JPH0557211A

JPH0557211A - オイルセパレータ

Info

Publication number: JPH0557211A
Application number: JP3240366A
Authority: JP
Inventors: Tamotsu Fujita; 保藤田
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1991-08-27
Filing date: 1991-08-27
Publication date: 1993-03-09
Anticipated expiration: 2010-06-07
Also published as: JPH0753251B2

Abstract

(57)【要約】【目的】オイル槽内に、鉄粉分離用の吸着ドラムを回
転自在に設置したオイルセパレータに関し、オイル中に
混入した鉄粉の分離除去機能を向上する。【構成】吸着ドラム１の周壁内面に沿って、多数の鉄
板６が設置してある。吸着ドラムの周壁内面一側に対向
して、永久磁石１２が鉄板６の移動に追従可能に設置し
てある。また、吸着ドラムの周壁内面の他側に対向し
て、鉄板６の消磁装置として、電磁石１８が設置してあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、工作機械の切削オイ
ル、冷却オイルなどに混入した鉄粉を磁気的に分離除去
するオイルセパレータに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、工作機械の切削オイルや冷却オイ
ルの中に混入した鉄粉を磁気的に分離除去する装置とし
て、オイル槽内に、鉄粉分離用の吸着ドラムを回転自在
に設置した構造のオイルセパレータが知られている。

【０００３】前記吸着ドラムは、ドラムの周壁に沿って
環状の永久磁石を多数設置して構成され、この永久磁石
の磁力でオイル中の鉄粉をドラムの周面に吸着するよう
になっていた。吸着ドラムの周面に吸着した鉄粉は、吸
着ドラムの周面に対向して設置した掻落し板で、機械的
に掻落し、掻落した鉄粉を外部に取り出すことによっ
て、オイルから分離除去するようにしていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記の如くの従来のオ
イルセパレータは、吸着ドラムに吸着した鉄粉を掻落し
板で掻落すことによって、オイルとの分離を図るように
していたので、細かな鉄粉まで十分に掻落しきれない欠
点があり、混入した鉄粉の完全な分離除去ができない問
題点があった。

【０００５】鉄粉の分離除去が不完全な状態でオイルの
使用を継続すると、オイル循環用のポンプを損傷するな
どの弊害も起っていた。

【０００６】

【課題を解決する為の手段】この発明は前記の如くの問
題点に鑑みてなされたもので、オイル中に混入した鉄粉
の分離除去機能を向上したオイルセパレータを提供する
ことを目的としている。

【０００７】前記の目的を達成するこの発明のオイルセ
パレータは、オイル槽内に、鉄粉分離用の吸着ドラムを
回転自在に設置してなるオイルセパレータにおいて、以
下のような特徴を有している。即ち、前記吸着ドラムの
周壁内面に沿って、多数の強磁性板が設置してあると共
に、吸着ドラムの周壁内面の一側に対向して、前記強磁
性板の磁化装置が、強磁性板の移動に追従可能に設置し
てあり、吸着ドラムの周壁内面の他側に対向して、前記
強磁性板の消磁装置が設置してあることを特徴としてい
る。

【０００８】前記強磁性板は、吸着ドラムの周壁内面に
貼着固定できる形状であれば、様々な形状を採用するこ
とができるが、帯板状として、吸着ドラムの長手方向に
沿って、所定の間隔で並列設置するのが望ましい。

【０００９】また、強磁性板の磁化装置は、電磁石と永
久磁石が考えられるが、構造上、永久磁石が有利であ
る。この磁化装置は、吸着ドラムの周壁の、円周方向、
約半分の範囲で、強磁性板の移動に追従可能とするのが
良い。強磁性板の消磁の為の領域を確保する為である。

【００１０】強磁性板の消磁装置は、前記磁化装置の追
従範囲外に設置すれば良いものであるが、消磁によって
吸着ドラムの周面から脱着する鉄粉の落下を考慮する
と、磁化装置の下方に設置するのが望ましい。

【００１１】

【作用】この発明のオイルセパレータでは、吸着ドラム
をオイル槽内で回転すると、吸着ドラムの周壁内面に設
置した強磁性板は、磁化装置と消磁装置に交互に対向し
ながら回転する。然して強磁性板は、磁化装置と対向し
ている期間は、磁化された状態になり、この結果、吸着
ドラムの周面に表われる磁気でオイル中の鉄粉を吸着す
る。一方、強磁性板が消磁装置に対向して消磁される
と、周面に吸着した鉄粉に対する吸着力が失われて脱着
される。従って、強磁性板が消磁される場所で、鉄粉を
回収するようにすれば、細かな鉄粉も効率良く分離除去
することを可能にできる。

【００１２】

【実施例】以下、この発明の実施例を図を参照して説明
する。

【００１３】図１は実施例の吸着ドラム１を表わしたも
ので、固定軸２にベアリング３を介して回転自在に設置
した円盤状の側板４と、非磁性材製（例えば真鍮製）の
円筒５で構成されている。円筒５の内面全周には、帯板
状とした鉄板（鉄板以外の強磁性材板でも良い）６が所
定の間隔で多数並べて設置してある。鉄板６の設置方向
は円筒５の軸方向に沿うようにしてある。

【００１４】前記吸着ドラム１は、一方の側板４の外側
にボス７を介して設けたスプロケットギヤ８と、モータ
９側のスプロケットギヤ１０がチェイン１１で連結さ
れ、モータ９の駆動力で固定軸２の回りで回転自在とさ
れている。

【００１５】このように構成された吸着ドラム１の内部
には、前記鉄板６に対する磁化装置と消磁装置が固定軸
２を介して設置してある。

【００１６】図示した実施例の磁化装置は永久磁石１２
としたもので、永久磁石１２が、円筒５の内面に設置し
た鉄板６と対向するようになっている。即ち、前記側板
４の内側に、固定軸２を介して設けた半円盤１３の周縁
に沿って、環状の追従チェイン１４が張設してあり、追
従チェイン１４間に架設した多数の支持板１５、１５上
に磁化装置である永久磁石１２、１２が固着されてい
る。前記追従チェイン１４は、半円盤１３に回転自在に
設けた３個のチェインホイール１６、１６によって移動
自在に支持されている。一方、永久磁石１２と前記鉄板
６は微間隙を挟んで対向するようになっている。

【００１７】消磁装置は、前記半円盤１３の直線縁中央
に垂下した腕１７に架設した電磁石１８で構成してあ
る。電磁石１８は電磁コイルと鉄芯で構成され、鉄芯の
一方の磁極は円筒５の内面に設けた鉄板６と微間隔を挟
んで対向するようになっている。

【００１８】オイル槽内に設置した上記実施例の吸着ド
ラム１をモータ９を介して矢示１９の方向に定速で回転
した時の、オイル中の鉄粉の吸着および脱着の様子を次
に説明する。

【００１９】円筒５の内面に設置した鉄板６が図１(b)
のＭ点で永久磁石１２に会合すると、鉄板６は永久磁石
１２に微間隙を介して吸着され、磁化される。更に吸着
ドラム１の回転を続行すると、鉄板６を吸着した永久磁
石１２は、追従チェイン１４の移動を伴って鉄板６と共
に矢示１９の方向に移動する。鉄板６が図１(b) のＤ点
まで移動して来ると、永久磁石１２は追従チェイン１１
の移動方向、即ち半円盤１３の直線縁に沿う方向に移動
する一方、鉄板６は円筒５の円周方向に移動するので、
鉄板６と永久磁石１２の吸着状態は強制的に解除され
る。

【００２０】このようにして、円筒５の内面に設置した
鉄板６、６が永久磁石１２、１２によって順次、磁化さ
れ、かつ矢示１９の方向に移動すると、円筒５の表面に
は、磁化された鉄板６による磁気が表われる。従って、
オイル中の鉄粉を円筒５の表面に吸着することができ
る。

【００２１】前記Ｄ点から消磁装置である電磁石１８ま
での区間を移動する鉄板６は、磁化された状態のままな
ので、円筒５の表面に吸着した鉄粉も吸着されたまま消
磁装置の位置まで運ばれる。

【００２２】消磁装置である電磁石１８は、後述するよ
うな電流、即ち鉄板６を消磁する為の電流が、鉄板６と
電磁石１８を構成した鉄芯の磁極が対向するタイミング
に合せて流れるように制御されている。電磁石１８によ
って鉄板６が消磁されると、吸着によって磁化されてい
た鉄粉も同時に消磁される結果、円筒５の表面と鉄粉の
間の吸着力も失われて、鉄粉を円筒５から脱落させるこ
とができる。従って、この位置で脱落する鉄粉を回収す
ることで、オイル中に混入している鉄粉を分離除去する
ことができる。

【００２３】図２は、前記永久磁石１２と鉄板６の関係
を説明する図で、円筒５の円周方向に展開して表わして
ある。図の(a)(b)に示したように、永久磁石１２の極性
は円筒５の直径方向に向ける場合(a) と、円筒５の円周
方向に向ける場合(b) があり、何れの場合も鉄板６の磁
化が可能である。鉄板６は、図２(c) に示したように
に、永久磁石１２の幅と等しい幅とするよりも、(a)(b)
に示したように、永久磁石１２より細い幅として磁束の
集中を図るようにするのが好ましい。円筒５の表面に強
力な磁界を形成させると共に、磁界の強弱分布を形成さ
せるためである。一般に鉄粉の微粉末を磁気によって吸
着しようとすると、磁気飽和によって、却って吸着が妨
げられる場合があるが、磁界の強弱分布を形成すること
によって、微粉末を比較的弱い磁界の部分で磁気飽和さ
せることなく吸着できるようになる為である。

【００２４】また、図３は永久磁石１２と電磁石１８の
関係を説明する図で、円筒５の軸方向に沿って表わして
ある。即ち、永久磁石１２は、円筒５の軸方向におい
て、分割された複数個の永久磁石１２ａ、１２ａで構成
される場合(a)と、円筒の軸方向のほぼ全幅に亘る１個
の永久磁石とされる場合がある。夫々の場合に応じて、
消磁装置を構成する電磁石１８も、複数個の電磁石１８
ａ、１８ａとしたり(a)、１個の電磁石１８とする(b)
。図において２０が鉄芯、２１が電磁コイルである。

【００２５】消磁装置である電磁石１８、１８ａによっ
て鉄板６および鉄粉の磁化を消磁する際には、残留磁気
が生じないように行う必要がある。鉄板６および鉄粉に
磁気が残ると、鉄粉の脱着が不完全となり、オイルから
の分離除去の効率が悪くなる為である。

【００２６】残留磁気が生じないようにするには、図４
に示したような電流を電磁コイル２１に通電すると有効
である。即ち図中、Ｐ₂で示した区間で励磁電流を流し
た後、Ｐ₃の区間で励磁電流の遮断を行い、次いでＰ₄
の区間のタイムインターバル（約０．１SEC ）をおい
て、Ｐ₅の区間に消磁電流を流すと、残留磁気の生じな
い消磁を行うことができる。

【００２７】Ｐ₅の区間で通電する消磁電流としては、
(a) 〜(e) に示したように、交流および／または直流の
電流を用いることが可能で、(a) のように交流の減衰電
流や、(b) 〜(d) のような直流パルスの電流や、(e) の
ような直流パルス電流と交流減衰電流のシーケンスで行
う。

【００２８】

【発明の効果】以上に説明したようにこの発明によれ
ば、吸着ドラムの表面に磁気吸着したオイル中に混入し
た鉄粉を、消磁によって脱着するようにしたので、細か
な鉄粉も確実に分離除去することが可能になり、鉄粉の
分離除去機能を向上したオイルセパレータを提供できる
効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例の吸着ドラムの図で、(a) は
一部縦断正面図、(b) は縦断側面図である。

【図２】この発明の永久磁石と鉄板の関係を説明する図
で、(a) 及び(b) は実施例の図、(c) は比較の為の図で
ある。

【図３】この発明の、永久磁石と電磁石の関係を説明す
る図で、(a) は複数個の永久磁石の場合、(b) は１個の
永久磁石の場合の図である。

【図４】(a) 乃至(e) はこの発明の実施例の電磁石に通
電する電流の波形を表わした図である。

【符号の説明】

１吸着ドラム２側板５円筒６鉄板９モータ１２、１２ａ永久磁石１４追従チェイン１８、１８ａ電磁石

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】オイル槽内に、鉄粉分離用の吸着ドラム
を回転自在に設置してなるオイルセパレータにおいて、
前記吸着ドラムの周壁内面に沿って、多数の強磁性板が
設置してあると共に、吸着ドラムの周壁内面の一側に対
向して、前記強磁性板の磁化装置が、強磁性板の移動に
追従可能に設置してあり、吸着ドラムの周壁内面の他側
に対向して、前記強磁性板の消磁装置が設置してあるこ
とを特徴とするオイルセパレータ。
【請求項２】強磁性板は、帯板状とされ、吸着ドラム
の軸方向に沿って、所定の間隔で並列設置してある請求
項１記載のオイルセパレータ。
【請求項３】強磁性板の磁化装置は、永久磁石とした
請求項１記載のオイルセパレータ。
【請求項４】強磁性板の磁化装置は、吸着ドラムの周
壁の、内周方向、約半分の範囲で、強磁性板の移動に追
従可能とした請求項１記載のオイルセパレータ。
【請求項５】強磁性板の消磁装置は、磁化装置の下方
に設置した請求項１記載のオイルセパレータ。