JPH054918Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、鋳型造型機の砂除去装置に関するも
のである。

（従来の技術） 鋳型造型用の金型内に砂を充填する方法とし
て、金型に対して相対水平移動および相対垂直移
動するブロータンク内の砂を加圧空気とともに金
型内に吹き込む、所謂ブローイング法が従来から
多用されてきている。

上記の如きブローイング法による鋳型造型を行
う場合、金型からブロータンクを離脱させる際に
金型上面に砂がこぼれ落ちるところから、金型か
らの鋳型取り出しに先立つて該こぼれ砂の除去を
行う必要がある。かかるこぼれ砂除去を目的とし
たものとしては、ブロータンクに砂かき集め用の
スクレーパを設けて、ブロータンクの金型からの
退避時に金型上面からこぼれ砂を除去する方法が
従来から行なわれてきている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のようなこぼれ砂除去方法を採用する場
合、金型上面からのこぼれ砂除去という所期の目
的は達成されるものの、金型上面からスクレーパ
により除去されたこぼれ砂が金型周辺にかき落と
されることとなり、金型周辺が砂排出ステーシヨ
ンとなつている場合には格別問題とならないが、
通常金型周辺には、金型の一部（例えば、左右の
スライド型）をスライド作動させるためのシリン
ダ等の付帯設備が配設されていることが多く、そ
のような場合にはスクレーパによりかき落とされ
たこぼれ砂が前記付帯設備にふりかかり、機器故
障等を引き起こす原因ともなりかねないという問
題があつた。

本考案は、上記の点に鑑みてなされたもので、
造型サイクル毎に金型上面から除去されるこぼれ
砂を所定の砂排出個所に集め得るようにし、以つ
て金型周辺の付帯設備にこぼれ砂がふりかかるの
を防止することを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案では、上記問題点を解決するための手段
として、鋳型造型用の金型と該金型上方に位置す
るブロータンクとを相対水平移動自在となすとと
もに、前記ブロータンクと金型とを合致せしめた
状態においてブロータンク内の砂を金型内に吹き
込むことにより鋳型を造型する如く構成された鋳
型造型機において、前記金型からブロータンクが
退避する方向の金型側方に、砂受皿を傾動自在に
設ける一方、前記ブロータンクに、該ブロータン
クと金型との相対水平移動時に前記金型上面にこ
ぼれ落ちた砂をかき集める如く作用するスクレー
パと、ブロータンク退避時に前記砂受皿の上動側
揺動端に設けられた係止部材と持ち上げ可能状態
で係合する係合部材と、前記スクレーパおよび係
合部材を昇降駆動させる昇降手段とを設けてい
る。

（作用） 本考案では、上記手段によつて次のような作用
が得られる。

即ち、鋳型造型用の金型内にブロータンク内の
砂を吹き込んだ後において、ブロータンクを金型
から離脱せしめる際に該ブロータンクから砂が金
型上面にこぼれ落ちるが、該こぼれ砂はブロータ
ンクが金型から退避する際に、ブロータンクに昇
降自在に設けられたスクレーパによつてかき集め
られて金型側方の砂受皿に移載される。この時、
ブロータンク退避と同時に、ブロータンクに昇降
自在に設けられた係合部材が砂受皿側の係止部材
に係合せしめられ、その状態での係合部材の上昇
作動により砂受皿が傾動せしめられると、砂受皿
上に移載された砂が適宜排出場所に排出されるこ
ととなるのである。従つて、金型上面のこぼれ砂
が、金型周辺の付帯設備にふりかかるのを防止す
ることができることとなるのである。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して、本考案の好適な
実施例を説明する。

本実施例の鋳型造型機は、第１図図示の如く、
上型１ａ、下型１ｂおよび左右のスライド型１
ｃ，１ｄからなる鋳型造型用の金型１と、該金型
１の上方にあつて水平移動および垂直移動可能と
されたブロータンク２とを備えている。前記金型
１における下型１ｂは固定とされる一方、上型１
ａおよび左右スライド型１ｃ，１ｄは可動とされ
ている。前記左スライド型１ｃは駆動手段である
シリンダ３によつて進退作動せしめられるように
なつている。なお、前記上型１ａを上下動させる
ための駆動手段および右スライド型１ｄを進退作
動させるための駆動手段は図示省略されている。

前記ブロータンク２は、図示しない横行台車に
上下動自在に支持され、前記金型１の直上方位置
と金型１側方の退避位置との間を水平移動せしめ
られるとともに、前記金型１の直上方位置におい
て昇降作動せしめられるようになつている。な
お、ブロータンク２を水平および垂直作動させる
ための駆動手段は図示省略されている。しかし
て、このブロータンク２内には、鋳型造型用の砂
が収容されていて、該ブロータンク２を金型１上
面に合致させた状態（第２図参照）において、内
部に収容された砂を加圧空気とともに金型１内に
吹き込むことによつて鋳型の造型が行なわれるよ
うになつているのである。

そして、本考案の特徴として、前記金型１から
ブロータンク２が退避する方向の金型１側方に
は、砂受皿６が軸受７により傾動自在に設けられ
ている。該砂受皿６において金型１に近い方の端
部は上動側揺動端とされており、該上動側揺動端
には砂の脱落を防止すべき起立壁６ａが一体に立
設されている。一方、前記砂受皿６において金型
１から遠い方の端部は下動側揺動端とされてお
り、該下動側揺動端は開放状態とされている。さ
らに、前記砂受皿６の上動側揺動端には、逆Ｌ字
状部材からなり、砂受皿６を傾動させる際におけ
る係止部となる穴８を有する係止部材９が突設さ
れている。符号１０は砂受皿６を水平状態に保持
するためのストツパー、１１は前記砂受皿６の上
動側揺動端と金型１の上面との間に介設された砂
掃き出し用のブリツジ部、１２は砂受皿６の下動
側揺動端の下方に設置された砂受容器である。

一方、前記ブロータンク２には、該ブロータン
ク２の金型１上方からの退避作動時に前記金型１
上面にこぼれ落ちた砂Ｓをかき集める如く作用す
るスクレーパ１３と、ブロータンク２の退避時に
前記砂受皿６の上動側揺動端に設けられた係止部
材９の穴８と係合するＬ字状の係合部材１４とが
昇降手段として作用する昇降シリンダ１５を介し
て昇降自在に設けられている。つまり、該昇降シ
リンダ１５は、前記ブロータンク２の側面に対し
てブラケツト１６を介して固定されていて、その
ピストンロツド１５ａ先端に前記スクレーパ１３
および係合部材１４が共に連結され、昇降シリン
ダ１５の伸張あるいは収縮作動に伴つてスクレー
パ１３および係合部材１４が下降あるいは上昇作
動せしめられるようになつているのである。

ついで、図示の鋳型造型機の作用を、第２図お
よび第３図を参照して説明する。

先ず、第１図図示の状態にあるブロータンク２
を図示しない横行台車により第１図矢印Ａ方向に
移動させて金型１の直上方位置に位置せしめた
後、横行台車上で第１図矢印Ｂ方向に下降せし
め、第２図図示の如く、金型１とブロータンク２
とを合致せしめる。しかる後、ブロータンク２内
に収容されている砂を加圧空気とともに金型１内
に吹き込んで（換言すれば、ブローイングして）
鋳型造型を行う。鋳型造型が完了すると、ブロー
タンク２は、第２図矢印Ｃ方向に上昇せしめられ
て、金型１から離脱せしめられるが、その時、第
３図図示の如く、ブロータンク２から金型１の上
面に砂Ｓがこぼれ落ちる。その後、ブロータンク
２は第３図矢印Ｄ方向に移動せしめられて、金型
１直上方位置から退避せしめられるが、該退避に
先立つて、昇降シリンダ１４が伸張作動せしめら
れてスクレーパ１３および係合部材１４が下降せ
しめられる。従つて、ブロータンク２の退避作動
に伴つて、金型１上面のこぼれ砂Ｓがスクレーパ
１３によつてかき集められ、金型１側方の砂受皿
６に移載せしめられることとなる。かくして、ブ
ロータンク２の退避が完了すると、第１図図示の
如く、金型１上面のこぼれ砂Ｓが完全に砂受皿６
に移載されると同時に、係合部材１４が砂受皿６
側の係止部材９の穴８に係合せしめられることと
なる。そこで、昇降シリンダ１４を収縮作動させ
ると、スクレーパ１３とともに係合部材１４も上
昇せしめられることとなり、該係合部材１４の上
昇に伴つて砂受皿６の上動側揺動端が第１図矢印
Ｍ方向に揺動せしめられ、砂受皿６は第１図鎖線
図示の如く傾動状態とされる。該砂受皿６の傾動
に伴つて砂受皿６上に移載されていたこぼれ砂Ｓ
は、砂受容器１２に払い落とされることとなる。

金型１への次回のブローイングに際しては、第
１図図示の状態にあるブロータンク２を矢印Ａ方
向へ移動させることにより行なわれるが、その
時、係合部材１４と係止部材９の穴８との係合が
自動的に解除され、砂受皿６はストツパー１０に
より下動規制されることにより水平状態に復帰せ
しめられることとなる。

上記した如く、本実施例によれば、ブロータン
ク２を金型１から離脱せしめる際に該ブロータン
ク２から金型１上面にこぼれ落ちたこぼれ砂Ｓ
は、ブロータンク２が金型１から退避する際に、
スクレーパ１３によつてかき集められて金型１側
方の砂受皿６に移載された後、ブロータンク２に
昇降自在に設けられた係合部材１４の上昇作動に
伴う砂受皿６の傾動によつて砂受容器１２へ払い
落とされることとなり、金型１周辺の付帯設備
（例えば、スライド型１ｃをスライド作動させる
ためのシリンダ３等）にこぼれ砂Ｓがふりかかる
のを防止することができるのである。

なお、上記実施例においては、ブロータンク２
が金型１に対して水平移動可能とされているが、
ブロータンク２を固定とし、金型１を水平移動可
能とするようにしてもよい。

また、上記実施例では、スクレーパ１３と係合
部材１４との昇降手段を昇降シリンダ１５で共用
するようにしているが、スクレーパ１３と係合部
材１４とを別々の昇降手段で動作せしめるように
してもよい。

さらに、本考案は、上記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、考案の要旨を逸脱しない範囲
において適宜設計変更可能なことは勿論である。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案によれば、鋳型造型用の金
型と該金型上方に位置するブロータンクとを相対
水平移動自在となすとともに、前記ブロータンク
と金型とを合致せしめた状態においてブロータン
ク内の砂を金型内に吹き込むことにより鋳型を造
型する如く構成さた鋳型造型機において、前記金
型からブロータンクが退避する方向の金型側方
に、砂受皿を傾動自在に設ける一方、前記ブロー
タンクに、該ブロータンクと金型との相対水平移
動時に前記金型上面にこぼれ落ちた砂をかき集め
る如く作用するスクレーパと、ブロータンク退避
時に前記砂受皿の揺動端側に設けられた係止部材
と持ち上げ可能状態で係合する係合部材と、前記
スクレーパおよび係合部材を昇降駆動させる昇降
手段とを設けているので、ブロータンクを金型か
ら離脱せしめる際に該ブロータンクから金型上面
にこぼれ落ちたこぼれ砂は、ブロータンクが金型
から退避する際に、スクレーパによつてかき集め
られて金型側方の砂受皿に移載された後、ブロー
タンクに昇降自在に設けられた係合部材の上昇作
動に伴う砂受皿の傾動によつて適宜場所へ払い落
とされることとなり、極めて簡易な手段を付加す
ることによつて、金型周辺の付帯設備にこぼれ砂
がふりかかるのを防止することができるという実
用的な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる鋳型造型機の
要部を示す側面図、第２図および第３図は第１図
図示の鋳型造型機の作動の態様を示す側面図であ
る。 １……金型、２……ブロータンク、６……砂受
皿、９……係止部材、１３……スクレーパ、１４
……係合部材、Ｓ……こぼれ砂。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋳型造型用の金型と該金型上方に位置するブロ
   ータンクとが相対水平移動自在とされており、前
   記ブロータンクと金型とを合致せしめた状態にお
   いてブロータンク内の砂を金型内に吹き込むこと
   により鋳型を造型する如く構成された鋳型造型機
   において、前記金型からブロータンクが退避する
   方向の金型側方には、砂受皿が傾動自在に設けら
   れる一方、前記ブロータンクには、該ブロータン
   クと金型との相対水平移動時に前記金型上面にこ
   ぼれ落ちた砂をかき集める如く作用するスクレー
   パと、ブロータンク退避時に前記砂受皿の上動側
   揺動端に設けられた係止部材と持ち上げ可能状態
   で係合する係合部材と、前記スクレーパおよび係
   合部材を昇降駆動させる昇降手段とが設けられて
   いることを特徴とする鋳型造型機の砂除去装置。