JPH0555043U - 捩り振動試験装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人為的な測定誤差を排除し、正確に捩り試験
を行うことができる試験装置を提供する。 【構成】 試験片12の一端を取付ける基台11と、該試験
片12の他端に取付けるとともに、回転子14及び慣性用重
錘15を有し、かつ他端にカウンターウエイト16を有する
吊り下げ部材17により吊り下げられた回転体13と、前記
回転子14の外周縁に近接して配置されたギャップセンサ
ー19と、該ギャップセンサー19の信号を記録する記録装
置20とよりなり、前記回転子14の外周縁が半周の半径が
角度に比例して変化する曲線となるように形成した捩り
振動試験装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は捩り振動試験装置、より詳しくは、金属材料の内部摩擦や減衰率を求 めるために用いられる捩り振動試験装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に金属材料、特には新組性よりなる制振合金等にあっては、内部摩擦や減 衰率を求めることが行なわれる。これら金属材料の内部摩擦や減衰率を求める場 合、捩り振動試験装置が用いられる。このような特性を測定する装置としては、 従来光てこ方式によるものが知られている。

【０００３】 その一例を図４を参照して説明すると、基台１に金属材料を線材として形成し た試験片２の一端を取付け、この試験片の他端を回転体３の下部に取付けるよう になっている。回転体３には反射鏡４及び慣性用重垂５が取付けられ、その上部 には一端にカウンターウエイト６を有する吊り下げ部材７が取付けられ、このカ ウンターウエイト６及び吊り下げ部材７により滑車８を介して吊り下げて試験片 ２に張力を与えるようになっている。レーザー発振器９より投射されたレーザー 光Ｌは反射鏡４で反射してスケール10に投射され、その光点をスケール10に映す ようになっている。このように従来の試験装置においては、光てこを利用して反 射鏡４の回転角、即ち回転体３が水平方向に回転する際の回転角度をスケール10 上に拡大してこのスケール10上の光点を目視しながらその角度の変化及び時間を 求めることによって内部摩擦や減衰率を求めるものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで前記したような従来の捩り振動試験装置には問題がある。即ち、スケ ール10は一般に回転体３と別体となっているため、その位置決めが人為的なもの となり、またスケール10上を移動する光点の位置の変化を肉眼により読み取るた め計測誤差が生じ、その結果、精密な計測ができないこととなっていた。更にこ の試験装置においては、最大振幅地点での読み取りしかできず、かつ周波数の正 確な値が取れない等の問題もあった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、前記従来の問題点を解決するためになされたものであって、試験片 の一端を取付ける基台と、この試験片の他端を取付けるとともに回転子及び慣性 用重垂を有し、かつ他端にカウンターウエイトを有する吊り下げ部材により吊り 下げられた回転体と、前記回転子の外周縁に近接して配置されたギャップセンサ ーと、該ギャップセンサーの信号を記録する記録装置とよりなり、前記回転子を その外周縁が半周の半径が角度に比例して変化する曲面となるように形成した捩 り振動試験装置を提供せんとするものである。

【０００６】

【作 用】

本考案に係る捩り振動試験装置においては、回転子の回転による変位角度に比 例した電気信号をギャップセンサーにより取出し、その電気信号を減衰波形とし て記録装置に記録することとなる。

【０００７】

【実 施 例】

以下、図１乃至図３に基づき、本考案による捩り振動試験装置の一実施例を説 明する。 図１は捩り振動試験装置の概略側面図であって、11は試験片12の下端を取付け る基台であって、この基台11は必要によりその下部にキャスター等が配置され移 動可能なようになっている。この試験片12の上端が取付けられる回転体13には回 転子14及び慣性用重垂15が設けられるとともに、その上部には一端にカウンター ウエイト16を有するテグスの如き吊り下げ部材17の一端が図示しない枠体に支持 された滑車18を経て取付けられている。即ち、この回転体13はカウンターウエイ ト16及び吊り下げ部材17により吊り下げられるようになっている。これまでの構 成は従来の装置と同様なものである。

【０００８】 回転子14は、本考案において特に考案されたものであって、図２及び図３にも 示されるように下部が開放されたキャップ状体に形成され、その外周縁14ａは半 周において半径ｒが角度に比例して変化するような曲面となるように形成されて いる。更に、その上面には必要に応じて角度目盛線14ｂを等角度で描いてこの回 転子14の回転角度を目視できるように構成されている。

【０００９】 このように構成された回転子14に近接して図示しないギャップアジャスタ等に より支持されたギャップセンサー19が配置され、このギャップセンサー19での信 号は回路Ｌ₁ から変位計20に導かれ、その信号が例えばＦＦＴアナライザーの如 き記録装置21に導入されるようになっている。試験片12の近傍には熱電対式の温 度計22が設けられてこの試験片12の温度を間接的に測定できるように構成されて いる。

【００１０】 前記構成において、試験片12の内部摩擦及び減衰率を計測する場合には、図１ のように試験片12が捩り振動試験装置にセットされたならば、回転子14に水平方 向の回転を与える。すると、この回転子14は往復回転を行なうがこのときその外 周縁14ａと所定の間隔で保持されているギャップセンサー19との距離は回転角に 比例して変化する。

【００１１】 この距離の変化をギャップセンサー19で電気出力として検知し、その信号を変 位計20に入力してここで変位量として変換して記録装置21に導入する。この変位 量は回転子14が回転している間は連続して記録装置21に導かれるため減衰波形と して記録され、そして必要に応じて表示されるのである。 本考案においては、回転子14の外周縁14ａに形成された曲線が重要な意味を持 つものであるが、この形状についてはこの外周縁14ａに対向して配置されるギャ ップセンサー19が回転子14の回転角度等に比例した信号を発生するように配置さ れている。

【００１２】

【考案の効果】 本考案における捩り振動試験装置は、試験片の一端を取付ける基台と、該試験 片の他端を取付けるとともに、回転子及び慣性用重垂を有し、かつ他端にカウン ターウエイトを有する吊り下げ部材により吊り下げられた回転体と、前記回転子 の外周縁に近接して配置されたギャップセンサーと、該ギャップセンサーの信号 を記録する記録装置とよりなり、前記回転子をその外周縁が半周の半径が角度に 比例して変化する曲面となるよう形成されている。

【００１３】 従って、回転子の回転角をギャップセンサーにより検知して記録するように構 成しているので、光てこ等を使用することなく精密な計測を行なうことができる ばかりでなく、自動的に回転角を測定できるために、その作業を省力化でき、し かも減衰周波数をも計測することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による捩り振動試験装置の概略側面図で
ある。

【図２】前記捩り振動試験装置の回転子の平面図であ
る。

【図３】図２に示した回転子の一部破断側面図である。

【図４】従来の捩り振動試験装置の概略側面図である。

【符号の説明】

１, 11 基台 ２, 12 試験片 ３, 13 回転体 ４ 反射鏡 ５, 15 慣性用重垂 ６, 16 カウンタウエ
イト ７, 17 吊り下げ部材 ８, 18 滑車 ９ レーザー 10 スケール 14 回転子 19 ギャップセンサ 20 変位計 21 記録装置 23 熱電対

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 試験片の一端を取付ける基台と、該試験
   片の他端を取付けるとともに、回転子及び慣性用重垂を
   有し、かつ他端にカウンターウエイトを有する吊り下げ
   部材により吊り下げられた回転体と、前記回転子の外周
   縁に近接して配置されたギャップセンサーと、該ギャッ
   プセンサーの信号を記録する記録装置とよりなり、前記
   回転子をその外周縁が半周の半径が角度に比例して変化
   する曲面となるよう形成したことを特徴とする捩り振動
   試験装置。