JPH0561424U - エンジン付き発電機の冷却構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発電機冷却ファンにより起風されて、発電機
の周囲を冷却した風は、そのままエンジンのエンジンフ
ァンケースやエアクリーナに至ることのないように、エ
ンジンの冷却風を案内するマフラー室の内部に合流させ
て、防音ケースの冷却風吐出口の部分から外気に吐出す
べく構成したものである。 【構成】 エンジン付き発電機において、エンジンＥと
発電機Ｄとの間の結合部に、発電機冷却ファン４５と、
該発電機冷却ファン４５の周囲を被覆するファンスクロ
ール３１ｂを設け、該ファンスクロール３１ｂの上部
に、エンジン冷却風を案内するマフラー室１１と連通す
る冷却風出口３１ａを開口したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はエンジン付き発電機において、発電機とエンジンの冷却風の案内構造 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来からエンジン付き発電機の冷却構造に関する技術は公知とされているので ある。例えば実開昭６２−７６２３５号公報に記載の技術の如くである。しかし 該従来の技術においては、エンジン冷却風は一次マフラーの周囲を覆うマフラー 室により防音室の外部に案内されているが、発電機の冷却風は、発電機冷却ファ ンからエンジンの外周の方に向かって吹き抜け状態となっており、この発電機冷 却ファンの冷却風が再度、エンジンのエンジンファンケースより冷却風として吸 引されたり、エアクリーナから燃焼空気として吸引されるという不具合があった のである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記従来技術の不具合を解消するものであり、発電機冷却ファンに より起風されて、発電機の周囲を冷却した風は、そのままエンジンのエンジンフ ァンケースやエアクリーナに至ることのないように、エンジンの冷却風を案内す るマフラー室の内部に合流させて、防音ケースの冷却風吐出口の部分から外気に 吐出すべく構成したものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の解決すべき課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する手段を説 明する。即ち、エンジン付き発電機において、エンジンＥと発電機Ｄとの間の結 合部に、発電機冷却ファン４５と、該発電機冷却ファン４５の周囲を被覆するフ ァンスクロール３１ｂを設け、該ファンスクロール３１ｂの上部に、エンジン冷 却風を案内するマフラー室１１と連通する冷却風出口３１ａを開口したものであ る。

【０００５】

【作用】

次に作用を説明する。即ち、エンジンＥと発電機Ｄの間の結合部に発電機冷却 ファン４５を設け、エンジンＥのクランクシャフト４６により回転している。該 発電機冷却ファン４５は吸引ファンに構成されており、冷却風は発電機Ｄのエン ジンＥとは逆の側から吸引されて、発電機ケースの内部を通過する間に、発電機 Ｄを冷却して、発電機冷却ファン４５よりマフラー室１１内に吐出されるのであ る。

【０００６】 そして該発電機冷却ファン４５の周囲に、エンジンのクランクケースカバー３ １と一体形成したファンスクロール３１ｂを設け、該ファンスクロール３１ｂに より発電機冷却ファン４５の吐出風を、上部に開口した冷却風出口３１ａに吐出 しているのである。該冷却風出口３１ａは、マフラー室１１内に開口しており、 該マフラー室１１内を流れる、エンジンファンケース３０内に設置された冷却フ ァンから吐出されて、エンジンのシリンダ４７−１及びシリンダヘッド４７−２ を冷却し、マフラー室１１内に吐出される風と共に、排気室Ｂに送られるのであ る。そして該排気室Ｂより冷却風吐出口３４を経て、防音ケースの外に吐出され る。

【０００７】

【実施例】

次に本考案の実施例を説明する。図１は本考案のエンジン付き発電機の組立順 序を説明する分解斜視図、図２は同じく本考案のエンジン付き発電機の側面断面 図、図３はエンジンＥと発電機Ｄの結合部と、マフラー室１１の側面一部断面図 、図４はクランクケースカバー３１と発電機冷却ファン４５の部分の後面図、図 ５は冷却風出口３１ａとマフラー室１１との結合部の拡大断面図、図６は冷却風 出口３１ａの平面図である。

【０００８】 図２において、エンジン付き発電機の全体的な配置構成を説明する。防音壁を 構成するケースは、上部と前後側面を被覆する逆Ｕ字型のメインケース１と後面 板２と前面板３と、下部のフレーム台板５により構成されている。そして逆Ｕ字 型に構成したメインケース１の側面板１ｂ・１ｄの上部の位置に、載置台４３・ ４４を配置して燃料タンク３２を抱持している。また、該メインケース１の天井 板の部分に挿入孔１ｃを穿設し、該挿入孔１ｃに燃料供給口３２ａを嵌入し、上 方に突出している。また後面板２には排気パイプ１６の吐出口１５と排気室Ｂか らの冷却風吐出口３４が開口されている。

【０００９】 またフレーム台板５の下部に車輪６を枢支し、フレーム台板５の上面に発電機 支持フレーム２７とエンジン支持フレーム２８を突設し、該発電機支持フレーム ２７とエンジン支持フレーム２８の上に、発電機ＤとエンジンＥを、振動防止体 を介して載置している。またフレーム台板５の上に、吸引室仕切板１０と排気室 仕切板９を立設している。そしてフレーム台板５の下方は車輪６により支持して いる。

【００１０】 図２において示す如く、後面板２と排気室仕切板９の間に二次マフラー７を配 置した排気室Ｂを構成し、前面板３と吸引室仕切板１０との間に、吸引室Ａを構 成し該吸引室Ａ内に、エンジンファンケース３０と、エアクリーナ３３の吸引口 を配置している。エンジンＥのエンジンファンケース３０内のファンから吸引さ れた冷却風はエンジンＥのシリンダ及びシリンダヘッドの部分を冷却して、マフ ラー室１１の内部を通過し、一次マフラー１２を冷却し、排気室Ｂに吐出される 。

【００１１】 そして、後面板２の開口された冷却風吐出口３４の部分から外気に吐出される 。また、エンジンのクランクケースカバー３１の部分に設けられた、発電機Ｄの 冷却ファンからの冷却風は、クランクケースカバー３１の上方の孔からマフラー 室１１内に吐出されて、該マフラー室１１内を通過して、前述の如く冷却風吐出 口３４の部分から排出される。

【００１２】 エンジンＥの排気は、マフラー室１１の内部の一次マフラー１２を通過して、 連結ブラケット１３と１４の連結により、フレキシブルパイプ８を介して、排気 室Ｂ内の二次マフラー７に供給されて、後面板２に開口した吐出口１５に排気パ イプ１６が開口されていることにより、外気に排出される。該二次マフラー７は 取付ブラケット１７・１７により、フレーム台板５の上に固定される。４は操縦 パネルである。

【００１３】 次に図１において、防音型エンジン作業機の組立順序を説明する。まずフレー ム台板５の発電機支持フレーム２７とエンジン支持フレーム２８の上に、エンジ ンＥと発電機Ｄ及び一次マフラー１２、マフラー室１１を一体化したエンジンモ ジュールを載置固定する。次にフレーム台板５の上に吸引室仕切板１０と排気室 仕切板９を固定する。該吸引室仕切板１０とエンジンＥとの間でエンジンファン ケース３０の部分のシールを行い、またエアクリーナ３３と吸引室仕切板１０の 間でシールをして、冷風はエンジンファンケース３０とエアクリーナ３３のみに 吸引されるように構成する。更に排気室仕切板９の固定に際して、マフラー室１ １と排気室仕切板９との間のシールも確実にして、高温の排気が戻ることの無い ように構成する。

【００１４】 次に操縦パネル４と一体化した前面板３を前部台板１９の部分に固定し、操縦 パネル４を固定する際においては、電気系統を接続し、エンジンＥとの間に操縦 リモコンワイヤ等を連結する。次に一次マフラー１２のブラケット１３の部分に 、二次マフラー７に連結した、フレキシブルパイプ８のブラケット１４の部分を 固定する。また二次マフラー７はブラケット１７の部分でフレーム台板５に固定 する。次に後部の後面板２を後部台板１８に固定する。これらの前面板３と後面 板２もそれぞれ空気の洩れない状態にシールして固定する。

【００１５】 以上の如く、フレーム台板５の上に後面板２と排気室仕切板９と吸引室仕切板 １０と前面板３を固定した状態で、上方から燃料タンク３２を抱持した状態のメ インケース１を被覆し、フレーム台板５と後面板２と前面板３に固定する。そし てメインケース１の側面に開口したメンテナンス孔１ａより手を挿入して、燃料 タンク３２と燃料ポンプの部分及び、ノズルからの戻りパイプを燃料タンク３２ に連結する。

【００１６】 次に図３・図４・図５・図６において説明する。クランクケースカバー３１は アルミダイカスト鋳物等により構成されており、エンジンＥと発電機Ｄとを連結 する部分を構成している。該クランクケースカバー３１に一体的にファンスクロ ール３１ｂを成形し、該ファンスクロール３１ｂの内部に、クランクシャフト４ ６に固定した発電機ロータシャフト５０に発電機冷却ファン４５を固定し回転す るのである。そして該発電機Ｄの外周ケースと発電機ロータとの間に、冷却風の 通過空間が構成されており、該発電機冷却ファン４５の回転により、該冷却風空 間を冷却風が吸引されて、発電機Ｄの冷却を行うのである。そして冷却後の冷却 風が、発電機冷却ファン４５の回転により吸引されて、上方に開口した冷却風出 口３１ａからマフラー室１１の開口１１ｃとガイド板１１ｂにより案内されて、 マフラー室１１内に流れるのである。

【００１７】 またマフラー室１１は、マフラー室ブラケット１１ａにマフラー室１１の部分 を押圧して固定とシールを行うように構成している。該マフラー室ブラケット１ １ａの部分は、エンジンＥのシリンダ４７−１及びシリンダヘッド４７−２に対 して取付ける部分であり、中央部分はエンジンファンケース３０からの冷却風が 通過可能な開口部を構成している。故に、エンジンファンケース３０から吸引室 Ａの空気を吸引し、シリンダ４７−１及びシリンダヘッド４７−２を冷却した後 の冷却風がマフラー室１１に流れ込むのである。また該マフラー室ブラケット１ １ａの部分に、燃焼排気ガスの吐出口が開口されており、該部分に一次マフラー １２が固定されており、該一次マフラー１２は、次にブラケット１３と１４を経 て二次マフラー７に案内されて、最終的には排気パイプ１６から吐出口１５に吐 出されるように構成されている。

【００１８】 図５において示す如く、ファンスクロール３１ｂの冷却風出口３１ａと、マフ ラー室１１の開口１１ｃとの間には、シールパッキン４８が介装されている。該 シールパッキン４８を介装しているだけであり、冷却風出口３１ａと開口１１ｃ とは、ボルトによる固定はしていないのである。またマフラー室ブラケット１１ ａとマフラー室１１との結合部にも、シールパッキン４９が介装されており、該 部分においても、ボルトによる固定はされておらず、単にマフラー室ブラケット １１ａとマフラー室１１との押圧によってのみ固定している。

【００１９】

【考案の効果】

本考案は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、 従来の技術の如く、発電機冷却ファンからの冷却風が、エンジンのエンジンファ ンケースや、エアクリーナの吸引口まで至り、高温となった冷却風が再度、エン ジンファンケースやエアクリーナに吸引されるということが無くなったのである 。また、エンジンファンケース３０からの冷却風と、発電機Ｄの冷却風が共にマ フラー室１１に集められて、最終的には排気室Ｂの冷却風吐出口３４から出て行 くので、防音ケースの開口部分を少なくすることができ、内部の騒音が外部に洩 れる開口部分を出来るだけ少なくすることが出来たのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のエンジン付き発電機の組立順序を説明
する分解斜視図。

【図２】同じく本考案のエンジン付き発電機の側面断面
図。

【図３】エンジンＥと発電機Ｄの間に配置したクランク
ケースカバー３１と、マフラー室１１の側面一部断面
図。

【図４】クランクケースカバー３１と発電機冷却ファン
４５の部分の後面図。

【図５】冷却風出口３１ａとマフラー室１１との結合部
の拡大断面図。

【図６】冷却風出口３１ａの平面図

【符号の説明】

１ メインケース １１ マフラー室 １１ａ マフラー室ブラケット １１ｂ ガイド板 １１ｃ 開口 ３０ エンジンファンケース ３１ クランクケースカバー ３１ａ 冷却風出口 ３１ｂ ファンスクロール ３３ エアクリーナ ４５ 発電機冷却ファン ４６ クランクシャフト ４８ シールパッキン ４９ シールパッキン ５０ 発電機ロータシャフト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｆ０２Ｂ 77/13 Ｍ 8614−3Ｇ Ｈ０２Ｋ 9/02 Ｂ 7429−5Ｈ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジン付き発電機において、エンジン
   Ｅと発電機Ｄとの間の結合部に、発電機冷却ファン４５
   と、該発電機冷却ファン４５の周囲を被覆するファンス
   クロール３１ｂを設け、該ファンスクロール３１ｂの上
   部に、エンジン冷却風を案内するマフラー室１１と連通
   する冷却風出口３１ａを開口したことを特徴とするエン
   ジン付き発電機の冷却構造。