JP4197656B2 - 磁力選別装置 - Google Patents

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Description

この発明は磁力選別装置、詳しくは磁気ローラなどに吸着された強磁性物、微粒子状の磁性物を効率良く磁界から離脱させる磁力選別装置に関する。
生物化学的下水処理法の一種として、沈殿池の汚泥物質中に44〜74μmの微粒子状のマグネタイトを投入し、その後、沈殿池の下水中に空気をバブリングしてマグネタイト(FeO・Fe)に汚泥物質(有機物)を付着し、無害化する方法が知られている。
使用後のマグネタイトは、例えば特許文献1のように、沈殿池中から下水とともに取り出され、ドラム型の磁力選別機により磁力選別して回収されている。
以下、図10を参照して、従来の磁力選別機100を説明する。
図10に示すように、従来の磁力選別機100は、底板の一端部にマグネタイトを含む被処理水の入口101aが形成され、底板の他端部に非磁性物の出口101bが形成された処理槽101と、処理槽101の液面付近における入口101aと出口101bとの間に配置され、下半分が液面下に浸漬される回転ドラム102と、ドラム内周面に沿って回転ドラム102の内部空間に収納され、ドラム外周面上を移送中の吸着物を磁界から離脱させる磁板切欠部103aが水面上に配置された回転ドラム102の軸線方向から視て略C字形状を有する固定磁板103と、磁板切欠部103aと対向する回転ドラム102に先端部が押し付けられ、他端部が処理槽101に外設された排出ダクト104上に配置されたスクレーパ105と、スクレーパ105上の吸着物を回転羽根106aにより排出ダクト104に向かって掻き送るスキンマ106とを備えている。
入口101aから被処理水が処理槽101に流入されると、固定磁板103の磁力によりマグネタイトが回転ドラム102の外周面に吸着される。その後、回転ドラム102の回転に伴ってマグネタイトは液面上に移送され、磁板切欠部103aと対向する部分で固定磁板103の磁界から離脱する。それと同時に、スクレーパ105によりマグネタイトが回転ドラム102から掻き取られる。その途中、スクレーパ105上のマグネタイトはスキンマ106により下流に掻き送られ、排出ダクト104に投下される。そして、排出ダクト104の下端部に形成された排出口101bを通って外部に排出される。
また、従来、別の磁力選別機として、永久磁石から発生する磁力線が磁気ローラの外周面に対して実質的に直交するように構成し、吸着物の選別効率を高めた特許文献2に記載されたものが知られている。
特許文献2の磁力選別機の具体的な構成は、主に、磁気ローラと、磁気ローラの外周面から所定の距離離れた対極磁石群とを備えている。磁気ローラは、回転軸と、この回転軸の軸線方向に互いに所定の間隔をあけ、しかも各磁化方向が回転軸の軸線方向に向いた複数のリング形状の永久磁石と、隣接する永久磁石と永久磁石との間に介在され、永久磁石の外径と同一または永久磁石の外径より若干大径な強磁性体からなる磁気誘導円板とを有している。また、各永久磁石の磁極は、磁気誘導円板を介して同極性となっている。上記対極磁石群は、磁気ローラによる磁性体の磁力選別が行われる領域内に、各磁気誘導円板に対向させた状態で、かつ磁気ローラの外周面に沿って扇形状に配置されている。
これにより、隣接する同極性の永久磁石から発生した磁力が合成され、永久磁石を強磁力化することができる。しかも、隣接する永久磁石の磁力線が、磁気誘導円板内を通過して磁気ローラの外周面までそれぞれ誘導される。その結果、磁気誘導円板の外周面から半径方向の外側に発生する磁界の磁束密度を、例えば14000G程度までに強化することができる。
特開平11−207381号公報 特開2003−80109号公報
このように、特許文献1の磁力選別機100では、回転ドラム102に吸着されたマグネタイトをスクレーパ105により掻き取っていた。そのため、スクレーパ105の先端部が回転ドラム102との接触により磨耗した場合、マグネタイトが回転ドラム102とスクレーパ105との隙間を順次擦り抜ける現象が発生していた。その結果、マグネタイトの回収率が低下していた。
また、前述したように、従来は粒径44〜74μmのマグネタイトが汎用されていた。しかしながら、最近ではマグネタイトの総表面積を大きくし、汚泥物質の吸着効率を高めるため、0.1〜1μmの極めて微細なマグネタイトが利用されてきた。
このように、マグネタイトが極粒子化されると、ほとんどのマグネタイトが回転ドラム102とスクレーパ105との隙間を擦り抜けてしまい、マグネタイトの回収がさらに困難になるおそれがあった。
また、特許文献2の磁力選別機によれば、このように磁気誘導円板から発生する磁束密度を、例えば14000G程度まで強化することで、油に濡れた0.1〜1μmという極めて微細なマグネタイトの磁力選別も可能になる。しかしながら、約14000Gという大きな磁力で磁気誘導円板に吸着された極めて微小なマグネタイトは、磁気ローラから離脱させることが困難であった。
この発明は、磁極に吸着した強磁性物および強磁界からの離脱が困難な微粒子状の磁性物を、効率良く磁界から離脱させることができる磁力選別装置を提供することを目的としている。
また、この発明は、弱磁性物を磁力選別することができ、磁極に吸着した強磁性物および強磁界からの離脱が困難な微粒子状の磁性物を、効率良く磁界から離脱させることができる磁力選別装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、被選別物に含まれる磁性物を磁力選別する磁力選別領域内で、被選別物に含まれる磁性物を外周面に吸着させるとともに、回転軸を中心にして回転することにより、この磁力選別領域から離間した飛移位置に磁性物を移送する磁気ローラと、この飛移位置の近傍に回転自在に配置され、この飛移位置に達した磁性物を、この磁気ローラとの間の磁気勾配により、この磁気ローラの磁界から離脱させ、その外周面に吸着させるとともに、さらに回転することにより吸着したこの磁性物を離脱位置に移送して離脱させる、磁性体からなる飛移ローラとを備えた磁力選別装置において、上記磁力選別領域内で、この磁気ローラの外周面との間に略一定の間隔を有して略円弧形状に配置され、この磁気ローラから発生した磁力線についてその一部を平行に整列させる、磁性体からなる整列対向極を有する磁力選別装置である。
請求項1に記載の発明によれば、磁気ローラは、例えばその内部に保有する永久磁石により所定の磁力を有している。この磁力により磁気ローラの外周面に磁性物のみを吸着する。被選別物中の非磁性物は磁気ローラの外周面に吸着されない。
そして、この状態から磁気ローラが回転して、その外周面に吸着した磁性物が飛移位置に達すると、この磁性物が、磁気ローラと飛移ローラとの間の磁気勾配により、飛移ローラの外周面に飛移して、その外周面に吸着される。
飛移した後の磁性物は、飛移ローラがさらに回転することで、飛移位置から離脱位置まで移送される。この離脱位置では、磁性物に作用する磁力が、飛移位置のそれよりも大きく低減される。この結果、磁性物は、その自重などにより、飛移ローラの外周面から離脱される。
すなわち、被選別物から磁性物と非磁性物とが磁力により選別されるのである。
被選別物の種類は限定されない。例えば、下水汚泥が挙げられる。また、磁性物の種類も限定されない。例えば、生物化学的下水処理に利用される微細なマグネタイトや鉄粉などが挙げられる。非磁性物としては、例えばアルミニウムといった磁性を有さない金属を採用することができる。その他、水(下水を含む)、油または水と油との混合液など、磁性を有さない液体などを採用することができる。
磁気ローラはその軸線回りに回転することで磁性物を移送する。
磁気ローラに組み込まれた磁石は、永久磁石を採用することができる。磁石のN極の面およびS極の面の磁束密度は、例えば7000G(0.7テスラ)以上である。
飛移ローラの素材は、磁性体であれば限定されない。例えば鉄、ネオジムなどが挙げられる。
飛移位置での、磁気ローラと飛移ローラとの間隔は限定されない。磁性物の粒径とその量とにより適宜変更される。例えば2〜3mm程度である。
少なくとも磁気ローラの磁性物の飛移領域において、磁気ローラの磁束密度より、飛移ローラの磁束密度の方が高ければよい。
飛移ローラはその軸線回りに回転する。
飛移位置での飛移ローラの磁束密度を高める方法は限定されない。例えば、飛移ローラの外周面に磁力線を集中させるよう先細り部を形成してもよい。
飛移ローラを磁性回転体からなる対向極として構成し、この対向極を周方向にて複数の部分対向極へ分割する場合、その分割数は限定されない。例えば、4つ、5つ、6つなどでもよい。
この場合、隣合う部分対向極同士の隙間には、空間を存在させてもよいし、例えば非磁性物を介在させてもよい。
上記磁力選別領域にあっては、整列対向極が配設されている。この整列対向極は、磁性体からなり、磁気ローラの外周面との間に略一定の間隔を有して配置され、磁気ローラから発生した磁力線についてその一部を平行に整列させる。
整列対向極により磁力線を整列させたため、磁気ローラに作用する磁力が高められることとなり、磁性物の吸着力を増すことができる。
請求項2に記載の発明は、上記磁気ローラは、回転軸の軸線方向に互いに所定間隔をあけて並んで配置されたリング状の複数の永久磁石と、隣り合う永久磁石間に介在された円板状磁性体からなる複数の磁気誘導円板とを有し、上記飛移ローラは、これらの磁気誘導円板のそれぞれに対向して配置された、磁性体からなる複数の飛移対向極を有し、各飛移対向極は、隣り合うもの同士が離間した状態で、その周方向に分割された複数の部分対向極を有するとともに、各部分対向極は、その放射外端部が先細り形状にそれぞれ形成されている請求項1に記載の磁力選別装置である。
磁性物は、微粒子状の鉄粉(Fe)でも、微粒子状のマグネタイト(FeO・Fe)でもよい。
請求項2に記載の発明に係る磁力選別装置によれば、磁気ローラを構成する隣り合う永久磁石の対向する面同士を磁気誘導円板を挟んで例えば同一の極性としたので、両側の永久磁石から発生する磁力が合成され、全体としてその磁力を増大させることができる。
また、隣合う各永久磁石間に磁気誘導円板を配設したので、各磁気誘導円板内を通過する磁力線を磁気ローラの外周面まで誘導し、各磁気誘導円板の外周面からその半径方向外側に向かって発生する磁界を強くすることができる。
磁力選別領域内において、各整列対向極は、対向する磁気誘導円板の外周面から発生した強力な磁力線により磁化される。このとき、各整列対向極の外周面の磁極は、各磁気誘導円板の外周面の磁極とその極性が異なっている。しかも、各整列対向極は磁気ローラに対して同一軸心で円弧状に配置されている。これにより、各磁気誘導円板の外周面と各整列対向極の外周面とは互いに引き合う。その結果、磁力選別領域内では磁気ローラ、とりわけ各磁気誘導円板の半径方向に発生した磁力線の広がりが抑制される。そのため、各磁気誘導円板の外周面から磁気ローラの半径方向外側に発生する磁界が強まる。これにより、被選別物中に含まれる磁性物を効率良く吸着して選別することができる。
その後、磁気ローラの外周面に吸着した磁性物は、磁気ローラの回転に伴って移送され、各飛移対向極への飛移位置に達する。このとき、各飛移対向極は、各磁気誘導円板の外周面から発生した強力な磁力線により磁化され、各飛移対向極の外周面の磁気誘導円板との対向部分が、各磁気誘導円板の外周面の磁極と異なる極性の磁極となっている。しかも、各飛移対向極の外周面部には磁力線が集中する先細り部が形成され、磁気誘導円板の外周面に比べて、各先細り部での磁束密度が高められている。その結果、磁性物は、この磁力(磁束密度)の大きさの差(磁気勾配)により、各磁気誘導円板から各飛移対向極に円滑に飛移される。
なお、先細り部の形状は限定されない。その断面形状としては、例えばW字形状、V字形状、U字形状、M字形状などを採用することができる。先細り部の先端は台形状が好ましい。これにより、磁気勾配が大きくなる。微粒子状の磁性物であっても、飛移が容易となる。
飛移後、磁性物は、飛移ローラが回転することで、磁気ローラの磁界から徐々に離反し、離脱位置にては、残留磁束密度が低下した部分対向極から、その自重などにより磁性物が離脱する。このとき、飛移対向極は隣合うもの同士が離間した複数の部分対向極に分割されている。そのため、飛移対向極は、単枚磁極の場合または隣接するもの同士が当接した複数の部分対向極からなる場合に比べて、磁気ローラから離反した際の残留磁束密度が小さい。その結果、磁極に吸着した強磁性物および強磁界からの離脱が困難な微粒子状の磁性物であっても、磁界から離脱可能となる。
このとき、飛移対向極は、隣接するもの同士が離間した複数の部分対向極に分割されている。そのため、飛移対向極は、単独磁極の場合または隣接するもの同士の端面が突き合わされた複数の部分対向極からなる場合に比べて、磁気ローラの磁界から離反したときの各部分対向極の残留磁束密度が小さくなる(弱まる)。その結果、磁極に吸着された強磁性物および強磁界からの離脱が困難な微粒子状の磁性物であっても、磁界から離脱可能となる。
磁気誘導円板には、強磁性体からなる鉄などを採用することができる。
磁気誘導円板の厚みは、磁気誘導円板の外周面の磁束密度が、弱磁性物の吸着ができる範囲内であればよく、永久磁石の磁力を考慮して決定される。例えば1〜20mm、好ましくは10mm以下である。
永久磁石は、複数の円弧状磁石を連結して磁気誘導円板に固着し、永久磁石の外周の半径方向外側には、磁気誘導円板の外径に合わせて設けられた非磁性体からなる環状の保護カバーを装着してもよい。このように、永久磁石は複数の円弧状磁石を連結して形成されるので、取扱いが簡単になるとともに、永久磁石の破損を防止することができる。
磁気誘導円板は、永久磁石の半径方向内側において、磁気誘導円板を貫通する複数の連結ねじにより連結してもよい。これにより、各磁気誘導円板と各永久磁石を、各永久磁石の反発力に抗して堅固に連結することができる。
また、磁性物を磁力選別する磁力選別領域内で、被選別物に含まれる磁性物を外周面に吸着させるとともに、回転軸を中心にして回転することにより、この磁力選別領域から離間した飛移位置に磁性物を移送する磁気ローラと、磁力選別領域内で、磁気ローラの外周面との間に略一定の間隔を有して略円弧形状に配置され、磁気ローラから発生した磁力線についてその一部を平行に整列させる磁性体からなる整列対向極部材と、上記飛移位置の近傍に回転自在に配置され、飛移位置に達した磁性物を、磁気ローラとの間の磁気勾配により、磁気ローラの磁界から離脱させ、その外周面に吸着する磁性体からなる飛移ローラとを備えた磁力選別装置であって、上記磁気ローラは、磁化方向が回転軸の軸線方向であって、その回転軸の軸線方向に互いに所定間隔をあけて並んで配置されたリング形状の複数の永久磁石と、隣合う各永久磁石間に介在され、この永久磁石の外径Dに対して1/2D〜1Dの外径を有する円板状磁性体からなる複数の磁気誘導円板とを有し、隣合う永久磁石の対向する面に形成される磁極同士は、これらの永久磁石に挟まれた各磁気誘導円板を介して同極性とし、上記整列対向極部材は、これらの磁気誘導円板のそれぞれに対向して配置された磁性体からなる複数の整列対向極を有し、上記飛移ローラは、これらの磁気誘導円板のそれぞれに対向して配置された磁性体からなる複数の飛移対向極を有し、各飛移対向極は、隣合うもの同士が離間した状態で、その周方向に分割された複数の部分対向極を有するとともに、各部分対向極はその放射外端部が先細り形状にそれぞれ形成された磁力選別装置とすることもできる。
請求項3に記載の発明は、上記飛移ローラによる離脱位置では、飛移ローラの外周面に吸着した磁性物に対して交番磁界を作用させ、この磁性物をその外周面から離脱させる脱磁器が設けられた請求項1または請求項2に記載の磁力選別装置である。
脱磁器としては、例えばソレノイドコイルなどの交番電磁石を有するものを採用することができる。なお、脱磁された磁性物を受ける脱磁槽を設けてもよい。
請求項3に記載の発明によれば、飛移ローラ(各飛移対向極)の外周面に吸着された磁性物は、各飛移対向極の回転に伴い、飛移対向極の交番磁界内に移送される。ここで、磁性物には脱磁器の交番磁界が作用される。すなわち、微粒子状の磁性物の場合、磁性物に吸引力と反撥力とが繰り返し作用し、微粒子状の磁性物が棒状に集合する。その後、この連なった磁性物の鎖が、交番磁界と磁性物の自重という2つの作用により所定部位にて断ち切られる。よって、磁極に吸着した強磁性物および強磁界からの離脱が困難な微粒子状の磁性物であっても、効率良くかつ確実に磁界から離脱させることができる。
上記磁性物は、粒径0.1〜50μmの鉄粉またはマグネタイトである。
磁性物は微粒子状の鉄粉でもよいし、微粒子状のマグネタイトでもよい。
請求項1〜3に記載の磁力選別装置によれば磁気ローラに吸着された磁性物を、磁気ローラと飛移ローラとの間の磁気勾配を利用して飛移ローラに飛移させる。しかも、飛移後の磁性物は、飛移ローラにより移送されて磁気ローラの磁界から徐々に離反する。このとき、飛移ローラの飛移対向極は互いに離間した複数の部分対向極に分割されているので、磁気ローラの磁界から離反した離反位置での部分対向極の残留磁束密度が小さい。その結果、磁極に吸着した強磁性物および強磁界からの離脱が困難な微粒子状の磁性物であっても、磁界から離脱可能となる。
この磁力選別装置によれば、磁力選別領域内において、対向する磁気誘導円板の外周面から発生した強力な磁力線により整列対向極が磁化される。これにより、磁力選別領域では各磁気誘導円板の半径方向に発生した磁力線の広がりが抑制され、各磁気誘導円板の外周面から発生する磁界が強まり、被選別物中に含まれる磁性物を効率良く吸着して選別することができる。
また、各部分対向極の外周面に先細り部が形成されているので、各磁気誘導円板の外周面に比べて、各先細り部の磁束密度が高められている。その結果、飛移位置において、磁性物は、磁気ローラと飛移ローラ(飛移対向極)との間の大きな磁気勾配により、各磁気誘導円板の外周面から各飛移対向極に円滑に飛移することができる。
特に、交番磁界内において、磁気ローラに吸着された磁性物を、交番磁界の作用により脱磁させる。これにより、磁極に吸着された強磁性物だけでなく、強磁界からの離脱が困難な微粒子状の磁性物であっても、効率良くかつ確実に磁界から離脱させることができる。
また、この磁力選別装置によれば、各部分対向極の外周面に先細り部が形成されているので、磁力選別手段の磁束密度に比べて、各部分対向極の先細り部の磁束密度が高められる。その結果、磁性物は、磁気ローラと飛移対向極との間の磁気勾配により、磁気ローラの外周面から各飛移対向極に円滑に飛移することができる。
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。なお、説明の都合上、図1において機長方向をX方向とし、このうちの一方向をX1方向、他方向をX2方向とする。また、機幅方向をY方向とし、このうちの一方向をY1方向、他方向をY2方向とする。さらに、機高方向をZ方向とし、このうちの上向きをZ1方向、下向きをZ2方向とする。
図1および図2において、10はこの発明の実施例1に係る磁力選別装置で、この磁力選別装置10は、軸線が水平な回転軸11を中心にして回転し、接触した被選別物12の中から磁性物13を外周面に吸着させて移送することにより磁力選別する磁気ローラ14と、磁気ローラ14を回転させる第1のモータ(ローラ回転駆動部)M1と、磁性物13の磁力選別領域a内で、かつ磁気ローラ14の外周面から略一定の間隔を有して円弧形状に配置され、磁気ローラ14から発生した磁力線の一部を平行に整列させる整列対向極16と、磁性物13の磁力選別領域aより磁性物13の移送側で、かつ磁気ローラ14の外周面から所定の距離離れた飛移位置bの近傍に、軸線が水平な回転軸17を中心として回転自在に配置され、飛移位置bに達した磁性物13を磁気ローラ14の磁界から離脱させる複数の飛移対向極18と、各飛移対向極18を回転軸17を中心にして回転させる第2のモータ(対向極回転駆動部)M2と、各飛移対向極18の直下に配置され、各飛移対向極18の外周面に吸着した磁性物13を、交番磁界の作用により、各飛移対向極18の残留した磁界から離脱させる脱磁器19と、これらが搭載される架台20とを備えている。
以下、これらの構成体を詳細に説明する。ただし、磁気ローラ14については後述する。
被選別物12は、沈殿池の下水中に0.1〜1μmの微粒子状のマグネタイトを投入後、空気をバブリングして汚泥物質を無害化する生物化学的処理を施した後の処理液である。そのため、磁性物13は微粒子状のマグネタイト、非磁性物13Aは水となる。
架台20は、平面視してX方向に長い矩形状を有した枠体で、底部の四隅にキャスタ40がそれぞれ設けられている。
架台20のX1側の端部上には、Y1側上枠41とY2側上枠42とにそれぞれ立設された1対の門型枠43の間に、1対の軸受44を介して、軸線がY方向に向いた上記回転軸11が横架されている。磁気ローラ14は、回転軸11の長さ方向の中間部に固定されている。
回転軸11のY1側の端部には、ギヤボックス57を介して第1のモータM1の出力軸が連結されている。第1のモータM1の元部は、後述する元板51のY1側の端部に連結されている。
また、架台20のX1側の部分には、非磁性物13Aの排出槽45が収納されている。排出槽45はホッパ形状を有し、排出槽45の開口部が、架台20のX1側上枠46、Y1側上枠41およびY2側上枠42にそれぞれ固着されている。排出槽45の開口部には、上記磁気ローラ14の下端部が収納されている。排出槽45の徐々に先細り化した下端部には、ドレン48が連通されている。ドレン48の直下には、架台20の底部にダストボックス80が配置される。
排出槽45の開口部のX1側の端上には、Y方向から視て略逆Jの字形状を有した取り付けフレーム50が立設されている。取り付けフレーム50は、下端が排出槽45に連結された垂直な元板51と、元板51の上端に連結され、上方に向かうほど徐々にX2方向に傾斜した中間板52と、中間板52の上端に連結され、水平配置される先板53とを有している。
先板53には、被選別物12の投入ホッパ54が立設されている。投入ホッパ54は、Y方向に長い平面視して矩形状の容器で、投入ホッパ54の下端部には4本のノズル54aが、Y方向に向かって所定ピッチで突設されている。具体的なノズル54aの形成位置は、そのX方向の位置が、磁気ローラ14の軸線を通過する仮想垂線上より若干整列対向極16側の位置であるとともに、そのY方向の位置が、後述する各磁気誘導円板24と対向する位置である。各ノズル54aには開閉弁55が配設されている。
中間板52のX2側の面には、連結板56を介して、整列対向極16が設けられている。また、架台20のX2側の部分には、脱磁器19が収納されている。
さらに、架台20のX2側の端部上には、Y1側上枠41とY2側上枠42との間に、1対の軸受44を介して、軸線がY方向に向いた回転軸17が横架されている。回転軸17は、上記回転軸11より若干Z2側に配置されている。飛移対向極18は、回転軸17の長さ方向の中間部に固定されている。回転軸17のY1側の端部には、ギヤボックス57を介して第2のモータM2の出力軸が連結されている。第2のモータM2の元部は、Y1側上枠41のY2側の端部に連結されている。磁気ローラ14の外周面と飛移対向極18の外周面との隙間dは、2〜3mmである。整列対向極16、飛移対向極18および脱磁器19の詳細はそれぞれ後述する。
次に、図3〜図5を参照して、磁気ローラ14を詳細に説明する。
磁気ローラ14は、回転軸12の軸線方向の両端部に円板形状を有する鉄製の補助極21をそれぞれ取り付け、両補助極21の間に複数のリング状の永久磁石構造盤22、23を交互に設けた構造を有している。また、補助極21の対向側の外周面部には、全周にわたって切欠き部21aが形成されている。
次に、永久磁石構造盤22について説明する。永久磁石構造盤22は、磁性体である鉄製の磁気誘導円板24の外周部の表裏面に、リング状磁石(永久磁石)30をそれぞれ固着した構造を有している。各リング状磁石30の磁化方向は、回転軸11の軸線方向である。各磁気誘導円板24の両側に配置されるリング状磁石30は、同極性(例えばN極)を有している。また、各リング状磁石30は、軸線を回転軸11の軸線に一致させ、補助極21または磁気誘導円板24に軸線方向の片面を固着している。
ここで、磁気誘導円板24を詳しく説明する。磁気誘導円板24には、中央に回転軸11が挿通される軸通し孔25が形成されている。また、磁気誘導円板24の軸線方向両側の外周面部には、全周にわたって切欠き部27が形成されている。さらに、磁気誘導円板24の半径方向内側には、連結ねじ28が挿通される固定用孔29が、軸通し孔25を中心とした周方向に向かって45度のピッチで均等配置されている。
また、リング状磁石30は、その外径を磁気誘導円板24の外径より切欠き部27の径方向の幅d1の分だけ小さくしている。すなわち、磁気誘導円板24の外径は、リング状磁石30の外径Dと略等しい。
次に、永久磁石構造盤23を説明する。永久磁石構造盤23は、永久磁石構造盤22の場合と同じように、磁気誘導円板24と複数のリング状磁石30とにより構成されている。ただし、リング状磁石30の磁化方向は、永久磁石構造盤22のリング状磁石30に対向するように、磁気誘導円板24を挟んで永久磁石構造盤22の場合とは逆側(例えばS極)に配置されている。永久磁石構造盤22、23は、このように同極性の磁極(N極、またはS極)が、磁気誘導円板24を介して対向配置されている。そのため、対向する磁極同士が反撥し合い、各磁極から磁気ローラ14の周方向に向かう磁力線を、磁気ローラ14の半径方向外側に曲げることができる。また、永久磁石構造盤22、23の磁力は合成することで、磁気誘導円板24の半径方向外側に発生する磁力を強化することができる。
さらに、各リング状磁石30間に設けられた磁気誘導円板24の外周面が、永久磁石構造盤22、23の外周より半径方向外側にわずかに突出している(なお、この突出量が0、すなわち磁石と円板との外周面が同一面でもよい)。そのため、磁気誘導円板24内を通過する磁力線を磁気ローラ14の外周面まで誘導することで、磁気ローラ14の外周面からの磁力線の立ち上がり方向を、磁気ローラ14の外周面に対して、より垂直に近づけることが可能になる。その結果、磁気ローラ14の外周面に対する垂直方向の磁束密度をより大きくし、選別される磁性体、特に磁性物13のような微粒子状のマグネタイト(弱磁性体)を効率よく吸着させることができる。
永久磁石構造盤22、23の外周の半径方向外側には、環状の保護カバー31が設けられている。次に、この保護カバー31について説明する。保護カバー31は、非磁性体であるステンレス鋼板からなり、磁気誘導円板24の外径に合わせて形成されている。保護カバー31は、永久磁石構造盤22、23の外周の半径方向外側に装着され、永久磁石構造盤22、23の外周と、磁気誘導円板24の切欠き部27と、筒状空間部32に装着され、直接、永久磁石構造盤22、23に磁性粉のマグネタイトが付着してしまうことを防止している。また、保護カバー31は、磁気誘導円板24の外周面と永久磁石構造盤22、23の外周面の間に一定の距離を保ち、磁気ローラ14の外周面の磁束密度の分布を調整している。
次に、リング状磁石30、保護カバー31および磁気誘導円板24の配置、連結状態について説明する。各リング状磁石30は、対応する磁気誘導円板24の一側面にそれぞれ軸線を合致させて固着されている。各リング状磁石30の半径方向外側には、保護カバー31がそれぞれ取り付けられている。
回転軸11の長さ方向の中間部には、キー溝26が形成されている。各永久磁石構造盤22、23および保護カバー31を取り付けた磁気誘導円板24は、回転軸12のキー溝26および磁気誘導円板24のキー溝に嵌入されるキー(図示せず)によって軸線方向に連結されている。しかも、各磁気誘導円板24は、8本の長尺な連結ねじ28を、対応する固定用孔29間にそれぞれ一連に挿通し、各連結ねじ28の両端部にナット35をしっかりとねじ込むことで連結されている。なお、磁気誘導円板24を固定するナット35のうちの一方は、省略して組み立てることも可能である。また、連結ねじ28の長さを短くし、磁気誘導円板24を1枚ずつ固定してもよい。
このような磁気ローラ14と上記第1のモータM1とにより、磁力を利用し、被選別物12の中から磁性物13を選別する磁力選別手段Aが構成される。
次に、図1および図4を参照して、上記整列対向極16を詳細に説明する。
図1および図4に示すように、磁力選別領域aの各磁気誘導円板24との対向位置には、磁気ローラ14の外周面から所定の距離H(例えば、10〜50mm)だけ離反し、4枚の整列対向極16が、磁気ローラ14の軸線に対して円弧状に配置されている。各整列対向極16は鉄製である。各整列対向極16の元部は継鉄58により、Y方向に向かって互いに一定ピッチで連結されている。なお、隣接する各整列対向極16の隙間には、各整列対向極16の外周面の磁界密度を高める永久磁石59を収納してもよい。永久磁石59としては、希土類磁石などを使用することができる。その際、継鉄58は省略され、永久磁石59の磁極は対向する磁気誘導円板24の外周面の磁極と異なる磁極性とする。このように構成することで、磁気誘導円板24の外周面と各整列対向極58とは引き合う。その結果、磁気ローラ14の半径方向に磁気誘導円板24の外周面から発生する磁力線の広がりを抑制することができる。よって、各整列対向極58と磁気ローラ14の間で磁束密度をさらに高めることができる。
続いて、図1、図2、図6〜図9を参照して、上記飛移対向極18を詳細に説明する。
図1、図2、図6〜図9に示すように、各飛移対向極18は鉄製である。各飛移対向極18の外周面は、対応する磁気誘導円板24の外周面と対向配置されている。各飛移対向極18は、非磁性体であるステンレス鋼からなる回転軸17の外周面に、回転軸17の軸線方向に向かって一定ピッチで、合計4枚配設されている。
各飛移対向極18は、飛移対向極18を周方向に向かって90度毎に配置された扇形状の部分対向極60に4分割されている。各部分対向極60の外周面には、X方向から視て略W形状の環状溝が形成されている。これにより、各部分対向極60の外周面には、磁束密度を高める2条の先細り部60aが形成される。すなわち、この先細り部分対向極60aの先端は台形状であって、その放射外端部がその内端側よりも幅が狭く形成されているのである。
回転軸17には、非磁性体であるステンレス製の環状スペーサ81が外嵌されている。環状スペーサ81の外周面には、周方向に向かって90度毎に、4本の仕切り枠81aが突設されている。各隣接する仕切り突起81a間に存在する空間には、空間の奥側に継鉄82が配設され、その他の領域に上記部分対向極60がそれぞれ配設されている。各継鉄82は、4枚の飛移対向極18に対して一連に掛け渡された長さ方向に直交する断面が円弧形状を有した鉄板である。
また、各部分対向極60間には、非磁性体の仕切り突起81aを介して、磁性物13の飛移後の残留磁束密度を低下させる所定長さの隙間がそれぞれ形成されている。このように、各飛移対向極18の間に隙間を形成することで、例えば磁力選別領域aでの磁束密度が26000〜27000Gでも、磁気ローラ14の磁界から離脱した際の残留磁束密度は200〜300Gまで低下する。
各部分対向極60の略重心位置には、連結ねじ61が挿通される固定用孔60bがそれぞれ形成されている。各部分対向極60は、4本の長尺な連結ねじ61により堅固に連結されている。具体的には、各連結ねじ61を、対応する固定用孔60b間にそれぞれ一連に挿通し、それぞれの連結ねじ61の両端部にナット62をしっかりとねじ込む。
次に、図1、図2および図7を参照して、上記脱磁器19を詳細に説明する。
図1、図2および図7に示すように、脱磁器19は、架台20のX2側の部分に収納された平面視して矩形状を有するホッパ型の脱磁槽63を有している。脱磁槽63は、上端の開口部が架台20のY1側上枠41とY2側上枠42との間に横架されている。脱磁槽63の下端部には、ドレン65が連通されている。ドレン65の直下には、架台20の底部に別のダストボックス80が配置される。
脱磁槽63の上部の外周面には、ホルダ枠66を介して、交番磁界を発生させるソレノイドコイル67が周設されている。ソレノイドコイル67には、トランス68、スライダック69が接続されている。
上記飛移対向極18と脱磁器19とにより、磁気ローラ14の外周面に吸着された磁性物13を、磁界から離脱させる磁性物磁界離脱装置70が構成される。
次に、実施例1の磁力選別装置10による被選別物12の磁力選別方法および磁性物13磁界離脱方法を説明する。
まず、第1のモータM1により磁気ローラ14を図1中で時計回りに所定速度で回転させる。また、第2のモータM2により飛移対向極18を同じく時計回りに所定速度で回転させる。その後、各開閉弁55を開き、投入ホッパ54内の被選別物12を各ノズル54aから磁気ローラ14の外周面に所定の流量で徐々に吐出させる。
吐出後の被選別物12は、磁気ローラ14の外周面を整列対向極16側にゆっくりと流れ落ちる。このとき、被選別物12中の微粒子状の磁性物13は、各磁気誘導円板24の磁力により、磁気ローラ14の外周面に吸着される。しかも、磁力選別領域a内において、対向する磁気誘導円板24の外周面から発生した強力な磁力線により整列対向極16が磁化される。これにより、磁力選別領域aでは各磁気誘導円板24の半径方向に発生した磁力線の広がりが抑制され、各磁気誘導円板24の外周面から発生する磁界が強まる。よって、被選別物12中に含まれる磁性物13を効率良く吸着して選別することができる。
一方、被選別物12中の非磁性物13Aである水は自重で落下し、排出槽45に流れ落ちて貯液される。そして、ドレン48から一方のダストボックス80に回収される。
磁気ローラ14の外周面に吸着された磁性物13は、磁気ローラ14が略180度回転することで飛移位置bに達する。このとき、各部分対向極60の外周面にはその放射外端が先細り形状となった先細り部60aが形成されている。そのため、各磁気誘導円板24からの磁力線が1対の先細り部60aに集中し、各部分対向極60の外周面の磁束密度が、磁気誘導円板24の14000Gに対して26000〜27000Gまで高められる。したがって、磁性物13は磁気ローラ14と飛移対向極18との大きな磁気勾配により、回転中の飛移対向極18に円滑かつ確実に飛移する。磁性物13は微粒子状のマグネタイトであるので、各先細り部60aに対して2条ずつ、微粒子の磁性物13が数珠つなぎ状態で飛移する。このとき、磁性物13に付着していた水が分離される。
飛移後、飛移対向極18に吸着した磁性物13は、その直下に配置された脱磁槽63内に達する。各飛移対向極18は互いに離間した複数の部分対向極60に分割されている。そのため、各飛移対向極18は、隣接する部分対向極60同士が当接しているものに比べて、磁気ローラ14の磁界から離脱した際の残留磁束密度が小さくなる。具体的には、26000〜27000Gから200〜300Gまで低下する。
脱磁槽63内では、磁性物13に対してソレノイドコイル67による交番磁界が作用する。その結果、例えば各飛移対向極18の直下で棒状に集合する微粒子状の磁性物13の場合には、ソレノイドコイル67に通電することで、磁性物13に対して吸引力と反撥力とが繰り返し作用する。よって、この棒状に連なった微粒子状の磁性物13の鎖は、その自重も作用することで断ち切られる。その結果、強磁性を有する大型の磁性物13だけでなく、強磁界からの離脱が困難な微粒子状の磁性物13であっても、効率良くかつ確実に磁界から離脱させることができる。また、このように磁性物13に対して吸引力と反撥力とが繰り返されている際、磁性物13に付着した水がさらに分離される。そして、ソレノイドコイル67への電圧を高めれば(例えば200Vから400V)、その分だけ磁性物13の脱磁がはやまる。
しかも、このように磁性物13は、汚泥物質に含まれた0.1〜1μmの極めて微細なマグネタイトであるので、脱磁槽63内でマグネタイトは数珠状に連なり、この状態で交番磁界の作用を受け、飛移対向極18の磁界から離脱される。離脱後の磁性物13は、脱磁槽63の底部に落下し、最終的にはドレン65を通過して別のダストボックス80に回収される。
以上、本発明に係る実施の形態について説明してきたが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、磁気ローラ14に代えて、図10に示すような固定磁板を内蔵した回転ドラムを採用してもよい。
磁気ローラ14は、8本の連結ねじ61で固定しているが、使用する永久磁石構造盤22,23の強度によっては6本、4本に減らしてもよいし、9本、10本に増やしてもよい。また、回転軸11を固定軸に変更し、両補助極21、磁気誘導円板24を固定軸に対して回転可能に設けてもよい。
この発明の実施例1に係る磁力選別装置の正面図である。 この発明の実施例1に係る磁力選別装置の側面図である。 この発明の実施例1に係る磁力選別装置の一部分を構成する磁気ローラの平面図である。 この発明の実施例1に係る磁力選別装置の一部分を構成する磁気ローラと整列対向極との要部を示す拡大断面図である。 この発明の実施例1に係る磁力選別装置の一部分を構成する永久磁石構造盤を示す拡大斜視図である。 この発明の実施例1に係る磁力選別装置の一部分を構成する磁気ローラと飛移対向極との要部を示す拡大正面図である。 この発明の実施例1に係る磁力選別装置の一部分を構成する飛移対向極の要部拡大斜視図である。 この発明の実施例1に係る磁力選別装置の一部分を構成する磁気ローラと飛移対向極との要部を示す拡大正面図である。 この発明の実施例1に係る磁力選別装置の一部分を構成する飛移対向極に吸着した磁性物の脱磁状態を示す要部断面図である。 従来手段に係る磁力選別装置の概略構成図である。
符号の説明
10 磁力選別装置、
11 中心軸、
12 被選別物、
13 磁性物、
14 磁気ローラ、
17 中心軸、
18 飛移対向極(飛移ローラ)、
19 脱磁器、
24 磁気誘導円板、
30 リング状磁石(永久磁石)、
60 部分対向極、
60a 先細り部、
a 磁力選別領域、
b 飛移位置。

Claims (3)

  1. 被選別物に含まれる磁性物を磁力選別する磁力選別領域内で、被選別物に含まれる磁性物を外周面に吸着させるとともに、回転軸を中心にして回転することにより、この磁力選別領域から離間した飛移位置に磁性物を移送する磁気ローラと、
    この飛移位置の近傍に回転自在に配置され、この飛移位置に達した磁性物を、この磁気ローラとの間の磁気勾配により、この磁気ローラの磁界から離脱させ、その外周面に吸着させるとともに、さらに回転することにより吸着したこの磁性物を離脱位置に移送して離脱させる、磁性体からなる飛移ローラとを備えた磁力選別装置において、
    上記磁力選別領域内で、この磁気ローラの外周面との間に略一定の間隔を有して略円弧形状に配置され、この磁気ローラから発生した磁力線についてその一部を平行に整列させる、磁性体からなる整列対向極を有する磁力選別装置。
  2. 上記磁気ローラは、
    回転軸の軸線方向に互いに所定間隔をあけて並んで配置されたリング状の複数の永久磁石と、
    隣り合う永久磁石間に介在された円板状磁性体からなる複数の磁気誘導円板とを有し、
    上記飛移ローラは、
    これらの磁気誘導円板のそれぞれに対向して配置された磁性体からなる複数の飛移対向極を有し、
    各飛移対向極は、隣り合うもの同士が離間した状態で、その周方向に分割された複数の部分対向極を有するとともに、
    各部分対向極は、その放射外端部が先細り形状にそれぞれ形成されている請求項1に記載の磁力選別装置
  3. 上記飛移ローラの近傍には、飛移ローラの外周面に吸着した磁性物に対して交番磁界を作用させ、磁性物を飛移ローラの外周面から離脱させる脱磁器が設けられた請求項1または請求項2に記載の磁力選別装置。
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