JPH0549504U - 自動車用ドアトリムにおけるポケット構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型の荷物類を収容できるとともに、小物類
の確実かつ安全な収容が可能となり、かつ小物類の取出
し等も容易に行えるなど、使い勝手を向上させた自動車
用ドアトリムにおけるポケット構造を提供することを目
的とする。 【構成】 ポケット本体２０内面に、上下方向に沿って
設けたサポート用リブ２３，２４に対して、仕切り用プ
レート３０を着脱可能に嵌込み固定することにより、ポ
ケット空間をこの仕切り用プレート３０により任意の比
率で区画でき、荷物類の寸法，大きさに対応する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用ドアトリムのポケット構造に関するもので、特に使い勝手を 向上させたポケット構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように、自動車用ドアトリムの表面下側には、各種備品，小物類等を収 容するポケットが設けられている。

【０００３】 例えば、図４に示すように、ドアトリム１に取り付けられるポケット２は、上 部を開口３するとともに、車室内側に膨出状に成形された樹脂成形体からなり、 図示しないビス等によりドアトリム１の下方側に止着されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、図４で示す従来のポケット構造においては、ポケット２の開口 ３寸法が一定であり、比較的寸法の大きな荷物等を収容する場合には適している が、サングラスや手帳等，小物類を収容する場合、自動車の急発進，急停車の際 、ポケット２内部で移動し易く、小物類がポケット２内部で散乱したり、また、 これら小物類が傷付くおそれがあるという欠点が指摘されているとともに、ポケ ット２内部から取り出す際、収容箇所が一定しないため取り出しにくい等の不具 合も指摘されている。

【０００５】 この対策として、図５に示すように、ポケット本体４と一体に仕切り板５を設 けることも提案されているが、大型の荷物をポケット内に収容する際、逆に仕切 り板５が邪魔になるという不具合があった。

【０００６】 本考案は、このような事情に鑑みてなされたもので、本考案の目的とするとこ ろは、大型の荷物類を収容できるばかりでなく、小物類を一定箇所に収容するこ とかでき、急発進，急停車により小物類がポケット内部で移動して、ポケット内 部が乱雑になったり、また小物類に損傷を与えることなく、小物類の確実な保護 を図るとともに、小物類の取り出しを容易に行なえる等、使い勝手を著しく向上 させた自動車用ドアトリムにおけるポケット構造を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、ドアトリムの表面下側に、車室内側に 膨出する形状に成形された樹脂成形体からなるポケット本体を取付ける自動車用 ドアトリムにおけるポケット構造において、 前記ポケット本体内にはポケット空間を区画する仕切り用プレートが設置され ているとともに、この仕切り用プレートを挾持するサポート用リブがポケット本 体の内壁面にその上下方向に沿って立設され、仕切り用プレートをポケット本体 に対して着脱可能に取付けることを特徴とする。

【０００８】

【作用】

以上の構成から明らかなように、本考案によるポケット構造によれば、ポケッ ト本体に対して仕切り用プレートを着脱可能に取付ける構成であるため、大型の 荷物を収容するときには、ポケット本体から仕切り用プレートを取り外して、ポ ケット本体全体を使用するとともに、小物類を収容するときには、ポケット本体 内に仕切り用プレートを嵌込んで、このポケット空間を区画して、区画された小 さなスペース内に小物類を収容すればよい。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１０】 図１は本考案によるポケット構造を適用したドアトリムを示す全体斜視図、図 ２は同ポケット構造の断面図、図３は同ポケット構造を示すもので、ポケット本 体を内面側から見た全体斜視図である。

【００１１】 図１において、符号１０は、ドアインナーパネルに内装される自動車用ドアト リムであり、この自動車用ドアトリム１０の表面下側にポケット本体２０が装着 されている。

【００１２】 上記自動車用ドアトリム１０並びにポケット本体２０の構成は、図２に示すよ うに、ドアトリム１０は、繊維板，複合樹脂板等を所要形状に成形してなる芯材 １１と、この芯材１１の表面に一体貼着され、ソフト感，良好な装飾性を付与す る表皮材１２とから大略構成されている。

【００１３】 また、ポケット本体２０は、ポリプロピレン樹脂，ＡＢＳ樹脂等の合成樹脂を 射出成形することにより、上面を開口し、かつ車室内側に膨出する形状に成形さ れた樹脂成形体から構成され、底面板２１下部に形成した取付用ボス２２にドア トリム１０裏面側からビス１３を捩込むことにより、ポケット本体２０がドアト リム１０に取付けられている。

【００１４】 ところで、本考案は、ドアトリム１０に装着されるドアポケットの使い勝手を 向上させるものであり、図３に示すように、ポケット本体２０内に仕切り用プレ ート３０を設置するとともに、この仕切り用プレート３０をポケット本体２０内 面の所定箇所にサポートするためのサポート用リブ２３を設置したことが特徴で ある。

【００１５】 さらに詳しくは、本実施例においては、ポケット本体２０の２箇所に、上下方 向に沿う一対のサポート用リブ２３，２４が形成されており、このサポート用リ ブ２３，２４に対して、仕切り用プレート３０を嵌込み固定できるように、それ ぞれのサポート用リブ２３，２４には、仕切り用プレート３０の厚みより少し大 きなクリアランスが設定されており、さらに、図２に示すように、仕切り用プレ ート３０の下端に突起３１が形成され、この突起３１が底面板２１に開設された 係止孔２５内に係合することにより、仕切り用プレート３０の取付強度を確保し ている。

【００１６】 なお、ポケット本体２０の内面には、その左右方向に沿って補強用リブ２６が 一体に設けられており、環境温度の変動により、ポケット本体２０が変形するの を防止しており、サポート用リブ２３，２４のクリアランスが変化して、仕切り 用プレート３０の脱着操作に悪影響を及ぼさないように構成されている。

【００１７】 本考案によるポケット構造は、以上のように構成されているため、例えば、大 型の荷物を収容する際には、仕切り用プレート３０をポケット本体２０から取外 した状態にしておき、ポケット本体２０内部全体を収容スペースとして利用する ことができる。

【００１８】 さらに、サングラス，手帳類等の小物類を収容する際には、仕切り用プレート ３０を、ポケット本体２０内面に形成したサポート用リブ２３に嵌込めば、ポケ ット空間を仕切り用プレート３０により２分割に区画することができ、区画され た小さなスペース内に小荷物を収容すれば、走行中の振動，急発進等により小物 類がポケット本体２０内部でむやみに移動することがなく、小物類の確実な収容 が可能となる。

【００１９】 また、荷物類の寸法により、別のサポート用リブ２４に仕切り用プレート３０ を嵌合させれば、ポケット本体２０内部のポケット空間を異なった比率で２分割 することができる。

【００２０】 このように、本考案によるドアトリム１０のポケット構造によれば、収容する 荷物類の寸法、大きさに応じて、ポケット本体２０に設けたサポート用リブ２３ ，２４に仕切り用プレート３０を嵌込むことにより、ポケット空間を任意の比率 で区画することができ、従来のドアポケットに比べ、使い勝手が著しく向上する という利点がある。

【００２１】 さらに、このサポート用リブ２３，２４は、ポケット本体２０の内面に一体に 形成されており、仕切り用プレート３０を保持する機能をもつほかに、補強用リ ブ２６と併せてポケット本体２０の剛性を強化する機能を備えており、ポケット 本体２０の変形や破損等を未然に防止できる付随的な効果もある。

【００２２】 以上、本実施例においては、ポケット本体２０の内面２箇所にサポート用リブ ２３，２４を設け、仕切り用プレート３０をこのサポート用リブ２３，２４に対 して、選択的に着脱操作するというものであるが、サポート用リブ２３，２４は １箇所あるいは３箇所以上に設定してもよく、また、仕切り用プレート３０を複 数用意して、ポケット本体２０の内部空間を３分割，４分割のように区画するこ ともでき、乗員のニーズにより、各種バリエーションを付与することも可能であ る。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案による自動車用ドアトリムのポケット構造によれ ば、以下に記載する格別の作用効果を有する。

【００２４】 （１）本考案によれば、ポケット本体内に仕切り用プレートを設置して、ポケッ ト内部の空間を区画することができるため、例えば、大型の荷物を収容する場合 には、仕切り用プレートを取り外し、ポケット本体全体を収容スペースとして利 用できるとともに、小物類を収容する場合には、容積の小さな内部空間を形成し て、小物類を収容すれば、自動車の急発進，急停車等により小物類がポケット内 部を移動することがなく、これら小物類を傷めることがなく、安全かつ確実に小 荷物類を収容できるという効果がある。

【００２５】 （２）本考案によれば、仕切り用プレートの操作により、小荷物類に適した内部 空間を形成できるため、小荷物類の収容箇所が一定となり、ポケットから簡単か つ迅速に取出すことができ、使い勝手が向上するという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるポケット構造を採用した自動車用
ドアトリムを示す全体斜視図。

【図２】図１中II−II線断面図。

【図３】本考案によるポケット構造の一実施例を示すも
ので、ポケット本体を内面側から見た全体斜視図。

【図４】従来の自動車用ドアトリムのポケット構造を示
す斜視図。

【図５】従来のドアポケットを示す斜視図。

【符号の説明】

１０ 自動車用ドアトリム ２０ ポケット本体 ２３，２４ サポート用リブ ２５ 係止孔 ２６ 補強用リブ ３０ 仕切り用プレート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドアトリム（１０）の表面下側に、車室
   内側に膨出する形状に成形された樹脂成形体からなるポ
   ケット本体（２０）を取付ける自動車用ドアトリムにお
   けるポケット構造において、 前記ポケット本体（２０）内にはポケット空間を区画す
   る仕切り用プレート（３０）が設置されているととも
   に、この仕切り用プレート（３０）を挾持するサポート
   用リブ（２３，２４）がポケット本体（２０）の内壁面
   にその上下方向に沿って立設され、仕切り用プレート
   （３０）をポケット本体（２０）に対して着脱可能に取
   付けることを特徴とするドアトリムにおけるポケット構
   造。