JPH0550276U - グロメット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 ワイヤハーネスを挿通保持するグロメット本
体と、これを隔壁側面に当接係止せしめるためのクリッ
プ部材とを具備せしめて、きわめて容易かつ確実に、隔
壁等の固定体に固定することができるグロメットを提供
する。 【構成】 中央部にワイヤハーネス１２を挿通するため
の挿通孔１３を有する略冠形状のグロメット本体１１の
開口縁部内周面には、環状の突条１４が形成されてい
る。略Ｃ字状に形成されかつその口径を狭ばめる方向に
撓ませることができる可撓弾性を有するクリップ部材１
８の外周面には、突条１４が嵌入される周溝と車室とエ
ンジンルームとを仕切る隔壁２０に設けた透孔２１の孔
縁に嵌合される周溝が形成されている。隔壁２０面とグ
ロメット本体のリップ部とが圧接され、その結果グロメ
ット本体による防水性が高められる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば自動車の室内と室外を仕切るパネルを設けた貫通孔を貫通さ せるにワイヤハーネスに挿通使用される防水、防音のためのグロメットに関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種のグロメット構造としては図１に示す如きものがある。つまり１ は自動車の室内とエンジンルームとを仕切っている隔壁であって、この隔壁１に はワイヤハーネス２を貫通せしめるための透孔３が形成されている。そしてその 透孔３を貫通させるワイヤハーネス２には予め形成されている弾性グロメット４ を挿通して、該グロメット４の周縁に形成されている環状溝５内に、透孔３の孔 縁を嵌入せしめることにより、その透孔３とグロメット４との間に生じる隙間を 、グロメット４により閉塞して、その透孔３とワイヤハーネス２間の防水、防音 とワイヤハーネス２の固定を保持せしめているものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来のグロメット構造にあっては、その材質をゴム等の弾性体とな すと共に、環状溝径を透孔３の内径よりも若干大きく設定して、そのグロメット ４を透孔３内に嵌合させるとき、該グロメット４を変形しながら多大なる人力を 加えて嵌入させるものであり、またそのグロメット４を透孔３より取り外すとき も同様な多大なる人力を加えなければならないことから、そのグロメット４の着 脱作業に多大なる手間がかかり作業性が悪いという問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案はかかる問題点に着目してなされたものでワイヤハーネスを挿通保持す るグロメット本体と、このグロメット本体を隔壁側面に当接係止せしめるための クリップ部材とを具備せしめて、そのクリップ部材の使用によりワイヤハーネス を挿通するグロメット本体を、きわめて容易かつ確実に、隔壁等の固定体に固定 することができるグロメットを提供することにある。

【０００５】

【実施例】

以下に本考案を図面に示す実施例に基いて詳細に説明する。

【０００６】 図１において、１１は中央部に、ワイヤハーネス１２を挿通するための挿通孔 １３を有する略冠形状のグロメット本体であって、このグロメット本体１１の開 口縁部内周面には、環状の突条１４が形成されている。この突条１４の断面形状 は、図３に示すように、その突条１４の片面１５は、そのグロメット本体１１の 中心部に向って開口方向に傾斜する傾斜面に形成されている。また該グロメット 本体１１の開口面１６には、可撓弾性を有するリップ部１７が形成されている。

【０００７】 １８は略Ｃ字状に形成されかつその口径を狭ばめる方向へ撓ませることができ る可撓弾性を有するクリップ部材であって、このクリップ部材１８の外周面には 、前記突条１４が嵌入される周溝１９と車室とエンジンルームとを仕切る隔壁２ ０に設けた透孔２１の孔縁に嵌合される周溝２２が形成されている。また前記の 周溝１９の側壁２３は、前記突条１４の片面１５の傾斜面と一致する傾斜面に形 成されている。２４はクリップ部材１８の両端部に側方へ突出形成されるつまみ であってこの両つまみ片２４をつまんでクリップ部材１８の両端を接近させれば 図５から図６に示すように、クリップ部材１８の外径を狭ばめることができるも のである。

【０００８】 以上が本実施例の構成であるが、次にその作用について述べると、ワイヤハー ネス１２を挿通せしめたグロメット本体１１を隔壁２０に固定するには、先ずそ のグロメット本体１１を隔壁２０の側面に当てがい、次いで、その隔壁２０の他 側から、双方つまみ片２４をつまんで図６に示すように外径を小さくしたクリッ プ部材１８を隔壁２０の透孔２１及びグロメット本体１１の内側に亘って位置せ しめる。つまりクリップ部材１８の溝１９内に突条１４が嵌入するように、また クリップ部材１８の溝２２内に隔壁２０に設けられている透孔２１の孔縁が嵌入 されるように位置せしめた後つまみ片２４のつまみ力を解放すれば、クリップ部 材１８は図５に示すように復元し、その結果各溝１９、２２内に突条１４及び隔 壁孔縁が嵌入されて、このクリップ部材１８を介してグロメット本体１１と隔壁 とは結合される。またそのクリップ部材１８の復元力で、クリップ部材の傾斜面 ２３と、グロメット本体１１の傾斜面１５とが当接し、そのグロメット本体１１ の開口面１６を隔壁２０方向へ押圧する作用が働くために、その隔壁２０面とグ ロメット本体１１のリップ部１７とが圧接され、その結果グロメット本体１１に よる防水性が高められる。

【０００９】 このように本実施例によれば、クリップ部材１８を用いてグロメット本体１１ を隔壁２０に水密的に固定することができるものであり、しかもこのクリップ部 材１８はワンタッチでグロメット本体１１及び隔壁２０を係止せしめることがで きるものであるから、そのグロメット本体１１の固定体への取付作業が迅速かつ 確実になされ、同様にして固定体に取付けられているグロメット本体１１の取外 しもクリップ部材のワンタッチ操作で行なえることから、ワイヤハーネスを挿通 保持するグロメット本体の着脱操作がきわめて容易であって作業性が大幅に向上 されるものである。

【００１０】

【考案の効果】

以上のように本考案は、固定体２０に穿設された透孔２１と、該透孔２１内を 貫通するワイヤハーネス１２との間に位置されるグロメットであって、該グロメ ットは、中央部にワイヤハーネス挿通孔１３を有し、開口部に内側周縁に突条１ ４を形成してなるグロメット本体と、周縁に上記突条１４が嵌入する溝１９と前 記透孔２１の孔縁が嵌入する溝２２を形成し、かつ略Ｃ字状に形成された可撓性 のクリップ部材１８との組合せであるグロメットであるから、これによれば、そ のクリップ部材１８を用いることにより、グロメッ本体１１を、固定体２０にワ ンタッチ操作で係止せしめることができるものであるから、そのグロメット本体 １１の固定体への取付作業が迅速かつ確実になされ、同様にして固定体に取付け られているグロメット本体１１の取外しもクリップ部材のワンタッチ操作で行な えることから、ワイヤハーネスを挿通保持するグロメット本体の着脱操作がきわ めて容易であって作業性が大幅に向上されるという効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例の説明図。

【図２】本考案実施例の構造説明図。

【図３】本考案実施例の要部拡大断面図。

【図４】本考案実施例のクリップ部材の斜視図。

【図５】本考案実施例のクリップ部材の作用説明図。

【図６】本考案実施例のクリップ部材の作用説明図。

【符号の説明】

１１…グロメット本体 １２…ワイヤハーネス １３…挿通孔 １４…突条 １５…片面 １６…開口面 １７…リップ部 １８…クリップ部材 １９…周溝 ２０…隔壁 ２１…透孔 ２２…周溝 ２３…側壁 ２４…つまみ片

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定体（２０）に穿設された透孔（２
   １）と、該透孔（２１）内を貫通するワイヤハーネス
   （１２）との間に位置されるグロメットであって、該グ
   ロメットは、中央部にワイヤハーネス挿通孔（１３）を
   有し、開口部に内側周縁に突条（１４）を形成してなる
   グロメット本体と、周縁に上記突条（１４）が嵌入する
   溝（１９）と前記透孔（２１）の孔縁が嵌入する溝（２
   ２）を形成し、かつ略Ｃ字状に形成された可撓性のクリ
   ップ部材（１８）との組合せであることを特徴とするグ
   ロメット。