JPH0549870B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、バルブ開閉用アクチユエータに付設
して使用される制御装置に関するものである。

［従来技術］ 各種のプラントや消防設備等においては、バル
ブをモータの動力により開閉させるようにしたバ
ルブアクチユエータが広く使用されている。しか
して、一般のバルブアクチユエータは、出力軸に
ウオームホイールを軸装するとともに、このウオ
ームホイールにウオームを噛合させておき、この
ウオームをモータにより駆動することによつて前
記出力軸を回転させるようになつている。そし
て、この出力軸の回転を利用して作動対象たるバ
ルブの弁体を開閉作動させるようになつている。

そして、この種のバルブアクチユエータは、バ
ルブアクチユエータ本体の出力軸に作用するトル
クがモータの正逆作動に対応するいずれかの方向
の設定限界値に達した場合にいずれかの対応する
トルクリミツトスイツチをモータ停止側へ切換作
動させるトルクリミツトスイツチ機構と、前記出
力軸の作動位置がストロークの両端に設けた設定
限界位置に達した場合にいずれかの対応する位置
リミツトスイツチをモータ停止側へ切換作動させ
る位置リミツトスイツチ機構とを具備しているの
が一般的である。

［発明が解決しようとする問題点］ ところが、このようなバルブアクチユエータで
ゲートバルブ等を開閉させるようにした場合に不
都合が生じる。すなわち、ゲートバルブ等のよう
に弁体が弁座部分にくい込むように閉成するバル
ブでは、一旦全閉させた場合には、次に開成させ
るのに瞬間的に非常に大きな力を要する。また、
前記弁体と前記弁座との間に異物がかみ込んだ場
合等にはさらに大きな作動力が必要になる場合も
ある。そのため、前記バルブアクチユエータを閉
成側の限界位置から開成方向に作動させた瞬間に
該アクチユエータの出力軸に大きなトルク、つま
り、開成側の限界位置に達した際に発生するよう
なトルクが一時的に作用する。その結果、開成側
のトルクリミツトスイツチを一瞬誤まつて切換え
てモータを停止させてしまうおそれがある。よつ
て、モータの能力を極限（ストールまたは起動ト
ルク）まで活用することが難しいという問題があ
る。

このような不都合を解消する手段としては、
開、閉いずれか一方のトルクリミツトスイツチま
たは位置リミツトスイツチがモータ停止側へ切換
わつている際に、他方のトルクリミツトスイツチ
をバイパスするバイパス回路を設けることが考え
られる。しかしながら、単にこれだけのもので
は、弁体のかみ込み等が強くバルブの開成に時間
を要するような場合に、前記モータに負荷がかか
りすぎ、該モータの焼損事故を招くおそれがあ
る。そして、この事故は、特に、モータ温度が高
い場合に起こり易い。

本発明は、このような問題点をことごとく解消
することを目的としている。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、以上のような、目的を達成するため
に、いずれか一方のトルクリミツトスイツチまた
は位置リミツトスイツチがモータ停止側に切換わ
つている際に他方のトルクリミツトスイツチをバ
イパスするバイパス回路を設けるだけでなく、さ
らに、このバイパス回路にモータを作動させるべ
き旨の信号が流れ始めた時点から設定時間が経過
した後にこのバイパス回路を遮断するオフデレー
タイマと、前記モータの温度を検出しその検出結
果に基づいて前記オフデレータイマの設定時間を
可変制御する設定時間調整手段とを設けたことを
特徴とする。

［作用］ このような手段によれば、いずれか一方のトル
クリミツトスイツチまたは位置リミツトスイツチ
がモータ停止側に切換わつている状態からモータ
の逆転により他方のトルクリミツトスイツチが切
換わるようなことがあつても、該他方のトルクリ
ミツトスイツチに並列に設けたバイパス回路を通
して信号が流れるため、モータへの通電が不当に
停止されるようなことがない。なお、モータに通
電し続けてもモータの逆転が不可能な場合には、
オフデレータイマの設定時間が経過した時点で前
記バイパス回路が遮断され前記モータへの通電が
停止されて該モータの焼損が防止される。そし
て、前記オフデレータイマの設定時間は前記モー
タの温度に応じて最適値が選定され得るので、焼
損事故が生じない範囲で前記モータへの通電時間
をできるだけ良く確保することができる。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。

図面は、バルブアクチユエータに付設される制
御装置を示している。

バルブアクチユエータは、例えば、特公昭49−
4421号公報に示されるように、バルブアクチユエ
ータ本体の出力軸に作用するトルクがモータ１の
正逆作動に対応するいずれかの方向の設定限界値
に達した場合にいずれかの対応するトルクリミツ
トスイツチ２または３をモータ停止側へ切換作動
させるとともに、前記出力軸の作動位置がストロ
ークの両端に設けた設定限界位置に達した場合に
いずれかの対応する位置リミツトスイツチ４また
は５をモータ停止側へ切換作動させるように構成
したものである。

制御装置は、制御盤等に設けた開成指令用の操
作スイツチ７から出力されるHiレベル信号を前
記トルクリミツトスイツチ２の常閉接点２ａおよ
び前記位置リミツトスイツチ４の常閉接点４ａを
介して開方向モータ駆動回路８に供給する開側メ
イン回路９と、同じく制御盤等に設けた閉成指令
用の操作スイツチ１１から出力されるHiレベル
信号を前記トルクリミツトスイツチ３の常閉接点
３ａおよび前記位置リミツトスイツチ５の常閉接
点５ａを介して閉方向モータ駆動回路１２に供給
する開閉メイン回路１３とを備えている。開方向
モータ駆動回路８は、前記開側メイン回路９から
Hiレベル信号を受けた場合に電源１４を前記モ
ータ１に接続して該モータ１を正転させ得るよう
に構成されている。また、前記閉方向モータ駆動
回路１２は、前記閉側メイン回路１３からHiレ
ベル信号を受けた場合に電源１４を前記モータ１
に接続して該モータ１を逆転させ得るように構成
されている。また、前記トルクリミツトスイツチ
２に開側バイパス回路１５を並設するとともに、
前記トルクリミツトスイツチ３に閉側バイパス回
路１６を並設している。開側バイパス回路１５
は、前記開側の操作スイツチ７をANDゲート１
７およびオフデレータイマ１８を介して前記開側
メイン回路９の前記トルクリミツトスイツチ２よ
りも後段側に介設したORゲート１９の一方の入
力端子に接続するようにしたものである。そし
て、前記ANDゲート１７の一方の入力端子には、
閉側のトルクリミツトスイツチ３または閉側の位
置リミツトスイツチ５の少なくとも一方がモータ
停止位置に切換わつた場合（前記リミツトスイツ
チ３，５の常開接点３ｂ，５ｂの少なくとも一方
が導通状態に切換わつた場合）にHiレベル信号
を出力するORゲート２１が接続してある。ま
た、閉側バイパス回路１６は、前記閉側の操作ス
イツチ１１をANDゲート２２およびオフデレー
タイマ２３を介して前記閉側メイン回路１３の前
記トルクリミツトスイツチ３よりも後段側に介設
したORゲート２４の一方の入力端子に接続する
ようにしたものである。そして、前記ANDゲー
ト２２の一方の入力端子には、開側のトルクリミ
ツトスイツチ２または開側の位置リミツトスイツ
チ４の少なくとも一方がモータ停止位置に切換わ
つた場合（前記リミツトスイツチ２，４の常開接
点２ｂ，４ｂの少なくとも一方が導通状態に切換
わつた場合）にHiレベル信号を出力するORゲー
ト２５が接続してある。前記各オフデレータイマ
１８，２３は、常時は導通状態を維持しており、
前記対応するバイパス回路１５，１６にモータ１
を作動させるべき旨の信号、つまり、Hiレベル
信号が流れ始めた時点から設定時間が経過した後
にその対応するバイパス回路１５，１６を遮断し
得るように構成したもので、その設定時間を設定
時間調整手段２６により可変制御するようにして
いる。設定時間調整手段２６は、前記モータ１の
巻線やハウジング等に装着したサーミスタ等の温
度センサ２７と、この温度センサ２７により検出
されるモータ温度に基づいて前記設定時間を選定
する時間設定回路２８とを具備してなる。時間設
定回路２８は、常温の場合に前記設定温度を、例
えば、10秒と定め、モータ温度が高くなるにつれ
てその設定時間を短くするように構成されてい
る。

次いで、この実施例の作動を説明する。まず、
バルブアクチユエータが中間位置にある場合に
は、全てのリミツトスイツチ２，３，４，５の常
閉接点２ａ，３ａ，４ａ，５ａが導通状態に維持
されている。そのため、開側の操作スイツチ７を
ONにすれば、該スイツチ７からのHiレベル信号
がトルクリミツトスイツチ２、ORゲート１９お
よび位置リミツトスイツチ４を介して開方向モー
タ駆動回路８に供給され、前記モータ１が正転し
てバルブアクチユエータが開成方向に作動を始め
る。逆に、閉側の操作スイツチ１１をONにすれ
ば、該スイツチ１１からのHiレベル信号がトル
クリミツトスイツチ３、ORゲート２４および位
置リミツトスイツチ５を介して閉方向モータ駆動
回路１２に供給され、前記モータ１が逆転してバ
ルブアクチユエータが閉成方向に作動を始める。
そして、このバルブアクチユエータが、例えば、
バルブ全閉位置まで作動すると、図面に示すよう
に、前記トルクリミツトスイツチ３および位置リ
ミツトスイツチ５（あるいは、いずれかのスイツ
チ３また５）の常閉接点３ａ，５ａが開路し、モ
ータ１への通電が断たれる。そして、この状態で
は、前記のリミツトスイツチ３，５の常開接点３
ｂ，５ｂが導通状態に切換わるため、開側のOR
ゲート２１からANDゲート１７に向けてHiレベ
ル信号が出力される。そのため、次に開側の操作
スイツチ７をONにすると、前記モータ１に開成
方向の通電が確実に行なわれる。すなわち、かか
る全閉状態から開側の操作スイツチ７を操作する
と、このスイツチ７からのHiレベル信号が前記
開方向モータ駆動回路８に供給されて前記モータ
１に正転方向の通電がなされるが、弁体のかみ込
等によつてモータ１がただちには正転し得ないこ
とが起こり得る。この場合、開側のトルクリミツ
トスイツチ２があやまつて切換わりメイン回路９
を遮断してしまうことがあるが、本装置では、バ
イパス回路１５のANDゲート１７の両入力端子
にHiレベル信号が導入されているため、前記開
側の操作スイツチ７からのHiレベル信号は、こ
のバイパス回路１５を通して前記開方向モータ駆
動回路８に供給される。そのため、前記モータ１
には正転方向の通電が続けられることになり、つ
いには、前記バルブアクチユエータが開成方向に
作動を開始する。なお、異常事態によりオフデレ
ータイマ１８の設定時間を経過しても前記モータ
１が開方向に作動し得ない場合には、該オフデレ
ータイマ１８が切換わつて、前記バイパス回路１
５を遮断し、前記モータ１への通電を停止させ
る。そのため、該モータ１の焼損事故は回避され
る。ところで、この装置では、前記設定時間が前
記モータ１の温度に応じて可変制御できるので、
モータに通電する時間を焼損事故が生じない範囲
でできるだけ長くすることが可能である。そのた
め、バルブを全閉状態から開方向へ作動させるの
に要する力が予想以上に増大した場合や、弁体と
弁座との間に異物が強力にかみ込んだ場合等に
も、モータ１を焼損させずにバルブアクチユエー
タを開成方向に作動させてかみ込みを解除し得る
可能性が高くなる。そして、この実施例では、開
成位置からモータ１を閉方向へ作動させる場合に
も同様な作動が得られるものである。

なお、オフデレータイマの設定時間は前記実施
例のものに限られるものではなく、モータの特性
等に応じて適宜定めればよい。

また、設定時間調整手段の構成も前記のものに
限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱し
ない範囲で種々変形が可能である。

［発明の効果］ 本発明は、以上のような構成であるから、バル
ブアクチユエータの動作反転時にモータに作用す
る負荷が予想外に増大したり、異物のかみ込み等
が生じた場合でも、モータを焼損させることなし
にその異常事態を解消することができるバルブア
クチユエータ用制御回路を提供できるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の１実施例を示す回路説明図であ
る。 １……モータ、２，３……トルクリミツトスイ
ツチ、４，５……位置リミツトスイツチ、１５，
１６……バイパス回路、１８，２３……オフデレ
ータイマ、２６……設定時間調整手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ バルブアクチユエータ本体の出力軸に作用す
   るトルクがモータの正逆作動に対応するいずれか
   の方向の設定限界値に達した場合にいずれかの対
   応するトルクリミツトスイツチをモータ停止側へ
   切換作動させるとともに、前記出力軸の作動位置
   がストロークの両端に設けた設定限界位置に達し
   た場合にいずれかの対応する位置リミツトスイツ
   チをモータ停止側へ切換作動させるように構成し
   たバルブアクチユエータに付設される制御装置で
   あつて、いずれか一方のトルクリミツトスイツチ
   または位置リミツトスイツチがモータ停止側に切
   換わつている際に他方のトルクリミツトスイツチ
   をバイパスするバイパス回路と、このバイパス回
   路にモータを作動させるべき旨の信号が流れ始め
   た時点から設定時間が経過した後にこのバイパス
   回路を遮断するオフデレータイマと、前記モータ
   の温度を検出しその検出結果に基づいて前記オフ
   デレータイマの設定時間を可変制御する設定時間
   調整手段とを具備してなることを特徴とするバル
   ブアクチユエータ用制御装置。