JPH0550709U - トランス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 出力端子ピンに下地メッキを容易に均等に施
すことを可能にする。 【構成】 ボビンに形成されたピン挿入孔に出力端子ピ
ン15を挿入し、巻線の導線の端部を出力端子ピン15の根
元に巻き付けて接続し、出力端子ピン15の先端をプリン
ト配線基板の孔に挿入するものにおいて、出力端子ピン
15の前記導線を巻き付ける部分には角を形成し、プリン
ト配線基板の孔に挿入する部分は角を無くして略円柱状
にする。従って、出力端子ピン15のプリント配線基板の
孔に挿入する部分は、角がなく曲面であるので、むらな
く半田メッキを施すことができ、しかも導線を巻き付け
る部分には角があるので確実に巻き付けることができ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、テレビジョン受信機等に用いられるトランスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図７は従来のトランスの内部構成を示す側面図であり、１は合成樹脂製のボビ ン、２はボビン１に形成された巻線のためのスリット部、３は他の電子部品等へ 電圧供給するための出力端子ピンである。前記ボビン１には、複数の出力端子ピ ン３を挿入するための複数の端子ピン挿入部４が形成されている。また６は低圧 側をなす１次巻線であり、前記ボビン１のスリット部２に巻回されている。

【０００３】 ところで、この種のトランスは、低圧側巻線より複数の所望の電圧を取り出し て他の電子部品等へ供給するように構成されている。すなわち低圧側の１次巻線 ６から導出された低圧取り出し用の導線６aを出力端子ピン３に巻き付け、半田 ８にて固定している。

【０００４】 前記出力端子ピン３の従来の形状は、全体が円柱形になったもの、または全体 が多角柱形になったものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来のトランスでは、出力端子ピン３の形状が多角柱形、又は円柱 形であり、かつプリント基板挿入側に出力端子ピンの角があるので、角部に下地 メッキするのがむずかしいため、長時間放置していると、角部より酸化が発生し 、出力端子ピン３をプリント基板等に挿入して半田付けする場合、半田付けが不 完全になり、プリント基板とトランスの端子ピンとの導通が不良になるという問 題があった。

【０００６】 本考案は上記課題を解決するもので、端子ピンに下地メッキを容易に均等に設 けることができるトランスを提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

以上の課題を解決するために本考案のトランスは、端子ピンの先端部すなわち 配線基板へ挿入される部分に曲部を付けたものである。

【０００８】

【作用】

本考案は、上記構成により端子は、下地メッキを均等にメッキできること、長 期保管において、酸化することなく、またこの端子ピンとプリント基板との電気 的接続処理が確実となり、配線基板ヘトランスを取り付けて端子ピンを半田付け する際にも、その部分で半田が付かなくて導通しないという不良は発生しない。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について図面を参照しながら説明する。

【００１０】 図３は本考案のトランスの一実施例の主要部分を示す側面図、図４は同トラン スのモールド完成後の外観図である。図において11はボビン、12は端子ピン挿入 部、13はボビン11に巻回された１次巻線、14は１次巻線13から導出された導線で あり、何れも図７に基づいて説明した従来のトランスの部材と同様であるので具 体的な説明は省略する。また本実施例の２次側の巻線の説明も省略する。本実施 例のトランスが従来のトランスと異なる部分は、出力端子ピン15の構成である。

【００１１】 図１は本実施例における出力端子ピン15を示す構成図であり、図１(a)は出力 端子ピン15の斜視図、図１(b)は同側面図、図１(c)は図１(b)の矢印Ｅ方向から 見た場合の正面図である。図１において、出力端子ピン15の部位Ａは稜部15aが 略直角をなす断面形状が略正方形をなす四角柱部分であり、部位Ｂは断面形状が 円柱をなす円柱部分である。また部位Ｃが端子ピン挿入部12内に挿入される部分 であり、部位Ｄが導線14を巻き付ける部分である。

【００１２】 部位Ｂで示す部分が後述するように配線基板の孔に挿入されて、半田付けされ る。この部位Ｂに曲面を付けたので、下地メッキを均等にメッキできる。

【００１３】 図２は、出力端子ピン15を端子ピン挿入部12に挿入し、出力端子ピン15に導線 14を巻き付けた状態を示す。図に示すように出力端子ピン15の根元部すなわち部 位Ｃは端子ピン挿入部12に挿入され、部位Ｄに導線14が巻き付けられている。

【００１４】 図５は出力端子ピンの他例を示す構成図であり、図５(a)は出力端子ピンの斜 視図、図５(b)は同側面図、図５(c)は図５(b)の矢印Ｆ方向から見た場合の正面 図である。図５において、出力端子ピン20の四角柱部分20aは、角の稜相当部分 が丸められ、曲部(ａ₁)が形成されている。また円柱部20bの先端も角が丸められ 、曲面部が形成されている。このように構成することにより、より良好にむら無 く下地メッキを形成することができる。

【００１５】 図６は配線基板に本実施例のトランスを装着した状態を示す説明図である。す なわち、出力端子ピン15の円柱部分20b(あるいは図１の部位Ｂ)を配線基板30の 孔31に挿入し、半田18によって固定している。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案のトランスによれば、出力端子ピンの断面形状が 、下地メッキの際にむらなく均一にメッキを施せるものであるので長時間放置ま た長期保管することができ、品質の向上を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のトランスの一実施例における出力端子
ピンの構成図である。

【図２】本考案のトランスの一実施例におけるボビンの
端子ピン挿入部に出力端子ピンを装着した状態の要部拡
大図である。

【図３】同実施例における出力端子ピンを装着した状態
のボビンの側面図である。

【図４】同実施例のトランスの完成状態の外観図であ
る。

【図５】出力端子ピンの他の例を示す構成図である。

【図６】同実施例における出力端子ピンを配線基板に挿
入した状態の要部断面図である。

【図７】従来のトランスの要部側面図である。

【符号の説明】

11…ボビン、 12…端子ピン挿入部、 13…１次巻線、
14…導線、 15，20…出力端子ピン、 30…配線基
板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の端子ピンが挿入された端子ピン挿
   入部と、外周に１次巻線が施された巻回部とを有する合
   成樹脂により形成されたボビンを備え、前記１次巻線よ
   り導出された導線を前記端子ピンの胴部に巻き付けてな
   るトランスにおいて、前記端子ピンの一端部でしかも基
   板挿入部へ挿入される部分の少なくとも一部、及び前記
   胴部の断面形状が非円形でかつ曲部を有するように他端
   部の断面形状が略円形をなすように構成したことを特徴
   とするトランス。