JPH0557923A - 熱転写プリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数色のインクを重ねて転写記録する熱転写
プリンタで、各色のインクの位置に対応するマークなし
の転写紙を使用し、従ってマーク検出用のセンサを必要
としない安価な熱転写プリンタを目的とする。 【構成】 受像紙１６と転写紙１７を介してサーマルヘ
ッド１５がプラテン１３に押圧されているときに、キャ
プスタン１０とピンチローラ１１により移送する移送量
と、サーマルヘッド１５がプラテン１３の押圧から解除
されているときにキャプスタン１０とピンチローラ１１
により移送される移送量が等しくなるように制御され
る。これにより転写紙１７に所定間隔で塗布された複数
色のインクが、自動的に精度よく重ね合わせて受像紙１
６に転写される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は熱溶融性あるいは熱昇華
性などのインクが塗布されしかも異なった複数の色を一
組として複数の組のインクを塗布した転写紙と、多数の
発熱体を直線的に配置されたサーマルヘッドとを用いて
受像紙にフルカラーの画像を熱転写記録する熱転写プリ
ンタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、熱昇華性のインクなどを塗布した
転写紙を用いた熱転写プリンタが中間調を含む画像を出
力するプリンタとして、Ａ４サイズを中心としたＯＡ用
からＡ６サイズを中心とした家庭用まで、各社からは発
売されている。この従来の熱転写プリンタとしては、例
えば実開昭５８−１３３４３８号公報に示されている。

【０００３】以下に、従来の熱転写プリンタについて説
明する。図８はこの従来の熱転写プリンタの概略図を示
すものである。図８において、受像紙１はドラム２に巻
回され、ホルダ３（詳細は図示省略）でドラム２に固定
されている。４は転写紙で異なった色のインク、例えば
イエロインク１０１、マゼンタインク１０２、シアンイ
ンク１０３のインクを１組として、多数の組のインクが
順次塗布されている。またこの転写紙４には１色目のイ
エロインク１０１に対応するマーク１０５，１０５′
が、２色目のマゼンタインク１０２に対応するマーク１
０６が、３色目のシアンインク１０３に対応するマーク
１０７が順次設けられている。５は上記マーク１０５′
を検出するセンサで、６はマーク１０５，１０６，１０
７を検出するセンサである。またセンサ５，６でそれぞ
れのマーク１０５′，１０５，１０６，１０７を検出し
たときセンサ５は各色からなる一組のインク開始位置に
なるように配置され、センサ６はそれぞれの対応するイ
ンク，イエロインク１０１、マゼンタインク１０２、シ
アンインク１０３の記録開始の位置になるように配置さ
れている。７はサーマルヘッドで、転写紙４と受像紙１
をドラム２に重ねて押圧し加熱して転写紙４に塗布され
たインクを受像紙１に転写記録する。

【０００４】以上のように構成された熱転写プリンタに
付いて、以下その動作について説明する。まず、センサ
でマーク１０５′を検出するまで転写紙４を巻取る（巻
取手段は図示省略）。センサ６でマーク１０５を検出す
ると、サーマルヘッド７で転写紙４と受像紙１を重ねて
ドラム２に押圧する。このとき転写紙４に塗布されたイ
エロインク１０１は記録開始位置になっている。ドラム
２を所定の速度で回転しつつ（駆動手段は図示省略）１
色目のイエロインク１０１をサーマルヘッド７で受像紙
１に転写記録する。またこのとき転写紙４も巻取手段に
より巻取られる。１色目のイエロインク１０１の記録が
終了するとサーマルヘッド７はドラム２より離間し、ド
ラム２は記録開始位置まで回転し停止する。転写紙４は
マーク１０６をセンサ６で検出するまで巻取られ、マー
ク１０６をセンサ６で検出され停止する。このとき転写
紙４に塗布された２色目のマゼンタインク１０２は記録
開始位置になっている。再びサーマルヘッド７で転写紙
４と受像紙１を重ねてドラム２に押圧し、受像紙１に転
写記録されたイエロインク１０１の上にマゼンタインク
１０２を重ねて転写記録する。同様にして３色目のシア
ンインク１０３を転写記録して画像の転写記録が完了す
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、受像紙１に転写紙４に塗布されたインク
を順次転写記録していくためにインクが所定の位置に来
るように転写紙４を移送する必要がある。そこで転写紙
４にマーク１０５，１０６，１０７を設け、また熱転写
プリンタに、そのマーク１０５，１０６，１０７を検出
するセンサ６を設けることにより、インクが所定の位置
に来るように転写紙４を移送していた。通常転写紙４を
製造する場合は幅方向に複数の転写紙４が取れるように
インク及びマークを塗工し、その後長さ方向にスリット
する。熱転写プリンタに設けられたセンサ６でマーク１
０５，１０６，１０７を検出する必要があるため、転写
紙４のマーク１０５，１０６，１０７が転写紙４の幅方
向の所定の位置になるように、長さ方向にスリットして
製造する必要がある。そのために幅方向の精度が必要に
なり歩留まりが悪くなり高価な転写紙４となっていた。
またセンサ６を必要とするために熱転写プリンタも高価
になるという問題点を有していた。

【０００６】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、転写紙４のマークを削減し安価な転写紙４を用いセ
ンサ６を必要としない安価な熱転写プリンタを提供する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の熱転写プリンタは異なった複数の色のイン
クが順次所定間隔で塗布された転写紙を用いる熱転写プ
リンタにおいて、受像紙を移送する移送手段が、サーマ
ルヘッドがプラテンに押圧されている間は転写紙を同時
に移送する第１の移送手段とサーマルヘッドがプラテン
の押圧から解除されている間は受像紙のみを移送する第
２の移送手段からなり、１色ごとの転写の際のこの第
１，第２の移送手段による移送量を等しくしたものであ
る。

【０００８】

【作用】上記構成の本発明の熱転写プリンタは、第１の
移送手段により移送した転写紙の移送量と、第２の移送
手段により移送した受像紙の移送量を各色ごとの転写に
おいて等しくすることにより、複数色の重ね合わせによ
る多色転写を容易とするものである。すなわち、第１の
移送手段により受像紙と転写紙が同時に所定の移送量だ
け移送して転写した後、第２の移送手段により受像紙の
み第１の移送手段による移送と逆方向で同一の移送量を
移送することにより、正確につぎの転写のための転写紙
のインク位置と、すでに転写された受像紙の位置が一致
し、重ねて転写が可能となるものである。

【０００９】

【実施例】以下本発明の一実施例の熱転写プリンタにつ
いて、図面を参照しながら説明する。図１は本発明の第
１の実施例における熱転写プリンタの記録待機時の概略
断面図を示すものである。図１に示すように、構成要素
として１０は回転自在に駆動（駆動源は図示省略）する
キャプスタンで、１１は回転自在にレバー１２の一端に
設けられたピンチローラである。レバー１２はピンチロ
ーラ１１とは反対側を中心に回動可能に設けられてい
る。１３はプラテンで回動自在に設けられたレバー１４
に回転自在に設けられている。１５は多数の発熱体を直
線的に配置されたサーマルヘッドで、筐体（図示省略）
に固定されている。１６は受像紙であり、キャプスタン
１０、ピンチローラ１１を中心とする移送手段により移
送される。また１７は転写紙であり、この転写紙１７は
供給リール１８に巻回されていて、巻取リール１９で巻
取られる（巻取機構は図示省略）。これらの機構は制御
手段（図示せず）によりその動作が制御されている。２
０は転写紙１７のガイドで筐体に設けられ、２１はサー
マルヘッドに設けられた転写紙１７のガイドである。２
２は受像紙１６の先端を検出するセンサで筐体に設けら
れている。２３は転写紙の１色目のインクの位置を検出
するセンサでガイド２１に設けられている。

【００１０】図７に示す受像紙１６と転写紙１７の平面
寸法図を用いて、その相互の関係を更に詳細に説明す
る。２４は転写紙１７に塗布されたマークである。２５
は受像紙１６がキャプスタン１０とピンチローラ１１と
で挟持され記録動作を開始する時プラテン１３とサーマ
ルヘッド１５で圧接される記録動作開始位置で、２６，
２６′，２６″は受像紙１６の記録動作開始位置２５に
対応する転写紙１７の１色目，２色目，３色目の各々の
インクの記録動作開始位置である。Ａ１は記録動作開始
位置２５から受像紙１６に画像を記録する記録開始位置
までの第１の移送長さで、Ｈは受像紙１６に記録される
画像の長さすなわち熱転写領域である。Ａ２は記録終了
後受像紙１６と転写紙１７をプラテン１３とサーマルヘ
ッド１５で圧接したまま転送する再２の移送長さであ
る。転送紙１７には１色目のイエローインク２７がＬ１
の長さで、２色目のマゼンタインク２８がＬ２のながさ
で、３色目のシアンインク２９がＬ３の長さで塗布され
ており、各インクの塗布領域（Ｌ１，Ｌ２，Ｌ３）の中
に熱転写領域Ｈが含まれ、かつ各インク内の各熱転写領
域Ｈのすき間は、第１の移送長さＡ１と第２の移送長さ
Ａ２の和になるように塗布されている。またマーク２４
はセンサ２３で検出されたとき、記録動作開始位置２６
がプラテン１３とサーマルヘッド１５で圧接される位置
にくるように塗布されている。

【００１１】以上のように構成された本実施例の熱転写
プリンタについて、以下図１〜図７に従って、その動作
について説明する。まず図１に示す記録待機時の状態で
受像紙１６がキャプスタン１０とピンチローラ１１の間
に給紙される（給紙手段は図示省略）。受像紙１６が給
紙されるとセンサ２２で受像紙１６の先端を検出され
る。受像紙１６の先端を検出されるレバー１２が回動し
（駆動手段は図示省略）ピンチローラ１１がキャプスタ
ン１０に押圧され、キャプスタン１０の駆動により受像
紙１６は所定の長さ矢印Ｂ方向に移送される。所定の長
さ移送されるとレバー１４が回動し（駆動手段は図示省
略）プラテン１３が受像紙１６と転写紙１７を挟持した
状態でサーマルヘッド１５に押圧される。この記録動作
開始状態を図２に示す。このとき転写紙１７はセンサ２
３でマーク２４を検出されることにより記録動作開始位
置２６がプラテン１３とサーマルヘッド１５で圧接され
る位置にあり、受像紙１６の記録動作開始位置２５と同
じ位置にくる。次に受像紙１６が記録開始位置になるよ
うにキャプスタン１０を駆動し、受像紙１６を矢印Ｃ方
向に第１の移送長さＡ１だけ移送する。これが、第１の
移送手段による第１の移送長さに相当する。この記録開
始の状態を図３に示す。このとき転写紙１７はプラテン
１３とサーマルヘッド１５で受像紙１６と共に圧接挟持
された状態にあるので受像紙１６と同じ第１の移送長さ
Ａ１だけ移送される。この状態からキャプスタン１０で
受像紙１６が矢印Ｃ方向に移送されつつ、サーマルヘッ
ド１５により転写紙１７に塗布された１色目のイエロー
インク２７が受像紙１６に転写記録される。これが、第
１の移送手段による転写領域の移送長さに相当する。ま
たイエローインク２７は塗布長さＬ１で塗られ長さの熱
転写領域Ｈを充分カバーしているので確実に転写記録が
行われる。このとき転写紙１７は巻取リール１９で巻取
られる。記録が終了した状態を図４に示す。このとき受
像紙１６、転写紙１７は熱転写領域Ｈだけ移送されてい
る。ここから更に受像紙１６が記録動作終了位置になる
ようにキャプスタン１０を駆動し、受像紙１６を矢印Ｃ
方向に第２の移送長さＡ２だけ移送する。これが第１の
移送手段による第２の移送長さに相当する。この記録動
作終了の状態を図５に示す。このとき転写紙１７はプラ
テン１３とサーマルヘッド１５で受像紙１６と共に圧接
挟持された状態にあるので受像紙１６と同じ第２の移送
長さＡ２だけ移送される。このように、第１の移送手段
により制御手段により制御された所定の長さの移送が行
われると、この位置が２色目の記録動作開始位置２６′
となる（図７）。このようにして１色目のイエローイン
ク２７が受像紙１６に転写記録されると、プラテン１３
はサーマルヘッド１５より離れる。受像紙１６はキャプ
スタン１０により前述のＢ方向とは逆の矢印Ｂ方向に所
定の長さ（第１の移送長さＡ１＋熱転写領域Ｈ＋第２の
移送長さＡ２）第２の移送手段により戻され、図１と同
様の状態で２色目（マゼンタ）の転写のための記録待機
状態となる（図６）。このとき受像紙１６の記録動作開
始位置２５はプラテン１３とサーマルヘッド１５で圧接
される位置に来る。このとき転写紙１７は移送されない
ので、記録動作開始位置２６′と受像紙１６の記録動作
開始位置２５は同じ位置に来る。また転写紙１７のマゼ
ンタインクの塗布長さＬ２の中に熱転写領域Ｈが含ま
れ、かつ各色の熱転写領域Ｈのすき間が第１の移送長さ
Ａ１と第２の移送長さＡ２の和になるように塗布されて
いるので記録開始位置は必ず２色目のマゼンタインク２
８の中に来る。この状態で２色目のマゼンタインク２８
が１色目のイエローインク２７と同じようにしてイエロ
ーインク２７に重ねて転写記録される。同様に３色目の
シアンインク２９は転写紙１７の記録動作開始位置２
６″と受像紙１６の記録動作開始位置２５が同じ位置に
来て記録動作が開始される。このようにして受像紙１６
に転写紙１７の各インクが転写記録され画像記録が終了
する。

【００１２】以上のように本実施例によれば、転写紙１
７の各インクの塗布長さＬ１，Ｌ２，Ｌ３の中に熱転写
領域Ｈが含まれ、かつ各インク内の熱転写領域Ｈのすき
間が第１の移送長さＡ１と第２の移送長さＡ２の和にな
るように塗布されている。従って転写紙１７に２色目の
マゼンタインク２８と３色目のシアンインク２９の塗布
位置に対応するマークを設ける事なく、転写紙１７に塗
布されたマゼンタインク２８とシアンインク２９の位置
決めができる。

【００１３】

【発明の効果】以上の説明より明らかなように本発明の
熱転写プリンタは、受像紙と転写紙を同時に移送する第
１の移送手段と、受像紙のみ移送する第２の移送手段を
設け第１，第２の移送手段による各色転写ごとの移送量
を等しくすることにより、自動的に例えば３色の重ね合
わせの転写が精度良く行なうことができる。そのため、
転写紙の２色目、３色目のインクに対応するマークを削
減し安価の転写紙を提供することができ、また２色目、
３色目に対応するマークを検出するためのセンサを必要
としない安価な熱転写プリンタを提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例における熱転写プリンタ
の記録待機状態を示す概略断面図

【図２】同実施例における熱転写プリンタの記録動作開
始状態の概略断面図

【図３】同実施例における熱転写プリンタの記録開始状
態の概略断面図

【図４】同実施例における熱転写プリンタの記録終了状
態の概略断面図

【図５】同実施例における熱転写プリンタの記録動作終
了状態の概略断面図

【図６】同実施例における熱転写プリンタの２色目の記
録待機状態の概略断面図

【図７】同実施例における熱転写プリンタに用いる受像
紙と転写紙の関係寸法を示す斜視図

【図８】従来の熱転写プリンタの構成を示す概略斜視図

【符号の説明】

１０ キャプスタン １１ ピンチローラ １３ プラテン １５ サーマルヘッド １６ 受像紙 １７ 転写紙

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ４１Ｊ 35/16 Ｂ 7318−2Ｃ (72)発明者 小山 泰一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数色のインクが順次所定間隔で塗布さ
   れた転写紙と、前記転写紙に塗布されたインクを受像紙
   に転写するサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドが前
   記インクを受像紙に転写する際に前記転写紙および受像
   紙を介して押圧するプラテンと、前記受像紙を移送する
   移送手段とを具備し、前記移送手段が前記サーマルヘッ
   ドが前記プラテンに押圧されている間は前記転写紙を前
   記受像紙とともに移送する第１の移送手段と、前記サー
   マルヘッドの前記プラテンへの押圧が解除され前記第１
   の移送手段とは逆方向に前記受像紙を移送する第２の移
   送手段とを有し、前記複数色のインクの１色ごとの前記
   サーマルヘッドによる転写の際の前記第１の移送手段に
   よる移送量と、前記第２の移送手段による移送量を等し
   く制御する制御手段を有する熱転写プリンタ。
2. 【請求項２】 転写紙の複数色のインクの各色ごとの所
   定間隔が、第１の移送手段による１色ごとの移送量に等
   しい請求項１記載の熱転写プリンタ。
3. 【請求項３】 第１の移送手段による１色ごとの移送量
   が、サーマルヘッドがプラテンに押圧されてからしばら
   く移送する第１の移送長さと、前記サーマルヘッドによ
   る転写記録を行う転写領域の移送長さと、前記転写記録
   の後しばらく移送する第２の移送長さとから構成され、
   転写紙の各色のインク塗布長さが前記転写領域の移送長
   さ以上である請求項１または２記載の熱転写プリンタ。