JPH0560741U - ２軸回転テーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 旋回テーブルを一端に備えた旋回軸の旋回角
度（傾斜角度）を大きくする。 【構成】 支持台１に一対の回転駆動装置Ｍ₁，Ｍ₂を対
向させて取り付けると共に、一対の回転軸２，２を同心
に対向させて枢支し、該回転軸２，２の対向する端部に
傘歯車４，４を取り付ける一方、その他方の端部に前記
回転駆動装置Ｍ₁，Ｍ₂を連繋してある。そして、前記傘
歯車４，４に噛合する傘歯車５を一端に備えると共に、
他端に旋回テーブル１１を備えた旋回軸６を前記回転軸
２，２に直交させて配置し、該旋回軸６と前記回転軸
２，２とをアーム部材としてのギヤケース７で連繋して
ある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、各種加工機械に設置して、ワーク等の姿勢を調整するために使用す る２軸回転テーブルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から知られている２軸回転テーブルは、図４に示すように、回転軸２を支 持台１に枢支し、この回転軸２の一端を回転駆動装置Ｍ₂に連繋してある。そし て、旋回軸６を回転軸２に直交するように配置し、この旋回軸６と回転軸２とを アーム部材２０で連繋して、旋回軸６が回転軸２の回りに旋回できるようにして ある。そして、旋回軸６の一端にはワーク等を固定するのに使用する旋回テーブ ル１１を取り付けてあり、その他端には歯車装置２１を介して旋回軸６用の回転 駆動装置Ｍ₁を連繋してある。尚、旋回軸６用の回転駆動装置Ｍ₁は、アーム部材 ２０を介して旋回軸６に連繋してある。

【０００３】 このように構成した従来の２軸回転テーブルは、回転駆動装置Ｍ₂を作動させ て回転軸２が所定角度回転すると、旋回軸６が回転軸２の回りに所定角度旋回す る。この際、旋回軸６用の回転駆動装置Ｍ₁は、旋回軸６とともに回転軸２の回 りを所定角度旋回する。そして、旋回軸６用の回転駆動装置Ｍ₁を作動させれば 、旋回軸６が歯車装置２１を介して回転駆動装置Ｍ₁より回転（自転）させられ る（例えば、特開昭５５−１２５９５８号公報，実開昭５８−５９５３９号公報 参照）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の２軸回転テーブルは、旋回軸６とともに旋回 軸６用の回転駆動装置Ｍ₁が回転軸２の回りに旋回するようになっているため、 旋回軸６用の回転駆動装置Ｍ₁やそれから伸びる軸２２が支持台１と干渉し、旋 回軸６の旋回角度が比較的小さな角度範囲内に制限されていた。そこで、旋回軸 ６の旋回角度をより一層大きくでき、ワークの加工性等をより一層向上させるこ とができる２軸回転テーブルの提供が望まれていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記要望に応えるために案出されたものであり、支持台に一対の回 転駆動装置によって回転駆動される一対の回転軸を同心に対向させて枢支し、該 回転軸の対向する端部に傘歯車を取り付け、該傘歯車に噛合する傘歯車を一端に 備えると共に、他端に旋回テーブルを備えた旋回軸を前記回転軸に直交させて配 置し、該旋回軸と前記回転軸とをアーム部材で連繋したことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

両回転駆動装置により、一対の回転軸の回転方向や回転速度を変えることによ り、旋回軸が回転軸の回りに旋回（公転）させられると共に、回転（自転）させ られる。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面に基づき詳述する。

【０００８】 図１〜図３において１は工作機械のベッド等に取り付けられる支持台である。 この支持台１の一対の脚部１ａには、ＡＣサーボモータ等の回転駆動装置Ｍ₁， Ｍ₂を対向させて取り付けてある。又、この支持台１には、一対の回転軸２，２ を回転駆動装置Ｍ₁，Ｍ₂の駆動軸３，３と同心に且つ対向させて枢支している。 そして、これら回転軸２，２の一端部には、それぞれ回転駆動装置Ｍ₁，Ｍ₂の駆 動軸３，３を回転軸２，２と一体回動できるように係合してある。一方、回転軸 ２，２の他端部にはそれぞれ同じ傘歯車４，４を対向させて取り付けてある。そ して、これら傘歯車４，４に噛合する傘歯車５を備えた旋回軸６を回転軸２，２ に直交するように配置し、その旋回軸６と回転軸２，２とをアーム部材として機 能するギヤケース７で連繋してある。尚、図１に示すように、回転軸２，２は、 ベアリング８により支持台に支持するとともに、ベアリング９ａ，９ｂによりギ ヤケース７に連繋してある。又、旋回軸６はベアリング１０ａ，１０ｂによりギ ヤケース７に支持してある。そして、旋回軸６の他端部（図中上端部）には、ワ ーク等を固定するための旋回テーブル１１を取り付けてある。

【０００９】 以上のような構造の２軸回転テーブルＡは、両回転駆動装置Ｍ₁，Ｍ₂を同期さ せて作動させ、回転軸２，２を同一方向に所定角度回転させると、旋回軸６は回 転軸２，２の軸心を回転中心として旋回（傾斜）する。尚、この際、旋回軸６は 回転（自転）しない。

【００１０】 次いで、両回転駆動装置Ｍ₁，Ｍ₂を逆方向に同一回転数となるように同期させ て作動させると、旋回軸６は所定角度旋回した（傾いた）位置で回転（自転）す る。

【００１１】 尚、回転駆動装置Ｍ₁，Ｍ₂としてＡＣサーボモータを使用し、ＮＣ制御装置等 によりＡＣサーボモータの作動をコンピュータ制御すれば、旋回軸６の旋回角度 及び回転角度や、旋回軸６の旋回速度及び回転速度を正確に制御することができ る。

【００１２】 以上のように本実施例は、旋回軸６に旋回軸用の回転駆動装置を取り付けず、 その回転駆動装置Ｍ₁，Ｍ₂を支持台１に取り付けるようにしてあるため、旋回軸 ６の旋回に要するスペースを回転軸２，２の周囲に十分確保することができ、旋 回軸６の旋回角度（傾斜角度）を従来例よりも格段に大きくすることができる。

【００１３】 従って、本実施例の２軸回転テーブルＡを工作機械に取り付けてワークの加工 をする場合には、ワークの加工性が一段と向上する。

【００１４】 尚、以上の実施例は、旋回軸６を所定角度旋回させた後に、旋回軸６を回転さ せるようにしたが、旋回軸６を旋回させながら回転させるようにしてもよい。即 ち、一方の回転駆動装置を停止させた状態で他方の回転駆動装置を回動させれば 、旋回軸６は回転軸２，２の回りを旋回（公転）しながら回転（自転）する。又 、両回転駆動装置Ｍ₁，Ｍ₂の回転速度を違えることにより、旋回軸６を回転軸２ ，２の回りに公転させながら３６０°以上自転させることもできる。

【００１５】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように本考案の２軸回転テーブルは、支持台に一対の 回転駆動装置によって回転駆動される一対の回転軸を同心に対向させて枢支し、 該回転軸の対向する端部に傘歯車を取り付け、該傘歯車に噛合する傘歯車を一端 に備えると共に、他端に旋回テーブルを備えた旋回軸を前記回転軸に直交させて 配置し、該旋回軸と前記回転軸とをアーム部材で連繋することにより、旋回軸に 回転駆動装置を取り付けることなく、旋回軸を旋回（公転）させると共に回転（ 自転）させることができるため、旋回軸の旋回に要するスペースを回転軸の回り に十分確保することができ、旋回軸の旋回角度（傾斜角度）を大きくすることが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す２軸回転テーブルの断
面図。

【図２】図１のＢ方向矢視図。

【図３】図１の２軸回転テーブルのスケルトン図。

【図４】従来の２軸回転テーブルのスケルトン図。

【符号の説明】

１…支持台、２…回転軸、４，５…傘歯車、６…旋回
軸、７…アーム部材（ギヤケース）、１１…旋回テーブ
ル、Ｍ₁，Ｍ₂…回転駆動装置、Ａ…２軸回転テーブル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持台に一対の回転駆動装置によって回
   転駆動される一対の回転軸を同心に対向させて枢支し、
   該回転軸の対向する端部に傘歯車を取り付け、該傘歯車
   に噛合する傘歯車を一端に備えると共に、他端に旋回テ
   ーブルを備えた旋回軸を前記回転軸に直交させて配置
   し、該旋回軸と前記回転軸とをアーム部材で連繋したこ
   とを特徴とする２軸回転テーブル。