JPH0556623B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はプラスチツク製ケーシングを有する電
気化学によるバツテリの電極接続装置に係り、特
にプラスチツク製セル壁に設けられた開口部にネ
ジ連結体を密封して貫通せしめ、互いに隣接する
２つのセル間を電気的に接続するバツテリの接続
装置に関する。

一般に角柱状バツテリ例えばニツケル／カドミ
ウム形バツテリはセル単位で製造され、用途に応
じセルが所望数連設され一体化されて構成され
る。従つて用途に応じ所望数のセルを収容可能な
寸法のバツテリ容器を作り、所望数のセルを組み
合わせ、互いに隣接するセル間の共通壁部を介し
て電気的に接続して、いわばユニツト構成にする
際にバツテリの電極接続装置が有用である。

（従来の技術） セルの端子間の電気的接続は多くの場合セルの
上面に配設された外部接触装置を介し行なわれ
る。一方一体化されたユニツト構成のバツテリで
はこの電気的接続がセル壁を介し内部において行
なわれることも多い。かかる構成によれば主にバ
ツテリの高さおよび使用材料の費用および重量を
低減できる利点があるが、バツテリからの放熱が
悪く故障時等の保守が至難である。特定の用途に
応じてバツテリの電気的接続構成が決まる。

一体化構成をとるバツテリにおいて端子間接続
を良好に行なうため、各種の方法が提案されてい
る。例えば電極群をバツテリケーシング内におい
て上部へ向つて開口された垂直仕切室内に配列す
る構成が提案されている。この場合端子に接近し
て接続作業を行ない得るが、ユニツト化されたバ
ツテリでは端子が多数に及ぶから接続作業が依然
として煩雑である。従つてセル容器には通常組立
中電極プレート面と平行をなす一平面において開
口するような浅い容器が用いられ、接続作業の容
易化が図られる。またセル容器を連設する場合、
セル容器の開口縁が互いに隣接するセル容器の開
口縁と対向されると共に壁部に連結される。この
壁部はセル間の中間仕切壁をなす。この中間仕切
壁を介する端子の接続はバツテリの組立中に行な
われる。即ち第１の仕切室において第１の群の電
極を取り付け、第１の仕切室の開口部に対し第２
の仕切室を取り付け、第２の仕切室に第２の群の
電極を取り付けた後に、第１および第２の群の電
極の各端子を接続することになる。

この場合電極群の種類に応じて接続装置に対し
異なる要件が課せられることは理解されよう。一
方バツテリを高効率で生産するには、異なる種類
の群の電極に対し同一電極プレートおよび端子コ
ネクタを使用し得るような接続装置として構成す
ることが望ましい。

上述した種類の接続装置としては欧州特許第
0003133号に開示のものが挙げられ、この場合互
いに隣接するセル間の電組的接続は一方のセルの
プラスチツク壁部に設けられた開口部にネジ連結
体を密封して挿入することにより行なわれてい
る。且一群の電極を連結する共通電極プレートの
脚部はセル間の中間壁部の両側に配設される。更
にネジ連結体は一方の共通電極プレートの脚部に
対しナツト付のネジ山部を介し、又他方の共通電
極プレートの他の脚部に対してはネジ付のめくら
穴を介し連結される連結部材を具備している。従
つてネジ連結体を締め付けることにより連結部材
の周囲に配設された環形のスペーサが拡大されて
接合される。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら上記欧州特許第0003133号の構成
は依然として極めて複雑であり必要部品数および
組立工程数が多くコスト高になる問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明においては各共通電極プレートの開口部
およびセル間の中間壁部に設けられた開口部に同
心に挿入されるネジとネジに螺合されるナツトと
を有するネジ連結体を備え、環形のスペーサはそ
の外径が共通電極プレートの各脚部に設けられた
開口部より大で厚さがセル壁の厚さより小で且セ
ル壁より硬質の材料で作られると共にセル壁に設
けられた開口部に挿入されるネジの周囲に配設さ
れ、共通電極プレートの各脚部がネジ連結体を介
しセル壁並びにスペーサに対し強固に押圧されて
なる接続装置が提供される。

また好適な一実施態様においては一方の共通電
極プレートが固定されている場合にネジの頭部が
プレス嵌めにより共通電極プレートの脚部の開口
部内に密着して保持されうるように設けられ、且
ネジの頭部近傍には共通電極プレートの脚部の厚
さに相当する距離に亘つて直線状のローレツト切
り部が具備されると共に、ローレツト切り部と頭
部との間のわたり部が脚部の開口部の縁周部に対
し密封して接合されるように滑らかな丸味のある
面として設けられる。

（作用） 上述のように構成された本発明の接続装置によ
れば、特に共通電極プレートの各端部がネジ連結
体を介しセル壁並びにスペーサに対し強固に押圧
されるから、セル壁に対し共通電極プレートが密
封状態で良好に接合され、且セル容器の壁部と共
通電極プレートの脚部とを簡単なネジ連結体によ
つて密封状態で円滑に連結し得る。

またネジは共通電極プレート内に固設せしめら
れ、ネジの頭部に対し保持工具を接近できない場
合でもネジ連結体を強固に締付け可能である。

（実施例） 第１図を参照するに電気化学的なバツテリが示
されており、バツテリには、プラスチツク製の共
通セル壁部１８の開口部１６にネジ連結体を密封
して挿入し、互いに隣接する２セル１２，１４相
互を電気的に接続する接続装置１０が包有され、
セル１２，１４には実質的に平坦且垂直方向に平
行に配列された多数の正電極および負電極が含ま
れている。

セル１２，１４の正電極は共通電極プレート２
０を介し共通に連結され、一方セル１２，１４の
負電極は共通電極プレート２２を介し共通に連結
される。共通電極プレート２０，２２は共通セル
壁部１８の両側に配設され、直角に折曲した脚部
２４，２６を有するＬ字状の金属プレートでな
り、脚部２４，２６には夫々ネジ連結体挿入用の
円形開口部２８，３０が穿設されている。ネジ連
結体は中心位置が一直線に合致するような３個の
開口部１６，２８，３０に挿通されるネジ３２と
ネジ３２に螺合されるナツト３４とにより構成さ
れる。

このネジ連結体により各共通電極プレート２
０，２２の脚部２４，２６は共通セル壁部１８に
対し強固に固定される。共通セル壁部１８の開口
部１６においてネジ３２の周囲にスペーサ３６が
配設され、当該スペーサ３６は外径が脚部２４，
２６内の開口部２８，３０より大で且厚さが共通
セル壁部１８の厚さより小であり、共通セル壁部
１８より硬質の材料で作られている。

脚部２４，２６の開口部２８，３０はＬ字状の
各共通電極プレート２０，２２の内側からスタン
ピング加工により作られることが最適であり、従
つて開口部２８，３０を介しネジ３２の頭部とま
くれ部分を介在することなく接続可能となる。

一方ネジ３２は鍛造され、ローラによりネジ山
切りされることが最適である。本実施例の場合ネ
ジ３２は脚部２６の開口部３０にプレス嵌めさ
れ、ネジ３２の頭部が脚部２６に接合される。こ
のプレス嵌めは、脚部２６の厚さに相当する距離
３８にわたつてネジ３２の頭部に直線状にローレ
ツト切り部を施すことにより最適に達成できる。
ネジ３２のローレツト切り部と頭部との間のわた
り部４０は滑らかな丸い面として設けられ、ネジ
３２が脚部２６の開口部３０の縁部に対し密封状
態で接合されうる。

セル容器は亀裂のない、変形可能な好ましくは
ポリプロピレンのような熱可塑性樹脂を射出成形
して作られることが望ましい。セル容器には適所
に薄壁部４２，４４が具備されており、ネジ連結
体を容易に貫通し得るように形成し得る。また好
ましい実施態様によれば、共通セル壁部１８に穿
設した開口部１６の縁周部の両側に少なくとも一
個の密封リング部４６，４８，５０，５２が形成
され、この密封リングはその断面が各脚部２４，
２６に対し密封して接合可能となるよう好ましく
は三角形にされる。

更に好ましい実施態様によれば、スペーサ３６
は電気導電性を有し断面が円形をなし、且共通セ
ル壁部１８の開口部１６に挿入されるネジ３２の
周囲に配設される。スペーサ３６自体は必ずしも
密封機能を有さなくともよいので、破断耐力が極
めてい材料で作成する必要はない。例えばスペ
ーサ３６は金属線好ましくは鉄線によつても作成
され得、この場合低廉かつ高精度に作成できる。

ネジ連結体を締め付けると、脚部２４，２６が
スペーサ３６に対し押し付けられ、共通電極プレ
ート２０，２２間が安定位置に且電気的に確実に
接続される。同時に、共通セル壁部１８の共通電
極プレート２０，２２間に挾まれた部分がある程
度変形された共通電極プレート２０，２２間が密
封連結される。

ネジ連結体の固定、延いては電気的な接続は脚
部２４，２６とスペーサ３６間には高い面圧を加
えることにより達成され得、この場合スペーサ３
６をその断面が円形になるように設けることによ
り、接続がより容易になる。

相互に隣接するセル間の接続装置によりセル間
が良好に密封され得るが、これは必ずしも完全密
封状態にする必要はない。セル間の密封度の不足
により生じる漏れ電流は漏れ断面積に比例する
が、本発明の接続装置における漏れ電流は極めて
小さく、無視できる程度であることが判明してい
る。

（発明の効果） 上述のように構成された本発明の接続装置によ
れば、使用部品数および組立工程数を最小限に押
え得、且大半の電気化学電力源に対し共通の部品
を多用できるので、自動生産ラインにより電気化
学バツテリを生産する際に有効に寄与できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の接続装置を備えた
バツテリの部分断面図、第２図は同接続装置の共
通電極プレートの斜視図、第３図は同共通セル壁
部の開口部近傍の拡大断面図、第４図は同接続装
置のネジの拡大側面図である。 １０……接続装置、１２，１４……セル、１６
……開口部、１８……共通セル壁部、２０，２２
……共通電極プレート、２４，２６……脚部、２
８，３０……開口部、３２……ネジ、３４……ナ
ツト、３６……スペーサ、４０……わたり部、４
２，４４……薄壁部、４６，４８，５０，５２…
…密封リング部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プラスチツク製のセル壁に設けられた開口部
   を貫通し互いに隣接する２つのセル間を電気的に
   接続するネジ連結体を備え、電極群を連結する共
   通電極プレートのセル壁と平行な脚部にネジ連結
   体挿入用の開口部が形成され、共通電極プレート
   がセル壁の両側に配設され、ネジ連結体がセル壁
   の開口部および共通電極プレートの各脚部の開口
   部に挿入されるネジとこのネジと螺合されるナツ
   トとを包有し、環形のスペーサが、セル壁の開口
   部に挿入されるネジの周囲に配設され且このスペ
   ーサはその外径が共通電極プレートの開口部の直
   径より大で厚さがセル壁の厚さより小に且セル壁
   の材料より硬質の材料でなることを特徴とする電
   気化学バツテリの電極接続装置。 ２ ネジの頭部がプレス嵌めにより共通電極プレ
   ートの脚部の開口部内に密着して保持されてなる
   特許請求の範囲第１項記載の電極接続装置。 ３ ネジの頭部の近傍に共通電極プレートの脚部
   の厚さに相当する距離に亘つて直線状のローレツ
   ト切り部が具備され、ローレツト切り部と頭部と
   の間のわたり部が脚部の開口部の縁周部と密封し
   て接合可能に滑らかな丸い面として設けられてな
   る特許請求の範囲第２項記載の電極接続装置。 ４ セル壁の開口部の両縁周面にセル壁から突出
   する少なくとも一個の密封リングが一体に形成さ
   れ、密封リングは共通電極プレートの各脚部と密
   封して接合可能に断面が三角形をなしてなる特許
   請求の範囲第１項記載の電極接続装置。 ５ スペーサが導電性材料で作られてなる特許請
   求の範囲第１項記載の電極接続装置。 ６ スペーサの断面が円形である特許請求の範囲
   第１項記載の電極接続装置。