JPH0548130B2 - - Google Patents

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JPH0548130B2
JPH0548130B2 JP62074128A JP7412887A JPH0548130B2 JP H0548130 B2 JPH0548130 B2 JP H0548130B2 JP 62074128 A JP62074128 A JP 62074128A JP 7412887 A JP7412887 A JP 7412887A JP H0548130 B2 JPH0548130 B2 JP H0548130B2
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JP
Japan
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pulse
frequency
delay time
calculation unit
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JP62074128A
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JPS63240829A (ja
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Shinichiro Ueno
Hiroshi Fukukita
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、被検体内に超音波を送受波し、被検
体内の音響伝搬特性を計測し、被検体内の温度変
化を求める超音波測温装置に関するものである。
従来の技術 被検体内の音響的情報を超音波を用いて得る方
式の例としては超音波診断装置がある。超音波診
断装置は生体内に超音波を送波し、生体内からの
反射波により生体内の情報を得るパルス反射法を
用いるものが主流を占めている。通常、パルス反
射法は生体内の音響インピーダンスの差のある界
面からの反射エコー強度、すなわち振幅値と超音
波の伝搬時間とから生体内の情報を2次元的に集
め表示することで断層像を得るものである。しか
し近年、おもに生体組織の形状判断を行う超音波
診断装置に対し、生体内組織形状のみならず質の
情報も得たいという要望も高まつている。このよ
うな生体組織の質に関する情報は例えば生体内の
各種臓器で特有の値を有する超音波の減衰の大き
さ、音速等を計測することにより得ることができ
る。この超音波の減衰係数を計測する方法として
例えばウルトラソニツク、イメージング
(ULTRASONIC IMAGING)、vol5、No.2、
1983、117〜135頁に記載されている構成が知られ
ている。以下、第7図を参照して従来の超音波減
衰係数計測法について説明する。
第7図において、101は被検体、102は被
検体101に対して超音波の送受信を行う超音波
探触子、103は超音波探触子102を駆動する
パルス駆動器、104は超音波探触子102の受
信信号を増幅する受信回路、105は受信回路1
04の出力に対し周波数分析を行う周波数分析
器、106は周波数分析器105の出力に対し演
算を行う演算部である。
以上のような構成において、以下その動作につ
いて説明する。
まずパルス駆動器103により駆動パルスが送
出され、超音波探触子102に加えられ、超音波
探触子102は超音波パルスを発生する。発生し
た超音波パルスは被検体101の中を伝搬しなが
ら組織の音響的性質に対応して次々に散乱され、
その一部は伝搬経路すなわち音響走査線上を逆行
して超音波探触子102へ到達し、受信信号に変
換される。この過程で超音波パルスは生体組織の
超音波減衰特性や超音波散乱特性の影響を受け
る。受信信号は受信回路104で増幅され、周波
数分析器105で中心周波数が求められる。中心
周波数の求め方としては、ゼロクロスカウンタ
法、あるいはFFT等を利用した方法がある。こ
の中心周波数は伝搬距離、超音波の減衰係数に依
存する値である。演算部106では、周波数分析
器105の中心周波数出力から超音波の減衰係数
を求める。以上の説明では被検体101の超音波
散乱係数の影響が無いものとしている。
発明が解決しようとする問題点 しかし、以上のような構成では、同じ組織にお
いても少し場所が異なると超音波散乱状態がかな
り変化するという被検体101の超音波散乱係数
の影響を大きく受け、中心周波数から超音波減衰
係数を求めることは誤差が非常に大きいという問
題があつた。
本発明は従来技術の以上のような問題点を解決
するもので、生体のように複雑な超音波散乱特性
を有する被検体に対して、この超音波散乱特性の
影響を受けずに受信信号の中心周波数を計測し、
超音波減衰係数を求め、この超音波減衰係数の温
度依存を利用し、生体内の特定部位の相対温度変
化を高精度に求めることを目的とするものであ
る。
問題点を解決するための手段 本発明は、ポンプ波超音波パルスを送出するポ
ンプ波超音波変換器と、 前記ポンプ波超音波パルスより周波数の高いプ
ローブ波超音波パルスを送出するプローブ波超音
波変換器と、 前記ポンプ波超音波パルス、及び前記プローブ
波超音波パルスの駆動を制御し、そのポンプ波超
音波パルスの粒子速度が極小から極大に変化する
領域でかつその変化率の最も大きい第1の位置、
及び前記ポンプ波超音波パルスの粒子速度が極大
から極小に変化する領域でかつその変化率の最も
大きい第2の位置で、前記プローブ波超音波パル
スを当該ポンプ波超音波パルスに重畳させる制御
駆動部と、 前記ポンプ波超音波パルスによつて生じる前記
プローブ波超音波パルスの遅延時間差を求める遅
延時間差算出部と、 前記制御駆動部により、前記第1の位置に重畳
した時の被検体からの受信信号のスペクトル分布
と、前記第2の位置に重畳した時の被検体からの
受信信号のスペクトル分布を求める周波数分析器
と、 前記周波数分析器に接続され、前記第1、第2
の位置における2つのスペクトル分布の交差する
周波数を求める交差周波数演算部と、 前記ポンプ波超音波パルスの強度を変化させる
パルス駆動部と、 前記交差周波数演算部の出力と前記遅延時間算
出部の出力から前記プローブ波超音波パルスの受
信信号の中心周波数を求める中心周波数演算部
と、 前記中心周波数演算部の出力から超音波減衰特
性を求める減衰算出部と、 前記減衰算出部に接続され、前記超音波減衰特
性の変化より相対温度変化を求める温度変化演算
部とを設けることにより、上記目的を達成するも
のである。
作 用 本発明は上記構成により、被検体中に実現した
ポンプ波パルスとプローブ波パルスの2種類の特
定の重ね合わせた状態の各々に対応した受信信号
のスペクトル分布の交差周波数を、ポンプ波パル
スの強度を変え遅延時間差を変更しながら求める
ことにより受信信号が有するスペクトル分布の中
心周波数を精度良く求めることができ、温度変化
を高精度に計測できる。
実施例 以下に本発明の実施例を図面を用いて詳細に説
明する。
第1図は本発明の一実施例における超音波測温
装置を示すブロツク図である。第1図において、
1は低周波帯のポンプ波超音波パルス(以後、ポ
ンプ波パルスと称す)を送出するポンプ波超音波
変換器、2はポンプ波超音波パルスより周波数の
高いプローブ波超音波パルス(以後、プローブ波
パルスと称す)を送出するプローブ波超音波変換
器、3はポンプ波超音波変換器1及びプローブ波
超音波変換器2を位相制御駆動する制御駆動部で
ある。制御駆動部3はポンプ波超音波変換器1を
駆動する可変出力のパルス駆動器31、プローブ
波超音波変換器2を駆動するパルス駆動器32、
パルス駆動器31及び32の相互のパルス発生タ
イミング差を制御する遅延制御部33で構成され
る。また4はプローブ波超音波変換器2の出力を
増幅する受信回路、5は受信回路4の出力に信号
処理を行う信号処理部である。信号処理部5は受
信回路4の出力信号をデジタル信号に変換する
A/D変換器51、A/D変換器51の出力を記
憶するメモリ52、メモリ52の出力データに対
して周波数分析を行う周波数分析器53、周波数
分析器53の出力である複数の周波数スペクトル
の交差する周波数の算出を行う交差周波数演算部
54で構成される。更に6は制御駆動部3等へク
ロツクを供給するクロツク源、7は受信回路4に
接続された遅延時間差演出部である。遅延時間差
算出部7は受信回路4の出力信号をデジタル信号
に変換するA/D変換器71、A/D変換器71
の出力を記憶するメモリ72、メモリ72の出力
データに対して位相を求める位相算出部73、位
相算出部73の出力をもとに位相シフト量を求め
る位相シフト量算出部74、位相シフト量算出部
74の出力をもとに遅延時間差を求める遅延時間
差変換部75で構成される。8は信号処理部5の
出力と遅延時間差算出部7の出力を記憶するメモ
リ、9はメモリ8に記憶されているデータより中
心周波数を求める中心周波数演算部、10は中心
周波数演算部9の出力をもとに超音波の減衰係数
を算出する減衰算出部、11は減衰算出部の出力
を記憶するメモリ、12はメモリ11に記憶され
ているデータと減衰算出部10の出力より相対温
度変化を算出する温度変化演算部、13は温度変
化演算部12の出力を表示する表示部、14はシ
ステム全体の制御を行う主制御部、15は被検体
である。
以上のような構成において、以下その動作を説
明する。
まず、プローブ波パルスの例を第2図aに、ポ
ンプ波パルスの例を第2図bに示す。第2図c,
dは、ポンプ波パルスとプローブル波パルスの特
定の2種類の重ね合わせの位置を示す図である。
これらの波形は制御駆動部3の出力状態変化に対
応するものある。ポンプ波パルスの中心周波数は
例えば0.3MHz、プローブ波パルスの中心周波数
は例えば3MHzとし、これらの中心周波数の値は
互いに大幅に異なる値が選ばれている。第2図c
においては、プローブ波パルスの波形の重心はポ
ンプ波パルスの粒子速度(音圧)が雰近傍、かつ
その粒子加速度が正のピークを示すタイミング
(ポンプ波パルスの粒子速度が極小から極大に変
化する領域でかつその変化率の最も大きい位置)
で重畳されており、この状態を位相状態A+と呼
ぶ。一方、第2図dにおいてはプローブ波パルス
の波形の重心はポンプ波パルスの粒子速度が雰近
傍、かつその粒子加速度が負のピークを示すタイ
ミング(ポンプ波パルスの粒子速度が極大から極
小に変化する領域でかつその変化率の最も大きい
位置)で重畳されており、この状態を位相状態
A-と呼ぶ。又、これらのポンプ波パルスの波長
をΛ、プローブ波パルスのパルス長をtとしたと
き、 2t<Λ ……(1) とすることが望ましい。(1)式の関係を満たすと、
プローブ波パルスの変調特性の解析が容易にでき
る。
次に、第2図に示した各パルスが被検体15内
を伝搬しながら歪む様子を詳しく説明する。
第3図aの破線で示したポンプ波パルスは、伝
搬に伴い粒子速度(音圧)に依存し図示した矢印
の方向に歪み、結果として実線で示すような波形
に変調される。より具体的には、この歪は粒子速
度の大きさに依存するもので、粒子速度が正の部
分(同図では波形の上の部分)では伝搬方向と同
じ方向の歪を受け、逆に粒子速度が負の部分(同
図では波形の下の部分)では伝搬方向と逆の歪を
受ける。この現象は対象物の非線形性により程度
の差はあるものの、一意的に決定されるものであ
る。第3b図及びcはポンプ波パルスの歪みによ
り、重畳されたプローブ波パルスが変調される様
子を示す。第3図bでは位相状態A+で重畳され
たプローブ波パルスの中心周波数が伝搬に伴い高
周波側へシフトし、第3図cでは位相状態A-
重畳されたプローブ波パルスの中心周波数が伝搬
に伴い低周波側にシフトする様子を示す。より具
体的には、図3bに示す如く、ポンプ波パルスの
極小点から極大点へ変化する領域に重ねた場合
は、重ね合わせた部分のポンプ波パルスの波形は
伝搬に伴い「立つた状態」に歪むので、重ね合わ
されたプローブ波パルスは時間領域で圧縮され
る。即ち、周波数領域では高周波側にシフトされ
る。
逆に、ポンプ波パルスの極大点から極小点の間
に重ねた場合は、図3cに示す如く、重ね合わせ
た部分のポンプ波パルスの波形は伝搬に伴い「寝
た状態」に歪み、プローブ波パルスは時間領域に
伸ばされ、周波数領域では低周波側シフトされ
る。
ところでプローブ波パルスの周波数特性T(f)を
(2)式で示すようなガウス状のものとする。
T(f)=exp{−(f−fC2/B} ……(2) 但し、f;周波数、fC;中心周波数、B;定数
である。ポンプ数パルスの非線形相互作用により
中心周波数が高周波側にシフトする位相状態A+
と、中心周波数が低周波側にシフトする位相状態
A-で重畳したプローブ波パルスの被検体15中
を伝搬したときのスペクトルをT+(f)、T-(f)とす
る。T+(f)及びT-(f)はポンプ波パルスの非線形相
互作用により、それぞれの中心周波数が変化する
とともに(2)式に示すBの値が変化する。すなわち
高周波側に中心周波数がシフトするT+(f)のBの
値は大きくなり、逆に低周波側に中周波数がシフ
トするT-(f)のBの値は小さくなる。更に被検体
15内を伝搬するプローブ波パルスは伝搬に伴う
減衰の影響により中心周波数は低周波側にシフト
し、また振巾は小さくなる。この減衰の影響と非
線形相互作用の影響によりT+(f)とT-(f)の形状は
第4図に示すようになる。なお超音波の周波数依
存減衰特性α(f)は次の式で表わされる。
α(f)=A0(f/f0n ……(3) 但し A0;周波数f0における超音波減衰係数 n;通常の生体軟組織に対しては約1 次にプローブ波をポンプ波の粒子速度ピーク部
分に重畳させると、ポンプ波がない場合に比べて
伝搬速度が変化する。その結果、次式で示すよう
に微小区間△x伝搬したときに伝搬時間差(以下
遅延時間τと呼ぶ)を生じる。
τ=△x(1/C0−1/C) ……(4) 但し C0;無限小振幅時の音速 C;ポンプ波パルス粒子速度ピーク部分の伝搬速
度 ポンプ波パルスの無い場合、すなわち伝搬に伴
う減衰の影響だけによる入射プローブ波パルスの
中心周波数数の伝搬距離に対する変化と、ポンプ
波パルスの粒子加速度ピーク部分に重畳したプロ
ーブ波パルスの伝搬に伴う減衰と非線形相互作用
による第4図に示した2つのT+(f)T-(f)の交差す
る周波数の伝搬距離に対する変化は第5図に示す
ようになる。例えば、ポンプ波パルスの強度を通
常の超音波診断装置に使用している程度、
0.25w/cm3とするとτは△x=1cmに対して約
1nsecとなる。ポンプ波パルスの中心周波数を
0.3MHz、入射プローブ波パルスの中心周波数を
3MHzとし、音響伝搬速度1480m/secの被検体1
5において伝搬距離20cmで、T(f)の中心周波数fC
に対し、T+(f)、T-(f)の交差する周波数の方が数
%程度大きくなる。更に制御駆動部3の出力状態
を変えポンプ波パルスの強度を変えて遅延時間差
τが変つたときの被検体15の同じ伝搬距離に対
するT+(f)、T-(f)の交差する周波数を求める。こ
のようにポンプ波パルスの強度を変えて複数回測
定した任意の伝搬距離に対する遅延時間差と交差
する周波数との関係を第6図に示す。
第6図において、横軸のτ0(すなわち、τ=0
のとき)がポンプ波パルスの無い場合、すなわち
伝搬に伴う減衰の影響だけによるものでありτ0
ときの交差周波数fCは、実線に示したように、複
数の遅延時間差、例えば第6図のτ1、τ2、τ3、τ4
とそれぞれに対応する交差する周波数のデータを
高次の曲線で近似することにより、fCを推定する
ことが可能である。このτ0のときの交差周波数fC
は減衰の影響だけによる伝搬距離に対する入射プ
ローブ波パルスの変化した中心周波数と考えるこ
とができる。すなわち第6図に示したように複数
の遅延時間差と交差周波数のデータを用いて特定
の伝搬距離に対する入射プローブ波パルスの中心
周波数fCを精度よく求められることが原理的に明
らかになつた。
更に、受信信号が有するスペクトル分布の中心
周波数におけるシフト量の被検体15中における
伝搬距離依存を求めれば、従来知られている方法
で、被検体15中の超音波の減衰特性を求めるこ
とが可能である。また、この減衰特性は温度依存
を有する量であるから、減衰特性の変化を求めれ
ば、更に温度変化を得ることも可能になる。
次に、精度良く中心周波数を測定するため補正
に用いる、遅延時間差τを測定する方式について
説明する。遅延時間差τを測定する方式は種々知
られているが、例えば、プローブ波パルスの位相
シフト量を測定することにより実現可能である。
まず制御駆動部3のパルス駆動器32を動作さ
せ、超音波変換器2を駆動し被検体15中にプロ
ーブ波パルスだけを送出させる。被検体15中を
伝搬するプローブ波パルスは、被検体15の音響
的性質の変化に対応して次々に散乱され、散乱さ
れた超音波はプローブ波超音波変換器2において
受信される。受信された受信信号は受信回路4で
増幅され遅延時間差算出部7に送られる。遅延時
間差算出部7において、A/D変換器71は受信
回路4の出力をデジタル信号に変換する。A/D
変換器71のサンプルタイミングはクロツク源6
のクロツクパルスで制御される。このサンプルタ
イミングはパルス駆動器31,32と同期してい
るものとする。A/D変換器71の出力はメモリ
72に記憶される。メモリ72で記憶されたデー
タは、位相算出部73で入射プローブ波パルスの
位相の算出を行う。次に、制御駆動部3の遅延制
御部33は、パルス駆動器31及びパルス駆動器
32を動作させ、被検体15中にポンプ波パルス
とプローブ波パルスを送出する。このときプロー
ブ波パルスはポンプ波パルスの粒子速度が最大即
ちポンプ波形のピーク位置となるタイミング重畳
させる。被検体15中で交差、重畳したプローブ
波パルスとポンプ波パルスは被検体15中を伝搬
しながら非線形相互作用を行い、同時に被検体1
5の音響的性質の変化に対応して次々に散乱さ
れ、散乱された超音波は超音波変換器2において
受信される。受信された受信信号はポンプ波パル
スの無い場合と同様に位相算出部73で入射プロ
ーブ波パルスの位相の算出を行う。次に位相シフ
ト量算出部74は、この2つの位相、すなわちポ
ンプ波パルスの無い場合とポンプ波パルスの有る
場合の位相関係、すなわち重ね合わせの位置関係
から非線形相互作用による位相シフト量を求め、
遅延時間差変換部75で例えば(5)式に示すような
関係より遅延時間差τを求める。
τ=−∂φ/∂ω ……(5) 但しφ;位相、ω;角周波数 以上のようにある強さのポンプ波パルスの非線
形相互作用による遅延時間差τを求めることがで
きる。
次に、制御駆動部3の出力の状態変化に対応し
た第2図に示す波形により被検体15から受信信
号を得、処理する過程について説明する。
まず、制御駆動部3のパルス駆動器31及びパ
ルス駆動器32を動作させ、ポンプ波超音波変換
器1及びプローブ波超音波変換器2を駆動し、被
検体15中に位相状態A+を実現する。このとき
パルス駆動器31は前述の遅延時間差τを求めた
ときと同じ強度のポンプ波パルスを被検体15中
に送出する駆動パルスをポンプ波超音波変換器1
に送出するものとする。被検体13中で交差、重
畳したポンプ波パルスとプローブ波パルスは被検
体15中で散乱され、散乱された超音波は超音波
変換器2において受信される。受信された受信信
号は受信回路4で増幅され、信号処理部5へ送ら
れる。信号処理部5において、A/D変換器51
は受信回路4の出力をデジタル信号に変換する。
A/D変換器51のサンプルタイミングはクロツ
ク源6のクロツクパルスで制御される。このサン
プルタイミングはパルス駆動器31,32と同期
しているものとする。A/D変換器51の出力デ
ータはメモリ52で記憶される。次にメモリ52
で記憶されたデータの中で被検体15の深さZ1
相当する窓区間に相当するデータについて周波数
分析器53で周波数分析を行い周波数特性、すな
わちスペクトル分布P+(Z1、f)を求める。但し
fは周波数である。窓区間の長さとしては例えば
1cm程度とする。更に深さZ2に相当する窓区間に
相当するデータについてもスペクトル分布P+
(Z2、f)を求める。次に被検体15中に位相状
態A-を実現する。実現方法としては位相状態A+
におけるポンプ波パルスとプローブ波パルスの位
相関係、すなわち重ね合わせの位置関係を、ポン
プ波パルスに関して位相を180度ずらす、あるい
はポンプ波パルスの出力電圧の極性を反転させる
等で実現することが可能である。位相状態A-
おいて得られた受信信号についても同様に被検体
15の深さZ1におけるスペクトル分布P-(Z1
f)、深さZ2におけるスペクトル分布P-(Z2、f)
を求める。これらの受信信号のスペクトル分布
は、前述の各被検深さにおける入射プローブ波パ
ルスのスペクトル分布T、及び超音波散乱の周波
数特性Sを用いて以下のように表わすことでき
る。
P+(Z1、f)=T+(Z1、f)×S(Z1、f) ……(6) P-(Z1、f)=T-(Z1、f)×S(Z1、f) ……(7) P+(Z2、f)=T+(Z2、f)×S(Z2、f) ……(8) P-(Z2、f)=T-(Z2、f)×S(Z2、f) ……(9) すなわち前述のように、ポンプ波パルスが無い
ときの入射プローブ波パルスのスペクトル分布を
Tとしたとき、位相状態A+では入射プローブ波
パルスのスペクトル分布T+は高周波側へシフト
し、位相状態A-では入射プローブ波パルスのス
ペクトル分布T-は低周波側へシフトする。又、
被検体15が有する超音波の周波数依存減衰の影
響により入射プローブ波パルスの深さZ2における
スペクトル分布T(Z2、f)は、深さZ1における
スペクトル分布T(Z1、f)に比べて低周波側に
シフトする。受信信号が有するスペクトル分布の
中心周波数におけるシフト量の被検体15中の伝
搬距離依存を求めれば、被検体15中の超音波の
減衰特性を求めることが可能である。しかし、実
際には生体のような複雑な超音波散乱特性Sを有
する被検体15からの受信信号の中心周波数を求
めることは、この超音波散乱特性Sの周波数依存
により誤差が非常に大きいという問題があつた。
この超音波散乱特性Sの影響を無くすため、(6)と
(7)式、及び(8)と(9)式についてPの値が一致する周
波数を交差周波数演算部54で求める。すなわち
被検体15の深さZ1におけるスペクトル分布T+
(Z1、f)とT-(Z1、f)の交差する位置に対応
する周波数と深さZ2におけるスペクトル分布T+
(Z2、f)とT-(Z2、f)との交差する位置に対
応する周波数を求める。以上のように遅延時間差
算出部7はある強度のポンプ波パルスにおける遅
延時間差を求め、また信号処理部5では同じ強度
のポンプ波パルスにおける伝搬距離Z1のT+(Z1
f)とT-(Z1、f)の交差周波数と伝搬距離Z2
おけるT+(Z2、f)とT-(Z2、f)の交差周波数
を求めそれぞれメモリ8′に記憶する。このとき
の遅延時間差をτ1、伝搬距離Z1の交差周波数をf1
(Z1)、伝搬距離Z2の交差周波数をf2(Z2)とする。
次に制御駆動部3のパルス駆動器31は主制御
部14の制御信号により前述の遅延時間差τ1と異
なつた遅延時間差とするため、ポンプ波パルスの
強度を変更する駆動パルスを超音波変換器1に送
り、遅延時間差τ1と異なつた遅延時間差を生じる
ポンプ波パルスを被検体15中に送出する。前述
の説明と同様に遅延時間差算出部7は遅延時間差
を求め、信号処理部5では伝搬距離Z1における
T+(Z1、f)とT-(Z1、f)の交差周波数と伝搬
距離Z2におけるT+(Z1、f)とT-(Z1、f)の交
差周波数を求めそれぞれメモリ8に記憶する。こ
のときの遅延時間差をτ2、また伝搬距離Z1のT+
(Z1、f)とT-(Z1、f)の交差周波数をf2(Z1)、
伝搬距離Z2のT+(Z2、f)とT-(Z2、f)の交差
周波数ををf2(Z2)とする。次に中心周波数演算
部9は、メモリ8に記憶してある伝搬距離Z1に対
する遅延時間差τ1の交差周波数f1(Z1)と、遅延
時間差τ2の交差周波数f2(Z1)を用いて、第6図
に示すように遅延時間差τ0における周波数を、例
えば2点を通る直線との交点より求め、伝搬距離
Z1における中心周波数とする。同様に伝搬距離Z2
に対する遅延時間差τ1の交差周波数f1(Z2)と遅
延時間差τ2の交差周波数f2(Z2)より伝搬距離Z2
における中心周波数を求める。このようにして得
られた受信信号の伝搬距離Z1,Z2における中心周
波数をもとに減衰演算部10では伝搬距離Z1、Z2
間の中心周波数の変化より超音波減衰特性、例え
ば超音波減衰係数が算出されメモリ11記憶させ
る。
次に被検体15の温度を、例えばマイクロ波あ
るいは強力超音波を用いて加温し変化させる。前
述のように中心周波数演算部9は2種類の遅延時
間差τ1、τ2とそれに対する交差周波数より被検体
15内の同じ部位での被検深さZ1、Z2における中
心周波数を求め、更に減衰演算部10において被
検深さZ1、Z2間の超音波減衰係数が算出される。
次に温度変化演算部12は、メモリ11に記憶し
てある加温前の被検深さZ1、Z2間の超音波減衰係
数と、減衰演算部10の出力である加温後の被検
深さZ1、Z2間の超音波減衰係数とを用いて加温前
後の温度変化量を求め表示部13に表示させる。
以上の説明では、中心周波数を算出する場合に
2種類の遅延時間差τ1とτ2における各々のスペク
トル分布T+(f)、T-(f)の交差する周波数により任
意の伝搬距離に対する中心周波数の求める方式に
ついて説明したが、3種類以上の遅延時間差に対
する交差周波数を求め第6図において高次の曲線
で近似して求めることも可能であり、この場合中
心周波数の精度は高くなる。
以上の説明から明らかなように、本実施例によ
れば複数の遅延時間差とその遅延時間差に対応し
たスペクトル分布T+(f)、T-(f)の交差する周波数
のデータより受信信号の任意の被検深さでの中心
周波数を求め、異なつた被検深さでのこの中心周
波数の変化より超音波減衰係数を得ることが可能
であり、更にこの超音波減衰係数の変化から温度
変化量を得ることが可能である。更に測定場所を
変えることにより広範囲の超音波減衰係数の分布
を計測することができ、また広範囲の温度変化量
を計測することができる。
発明の効果 以上のように本発明は、制御駆動部により被検
体中にポンプ波パルスとプローブ波パルスを送出
し、非線形相互作用により遅延時間差と、被検体
中に実現したポンプ波パルスとプローブ波パルス
の位相状態A+,A-のそれぞれの位相状態に対応
した受信信号のスペクトル分布の交差する周波数
を求め、更に複数回ポンプ波パルスの強度を変え
遅延時間差を変更し交差周波数を求めることによ
り受信信号が有するスペクトル分布に中心周波数
を精度よく求めることができ、異なつた被検深さ
におけるこの中心周波数の変化より超音波減衰特
性を得ることができ、更にこの超音波減衰特性の
変化から温度変化量を求めることができ、例えば
癌温熱治療用の温度モニタとして利用することが
可能でありその効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における超音波測温
装置の機能ブロツク図、第2図a〜dは本発明の
一実施例における超音波変換器の出力波形を説明
する波形図、第3図a〜cは超音波パルス波形が
伝搬の非線形現象により歪みを生じることを説明
する波形図、第4図は本発明の一実施例における
入射プローブ波パルスのスペクトル特性図、第5
図は本発明の一実施例における中心周波数と交差
周波数の伝搬距離特性図、第6図は本発明の一実
施例における中心周波数の求める方法を説明する
交差周波数と遅延時間差の相関図、第7図は従来
の超音波減衰特性測定を説明する機能ブロツク図
である。 1,2……超音波変換器、3……制御駆動部、
4……受信回路、5……信号処理部、6……クロ
ツク源、7……遅延時間差算出部、8……メモ
リ、9……中心周波数演算部、10……減衰算出
部、11……メモリ、12……温度変化演算部、
13……表示部、14……主制御部、15……被
検体。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポンプ波超音波パルスを送出するポンプ波超
    音波変換器と、 前記ポンプ波超音波パルスより周波数の高いプ
    ローブ波超音波パルスを送出するプローブ波超音
    波変換器と、 前記ポンプ波超音波パルス、及び前記プローブ
    波超音波パルスの駆動を制御し、そのポンプ波超
    音波パルスの粒子速度が極小から極大に変化する
    領域でかつその変化率の最も大きい第1の位置、
    及び前記ポンプ波超音波パルスの粒子速度が極大
    から極小に変化する領域でかつその変化率の最も
    大きい第2の位置で、前記プローブ波超音波パル
    スを当該ポンプ波超音波パルスに重畳させる制御
    駆動部と、 前記ポンプ波超音波パルスによつて生じる前記
    プローブ波超音波パルスの遅延時間差を求める遅
    延時間差算出部と、 前記制御駆動部により、前記第1の位置に重畳
    した時の被検体からの受信信号のスペクトル分布
    と、前記第2の位置に重畳した時の被検体からの
    受信信号のスペクトル分布を求める周波数分析器
    と、 前記周波数分析器に接続され、前記第1、第2
    の位置における2つのスペクトル分布の交差する
    周波数を求める交差周波数演算部と、 前記ポンプ波超音波パルスの強度を変化させる
    パルス駆動部と、 前記交差周波数演算部の出力と前記遅延時間算
    出部の出力から前記プローブ波超音波パルスの受
    信信号の中心周波数を求める中心周波数演算部
    と、 前記中心周波数演算部の出力から超音波減衰特
    性を求める減衰算出部と、 前記減衰算出部に接続され、前記超音波減衰特
    性の変化より相対温度変化を求める温度変化演算
    部を具備することを特徴とする超音波測温装置。
JP62074128A 1987-03-30 1987-03-30 超音波測温装置 Granted JPS63240829A (ja)

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JPH02264647A (ja) * 1988-11-24 1990-10-29 Agency Of Ind Science & Technol 音響特性測定並びに測温方法およびその装置
JPH0614929B2 (ja) * 1989-07-05 1994-03-02 技術研究組合医療福祉機器研究所 超音波計測装置
JPH03258251A (ja) * 1990-03-09 1991-11-18 Gijutsu Kenkyu Kumiai Iryo Fukushi Kiki Kenkyusho 温度分布測定装置
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