびその製造方法

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JPH0564545A JP3222949A JP22294991A JPH0564545A JP H0564545 A JPH0564545 A JP H0564545A JP 3222949 A JP3222949 A JP 3222949A JP 22294991 A JP22294991 A JP 22294991A JP H0564545 A JPH0564545 A JP H0564545A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業中の粘度がきわめて低いため作業性が良
好で、口溶けなどの食感がきわめて良好でザラツキなど
の問題もない水分含有チョコレートを提供する。 【構成】 一種または二種以上のジグリセリド2〜60重
量%を含有する水分含有チョコレート類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水分を含有するチョコ
レート類およびその製造方法に関する。更に詳しくは、
一種または二種以上のジグリセリドを用いることによっ
て、水分あるいは生クリーム、牛乳、バター、チーズ、
洋酒、果汁などの水分含有成分をチョコレート生地中に
練り込ませてなることを特徴とする、作業性がよく、ザ
ラツキがなく口溶けなどの食感が良好で、かつ水性感お
よび水分含有成分の生風味に優れた水分含有チョコレー
ト類およびその製造方法に関する。
【0002】本明細書中において、水分含有チョコレー
ト類とは、水分を 0.5重量%以上含有し、油脂および砂
糖などの粉体成分から構成され、油脂としてカカオバタ
ーやカカオバター代用脂あるいはその他の固体油脂を用
いたものであって、常温では固体で、喫食時に口中で溶
融する固形食品を示す。また、本明細書中において、水
分含有成分とは、生クリーム、牛乳、バター、チーズ、
洋酒、果汁などの全ての水分を含有する食品および飲料
を示す。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
チョコレートはその製造に際し、原料あるいは製造工程
中に水分が混入すると、チョコレート生地の粘度が急激
に上昇し作業性が悪化したり、チョコレート製品の口溶
けなどの食感が悪くなりざらざらした舌ざわりになって
しまうため、チョコレート中の水分は 0.5〜1重量%以
下であることが必要とされた。したがって、従来のチョ
コレートは、呈味や香りなどの風味を付与するために粉
乳、バターオイル、粉末果汁などの無水分の原料が使用
されるのみであり、水分あるいは生クリームや果汁など
の水分含有成分を原料とすることができず、新鮮で新た
な風味をもつ多種多様なチョコレートを開発することが
困難であった。
【0004】一方、新鮮で新たな風味をもつチョコレー
トをつくるために、様々な方法で水分あるいは水分含有
成分を含有するチョコレートの開発が試みられてきた。
例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリ
ン縮合リシノール酸エステル、モノグリセリド(通称名
−グリセリン脂肪酸エステル)、グリセリン酢酸脂肪酸
エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステルなどの一般的な食品用乳化剤を用いて水分含有成
分をW/Oに転相し、チョコレートベースに練り込む方
法(特公平1−59859 号公報、特開平3−10640 号公
報) や、水分含有成分をW/O/W型乳化物としてチョ
コレート生地に練り込む方法 (特開昭61−152240号公
報) がある。これらの方法は確かに、単に水分含有成分
を直接チョコレート生地に加えるよりも粘度上昇の抑
制、口溶け感の改善、ザラツキ感の改善がなされた水分
含有チョコレート類が製造できる。しかし、前述のいか
なる方法においても粘度上昇の抑制およびザラツキ感の
改善は不十分である。また通常のチョコレートの乳化剤
であるレシチンに加えて、さらに乳化力の強い他の親油
性乳化剤などを用いているために、口中における通常の
チョコレートの融解挙動であるW/O型からO/W型へ
の乳化転相が起こりにくく、通常の無水のチョコレート
よりも口溶けがどうしても劣ってしまう。また、これら
に使用される乳化剤は特有の異味をもっており、少量使
用されるだけでもその味が付着してしまう。
【0005】そのほかの水分含有チョコレートを作る方
法としては、各種の糖類を使用したり、水分含有成分を
濃縮してチョコレートに練り込んだり、チョコレート成
分を酵素処理したり、製造工程中のチョコレート中の水
分を蒸散させたりと、種々の試みがなされている。しか
し、これらの試みも一長一短を有し、完全に満足しうる
ような新たな風味を有する水分含有チョコレート類を得
るには至っていない。また、これらの方法は様々な問題
を持つために概してチョコレート中に含有する水分含量
が低く、10重量%を超えるものはない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み、更に鋭意研究した結果、一種または二種
以上のジグリセリドを用いて、水あるいは生クリーム、
牛乳、バター、チーズ、洋酒、果汁などの水分含有成分
をチョコレート生地中に練り込んだ水分含有チョコレー
ト類は、作業中の粘度がきわめて低いため作業性が良好
で、口溶けなどの食感がきわめて良好でザラツキなどの
問題もなく、かつ水性感および生風味に優れることを見
いだし、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、一
種または二種以上のジグリセリド2〜60重量%を含有す
ることを特徴とする水分含有チョコレート類およびその
製造方法を提供するものである。
【0007】本発明において、チョコレート類中の水分
含量は 0.5〜20重量%が好ましく、0.5 重量%未満であ
ると、水分含有チョコレート類としての特徴が出せず、
20重量%を越えるともはや通常の固形チョコレートとし
ての保存性が失われ、ガナッシュチョコレート等と同じ
生菓子に近くなってしまう。また、チョコレート類中の
ジグリセリドの含量が2重量%未満であると本発明の効
果が十分に得られず、60重量%を越えると油脂含量が多
すぎてもはやチョコレート類としての構造を有し得な
い。従来、乳化剤として使用されているグリセリン脂肪
酸エステルは一般に食品用乳化剤であるモノグリセリド
を示し、モノグリセリドとして60〜95重量%、それ以外
の成分のほとんどがジグリセリドで構成されている。こ
れらの既存の乳化剤(モノグリセリドを含む)を用いる
水分含有チョコレート類は、それらの乳化剤の使用量が
チョコレート類中2重量%を超えるものはなく、従って
ジグリセリド含量も2重量%を超えることはない。本発
明の水分含有チョコレート類は、チョコレート類中の2
重量%以上のジグリセリド成分を必須成分とするもので
あり、前述の既発明と根本的に異なる。また、一般に大
豆油やパーム油などの天然油脂原料中にもジグリセリド
成分は含まれており、その含量は0.8 〜5.8 重量%程度
である(油脂, 37, No.11(1985))。カカオバター中には
2.2 重量%のジグリセリド成分が存在するが、通常チョ
コレート中の油脂分量は30〜60重量%であるためにチョ
コレート中の天然油脂原料由来のジグリセリド含量が2
重量%を超えることはない。
【0008】本発明に用いられるジグリセリドは常温で
は固体あるいは液体で、融点が40℃以下であることが好
ましい。本発明に用いられるジグリセリド成分は、従来
のモノグリセリド等の食品用乳化剤として水分含有チョ
コレート類に少量添加して用いるのではなく、油脂自体
が乳化能をもつ親水性油脂としてチョコレート中に存在
することに特徴がある。通常、チョコレート類中の油脂
分としては、カカオバター、カカオバター代用脂等のハ
ードバターが主成分であるが、本発明の水分含有チョコ
レート類は、その他の固体油脂として他のカカオバター
等のトリグリセリド成分とジグリセリド成分の両方を油
脂として含有しても、ジグリセリド成分のみを油脂とし
て含有してもよい。これらの固体油脂は、20〜25℃の常
温領域で固体状である油脂である。
【0009】本発明の水分含有チョコレート類は、一種
または二種以上のジグリセリドを2〜60重量%、好まし
くは2〜20重量%用いることを特徴とするものであり、
かつ、水分含量が 0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重
量%となるように、水分あるいは生クリーム、牛乳、バ
ター、チーズ、洋酒、果汁などの水分含有成分がチョコ
レート生地中に練り込まれていることを特徴とするもの
であるが、更に、水分あるいは水分含有成分がW/Oエ
マルジョンとしてチョコレート生地中に練り込まれてい
ることが好ましい。
【0010】チョコレート生地の成分としては、通常用
いるカカオバターあるいはカカオバター代用脂などのハ
ードバター、砂糖、粉乳、カカオマス、ココアパウダー
などのほかに、乳脂、バターオイルなどの油脂分、果実
粉末、チーズ粉末、ヨーグルト粉末、生クリーム粉末、
コーヒー粉末などの各種粉末食品、ソルビトール、乳糖
などの糖類のほか、様々な乾燥状の食品を1種または2
種以上適宜混合して用いる。また、通常のチョコレート
用乳化剤としてのレシチンのほか、本発明の効果を損な
わない程度にポリグリセリン脂肪酸エステルやポリグリ
セリン縮合リシノール酸エステルなどの乳化剤を少量組
み合わせて用いてもよい。チョコレート生地の製造法と
しては、原料を配合しロールがけによる微粒化を行い、
精錬(コンチング)工程を行う通常の製造法を用いる。
【0011】本発明において、水分あるいは水分含有成
分をチョコレート生地中に練り込む方法としては第1の
方法として、水あるいは水分含有成分と、一種または二
種以上のジグリセリドを含有する油脂とを混合し乳化さ
せてW/Oエマルジョンとしたのち、このW/Oエマル
ジョンを40℃以下の温度でチョコレート生地中に練り込
み、成型固化させる方法がある。第2の方法としては、
一種または二種以上のジグリセリドを含有するチョコレ
ート生地と、水分または水分含有成分とを40℃以下の温
度で混合して均一化し、乳化させてW/Oエマルジョン
として分散させたのち、成型固化させる方法がある。上
記第1の方法および第2の方法のどちらの方法を用いて
も本発明の水分含有チョコレート類を製造することがで
きるが、練り込むときの温度が40℃以下でないと水ある
いは水分含有成分がW/Oエマルジョンとしてチョコレ
ート生地中に分散されず、本発明の効果が充分に得られ
ない。
【0012】第1の方法において用いる一種または二種
以上のジグリセリドを含有する油脂は、最終のチョコレ
ート成分中、ジグリセリド含量が2〜60重量%の範囲で
あれば他の油脂成分との混合物として用いても差し支え
ない。水分あるいは水分含有成分をチョコレート生地に
練り込む工程はコンチング工程終了後とし、テンパリン
グ工程前あるいはテンパリング工程と成型工程との間の
どちらでもよい。水あるいは水分含有成分がW/Oエマ
ルジョンとして練り込まれたチョコレートは、テンパリ
ングを行った後、あるいはテンパリング後に練り込みを
行った場合には練り込み後、成型固化を行うことができ
る。また、本発明の水分含有チョコレート類に使用する
チョコレート生地はテンパリングタイプでもノーテンパ
リングタイプでもよい。
【0013】本発明に用いるジグリセリドは、天然油脂
をはじめ、酵素による選択的エステル交換反応油脂、ア
ルカリ触媒作用による無差別的エステル交換反応油脂、
あるいはエステル化反応生成物からの分画もしくは他の
分離精製技術、他の化学的合成技術により得られる。特
に酵素による選択的反応、およびアルカリ触媒作用によ
る無差別的反応を用いると容易に調製することができ
る。すなわち、酵素による選択的反応では、遊離の脂肪
酸とグリセリンとを、、グリセリドの 1,3−位に位置特
異性を有するリパーゼ、例えば、アスペルギルス系、ム
コール系あるいはリゾプス系リパーゼ等の存在下で 1,3
−位選択的エステル化反応を行うことによって得られ
る。アルカリ触媒による無差別的反応では、天然油脂
(トリグリセリド成分)とグリセリンとをアルカリ触媒
下でエステル交換反応を行うことによって、また酸触媒
による無差別的反応では、遊離の脂肪酸とグリセリンと
を酸触媒下でエステル化反応を行うことによって本発明
に用いられるジグリセリドが得られる。酵素による選択
的反応では、特開昭55−71797 号公報、特開昭64−7149
5号公報に開示されている方法に準ずればよい。
【0014】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して本発明の効
果をより一層明確にするが、本発明は以下の例示のみに
限定されるものではない。なお、例中の%および部は全
て重量基準である。
【0015】ジグリセリド試料の調製例 (1) ナタネ油分解脂肪酸(組成はパルミチン酸:4%、
ステアリン酸:2%、オレイン酸:60%、リノール酸:
21%、リノレン酸:12%) 500 部と精製グリセリン80部
にムコール・ミーハイのリパーゼ製剤 100部を混合し、
40℃で8時間減圧下で撹拌し、エステル化反応を行っ
た。生成物を脱酸処理後、エステル化反応物430 部を得
た。この反応物 400部に対してシリカゲル2000部のカラ
ムクロマト処理を行い、25℃で液状のジグリセリド(ジ
グリセリド含量99.9%)315部を得た(以下、ジグリセ
リド試料−1と略記する)。
【0016】(2) ナタネ硬化油(ヨウ素価80.1、融点2
3.8℃)300 部と精製グリセリン50部にナトリウムメチ
ラート0.5 部を添加して、エステル交換反応を行った。
反応物を水洗処理後、カラムクロマト処理を行い、ジグ
リセリド 120部を得た。このジグリセリド100 部をアセ
トン400 部に溶解し晶析分画後、融点30.3℃のジグリセ
リド低融点画分(ジグリセリド含量99.9%)75部を得た
(以下、ジグリセリド試料−2と略記する)。
【0017】(3) パームオレイン油脂分解脂肪酸(組成
はパルミチン酸:37%、ステアリン酸:4%、オレイン
酸:45%、リノール酸:13%) 300 部と精製グリセリン
50部に塩化亜鉛 0.1部を添加して、減圧下でエステル化
反応を行った。反応物を水洗および脱酸処理後、カラム
クロマト処理を行い、ジグリセリド 130部を得た。この
ジグリセリド100 部をアセトン400 部に溶解し晶析分画
後、融点33.5℃のジグリセリド低融点画分(ジグリセリ
ド含量99.9%)60部を得た(以下、ジグリセリド試料−
3と略記する)。上記で得られたジグリセリド試料−1
〜3の組成を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】チョコレート類の製造例 実施例1 下記に示す配合のチョコレート生地85部を常法どおりロ
ーラーがけおよびコンチング工程を行い、作製した。 次に下記に示す配合の生クリーム、ジグリセリド試料お
よびカカオバターを混合し、乳化機で乳化させてW/O
エマルジョンとした。 上記チョコレート生地85部をテンパリングしたのち、上
記W/Oエマルジョン15部を30℃にて練り込み、成型固
化させた。得られたチョコレートは水分 2.8%、ジグリ
セリド含量 4.0%のチョコレートであり、新鮮な生クリ
ームの風味を有し、ザラツキのないなめらかで口溶けの
よい良好な風味を有するチョコレートであった。
【0020】実施例2 実施例1と同様に下記配合にて作製したチョコレート生
地にW/Oエマルジョンを練り込み、成型固化させてチ
ョコレートを作製した。 得られたチョコレートは水分 2.8%、ジグリセリド含量
15.0%のチョコレートであり、成形固化する前はきわめ
て粘度が低く作業性がよく、また、きわめて口溶けの良
好なチョコレートであった。
【0021】実施例3 実施例1と同様に下記配合にて作製したチョコレート生
地にW/Oエマルジョンを練り込んだ。これを通常のミ
ルクチョコレートで作製したカップに流し込み成型固化
させたのち、再びミルクチョコレートで蓋をして、内層
クリームが本発明による含水チョコレートとなるシェル
チョコレートを作製した。 得られたチョコレートは水分 7.8%、ジグリセリド含量
19.7%のチョコレートであり、内層クリームがソフトで
新鮮な生クリームの風味を有し、ザラツキのないなめら
かで口溶けのよい良好な風味を有するシェル型チョコレ
ートであった。
【0022】実施例4 下記に示すジグリセリド試料を含有するチョコレート生
地80部を常法どおりローラーがけおよびコンチング工程
を行い、作製した。 このチョコレート生地80部に生クリーム18部と洋酒2部
を30℃にて混合し均一化して練り込み、W/Oエマルジ
ョンとして分散させた。 これを通常のミルクチョコレートで作製したカップに流
し込み成型固化させたのち、再びミルクチョコレートで
蓋をして、内層クリームが本発明による含水チョコレー
トとなるシェルチョコレートを作製した。得られたチョ
コレートは水分10.2%、ジグリセリド含量29.7%のチョ
コレートであり、内層クリームがソフトで新鮮な生クリ
ームの風味を有し、ザラツキのないなめらかで口溶けの
よい良好な風味を有するシェル型チョコレートであっ
た。
【0023】実施例5 下記に示す配合でいちご風味のホワイトチョコレート生
地を作製した。 次に下記に示す配合のいちご果汁、ヨーグルト、生クリ
ーム、ジグリセリド試料を混合し、乳化機で乳化させて
W/Oエマルジョンとした。 上記チョコレート生地65部に、上記W/Oエマルジョン
35部を30℃にて練り込み、実施例3と同じようにチョコ
レートカップに流し込み、シェル型チョコレートを作製
した。得られたいちご風味のホワイトチョコレートは水
分17.2%、ジグリセリド含量25.7%のチョコレートであ
り、いちご風味の中に新鮮なヨーグルトと生クリームの
風味を有し、ザラツキのないなめらかで口溶けのよい良
好な風味を有するチョコレートであった。
【0024】実施例6 下記に示す配合でホワイトチョコレート生地を作製し
た。 次に下記に示す配合のクリームチーズおよびジグリセリ
ド試料を配合し、乳化機で乳化させてW/Oエマルジョ
ンとした。 上記チョコレート生地75部をテンパリングしたのち、上
記W/Oエマルジョン25部を30℃にて練り込み、実施例
3と同じようにチョコレートカップに流し込み、シェル
型チョコレートを作製した。得られたクリームチーズ風
味のホワイトチョコレートは水分 8.0%、ジグリセリド
含量10.0%のチョコレートであり、新鮮なチーズの風味
を有し、ザラツキのないなめらかで口溶けのよい良好な
風味を有するチョコレートであった。
【0025】比較例1 下記に示すチョコレート生地およびW/Oエマルジョン
の配合によって実施例1と同じ手順でチョコレートを作
製した。 生クリーム 5部 カカオバター 9.7部 ポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB3) 0.3部 ────────────────────────── W/Oエマルジョン 15部 比較例2 下記に示すチョコレート生地およびW/Oエマルジョン
の配合によって実施例2と同じ手順でチョコレートを作
製した。 生クリーム 5部 ナタネ硬化油 14.7部 ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(HLB3) 0.3部 ────────────────────────────── W/Oエマルジョン 20部 実施例1と比較例1、実施例2と比較例2の成型固化直
前の粘度および官能評価の結果を表2に示す。この結果
から、従来の乳化剤を用いた含水チョコレートよりも本
発明の含水チョコレートは、作業性、風味、食感の全て
において優れていることがわかった。
【0026】
【表2】
【0027】注) * ×:従来の水分を含有しないチョコレートよりも悪
い −:従来の水分を含有しないチョコレートと変わらない △:従来の水分を含有しないチョコレートよりもややよ
い ○:従来の水分を含有しないチョコレートよりもよい ◎:従来の水分を含有しないチョコレートよりも著しく
よい
【0028】
【発明の効果】一種または二種以上のジグリセリドを用
いることによって、水分あるいは生クリーム、牛乳、バ
ター、チーズ、洋酒、果汁などの水分含有成分をチョコ
レート生地中に練り込ませてなることを特徴とする本発
明の水分含有チョコレート類は、水あるいは水分含有成
分を使用しない従来のチョコレート、またはポリグリセ
リン脂肪酸エステルなどの既存の乳化剤を使用した水分
含有チョコレート類よりも、粘度がきわめて低いため作
業性が良好で、新鮮な風味およびザラツキのないなめら
かで口溶けのよい良好な風味を有する。また、本発明の
方法によれば、従来よりも更に多くの水分を含有するチ
ョコレートを作製することができるために、今までにな
いきわめて新鮮で優れた食感を持つチョコレートを作る
ことが可能となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一種または二種以上のジグリセリド2〜
    60重量%を含有することを特徴とする水分含有チョコレ
    ート類。
  2. 【請求項2】 水分含量が、0.5 〜20重量%である請求
    項1記載の水分含有チョコレート類。
  3. 【請求項3】 水分あるいは水分含有成分が、W/Oエ
    マルジョンとしてチョコレート生地中に練り込まれてい
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の水分含有チョ
    コレート類。
  4. 【請求項4】 水分あるいは水分含有成分と、一種また
    は二種以上のジグリセリドを含有する油脂とを混合し乳
    化させてW/Oエマルジョンとしたのち、このW/Oエ
    マルジョンを40℃以下の温度でチョコレート生地中に練
    り込み、成型固化させることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか一項に記載の水分含有チョコレート類の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 一種または二種以上のジグリセリドを含
    有するチョコレート生地と、水分または水分含有成分と
    を40℃以下の温度で混合して均一化し、乳化させてW/
    Oエマルジョンとして分散させたのち、成型固化させる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    水分含有チョコレート類の製造方法。
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